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第一部五章 軍神
宿坊と女
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赤備え衆と上杉軍の衝突の結果、千曲川を挟んで睨み合う形となった両軍。
戦況はこのまま膠着するかに思われたが――、
三日後に、事態は急転した。
「う――上杉軍が撤退しております!」
「――何?」
早暁に、見張りの兵からの報せを受け、信繁と信豊、そして虎昌は、驚きつつ千曲川の河原に急いだ。
千曲川の対岸は、川中島特有の朝霧に覆われて霞んでいたが、確かに先日まで、岸で犇めくように林立していた上杉の旗印が、影も形も見えなかった。
すかさず、斥候隊に川を渡らせ、対岸の様子を探らせるが、戻ってきた斥候達は、上杉軍が軍列を並べて八幡原を北上していると報告した。
その話に、信繁達は困惑の表情を浮かべて、顔を見合わせた。
「……どういう事でしょうか? 斯様に突然……」
「もしや、三日前と同じ策なのではなかろうか? ……撤退すると見せかけて我らを八幡原に誘き寄せ、包囲殲滅せんという――」
訝しむ信豊にそう言ったのは、三日前に自身が手痛くしてやられたばかりの虎昌だった。
だが、信繁は、飯富の言葉に頭を振った。
「いや……上杉輝虎も、我らに同じ手が二度も通じるとは思ってはおるまい。……それに、あの男の気性から考えて、続けざまに同じ策を繰り出す事自体を好まないように思う。まあ、あくまで恐らく、だがな……」
「……確かに」
信繁の意見に、虎昌も深く頷いた。だが、腑に落ちないといった顔で首を傾げる。
「――で、あれば、奴らの動きは何なのでしょうな? このまま、越後へ引き上げるつもりなのであろうか……?」
「何か、火急の事があったのやもしれぬな。越後国内か、或いは隣国の越中 (現在の富山県)か出羽 (現在の山形県)との国境あたりで……」
「――まあ、大方、そういった所でしょうなぁ」
と、信繁達の背後から、間延びした声が割り込んできた。
三人が振り返ると、そこには、寝間着の袷に無造作に手を突っ込んで身体をボリボリと掻きながら、暢気に大欠伸をしている真田幸綱が立っていた。
妙な確信に満ちた幸綱の言葉に、信繁は眉を顰めながら尋ねる。
「何だ? 何か、我らが知らぬ情報でも知っておるような口ぶりだな、弾正」
「いやいや、そういう訳では御座りませぬが、大方の察しはつき申す」
寝惚け眼を擦りつつ、幸綱は口の端に笑みを浮かべて言った。
「元々、上杉輝虎は、三年前の決着を今度こそつける覚悟で、自ら軍を率いて川中島までやって来たのでしょうな。その覚悟をも曲げざるを得ない何かが起こった。――恐らく、越中の一向一揆がまた騒ぎ出したのか、どこぞの城主が、誰かの内応の誘いに乗ったのか――或いはその両方か……」
幸綱はそう言うと、髭を撫でるフリをして、思わず浮かんだ含み笑いを隠す。
彼は、敢えてぼかして言ったが、信繁には、その意味が何か、すぐに分かった。
「……兄上――お屋形様か」
「……」
「箕輪からお屋形様が手を回して、越後に蒔いた不穏の種を芽吹かせた――そういう事か……」
「――恐らく」
信繁の言葉に、幸綱は静かに頷いた。
「越中の神保とは、以前より盛んに誼を通じておりますし、一向門徒の宗主である顕如殿は、お屋形様の義兄弟 (信玄の妻と顕如の妻は、共に公卿・三条公頼の娘)ですからのぅ。書状の一通でも送れば、我らの動きに合わせて騒ぎを起こさせるのは容易い事かと」
「……ふむう」
幸綱の言う事に、信繁は思わず唸った。
「……ど、どういう事でござるか? そ……某には、よく分からないのですが……」
ふたりの会話を聞いていた信豊が、目をパチクリさせながら聞いてきた。そんな彼に苦笑を向けて、幸綱は慰めるように答える。
「カッカッカッ。六郎次郎殿が理解るには、まだ早いかもしれませぬな。――まあ、こういう戦の仕方もあるという事でござるよ」
「……?」
幸綱の言葉に、釈然としない顔をするが、それでも何となく若輩と侮られたらしい事だけは察して、その頬を膨らませる信豊の顔に思わず噴き出しかける信繁だったが、何とか堪えて、川の向こうに視線を向ける。
そして、再び居合わせた者たちの顔をぐるりと見回しながら告げた。
「……三日前の事もある。取り敢えず、霧が晴れ次第、向こうの出方を見ながら、慎重に八幡原へ押し出す事としよう。良いな」
◆ ◆ ◆ ◆
ようやく、分厚い川霧が晴れたのは、辰の刻 (午前十時)を過ぎた頃だった。広瀬の渡しの武田軍の内千五百が、信繁の下知に従い、斥候を放ちながらゆっくりと千曲川を渡り、八幡原へと進軍していく。
その途中で、雨宮の渡しから北上してきた武田義信・武藤昌幸隊と合流し、その総勢は三千程となった。
武田軍は、十分に警戒しつつ、八幡原に陣を展開した。
だが、程なく――、
偵察から戻ってくる斥候や乱破の報告から、上杉軍が完全に川中島から退却した事を知る。
幸綱の読み通り、越後か越中で何事か変事が起こり、急ぎ帰国の途についた模様だった。
もう、この一帯に上杉軍の姿が無い事を知った信繁と義信、そして諸将達は、正直肩すかしを食らった様な気分を抱きつつ、更に軍を進め、数日前まで上杉軍が本陣を置いていた善光寺に到る。
日も沈み、これ以上の行軍は難しいと判断した義信は、善光寺で陣を張る事とした。
善光寺宿坊の中でも最大の宿坊を本陣と定め、義信と信繁がその中に入る。
「主殿。この様なむさ苦しい格好で、大勢で押しかけて相済まぬな。世話になるぞ」
テキパキと、設陣の指揮を執りながら、信繁は挨拶に来た宿坊の主人に向かって、気さくに言った。
宿坊の主人は、ヘコヘコと頭を下げながら、恐縮しきりといった様子で答える。
「い……いえ、滅相も御座いませぬ。武田様の本陣として、どうぞご存分にお使い下さいまし――」
「まあ、そう大仰に構えずとも良い。なるべくお主達の迷惑にならぬよう、兵達には申し伝えておく故、安心するが良い」
「――禁制も立てた。万が一、我が兵が狼藉を働いたならば、遠慮なく訴え出るが良い。この武田太郎義信の名にかけて、不埒者は厳しく処断するからの」
宿坊の家人全員に向けた信繁と義信の言葉に、主人は深々と頭を下げながら、安堵の表情を浮かべたのだった。
◆ ◆ ◆ ◆
本陣の設営が終わり、軽い夕餉を済ませた信繁は、宛がわれた宿坊の一室で刀の手入れをしていた。
信繁の刀は、三日前の戦いであちこちに刃毀れが生じており、その刀身の表面にはうっすらと、血と脂が浮いている。
「……府中に帰ったら、研ぎに出さねばならぬの」
信繁は、燭台の灯りに刀身を翳しながら呟いた。
――と、その時、
「……失礼致します」
閉めた襖の向こうから、細い声が聞こえた。
信繁はハッとして、手にした刀を握り直し、静かに問い質す。
「……何用だ」
「……お寝みになられる前に、お酒でもいかがと思いまして――。一献、お持ち致しました」
艶やかな女の声が返ってきた。
(……酒?)
信繁は一瞬、上杉の手の者かと警戒するが、逡巡する間もなく襖が開く。
入ってきたのは、徳利と盃、そして肴の梅干しを載せた膳を両手で掲げ持つ、質素な小袖を着たひとりの女。
――美しい女だった。
艶やかな黒髪を背中で纏め、薄く白粉をふいた肌はきめ細かく、細く紅を引いた形の良い唇は、ぷっくりと瑞々しい。
「……!」
無断で室内に入ってきた者を厳しく誰何しようとした信繁だったが、女の美しさにすっかり毒気を抜かれ、何も言えずに、ただただ彼女に見惚れてしまっている。
そんな彼を尻目に、女は後ろ手で襖を閉めると、板敷きの床の上に手をつき、深々と頭を垂れた。
と、信繁は、やっと我に返った。
腰を浮かし、刀を構えて、鋭い声で女に尋ねる。
「……お主、何者だ。上杉の刺客か? その度胸は褒めてやるが、些か無謀に過ぎるな。敵のただ中で将の首を獲りに来るとは……」
「ふふふ……違いまする。刺客などではございませぬよ」
女は、信繁の言葉を聞くと、その切れ長の目を細めて微笑んだ。
そして、妖艶な仕草で小首を傾げる。
「私は、貴方様と酒を酌み交わしに参っただけです――武田左馬助信繁様」
「……貴様、何奴……!」
「……もう、お忘れですか? たった三日前に、あれ程激しく刃を交えましたのに」
「――ッ!」
女の言葉を聞き、信繁の顔が驚愕に満ちた。
「……ま――まさか、お主……はッ?」
「――やれやれ。女子の格好は窮屈だな。帯が苦しくてかなわぬ」
隻眼を見開き固まったままの信繁を前に、急に相好を崩し、肩を揉みながら足を崩す女。
そして、その切れ長の目で、信繁の顔を真っ直ぐに見据えると、ニヤリと不敵な笑いを浮かべて言う。
「……武田左馬助信繁。戦場以外で会うのは初めてだな」
そして彼女――否、彼は、ごほんと咳払いをすると、威厳に満ちた声で言葉を継いだ。
「余こそは、関東管領・上杉弾正少弼輝虎である」
――と。
戦況はこのまま膠着するかに思われたが――、
三日後に、事態は急転した。
「う――上杉軍が撤退しております!」
「――何?」
早暁に、見張りの兵からの報せを受け、信繁と信豊、そして虎昌は、驚きつつ千曲川の河原に急いだ。
千曲川の対岸は、川中島特有の朝霧に覆われて霞んでいたが、確かに先日まで、岸で犇めくように林立していた上杉の旗印が、影も形も見えなかった。
すかさず、斥候隊に川を渡らせ、対岸の様子を探らせるが、戻ってきた斥候達は、上杉軍が軍列を並べて八幡原を北上していると報告した。
その話に、信繁達は困惑の表情を浮かべて、顔を見合わせた。
「……どういう事でしょうか? 斯様に突然……」
「もしや、三日前と同じ策なのではなかろうか? ……撤退すると見せかけて我らを八幡原に誘き寄せ、包囲殲滅せんという――」
訝しむ信豊にそう言ったのは、三日前に自身が手痛くしてやられたばかりの虎昌だった。
だが、信繁は、飯富の言葉に頭を振った。
「いや……上杉輝虎も、我らに同じ手が二度も通じるとは思ってはおるまい。……それに、あの男の気性から考えて、続けざまに同じ策を繰り出す事自体を好まないように思う。まあ、あくまで恐らく、だがな……」
「……確かに」
信繁の意見に、虎昌も深く頷いた。だが、腑に落ちないといった顔で首を傾げる。
「――で、あれば、奴らの動きは何なのでしょうな? このまま、越後へ引き上げるつもりなのであろうか……?」
「何か、火急の事があったのやもしれぬな。越後国内か、或いは隣国の越中 (現在の富山県)か出羽 (現在の山形県)との国境あたりで……」
「――まあ、大方、そういった所でしょうなぁ」
と、信繁達の背後から、間延びした声が割り込んできた。
三人が振り返ると、そこには、寝間着の袷に無造作に手を突っ込んで身体をボリボリと掻きながら、暢気に大欠伸をしている真田幸綱が立っていた。
妙な確信に満ちた幸綱の言葉に、信繁は眉を顰めながら尋ねる。
「何だ? 何か、我らが知らぬ情報でも知っておるような口ぶりだな、弾正」
「いやいや、そういう訳では御座りませぬが、大方の察しはつき申す」
寝惚け眼を擦りつつ、幸綱は口の端に笑みを浮かべて言った。
「元々、上杉輝虎は、三年前の決着を今度こそつける覚悟で、自ら軍を率いて川中島までやって来たのでしょうな。その覚悟をも曲げざるを得ない何かが起こった。――恐らく、越中の一向一揆がまた騒ぎ出したのか、どこぞの城主が、誰かの内応の誘いに乗ったのか――或いはその両方か……」
幸綱はそう言うと、髭を撫でるフリをして、思わず浮かんだ含み笑いを隠す。
彼は、敢えてぼかして言ったが、信繁には、その意味が何か、すぐに分かった。
「……兄上――お屋形様か」
「……」
「箕輪からお屋形様が手を回して、越後に蒔いた不穏の種を芽吹かせた――そういう事か……」
「――恐らく」
信繁の言葉に、幸綱は静かに頷いた。
「越中の神保とは、以前より盛んに誼を通じておりますし、一向門徒の宗主である顕如殿は、お屋形様の義兄弟 (信玄の妻と顕如の妻は、共に公卿・三条公頼の娘)ですからのぅ。書状の一通でも送れば、我らの動きに合わせて騒ぎを起こさせるのは容易い事かと」
「……ふむう」
幸綱の言う事に、信繁は思わず唸った。
「……ど、どういう事でござるか? そ……某には、よく分からないのですが……」
ふたりの会話を聞いていた信豊が、目をパチクリさせながら聞いてきた。そんな彼に苦笑を向けて、幸綱は慰めるように答える。
「カッカッカッ。六郎次郎殿が理解るには、まだ早いかもしれませぬな。――まあ、こういう戦の仕方もあるという事でござるよ」
「……?」
幸綱の言葉に、釈然としない顔をするが、それでも何となく若輩と侮られたらしい事だけは察して、その頬を膨らませる信豊の顔に思わず噴き出しかける信繁だったが、何とか堪えて、川の向こうに視線を向ける。
そして、再び居合わせた者たちの顔をぐるりと見回しながら告げた。
「……三日前の事もある。取り敢えず、霧が晴れ次第、向こうの出方を見ながら、慎重に八幡原へ押し出す事としよう。良いな」
◆ ◆ ◆ ◆
ようやく、分厚い川霧が晴れたのは、辰の刻 (午前十時)を過ぎた頃だった。広瀬の渡しの武田軍の内千五百が、信繁の下知に従い、斥候を放ちながらゆっくりと千曲川を渡り、八幡原へと進軍していく。
その途中で、雨宮の渡しから北上してきた武田義信・武藤昌幸隊と合流し、その総勢は三千程となった。
武田軍は、十分に警戒しつつ、八幡原に陣を展開した。
だが、程なく――、
偵察から戻ってくる斥候や乱破の報告から、上杉軍が完全に川中島から退却した事を知る。
幸綱の読み通り、越後か越中で何事か変事が起こり、急ぎ帰国の途についた模様だった。
もう、この一帯に上杉軍の姿が無い事を知った信繁と義信、そして諸将達は、正直肩すかしを食らった様な気分を抱きつつ、更に軍を進め、数日前まで上杉軍が本陣を置いていた善光寺に到る。
日も沈み、これ以上の行軍は難しいと判断した義信は、善光寺で陣を張る事とした。
善光寺宿坊の中でも最大の宿坊を本陣と定め、義信と信繁がその中に入る。
「主殿。この様なむさ苦しい格好で、大勢で押しかけて相済まぬな。世話になるぞ」
テキパキと、設陣の指揮を執りながら、信繁は挨拶に来た宿坊の主人に向かって、気さくに言った。
宿坊の主人は、ヘコヘコと頭を下げながら、恐縮しきりといった様子で答える。
「い……いえ、滅相も御座いませぬ。武田様の本陣として、どうぞご存分にお使い下さいまし――」
「まあ、そう大仰に構えずとも良い。なるべくお主達の迷惑にならぬよう、兵達には申し伝えておく故、安心するが良い」
「――禁制も立てた。万が一、我が兵が狼藉を働いたならば、遠慮なく訴え出るが良い。この武田太郎義信の名にかけて、不埒者は厳しく処断するからの」
宿坊の家人全員に向けた信繁と義信の言葉に、主人は深々と頭を下げながら、安堵の表情を浮かべたのだった。
◆ ◆ ◆ ◆
本陣の設営が終わり、軽い夕餉を済ませた信繁は、宛がわれた宿坊の一室で刀の手入れをしていた。
信繁の刀は、三日前の戦いであちこちに刃毀れが生じており、その刀身の表面にはうっすらと、血と脂が浮いている。
「……府中に帰ったら、研ぎに出さねばならぬの」
信繁は、燭台の灯りに刀身を翳しながら呟いた。
――と、その時、
「……失礼致します」
閉めた襖の向こうから、細い声が聞こえた。
信繁はハッとして、手にした刀を握り直し、静かに問い質す。
「……何用だ」
「……お寝みになられる前に、お酒でもいかがと思いまして――。一献、お持ち致しました」
艶やかな女の声が返ってきた。
(……酒?)
信繁は一瞬、上杉の手の者かと警戒するが、逡巡する間もなく襖が開く。
入ってきたのは、徳利と盃、そして肴の梅干しを載せた膳を両手で掲げ持つ、質素な小袖を着たひとりの女。
――美しい女だった。
艶やかな黒髪を背中で纏め、薄く白粉をふいた肌はきめ細かく、細く紅を引いた形の良い唇は、ぷっくりと瑞々しい。
「……!」
無断で室内に入ってきた者を厳しく誰何しようとした信繁だったが、女の美しさにすっかり毒気を抜かれ、何も言えずに、ただただ彼女に見惚れてしまっている。
そんな彼を尻目に、女は後ろ手で襖を閉めると、板敷きの床の上に手をつき、深々と頭を垂れた。
と、信繁は、やっと我に返った。
腰を浮かし、刀を構えて、鋭い声で女に尋ねる。
「……お主、何者だ。上杉の刺客か? その度胸は褒めてやるが、些か無謀に過ぎるな。敵のただ中で将の首を獲りに来るとは……」
「ふふふ……違いまする。刺客などではございませぬよ」
女は、信繁の言葉を聞くと、その切れ長の目を細めて微笑んだ。
そして、妖艶な仕草で小首を傾げる。
「私は、貴方様と酒を酌み交わしに参っただけです――武田左馬助信繁様」
「……貴様、何奴……!」
「……もう、お忘れですか? たった三日前に、あれ程激しく刃を交えましたのに」
「――ッ!」
女の言葉を聞き、信繁の顔が驚愕に満ちた。
「……ま――まさか、お主……はッ?」
「――やれやれ。女子の格好は窮屈だな。帯が苦しくてかなわぬ」
隻眼を見開き固まったままの信繁を前に、急に相好を崩し、肩を揉みながら足を崩す女。
そして、その切れ長の目で、信繁の顔を真っ直ぐに見据えると、ニヤリと不敵な笑いを浮かべて言う。
「……武田左馬助信繁。戦場以外で会うのは初めてだな」
そして彼女――否、彼は、ごほんと咳払いをすると、威厳に満ちた声で言葉を継いだ。
「余こそは、関東管領・上杉弾正少弼輝虎である」
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