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水の王女シレーヌのゆうつ
王妃ミレーネ・ハフマンド
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今日遥は、ユウにイスタル王国から連れ去られた時に着ていた白いドレスを着ている。遥は最初、リリーに、ピーターパンの妖精、ティンカーベルのコスプレをさせようとしていた。そんな水着見たいな恰好で、街を歩いている人はいない。それでも遥はごり押ししてリリーには、ティンカーベルの緑の衣装のおとなしい版で、さらに透けた薄い布で、覆い隠し、綺麗な脚もタイツという、遥には可愛いんだけど残念で、リリーにとっては、体の線が出まくりという大胆な衣装で出かけることになった。
「リリー、よくそれ着たな」
「なんとか」
「まだまだね」
遥は、水の魔法のアイスを覚えたおかげで、厚着しても涼しい状態。自分を薄くエアーシェルで覆って、湿度と気温を調整している。合成ではないが、いつの間にか、2属性の魔法を同時に使っている。いずれにせよ自分から見たら魔力の無駄使い。自然と共に生きる日本人の心を思い出せと、また、説教しようと思っている。が、今日は仕方ない。正式な衣装を着なければいけないこともある。
「私は、冒険者学校の制服でいいと思うんですけど」
「そっちが大妖精の正式な衣装なの」(遥の独断。その上、金貨2枚も取られた)
「まあまあ」
ノームに、リリーは、自分で風の魔力を生成していると言ったら、じゃあ、リリーナは、大精霊だよと言っていた。でも、自分の使い魔なので、大妖精でも合っている。本人は、大妖精から卒業する気はないらしい。だから、おれのパートナーの、遥の無理難題も聞いちゃったりするのである。
「お昼は持ったか?」
「バッチリ」
「お茶も持参です」
「じゃあ行こう。リリー共感覚」
「イエス、マスター」
おれたちは、対岸3キロ先にあるパール宮を目指した。
ハフマンド王の王宮がある白亜の城上空には、大きなドーム型の水の結界がある。そして、パール宮、貝の間には、小さいが風の結界がある。水の結界は、遥が、風の結界は、リリーがすり抜けた。その間も姿を消したままシレーヌの部屋に到着。朝食が済んだシレーヌが物憂いげに、ベットに座っているのを見た。せっかく、ビヨンド王子と文通できているのに、ゆ鬱そうだ。こういう時は、女同士の方が理由を聞けると思う。
「シレーヌ様、ゆ鬱そうですね」
「なんだろうな。遥、聞いてくれ」
「任せて」
おれたちは、テラスに降り立って、姿を現した。
「おはようございます。今日は、約束通り二人を連れてきました」
「ユウ、来てくれたのね」
「遥です」
「ハウルカ・ルガル・イスタルです」
スカートをちょっと持ち上げ正式な挨拶。
「それからリリーです」
「リリーナ・メイプル・ポポックルだよ」
手を前に結んで、ペコっと頭を下げる。今日は、ちょっと恥ずかしい。
そこにベッドの影から、女の人が出て来た。
「三人とも、歓迎しますわ」
「ごめんなさい。母です」
「ミレーネ・ハフマンドよ。イスタル王女に、探していたミュラン王女まで一緒に来るなんて、今日はいい日ね」
「お父さんは、知らないから」
「夫は、コロシアムよ。今日は、ゆっくりしていってね」
あー、ゆ鬱な理由が分かったと三人。手紙の量が半端なかったから、母親にばれた。
「ハウルカ、まさか、こんな日が来るなんて思わなかったわ。正式ではないにしても、私たちとイスタルは、大きな一歩を踏み出した。それでよろしいかしら」
「わたしは、国を出た身です。個人的な一歩とお考え下さい」
「十分よ、ハウルカ」
「そう思います。さて、リリーナ。よくぞ生きていました。わたくしたちは、あなたのミラが死んだことを確認しました。もうだめだと思っていたのです。国へは、そこまでの情報を送ってしまった。訂正しないといけませんね。今までの話を聞かせてください」
「ご主人様!」
「仕方ない」
多分、おれたちの冒険譚まで話したいのだろう。遥の話も絡むし。どうせリリーは、部分的に話を隠すことはできない。好きに話せと目で合図した。それに遥の中にいるシップウ(風竜)が、なんだかうずうずしていて仕方ない。初めて入る竜宮城だから仕方ないか。
「それから、えっと」
― 早く紹介せんか
「風の聖獣様です。今は、遥を守るために遥の中に居ます」
― 風竜だ。ここはいいところだのう
「聖獣様」
「聖獣様でいらっしゃいますか」
二人は、後ずさって平伏した。
― やめんか。わしも隠密だ。詳しくは、遥とリリーに聞け
「ご主人様、また、難しい話は任せていいですか」
― またか
― 二人の驚き様。ミレーネ王妃の上前をはねるよな、シップウは
― そんな気もないがな
― おれもサザンのみんなのことが聞きたい
― みんなすごいぞ。おっ・・・また今度な
ガクッ
リリーの冒険譚が始まった。出だしは吟遊詩人のとおり。そして海賊。おれと契約して命拾いした。サザンの国民に認められ、冒険者学校の学生に、しかし、光の聖獣ロトに邪魔された。
光の魔獣や天使との戦い、遥奪還。ミレーネ王妃とシレーヌ王女は、話に吸い込まれていった。
― ムーマ大陸とアストラル大陸の確執の元凶は、光の聖獣ロトだ
「わかります」
「実感しましたわ」
風竜が、また味方を増やした。
そして、遥とおれの話。
異世界からロトに召喚された遥は、召喚されるにあたって条件を出した。おれを巻き込むこと。そう、おれは、遥の召喚に巻き込まれた人なのだ。大笑いするシップウ。なんか悔しい。しかし、ロトのおれへの扱いが普通でなかった。おれとシップウは、ロトの本心を暴いた。そして遥奪還。現在こうしている。
「そう言う事なら協力を惜しみません」
「ハウルカは、国に戻るの?」
「そのつもり。民のことが気になります。でも、今は、ムーマ大陸を旅したい」
「いい心がけよ」
「ハウルカが、女王になればいいのよ」
長い話だった。おれは、コロシアムに行かないといけない。時間だ。
「すいません。おれ、コロシアムに行かないといけないんで退散します。二人は自力で、結界を破れますんで、夕方までいられます。それじゃあ」
― わしも、ホームラ王国の中央山脈に用だ。ダンジョンで動きがあったようだ。
「面白そうな事をしているじゃないか。おれもかませろ」
― 無理に決まっとろう。遠すぎる
「ダンジョンいいな」
― 諦めんか
「仕方ないそれじゃあ」
― またな
シップウは、中央山脈のダンジョンに、おれは、テラスから、コロシアムに向かって飛び立った。後は、女四人。かしましくやるのだろう。四人は、テラスまで出て、おれを見送ってくれた。
「リリー、よくそれ着たな」
「なんとか」
「まだまだね」
遥は、水の魔法のアイスを覚えたおかげで、厚着しても涼しい状態。自分を薄くエアーシェルで覆って、湿度と気温を調整している。合成ではないが、いつの間にか、2属性の魔法を同時に使っている。いずれにせよ自分から見たら魔力の無駄使い。自然と共に生きる日本人の心を思い出せと、また、説教しようと思っている。が、今日は仕方ない。正式な衣装を着なければいけないこともある。
「私は、冒険者学校の制服でいいと思うんですけど」
「そっちが大妖精の正式な衣装なの」(遥の独断。その上、金貨2枚も取られた)
「まあまあ」
ノームに、リリーは、自分で風の魔力を生成していると言ったら、じゃあ、リリーナは、大精霊だよと言っていた。でも、自分の使い魔なので、大妖精でも合っている。本人は、大妖精から卒業する気はないらしい。だから、おれのパートナーの、遥の無理難題も聞いちゃったりするのである。
「お昼は持ったか?」
「バッチリ」
「お茶も持参です」
「じゃあ行こう。リリー共感覚」
「イエス、マスター」
おれたちは、対岸3キロ先にあるパール宮を目指した。
ハフマンド王の王宮がある白亜の城上空には、大きなドーム型の水の結界がある。そして、パール宮、貝の間には、小さいが風の結界がある。水の結界は、遥が、風の結界は、リリーがすり抜けた。その間も姿を消したままシレーヌの部屋に到着。朝食が済んだシレーヌが物憂いげに、ベットに座っているのを見た。せっかく、ビヨンド王子と文通できているのに、ゆ鬱そうだ。こういう時は、女同士の方が理由を聞けると思う。
「シレーヌ様、ゆ鬱そうですね」
「なんだろうな。遥、聞いてくれ」
「任せて」
おれたちは、テラスに降り立って、姿を現した。
「おはようございます。今日は、約束通り二人を連れてきました」
「ユウ、来てくれたのね」
「遥です」
「ハウルカ・ルガル・イスタルです」
スカートをちょっと持ち上げ正式な挨拶。
「それからリリーです」
「リリーナ・メイプル・ポポックルだよ」
手を前に結んで、ペコっと頭を下げる。今日は、ちょっと恥ずかしい。
そこにベッドの影から、女の人が出て来た。
「三人とも、歓迎しますわ」
「ごめんなさい。母です」
「ミレーネ・ハフマンドよ。イスタル王女に、探していたミュラン王女まで一緒に来るなんて、今日はいい日ね」
「お父さんは、知らないから」
「夫は、コロシアムよ。今日は、ゆっくりしていってね」
あー、ゆ鬱な理由が分かったと三人。手紙の量が半端なかったから、母親にばれた。
「ハウルカ、まさか、こんな日が来るなんて思わなかったわ。正式ではないにしても、私たちとイスタルは、大きな一歩を踏み出した。それでよろしいかしら」
「わたしは、国を出た身です。個人的な一歩とお考え下さい」
「十分よ、ハウルカ」
「そう思います。さて、リリーナ。よくぞ生きていました。わたくしたちは、あなたのミラが死んだことを確認しました。もうだめだと思っていたのです。国へは、そこまでの情報を送ってしまった。訂正しないといけませんね。今までの話を聞かせてください」
「ご主人様!」
「仕方ない」
多分、おれたちの冒険譚まで話したいのだろう。遥の話も絡むし。どうせリリーは、部分的に話を隠すことはできない。好きに話せと目で合図した。それに遥の中にいるシップウ(風竜)が、なんだかうずうずしていて仕方ない。初めて入る竜宮城だから仕方ないか。
「それから、えっと」
― 早く紹介せんか
「風の聖獣様です。今は、遥を守るために遥の中に居ます」
― 風竜だ。ここはいいところだのう
「聖獣様」
「聖獣様でいらっしゃいますか」
二人は、後ずさって平伏した。
― やめんか。わしも隠密だ。詳しくは、遥とリリーに聞け
「ご主人様、また、難しい話は任せていいですか」
― またか
― 二人の驚き様。ミレーネ王妃の上前をはねるよな、シップウは
― そんな気もないがな
― おれもサザンのみんなのことが聞きたい
― みんなすごいぞ。おっ・・・また今度な
ガクッ
リリーの冒険譚が始まった。出だしは吟遊詩人のとおり。そして海賊。おれと契約して命拾いした。サザンの国民に認められ、冒険者学校の学生に、しかし、光の聖獣ロトに邪魔された。
光の魔獣や天使との戦い、遥奪還。ミレーネ王妃とシレーヌ王女は、話に吸い込まれていった。
― ムーマ大陸とアストラル大陸の確執の元凶は、光の聖獣ロトだ
「わかります」
「実感しましたわ」
風竜が、また味方を増やした。
そして、遥とおれの話。
異世界からロトに召喚された遥は、召喚されるにあたって条件を出した。おれを巻き込むこと。そう、おれは、遥の召喚に巻き込まれた人なのだ。大笑いするシップウ。なんか悔しい。しかし、ロトのおれへの扱いが普通でなかった。おれとシップウは、ロトの本心を暴いた。そして遥奪還。現在こうしている。
「そう言う事なら協力を惜しみません」
「ハウルカは、国に戻るの?」
「そのつもり。民のことが気になります。でも、今は、ムーマ大陸を旅したい」
「いい心がけよ」
「ハウルカが、女王になればいいのよ」
長い話だった。おれは、コロシアムに行かないといけない。時間だ。
「すいません。おれ、コロシアムに行かないといけないんで退散します。二人は自力で、結界を破れますんで、夕方までいられます。それじゃあ」
― わしも、ホームラ王国の中央山脈に用だ。ダンジョンで動きがあったようだ。
「面白そうな事をしているじゃないか。おれもかませろ」
― 無理に決まっとろう。遠すぎる
「ダンジョンいいな」
― 諦めんか
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