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第二部三章 始末
謀と誤算
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「それで――」
木下藤吉郎は、蜂須賀又十郎の心中の動揺にも気付かぬ様子で――或いは、気付いていながら知らぬふりをして――、戸口で立ち尽くしている彼の顔を見上げた。
「斯様にお急ぎの御様子でいかがいたしましたか? さあ、いつまでもそんなところで突っ立ってらっしゃらずに、疾くお座り下され」
「……」
又十郎は、人懐こい笑みを浮かべながら馴れ馴れしく手招きする藤吉郎の顔をジロリと一瞥すると、無言のまま部屋に立ち入り、彼とは地図を挟んだ向かい側にどっかと腰を下ろす。
彼は、藤吉郎が差し出した円座を乱暴な素振りで頭を振って断ると、ずいっと上半身を前に乗り出した。
そして、鋭い目で彼の事を見据えながら、低い声で話を切り出す。
「さ……藤吉郎よ。オレたちは、一体いつまでこんな仮屋で暇を潰さねばならぬのだ?」
と凄んだ又十郎は、円座の次に藤吉郎が奨めてきた土器は受け取ると、その縁に直に口を付けて、中に残っていた酒を一気に飲み干した。
そして、野太いげっぷをひとつ吐くと、不機嫌な表情を露わにしながら言葉を継ぐ。
「――そもそもオレらが、数日前からこの廃砦に潜んでいたのは、苗木城が武田に対して反旗を翻した機に乗じて秘かに動き、武田軍をさんざんに攪乱する為だ。オレはあの日、お前がそう言うのをこの耳で確と聞いたぞ。それなのに――」
「いやぁ。まさか、苗木城の琴様が、あれほどせっかちにお動きなさるとは読めませなんだ」
又十郎の詰問に苦笑いを浮かべながら、藤吉郎は頭を掻く。
「某としては、苗木城には『武田に背く』という意思表示だけ明らかにして、あとは亀のように堅く門を閉じていてもらうだけで良かったのですがねぇ。まさか、自ら城を出て、武田軍に夜襲を仕掛けようとは……いやはや、お勇ましいというか何と言うか」
そう呆れ混じりに言いながら、彼は傍らに置いた木製の椀の中に入った煎り豆を一つ摘まみ上げると、器用に指で弾いた。
放物線を描いて宙を舞った煎り豆は、彼の目の前に広げてあった地図の上に落ちて転がり、ちょうど“苗木”の文字の上で止まる。
それを見て満足げに頷いた藤吉郎は、椀の中から煎り豆をもう一粒摘まみ上げた。
「その動きを武田方に読まれて、まんまと返り討ちに遭ったばかりか、手薄になった城に奇襲をかけられて落とされるとは……。素人の生兵法とは、良う言ったものですな」
「苗木の奥方殿を唆したお前が、ちゃんと釘を刺しておけば良かったのではないか?」
又十郎は、顎に生えた無精髭を抜きながら、嫌味ったらしく藤吉郎に言う。
藤吉郎は、そんな彼の言葉に「いやいや」と、首を左右に振った。
「無論、殿の便りに紛れて送った密書には確と書き申したぞ。ですが……卑賎なる身の某の忠言は、奥方様のお心には届かなかったようで」
「……それで、一報が届いた時点で既に機を逃してしまっていた我々は、斯様に草木深き山の上に身を潜めた意味も失い、今に至るまでただただ無聊をかこつばかり――と」
そう嘆いた又十郎は、煎り豆を口の中に放り込んだ藤吉郎を睨みつける。
「で――最初の問いに戻るぞ。もう留まる理由も無くなったというのに、何故未だに尾張へ戻ろうとせぬのだ?」
「……」
「てっきり、今度はオレたちに武田軍への奇襲を命じるつもりなのかと思って、何も言わずに黙っておったが……結局、三日前に武田軍が西に向かった際にも動かず仕舞い……!」
先ほどまでとは打って変わって黙りこくる藤吉郎に又十郎は苛立ち、板敷の床に拳を叩きつけた。
「ならば! こんな何も無い山になど籠もらずにさっさと引き払えば良かろう! なのに、何故いつまで経っても撤退を下知せぬのか……オレには、お前の考えている事が皆目解らん!」
「ふ……」
怒気を露わにする又十郎を見て、藤吉郎はほくそ笑むように口元を緩める。
そして、椀の中からまた一粒煎り豆を摘まみながら、静かに口を開いた。
「その答えは明白。我々には未だやらねばならぬ事が残っており、そしてそれは、武田軍と戦う事では非ず……という事です」
「なに……?」
藤吉郎の答えを聞いた又十郎は、訝しげに首を傾げる。
「やらねばならぬ事が残っている……だと? それは一体……何なのだ?」
「……」
藤吉郎は、又十郎の問いには答えず、指で摘まんだ煎り豆を、先ほどのように弾いた。
弾かれた煎り豆は、今度は尾張と美濃の国境あたりに落ちる。
それをじっと見つめながら、藤吉郎はぽつりと言った。
「琴様ですが……此度の事で夫の遠山直廉から離縁を言い渡され、苗木を出て尾張へお帰りになるようです。つい先ほど、街道筋に潜ませた物見から、『琴様を乗せたと思われる輿が、苗木の兵数十に囲まれて尾張の方へ向かっていった』との報せが届きました」
「……? それがどうしたというのだ?」
急に琴の話を持ち出した藤吉郎の真意が解らず、又十郎は眉間に皺を寄せる。
「苗木城の奥方殿と、今オレがお前に問い質しておる事とは何の関係も無いだろうが! そうやって、話をはぐらかそうとす――」
「いやぁ、些か困り申すなぁ、琴様が尾張にお帰りになられては」
突然、藤吉郎は又十郎の言葉を途中で遮るように声を上げた。
そして、急に割り込まれて目を剥く又十郎の事も意に介さぬ顔で言葉を続ける。
「小牧山城で、琴様が殿に此度の顛末をお話しになられたら、某の首元が涼しくなるやもしれませぬのう……。何せ……某が、殿には無断で琴様を焚きつけた事が露見してしまいますから」
「……何だと?」
まるで世間話をするかのように紡がれた藤吉郎の言葉に、又十郎は耳を疑った。
「殿には無断で……だと? で、では、まさか……此度の謀は――」
「御明察にござる」
驚愕で声を上ずらせた又十郎に、藤吉郎は悪びれる事無くほくそ笑んでみせる。
「此度の一連の策は、全て某が独断で組み上げしものに御座ります。東濃の地は、美濃に押し出そうとする当家にとって重要な地ですからな。是が非でも押さえておかねばなりませぬ」
「だ、だからといって……」
「確かに、三河の地も重要ですが、いかに武田と今川に攻め込まれたといえど、戦上手の松平様に任せておけば、そう容易くは失陥しますまい。――そう、何度か殿に申し上げたのですが、残念ながらお聞き入れ頂けず、それどころか逆に不興を買う有様で……」
「そ、それでお前は……」
「左様」
唖然とする又十郎に向かって、藤吉郎は大きく頷いた。
「ですから、殿には黙って動き申した。もちろん、そんな事をしている事が殿に知られては打ち首ですから、こっそりと慎重に。足りぬ人手は、小六殿からお借りして……」
「……!」
藤吉郎の言葉を聞いた又十郎の顔が青ざめる。
兄の蜂須賀小六が藤吉郎に貸した“人手”とは、この砦に潜む自分たちの事に他ならない。
てっきり、自分たちは藤吉郎が主である織田信長から命じられた任務の手助けをしているものと思い込んでいたが……まさか、知らぬうちに、信長も預かり知らぬ藤吉郎個人の策の片棒を担がされていたとは……。
しかも……その策は、破れた。
「首尾よく進めば、織田家が東濃の地も確保でき、某たちは殿からたんまりとお褒めの言葉と褒美を頂けるはずだったんですが……戦事の機微も解らぬ女子の浅知恵で水泡に帰し申した。いやぁ、これは参った」
「こ、『これは参った』ではないわっ!」
又十郎は、冗談めかして言う藤吉郎に思わず声を荒げる。
「何を呑気な事を言うておるのだ、お前は! 御気性の荒いあの殿が、オレたちが自分に無断で策を講じ、挙句にしくじった事を知ったらどうすると思うておるのだッ! 冗談抜きで、関わったオレたち全員を打ち首……いや、逆さ磔に処すに違いないぞ!」
「そうでしょうなぁ。だから、困ったと申しておるのです」
藤吉郎は、又十郎の怒声に肩を竦ませながら頷いた。
そして、椀に手を突っ込んでまさぐりながら、「……ですが」と潜めた声で続ける。
「逆に考えれば……琴様が喋らなければ良いのです。――永遠に」
「な……お、お前……!」
藤吉郎が何を言わんとしているのかを察した又十郎が、あまりの事に口元を戦慄かせた。
そんな彼の事など意に介さぬ様子で煎り豆を一粒摘まんだ藤吉郎は、地図の尾張と美濃の国境付近に落ちている煎り豆をじっと見据えながら言葉を継ぐ。
「そういえば……琴様が通る予定の街道周りには、質の悪い山賊が巣を張っているらしいですな」
「っ! と、藤吉郎……まさかお前……」
「些か心配に御座いますなぁ」
そう呟くように言いながら、藤吉郎は指の間の煎り豆を弾いた。
先ほどよりも直線的な軌道を描いた煎り豆は、地図上の国境付近に落ちていた豆に勢いよく当たり、地図の外まで弾き飛ばす。
それを見た藤吉郎は、その猿のような顔ににんまりと笑みを浮かべながら、静かに言った。
「――琴様の身に何も起こらなければ良いのですが」
木下藤吉郎は、蜂須賀又十郎の心中の動揺にも気付かぬ様子で――或いは、気付いていながら知らぬふりをして――、戸口で立ち尽くしている彼の顔を見上げた。
「斯様にお急ぎの御様子でいかがいたしましたか? さあ、いつまでもそんなところで突っ立ってらっしゃらずに、疾くお座り下され」
「……」
又十郎は、人懐こい笑みを浮かべながら馴れ馴れしく手招きする藤吉郎の顔をジロリと一瞥すると、無言のまま部屋に立ち入り、彼とは地図を挟んだ向かい側にどっかと腰を下ろす。
彼は、藤吉郎が差し出した円座を乱暴な素振りで頭を振って断ると、ずいっと上半身を前に乗り出した。
そして、鋭い目で彼の事を見据えながら、低い声で話を切り出す。
「さ……藤吉郎よ。オレたちは、一体いつまでこんな仮屋で暇を潰さねばならぬのだ?」
と凄んだ又十郎は、円座の次に藤吉郎が奨めてきた土器は受け取ると、その縁に直に口を付けて、中に残っていた酒を一気に飲み干した。
そして、野太いげっぷをひとつ吐くと、不機嫌な表情を露わにしながら言葉を継ぐ。
「――そもそもオレらが、数日前からこの廃砦に潜んでいたのは、苗木城が武田に対して反旗を翻した機に乗じて秘かに動き、武田軍をさんざんに攪乱する為だ。オレはあの日、お前がそう言うのをこの耳で確と聞いたぞ。それなのに――」
「いやぁ。まさか、苗木城の琴様が、あれほどせっかちにお動きなさるとは読めませなんだ」
又十郎の詰問に苦笑いを浮かべながら、藤吉郎は頭を掻く。
「某としては、苗木城には『武田に背く』という意思表示だけ明らかにして、あとは亀のように堅く門を閉じていてもらうだけで良かったのですがねぇ。まさか、自ら城を出て、武田軍に夜襲を仕掛けようとは……いやはや、お勇ましいというか何と言うか」
そう呆れ混じりに言いながら、彼は傍らに置いた木製の椀の中に入った煎り豆を一つ摘まみ上げると、器用に指で弾いた。
放物線を描いて宙を舞った煎り豆は、彼の目の前に広げてあった地図の上に落ちて転がり、ちょうど“苗木”の文字の上で止まる。
それを見て満足げに頷いた藤吉郎は、椀の中から煎り豆をもう一粒摘まみ上げた。
「その動きを武田方に読まれて、まんまと返り討ちに遭ったばかりか、手薄になった城に奇襲をかけられて落とされるとは……。素人の生兵法とは、良う言ったものですな」
「苗木の奥方殿を唆したお前が、ちゃんと釘を刺しておけば良かったのではないか?」
又十郎は、顎に生えた無精髭を抜きながら、嫌味ったらしく藤吉郎に言う。
藤吉郎は、そんな彼の言葉に「いやいや」と、首を左右に振った。
「無論、殿の便りに紛れて送った密書には確と書き申したぞ。ですが……卑賎なる身の某の忠言は、奥方様のお心には届かなかったようで」
「……それで、一報が届いた時点で既に機を逃してしまっていた我々は、斯様に草木深き山の上に身を潜めた意味も失い、今に至るまでただただ無聊をかこつばかり――と」
そう嘆いた又十郎は、煎り豆を口の中に放り込んだ藤吉郎を睨みつける。
「で――最初の問いに戻るぞ。もう留まる理由も無くなったというのに、何故未だに尾張へ戻ろうとせぬのだ?」
「……」
「てっきり、今度はオレたちに武田軍への奇襲を命じるつもりなのかと思って、何も言わずに黙っておったが……結局、三日前に武田軍が西に向かった際にも動かず仕舞い……!」
先ほどまでとは打って変わって黙りこくる藤吉郎に又十郎は苛立ち、板敷の床に拳を叩きつけた。
「ならば! こんな何も無い山になど籠もらずにさっさと引き払えば良かろう! なのに、何故いつまで経っても撤退を下知せぬのか……オレには、お前の考えている事が皆目解らん!」
「ふ……」
怒気を露わにする又十郎を見て、藤吉郎はほくそ笑むように口元を緩める。
そして、椀の中からまた一粒煎り豆を摘まみながら、静かに口を開いた。
「その答えは明白。我々には未だやらねばならぬ事が残っており、そしてそれは、武田軍と戦う事では非ず……という事です」
「なに……?」
藤吉郎の答えを聞いた又十郎は、訝しげに首を傾げる。
「やらねばならぬ事が残っている……だと? それは一体……何なのだ?」
「……」
藤吉郎は、又十郎の問いには答えず、指で摘まんだ煎り豆を、先ほどのように弾いた。
弾かれた煎り豆は、今度は尾張と美濃の国境あたりに落ちる。
それをじっと見つめながら、藤吉郎はぽつりと言った。
「琴様ですが……此度の事で夫の遠山直廉から離縁を言い渡され、苗木を出て尾張へお帰りになるようです。つい先ほど、街道筋に潜ませた物見から、『琴様を乗せたと思われる輿が、苗木の兵数十に囲まれて尾張の方へ向かっていった』との報せが届きました」
「……? それがどうしたというのだ?」
急に琴の話を持ち出した藤吉郎の真意が解らず、又十郎は眉間に皺を寄せる。
「苗木城の奥方殿と、今オレがお前に問い質しておる事とは何の関係も無いだろうが! そうやって、話をはぐらかそうとす――」
「いやぁ、些か困り申すなぁ、琴様が尾張にお帰りになられては」
突然、藤吉郎は又十郎の言葉を途中で遮るように声を上げた。
そして、急に割り込まれて目を剥く又十郎の事も意に介さぬ顔で言葉を続ける。
「小牧山城で、琴様が殿に此度の顛末をお話しになられたら、某の首元が涼しくなるやもしれませぬのう……。何せ……某が、殿には無断で琴様を焚きつけた事が露見してしまいますから」
「……何だと?」
まるで世間話をするかのように紡がれた藤吉郎の言葉に、又十郎は耳を疑った。
「殿には無断で……だと? で、では、まさか……此度の謀は――」
「御明察にござる」
驚愕で声を上ずらせた又十郎に、藤吉郎は悪びれる事無くほくそ笑んでみせる。
「此度の一連の策は、全て某が独断で組み上げしものに御座ります。東濃の地は、美濃に押し出そうとする当家にとって重要な地ですからな。是が非でも押さえておかねばなりませぬ」
「だ、だからといって……」
「確かに、三河の地も重要ですが、いかに武田と今川に攻め込まれたといえど、戦上手の松平様に任せておけば、そう容易くは失陥しますまい。――そう、何度か殿に申し上げたのですが、残念ながらお聞き入れ頂けず、それどころか逆に不興を買う有様で……」
「そ、それでお前は……」
「左様」
唖然とする又十郎に向かって、藤吉郎は大きく頷いた。
「ですから、殿には黙って動き申した。もちろん、そんな事をしている事が殿に知られては打ち首ですから、こっそりと慎重に。足りぬ人手は、小六殿からお借りして……」
「……!」
藤吉郎の言葉を聞いた又十郎の顔が青ざめる。
兄の蜂須賀小六が藤吉郎に貸した“人手”とは、この砦に潜む自分たちの事に他ならない。
てっきり、自分たちは藤吉郎が主である織田信長から命じられた任務の手助けをしているものと思い込んでいたが……まさか、知らぬうちに、信長も預かり知らぬ藤吉郎個人の策の片棒を担がされていたとは……。
しかも……その策は、破れた。
「首尾よく進めば、織田家が東濃の地も確保でき、某たちは殿からたんまりとお褒めの言葉と褒美を頂けるはずだったんですが……戦事の機微も解らぬ女子の浅知恵で水泡に帰し申した。いやぁ、これは参った」
「こ、『これは参った』ではないわっ!」
又十郎は、冗談めかして言う藤吉郎に思わず声を荒げる。
「何を呑気な事を言うておるのだ、お前は! 御気性の荒いあの殿が、オレたちが自分に無断で策を講じ、挙句にしくじった事を知ったらどうすると思うておるのだッ! 冗談抜きで、関わったオレたち全員を打ち首……いや、逆さ磔に処すに違いないぞ!」
「そうでしょうなぁ。だから、困ったと申しておるのです」
藤吉郎は、又十郎の怒声に肩を竦ませながら頷いた。
そして、椀に手を突っ込んでまさぐりながら、「……ですが」と潜めた声で続ける。
「逆に考えれば……琴様が喋らなければ良いのです。――永遠に」
「な……お、お前……!」
藤吉郎が何を言わんとしているのかを察した又十郎が、あまりの事に口元を戦慄かせた。
そんな彼の事など意に介さぬ様子で煎り豆を一粒摘まんだ藤吉郎は、地図の尾張と美濃の国境付近に落ちている煎り豆をじっと見据えながら言葉を継ぐ。
「そういえば……琴様が通る予定の街道周りには、質の悪い山賊が巣を張っているらしいですな」
「っ! と、藤吉郎……まさかお前……」
「些か心配に御座いますなぁ」
そう呟くように言いながら、藤吉郎は指の間の煎り豆を弾いた。
先ほどよりも直線的な軌道を描いた煎り豆は、地図上の国境付近に落ちていた豆に勢いよく当たり、地図の外まで弾き飛ばす。
それを見た藤吉郎は、その猿のような顔ににんまりと笑みを浮かべながら、静かに言った。
「――琴様の身に何も起こらなければ良いのですが」
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