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冒険者学校編
バザールの人にムーマ大陸の内情を聞いた
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みんなに、お酒が入るのを待って、シンさんに聞いた。
「シンさん、一つ聞いていいですか」
「なんでしょう。ユウ君は、ギルドメンバーです。なんでも答えますよ。ですが、この話は、サザンの人達にはしないでくださいと言ったらそうしてくださいね」
シンは、指を一本立てて、守秘義務を説いてきた。
「普通そうします。ですが、おれ、未来の王妃様と仲がいいです。これは、メアリー姫に話したほうがいいと判断したら相談していいですか」
「今の私では、メアリー姫に会う機会が無いので、判断しきれません。私が会える国の偉い人は、ニコル防衛長官までです。彼らには、まだ話せないと判断しています」
「分かりました。メアリー姫と繋がっている国の要人で、シンさんに会える人に心当たりがあります。魔法省のジャック大臣です。自分は、秘密を守りますが、会ってみてくれませんか」
「ユウ君は、面白い人ですね。それは、こちらからお願いしたいことです。では、ここからは、身内の話ということで。それで、何を聞きたいのですか」
「皆んさん、なんで、難民になったんですか。種族も立場も、職業も雑多そうに見えますけど」
「おいおい、おれたちは、ギルドメンバーだってさっき話しただろ」
「ゴドさん、酒臭いです。うーん、何て言えばいいかな。ムーマ大陸全土でギルドをやっているんでしょう。だったら、一つの国がだめでも、他国に行けばいいじゃないですか。一度、その国でダメになったら、他の国も全部だめになるんですか」
「いい疑問にゃ。ユウは、にゃかにゃか、いい線言ってるにゃ。それは簡単にゃ。私らは、風の民だからにゃ」
「風は、どこでも吹くでしょう。我ら森のギルドは、世界展開したいだけですよ。ムーマだけじゃなく、アストラル大陸もね。どうです凄いでしょう。今のが建前です」
ガクッ「本当は、何なんですか」
「商船貿易の護衛を引き受けると、必ず難民が出る。一度海の民に覚えられると、次は殺される。帰るのは厳しいんです。だから、貿易相手国に、生活基盤を作っているのですよ。アストラル大陸で、商船貿易と言ったらセイドン王国でしょう。ところが、難民になる理由が、海の魔王様の性なので、セイドン王国で、我々をかくまってもらえない。だから、同じ風属性の親密国であるサザン王国に助けてもらっているわけです。じつは、海の魔王様の性で、こうなるという話をまだ、サザン王国には、話していません。本当に好意で、我々は、ここに置かせてもらっているのです」
「なんで、話さないんですか」
「敵の魔王をもう一人増やしたいですか?それに魔王様の理由は、アストラル大陸から、ムーマ大陸を守っている。アストラル大陸もムーマ大陸を攻撃しているのです」
「変な宗教広めているにゃ」
「光教だったか。変な教えだぜ。あいつらの魔法は、なんかおかしいんだ」
「光教は、ノイエ法国の教義ですよね。まだ概要しか教えてもらっていないんだ。やっぱり、サザー帝国と、イスタル帝国が、先になるよ」
「光魔法には、癒しがあるでしょう。それを利用して、信者を増やしている。信者になると、同属性気質の身内にさえ、頑(かたく)なになったり、牙を向けたりする。おかしな教義です。我々の場合は、そんなのどうでもいいから、ムーマ大陸のように、人種と魔族、魔物、亜人種が、一緒に暮らせばいいじゃないかと思っています。だから、接触を断ちたくない。そうすると、こういう苦労をすることになる。同属性の人たちと話していると、普通に話せるのですが、変なのですよ」
「本当に変ですね。国の偉い人の意見をリリーのおかげで聞く機会がありましたけど、言っていることは、シンさん達と、そんなに変わらないです」
「身内だからな」
「そうにゃ」
風のエレメンタルに好かれる国民気質か。この人たちも自由だもんな。
「この話が、サザン王国に全部知られれば、セイドン王国と仲良くなんてできないでしょうね。だから、今は、細かい話をしたくない。向こうで、様々な理由で、暮らせなくなった。と、話しています。ムーマ大陸も、こっち同様、戦争がありますから」
「セイドン王国は、ムーマ大陸と貿易しているのに、難民を受け入れないんですもんね。それどころか、向こうでも何やらこそこそやっている。そりゃあ問い質したくなります。そう言えば、この間エルフさんたちを襲っていた海賊は、人種でしたよ。セイドン王国ってことですか」
「一部そう言う人もいるでしょうが、大半は、海の民、コラグ海の島民です。まあ、セイドン王国の人は、この人たちと仲がいいと思いますよ」
「コラグ海は、ムーマ大陸とアストラル大陸の間にある内海だ。あいつらは、そこで勝手に検閲やって、通行料を取る。やな奴らだぜ」
「ムーマ大陸の概要は、習いましたか?」
「まだです。アストラル大陸が終わってからじゃないかな」
「じゃあ、そこからにゃ。こういうのは、シンさんにゃ」
「では私が。アストラル大陸は、ハート形でしょう。ムーマ大陸はダイヤ型です」
「逆三角形ってことですか」
「それは宝石のダイヤにゃ」
「🔶だ菱形」
「その最先端部分がアストラル大陸に繋がっています。そこがゼゲイ魔王国です」
「分かります」
「では、セゲイ魔王国から時計回りに行きますね。東の国が、ハフマンド王国。王は、両棲の人魚です。領土は、コラグ海ですが。陸地の海岸側にも領土を持っています。イモウジ連山までが領土ですから、陸地も結構ありますよ。海は、ハインリッヒ魔王様の独断場です。海には巨大生物がうようよいて我々では、太刀打ちできません。大人しく航海するのが関の山です」
「空は、どうですか。鳥人族がいるじゃないですか」
「彼らは、そんなに重い物を持てません。長距離も、ここまで離れていたら無理です」
「我ら、牛を持ち上げることが出来るぞ」
「長い距離は無理だけどね」
「じゃあ気球を引っ張ってもらえばいいんじゃないかな」
「気球?」
「気球って何?」
「言いたいことは分かりますけど無理ですね。いずれにしても空は、ワイバーンやグリホンの領域です。彼らには、敵いませんよ。でも、そうですね、東端だと彼らは来ない。試す価値はあるでしょう。話を勧めますね。ムーマ大陸最南端が、ミュラン魔王国です。魔王様は、カルバン人と違って感情的なミュラン人。でも、会えば分かりますけど、楽しい人ですよ。ねっ、リリー」
「そうだけど、アストラル大陸に行けって言われた。ミル様殺されちゃうし、無茶苦茶だよ。会ったら一発殴りたい」
前の主人は、ミル様って言うんだ。でも、殴りたいとか言えるような魔王様なんだ。
「森がいっぱいあって綺麗な所にゃ」
「樹齢何千年って言う大木がゴロゴロあるんだぜ」
「帰りたいです」
「その気球って言うのを試そうよ」
「アストラル大陸は、ガイアの北半球。ムーマ大陸は南半球ですよ。無風地帯に入る風の道を探さないとガイアの北半球気流の性で、赤道を超えられません」
「私たちが風を読みに行くよ」
「ああ、やろう」
やっぱり故郷に帰りたいよな。鳥人族たちの意気込みがすごい。
「さて、風の国、南端のミュラン魔王国を、つい先に紹介してしまいましたが、このミュラン王国と人魚のハフマンド王国の間にある広大な土地が、ジェライド王国です。住人は恐竜族なので、殆どの種族は、虫けら状態です」
「そんなことないよ。みんな優しいよ」
「リリーは、飛べるからさ。オレらなんか相手にしていないんだよ」
「そうにゃ、踏みつぶされて、ごめんって言われても遅いにゃ」
「あそこは、飛べた方が安全ですね。それか、コルクって言う飛べない鳥がいるのですが、彼らに乗って旅をするのでしたら、鳥族は、恐竜と同族なので、間違えてけられたりする心配はありません」
なんかすごい話を聞いたー
「ジェライド王国には、聖獣様も住んでいます。もう老齢で、隠居の身ですので、よっぽどのことが無い限り、レックス王様も会いに行かないそうです」
さらっとレックスとか不吉な名前、来たぞーー
「最後が、ドワンゴ王国です。どこかで聞いた名前でしょう」
「サザン王国の南の国と同じ名前です」
「その通り、ここは地底怪獣や地底人やドワーフがたくさん住んでいる国です。ムーマ大陸は、東側に沿うようにコーマ連山が連なっています。この山脈に地下大都市がいくつもあるのです。海岸沿いは平野ですが、野放し状態です。コーマ連山の性で、猫の額程度です。ですが、大陸の猫の額と言ったら広大でしょう。ここに野生のゴブリンや、オークが原始的な生活をしています」
「我らの祖先もいますぞ」
みんな、そろそろ食事が終わって、おれの所に集まってきた。
「エルフの祖先ですか」
「ムーマ大陸は、ご先祖種族と、進化種族が、同じ大陸内で生活しています。原始種族は、ドワンゴ王国にほとんどいますが、内陸にも各国にもいますよ」
「恐竜がいるぐらいですからね」
「オークなんか見境ないよな。ミュラン王国は、食いものがいっぱいあるけど、誰かしらの所有が決まっている。だから、あいつらの討伐依頼がいっぱい来るんだ」
「オークが原始種族の時は、そう言うはしたない種族だったんだから仕方ないだろ。さすがにご先祖さまの討伐依頼は受けられなかった」
「だよな。おれらもそうだったよ」
「コーマ連山は、南端に届いていないんです。ミュラン王国は、ドワンゴ平野と平野繋がりなんですよ。それで、原始種族がいっぱい来る。それでギルドか発達したんです。だからと言って、さすがに、我々に迷惑をかけていないご先祖様たちを殲滅できません。よっぽど大量発生しないかぎり、わざわざドワンゴ王国に遠征することはありません」
「なんか、大変ですね」
「ゼゲイ魔王国も、ミュラン王国と同じなのですか、魔族の人達って結構容赦ないですから。北に上がるほど、原始種族は減ります」
「赤道は暑いしよ。オレ等なんかは、毛皮があるからキツイよ。ゼゲイの奴らは火属性だからな。ちょうどいいんじゃねえか」
「あれ?そう言えば、光属性の魔王はいないんですか」
「いいところに気づいたね。魔王様って、五芒星の魔王って言われているでしょう。属性一つずつに、一人魔王様がいて5人。ハフマンド王国の魔王ハインリッヒ様は水属性。ジェライド王国のレックス様は、闇属性。ミュラン王国のアウラカーン様は、風属性。ドワンゴ王国のイグナ様は土属性。セゲイ魔王国のゼゲイ様は、火属性です。光属性の魔王は、勇者と言われています」
「ええっ、ムーマ大陸だと。アストラル大陸の勇者イコール魔王なんですか」
「そりゃそうなるだろ」
「属性種族の代表にゃ」
「光属性の国は、アストラル大陸の国々、もしくは、その人族の代表だと、我々は、見ています。その中で一番強いのは勇者ないんでしょう」
「そうですけど、うちの学校の話に限りますけど、光属性が得意な生徒はいませんよ」
「そりゃそうだにゃ。サザン王国は風属性の気質をしているにゃ」
「風属性のクラスが一番多いですけど、火、水、土の学生もいないことはないです」
「光と闇の魔法は、生活魔法から、かけ離れているからではないですか」
「そうですよ。普段使わないじゃないですか」
エルフの人達が言うと説得力あるなー
「そうでもないんです。例えば、浮遊魔法って皆さん結構使っているでしょう。あれは闇魔法ですよ。それに、治療魔法は光魔法じゃないですか」
「風魔法の方が治りがいいです」
「リリーの言う通りだよ。光魔法は、相当腕が良くないと、現実的ではない。原子接合と言って無理やり組織を引っ付けて治療する魔法だからね」
「なるほど!原子接合。じゃあ、治療のやり方が、無理やりですね」
「ユウ様分かるんですか」
「おれらにゃあさっぱりな話だよ」
「そうかな。あれだろ、風魔法みたいに怪我をした人の治癒力を上げるんじゃなくて、傷口を無理矢り接合するってことだろ」
「ユウ君は、我々エルフの知恵を持っていますね」
「シン様、ユウ君は、我らの知識を理解できるのでは?」
「いいですね」
「ちょ、す、すいません。学校で、手一杯です」
「もったいない」
「そうだにゃ。教えてもらうにゃ」
「魔法も、まだ、初期魔法しかマスターしていないんだぞ」
「でもご主人様は、合成魔法が一つできるじゃないですか」
「そうだけど、あれは疲れるよ」
「そうなんですか?」
「なんだってー」
「そんな話、初めて聞いたにゃ」
「すばらしい」
「なるほど。魔法に注力したいというのは、良く分かりました。エルフの知識は、また今度ですね」
「すいません」
まさか、ムーマ大陸のギルドメンバーになれると思っていなかった。だけど、元々、バザールの亜人や獣人の人は、嫌いじゃなかった。良い仲間ができたと思った。
「シンさん、一つ聞いていいですか」
「なんでしょう。ユウ君は、ギルドメンバーです。なんでも答えますよ。ですが、この話は、サザンの人達にはしないでくださいと言ったらそうしてくださいね」
シンは、指を一本立てて、守秘義務を説いてきた。
「普通そうします。ですが、おれ、未来の王妃様と仲がいいです。これは、メアリー姫に話したほうがいいと判断したら相談していいですか」
「今の私では、メアリー姫に会う機会が無いので、判断しきれません。私が会える国の偉い人は、ニコル防衛長官までです。彼らには、まだ話せないと判断しています」
「分かりました。メアリー姫と繋がっている国の要人で、シンさんに会える人に心当たりがあります。魔法省のジャック大臣です。自分は、秘密を守りますが、会ってみてくれませんか」
「ユウ君は、面白い人ですね。それは、こちらからお願いしたいことです。では、ここからは、身内の話ということで。それで、何を聞きたいのですか」
「皆んさん、なんで、難民になったんですか。種族も立場も、職業も雑多そうに見えますけど」
「おいおい、おれたちは、ギルドメンバーだってさっき話しただろ」
「ゴドさん、酒臭いです。うーん、何て言えばいいかな。ムーマ大陸全土でギルドをやっているんでしょう。だったら、一つの国がだめでも、他国に行けばいいじゃないですか。一度、その国でダメになったら、他の国も全部だめになるんですか」
「いい疑問にゃ。ユウは、にゃかにゃか、いい線言ってるにゃ。それは簡単にゃ。私らは、風の民だからにゃ」
「風は、どこでも吹くでしょう。我ら森のギルドは、世界展開したいだけですよ。ムーマだけじゃなく、アストラル大陸もね。どうです凄いでしょう。今のが建前です」
ガクッ「本当は、何なんですか」
「商船貿易の護衛を引き受けると、必ず難民が出る。一度海の民に覚えられると、次は殺される。帰るのは厳しいんです。だから、貿易相手国に、生活基盤を作っているのですよ。アストラル大陸で、商船貿易と言ったらセイドン王国でしょう。ところが、難民になる理由が、海の魔王様の性なので、セイドン王国で、我々をかくまってもらえない。だから、同じ風属性の親密国であるサザン王国に助けてもらっているわけです。じつは、海の魔王様の性で、こうなるという話をまだ、サザン王国には、話していません。本当に好意で、我々は、ここに置かせてもらっているのです」
「なんで、話さないんですか」
「敵の魔王をもう一人増やしたいですか?それに魔王様の理由は、アストラル大陸から、ムーマ大陸を守っている。アストラル大陸もムーマ大陸を攻撃しているのです」
「変な宗教広めているにゃ」
「光教だったか。変な教えだぜ。あいつらの魔法は、なんかおかしいんだ」
「光教は、ノイエ法国の教義ですよね。まだ概要しか教えてもらっていないんだ。やっぱり、サザー帝国と、イスタル帝国が、先になるよ」
「光魔法には、癒しがあるでしょう。それを利用して、信者を増やしている。信者になると、同属性気質の身内にさえ、頑(かたく)なになったり、牙を向けたりする。おかしな教義です。我々の場合は、そんなのどうでもいいから、ムーマ大陸のように、人種と魔族、魔物、亜人種が、一緒に暮らせばいいじゃないかと思っています。だから、接触を断ちたくない。そうすると、こういう苦労をすることになる。同属性の人たちと話していると、普通に話せるのですが、変なのですよ」
「本当に変ですね。国の偉い人の意見をリリーのおかげで聞く機会がありましたけど、言っていることは、シンさん達と、そんなに変わらないです」
「身内だからな」
「そうにゃ」
風のエレメンタルに好かれる国民気質か。この人たちも自由だもんな。
「この話が、サザン王国に全部知られれば、セイドン王国と仲良くなんてできないでしょうね。だから、今は、細かい話をしたくない。向こうで、様々な理由で、暮らせなくなった。と、話しています。ムーマ大陸も、こっち同様、戦争がありますから」
「セイドン王国は、ムーマ大陸と貿易しているのに、難民を受け入れないんですもんね。それどころか、向こうでも何やらこそこそやっている。そりゃあ問い質したくなります。そう言えば、この間エルフさんたちを襲っていた海賊は、人種でしたよ。セイドン王国ってことですか」
「一部そう言う人もいるでしょうが、大半は、海の民、コラグ海の島民です。まあ、セイドン王国の人は、この人たちと仲がいいと思いますよ」
「コラグ海は、ムーマ大陸とアストラル大陸の間にある内海だ。あいつらは、そこで勝手に検閲やって、通行料を取る。やな奴らだぜ」
「ムーマ大陸の概要は、習いましたか?」
「まだです。アストラル大陸が終わってからじゃないかな」
「じゃあ、そこからにゃ。こういうのは、シンさんにゃ」
「では私が。アストラル大陸は、ハート形でしょう。ムーマ大陸はダイヤ型です」
「逆三角形ってことですか」
「それは宝石のダイヤにゃ」
「🔶だ菱形」
「その最先端部分がアストラル大陸に繋がっています。そこがゼゲイ魔王国です」
「分かります」
「では、セゲイ魔王国から時計回りに行きますね。東の国が、ハフマンド王国。王は、両棲の人魚です。領土は、コラグ海ですが。陸地の海岸側にも領土を持っています。イモウジ連山までが領土ですから、陸地も結構ありますよ。海は、ハインリッヒ魔王様の独断場です。海には巨大生物がうようよいて我々では、太刀打ちできません。大人しく航海するのが関の山です」
「空は、どうですか。鳥人族がいるじゃないですか」
「彼らは、そんなに重い物を持てません。長距離も、ここまで離れていたら無理です」
「我ら、牛を持ち上げることが出来るぞ」
「長い距離は無理だけどね」
「じゃあ気球を引っ張ってもらえばいいんじゃないかな」
「気球?」
「気球って何?」
「言いたいことは分かりますけど無理ですね。いずれにしても空は、ワイバーンやグリホンの領域です。彼らには、敵いませんよ。でも、そうですね、東端だと彼らは来ない。試す価値はあるでしょう。話を勧めますね。ムーマ大陸最南端が、ミュラン魔王国です。魔王様は、カルバン人と違って感情的なミュラン人。でも、会えば分かりますけど、楽しい人ですよ。ねっ、リリー」
「そうだけど、アストラル大陸に行けって言われた。ミル様殺されちゃうし、無茶苦茶だよ。会ったら一発殴りたい」
前の主人は、ミル様って言うんだ。でも、殴りたいとか言えるような魔王様なんだ。
「森がいっぱいあって綺麗な所にゃ」
「樹齢何千年って言う大木がゴロゴロあるんだぜ」
「帰りたいです」
「その気球って言うのを試そうよ」
「アストラル大陸は、ガイアの北半球。ムーマ大陸は南半球ですよ。無風地帯に入る風の道を探さないとガイアの北半球気流の性で、赤道を超えられません」
「私たちが風を読みに行くよ」
「ああ、やろう」
やっぱり故郷に帰りたいよな。鳥人族たちの意気込みがすごい。
「さて、風の国、南端のミュラン魔王国を、つい先に紹介してしまいましたが、このミュラン王国と人魚のハフマンド王国の間にある広大な土地が、ジェライド王国です。住人は恐竜族なので、殆どの種族は、虫けら状態です」
「そんなことないよ。みんな優しいよ」
「リリーは、飛べるからさ。オレらなんか相手にしていないんだよ」
「そうにゃ、踏みつぶされて、ごめんって言われても遅いにゃ」
「あそこは、飛べた方が安全ですね。それか、コルクって言う飛べない鳥がいるのですが、彼らに乗って旅をするのでしたら、鳥族は、恐竜と同族なので、間違えてけられたりする心配はありません」
なんかすごい話を聞いたー
「ジェライド王国には、聖獣様も住んでいます。もう老齢で、隠居の身ですので、よっぽどのことが無い限り、レックス王様も会いに行かないそうです」
さらっとレックスとか不吉な名前、来たぞーー
「最後が、ドワンゴ王国です。どこかで聞いた名前でしょう」
「サザン王国の南の国と同じ名前です」
「その通り、ここは地底怪獣や地底人やドワーフがたくさん住んでいる国です。ムーマ大陸は、東側に沿うようにコーマ連山が連なっています。この山脈に地下大都市がいくつもあるのです。海岸沿いは平野ですが、野放し状態です。コーマ連山の性で、猫の額程度です。ですが、大陸の猫の額と言ったら広大でしょう。ここに野生のゴブリンや、オークが原始的な生活をしています」
「我らの祖先もいますぞ」
みんな、そろそろ食事が終わって、おれの所に集まってきた。
「エルフの祖先ですか」
「ムーマ大陸は、ご先祖種族と、進化種族が、同じ大陸内で生活しています。原始種族は、ドワンゴ王国にほとんどいますが、内陸にも各国にもいますよ」
「恐竜がいるぐらいですからね」
「オークなんか見境ないよな。ミュラン王国は、食いものがいっぱいあるけど、誰かしらの所有が決まっている。だから、あいつらの討伐依頼がいっぱい来るんだ」
「オークが原始種族の時は、そう言うはしたない種族だったんだから仕方ないだろ。さすがにご先祖さまの討伐依頼は受けられなかった」
「だよな。おれらもそうだったよ」
「コーマ連山は、南端に届いていないんです。ミュラン王国は、ドワンゴ平野と平野繋がりなんですよ。それで、原始種族がいっぱい来る。それでギルドか発達したんです。だからと言って、さすがに、我々に迷惑をかけていないご先祖様たちを殲滅できません。よっぽど大量発生しないかぎり、わざわざドワンゴ王国に遠征することはありません」
「なんか、大変ですね」
「ゼゲイ魔王国も、ミュラン王国と同じなのですか、魔族の人達って結構容赦ないですから。北に上がるほど、原始種族は減ります」
「赤道は暑いしよ。オレ等なんかは、毛皮があるからキツイよ。ゼゲイの奴らは火属性だからな。ちょうどいいんじゃねえか」
「あれ?そう言えば、光属性の魔王はいないんですか」
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「ええっ、ムーマ大陸だと。アストラル大陸の勇者イコール魔王なんですか」
「そりゃそうなるだろ」
「属性種族の代表にゃ」
「光属性の国は、アストラル大陸の国々、もしくは、その人族の代表だと、我々は、見ています。その中で一番強いのは勇者ないんでしょう」
「そうですけど、うちの学校の話に限りますけど、光属性が得意な生徒はいませんよ」
「そりゃそうだにゃ。サザン王国は風属性の気質をしているにゃ」
「風属性のクラスが一番多いですけど、火、水、土の学生もいないことはないです」
「光と闇の魔法は、生活魔法から、かけ離れているからではないですか」
「そうですよ。普段使わないじゃないですか」
エルフの人達が言うと説得力あるなー
「そうでもないんです。例えば、浮遊魔法って皆さん結構使っているでしょう。あれは闇魔法ですよ。それに、治療魔法は光魔法じゃないですか」
「風魔法の方が治りがいいです」
「リリーの言う通りだよ。光魔法は、相当腕が良くないと、現実的ではない。原子接合と言って無理やり組織を引っ付けて治療する魔法だからね」
「なるほど!原子接合。じゃあ、治療のやり方が、無理やりですね」
「ユウ様分かるんですか」
「おれらにゃあさっぱりな話だよ」
「そうかな。あれだろ、風魔法みたいに怪我をした人の治癒力を上げるんじゃなくて、傷口を無理矢り接合するってことだろ」
「ユウ君は、我々エルフの知恵を持っていますね」
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「いいですね」
「ちょ、す、すいません。学校で、手一杯です」
「もったいない」
「そうだにゃ。教えてもらうにゃ」
「魔法も、まだ、初期魔法しかマスターしていないんだぞ」
「でもご主人様は、合成魔法が一つできるじゃないですか」
「そうだけど、あれは疲れるよ」
「そうなんですか?」
「なんだってー」
「そんな話、初めて聞いたにゃ」
「すばらしい」
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夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
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