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第八章 ある日、湖上で
見送りと餞別
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「……意外でした、ジャスミンさん」
バルサ王の来訪に沸く、サンクトル中心部から外れた裏通りを歩きながら、若葉色の略式神官服のパームが、前を歩くジャスミンに言った。
「へ? 何が?」
ジャスミンは、振り返って首を傾げた。
「いえ……てっきり、今夜のバルサ王歓迎晩餐会にも出席されるのかと思ってました」
「え? やーだよ、んなモン」
パームの言葉を、鼻で笑って一蹴するジャスミン。
「おエライさん方がズラッと面を並べる中で食う飯なんか、格式ばっかり高くて、味気ないだけさ。それに、ご馳走は散々食い尽くしたしな」
「……まあ、そうですけど」
パームは、ジャスミンの言葉に苦笑する。
「でも、トレニア様は、そんなに堅苦しい方ではありませんよ。下々の者に対しても、気さくに接して下さる、仁慈に溢れたお方です」
「……おや? その言い方……坊っちゃんは、王様と面識でもあるのかい?」
パームの言葉に、後ろを歩くヒースが、興味深そうに訊いた。
「あ……いえ、まあ……昔に、多少……」
パームは、何故か言葉を濁す。それをうかうかと聞き逃すジャスミンではない。
「おやぁ? 『昔に多少』って、気になるなぁ~? 何やらかしたの、キミィ?」
「な……何もやらかしてませんって! 人聞きが悪い事を言わないで下さいッ!」
「……そういえば、バルサ王家って、王様の下に妹が一人居たよな。確か――プリ……プリム何とかって名前の……」
「プリムローズ姫……です」
「そうそう、そんな名前!」
ジャスミンは頷くと、ゲス顔になった。
「パームさあ、ひょっとして、そのお姫様と何かやらかしちゃった……とか?」
「は――はああっ?」
あまりの言葉に、パームの声がひっくり返った。
「そ――そんな訳無いに決まってるでしょ! じゃ……ジャスミンさんっ! 人聞きの悪い事を言わないで下さいッ!」
「――そうよ、ジャス! パームくんを、アナタなんかと一緒にしないでよ」
パームの肩を持って、ジャスミンを口撃したのは、アザレアだ。
「ジョーダンだよ、冗談! 何だよ、アザリーまで……」
「冗談にも、言っていい事と悪い事があるわよ」
辟易とするジャスミンを睨むアザレアは、パームを指差しながら言葉を続けた。
「パームくんが、女の子相手に、そんな事する訳無いじゃない! ……多分逆よ」
「……はい? ――あの、アザレアさん……?」
「きっと、パームくんの美貌にクラっときたバルサ二世に言い寄られちゃったから、逃げてきたんでしょ?」
「あ――、ソッチかぁ! なるほどねぇ……」
「おぉおいっ! な……何とんでもない事言ってるんですか、アザレアさぁんッ!」
「ごめんごめん、冗談よ、パームくん」
絶叫するパームを横目に、くすくす笑うアザレア。
――元気そうな彼女の様子を横目で見ながら、ジャスミンは内心で胸を撫で下ろす。
――と、
「……おいおい、これから敵の本拠に殴り込もうってのに、随分和気藹々としてるな、お前ら」
「――!」
突然、道の脇から声を掛けられて、一行は緊張した。
特に、ジャスミンの顔が一気に青ざめた。
「そ――その声は……!」
「――よぉ、久し振りだなぁ、ジャス公!」
咄嗟に逃げにかかろうとするジャスミンの襟首をガッチリ掴んで、街路樹の陰から出てきたのは――、
「お、誰かと思えば、鍵師じゃねえか。あの日以来、面ァ見ねえから、てっきり捕まったか逃げたかしたんだと思ってたぜ」
「……何で、サンクトル解放の功労者にして、この軽薄男の大恩人でもあるこのジザス様が、捕まったり逃げたりしなきゃいけねえんだよ」
ヒースの言葉に、不満顔を隠せないジザス。
「オレは、せっかく直したのに、この前のどんちゃん騒ぎでまたブッ壊れた金庫の修理と再調整の為に、地下の金庫室にずーっと詰めっぱなしだったんだよ。もう、モグラにでもなった気分だったぜ」
「そ! 俺がギルド長に推薦したんだよ。ギルド庁の『完全絶対無敵安全金庫室 あんしんくん』の保安管理者としてね!」
ジザスに首を締め上げられながら、ジャスミンが叫んだ。
「お……おい、ジザスのおっさん! 再就職先を斡旋してやった恩人相手に、この扱いは酷いんじゃないのかい! 早く……離して――」
「――ああ。もちろん、推薦してくれた事には感謝してるぜ。――だから!」
ジザスは、ニヤリと笑うと、次の瞬間、ジャスミンの腹に重い拳を叩き込んだ。
「グフゥッ!」
「――ホントなら十発のトコを、特別に腹パン一発で勘弁してやるよ」
「……そ、そりゃどーも……」
そう、くの字に折れて蹲ったジャスミンに言うと、腕を掴んで助け起こしてやるジザス。
そして、懐から取り出したシケモクに火を点けると、心配そうな顔で言った。
「……本当に行くのか、お前ら?」
「……ま、ね。ちょっと団長さんに聞きたい事があってね」
「俺は、銀の死神に借りが出来てな。ちょいとブチのめしによ」
ジザスの問いに、ジャスミンとヒースは答える。
それを聞いたジザスは、興味無さ気な様子で手をプルプル振る。
「いや、別にお前らはどうでもいいわ。勝手に行ってこい。――でも」
そこで言葉を切ると、ジザスは、金髪碧眼の小柄な神官をジッと見つめて、口を開いた。
「――キミは行く必要なんて無いんじゃないのかい……フェーンちゃん……」
「……あの、僕、パームって言うんですけど……この前お伝えした様に……」
戸惑った様子で、ジザスの言葉を訂正するパーム。ジザスは、その言葉に寂しそうな顔で頷く。
「あ……そうだったね。……済まないな。正直、まだ信じられなくてよ……キミが男だったなんて……」
「……は、はあ……すみません」
「いや……いいんだ。悪いのは、全部コイツだって事は知ってるから」
そう言うと、ジザスはパームの肩を掴んで、真剣な顔で訴えた。
「な、考え直せ! 俺はアソコに居たから、ダリア傭兵団の……特に団長のヤバさを良く知ってる。キミみたいな、か弱い子の手に負える相手じゃない! だから――!」
「……心配して頂いてありがとうございます。ジザスさん」
「……!」
パームは、柔和に微笑むと、自分の肩に乗せられたジザスの手を退かし、決意を決めた目で、彼の目を見つめ返した。
「――でも、僕は行きます。ダリア傭兵団は、野放しには出来ませんし、僕も黙って見ている訳にもいきません。――それに」
パームは、フッと表情を緩めると続けた。
「――ジャスミンさんこそ、野放しにしたら何をするか分かったものではないので……僕が、この人のストッパーにならないといけないんです」
「おいおい……この人、まるで俺の保護者気取りだよ」
「しょうがないでしょ。だって事実じゃない?」
パームの言葉に口を尖らせるジャスミンと、クスリと微笑むアザレア。
ジザスは、彼らの様子を見ると、苦笑して頷いた。
「……分かった。キミの決意は固いようだね。……なら」
そう言うと、ジザスは腰から提げていた小さな袋を手に取り、パームに差し出した。
「これを持っていけ。……きっと役に立つ……らしい」
「……これは……」
差し出された袋を受け取りながら、パームは首を傾げた。
「オレにも良く分からん。……大教主の爺様がそう言ってたから、そうなんだろうぜ……多分」
「……大教主様が?」
パームは、ハッとして頷くと、ニッコリと微笑って、受け取った袋を荷物のポケットに仕舞った。
「頂戴します。――ありがとうございます、ジザスさん」
「……無理はするなよ、フェー……パーム君」
そして、ジャスミン達の方を向いて、ジザスは険しい顔で言った。
「――お前ら、この子を頼むぞ。……ついでに、お前らも死ぬなよ!」
「やれやれ……俺たちは、ついでかい」
ジャスミンは、苦笑いを浮かべてそう言うと、親指を立てて、片目を瞑ってみせた。
「大丈夫だよ。俺たちは死ぬ気は無いし、死なないからさ!」
バルサ王の来訪に沸く、サンクトル中心部から外れた裏通りを歩きながら、若葉色の略式神官服のパームが、前を歩くジャスミンに言った。
「へ? 何が?」
ジャスミンは、振り返って首を傾げた。
「いえ……てっきり、今夜のバルサ王歓迎晩餐会にも出席されるのかと思ってました」
「え? やーだよ、んなモン」
パームの言葉を、鼻で笑って一蹴するジャスミン。
「おエライさん方がズラッと面を並べる中で食う飯なんか、格式ばっかり高くて、味気ないだけさ。それに、ご馳走は散々食い尽くしたしな」
「……まあ、そうですけど」
パームは、ジャスミンの言葉に苦笑する。
「でも、トレニア様は、そんなに堅苦しい方ではありませんよ。下々の者に対しても、気さくに接して下さる、仁慈に溢れたお方です」
「……おや? その言い方……坊っちゃんは、王様と面識でもあるのかい?」
パームの言葉に、後ろを歩くヒースが、興味深そうに訊いた。
「あ……いえ、まあ……昔に、多少……」
パームは、何故か言葉を濁す。それをうかうかと聞き逃すジャスミンではない。
「おやぁ? 『昔に多少』って、気になるなぁ~? 何やらかしたの、キミィ?」
「な……何もやらかしてませんって! 人聞きが悪い事を言わないで下さいッ!」
「……そういえば、バルサ王家って、王様の下に妹が一人居たよな。確か――プリ……プリム何とかって名前の……」
「プリムローズ姫……です」
「そうそう、そんな名前!」
ジャスミンは頷くと、ゲス顔になった。
「パームさあ、ひょっとして、そのお姫様と何かやらかしちゃった……とか?」
「は――はああっ?」
あまりの言葉に、パームの声がひっくり返った。
「そ――そんな訳無いに決まってるでしょ! じゃ……ジャスミンさんっ! 人聞きの悪い事を言わないで下さいッ!」
「――そうよ、ジャス! パームくんを、アナタなんかと一緒にしないでよ」
パームの肩を持って、ジャスミンを口撃したのは、アザレアだ。
「ジョーダンだよ、冗談! 何だよ、アザリーまで……」
「冗談にも、言っていい事と悪い事があるわよ」
辟易とするジャスミンを睨むアザレアは、パームを指差しながら言葉を続けた。
「パームくんが、女の子相手に、そんな事する訳無いじゃない! ……多分逆よ」
「……はい? ――あの、アザレアさん……?」
「きっと、パームくんの美貌にクラっときたバルサ二世に言い寄られちゃったから、逃げてきたんでしょ?」
「あ――、ソッチかぁ! なるほどねぇ……」
「おぉおいっ! な……何とんでもない事言ってるんですか、アザレアさぁんッ!」
「ごめんごめん、冗談よ、パームくん」
絶叫するパームを横目に、くすくす笑うアザレア。
――元気そうな彼女の様子を横目で見ながら、ジャスミンは内心で胸を撫で下ろす。
――と、
「……おいおい、これから敵の本拠に殴り込もうってのに、随分和気藹々としてるな、お前ら」
「――!」
突然、道の脇から声を掛けられて、一行は緊張した。
特に、ジャスミンの顔が一気に青ざめた。
「そ――その声は……!」
「――よぉ、久し振りだなぁ、ジャス公!」
咄嗟に逃げにかかろうとするジャスミンの襟首をガッチリ掴んで、街路樹の陰から出てきたのは――、
「お、誰かと思えば、鍵師じゃねえか。あの日以来、面ァ見ねえから、てっきり捕まったか逃げたかしたんだと思ってたぜ」
「……何で、サンクトル解放の功労者にして、この軽薄男の大恩人でもあるこのジザス様が、捕まったり逃げたりしなきゃいけねえんだよ」
ヒースの言葉に、不満顔を隠せないジザス。
「オレは、せっかく直したのに、この前のどんちゃん騒ぎでまたブッ壊れた金庫の修理と再調整の為に、地下の金庫室にずーっと詰めっぱなしだったんだよ。もう、モグラにでもなった気分だったぜ」
「そ! 俺がギルド長に推薦したんだよ。ギルド庁の『完全絶対無敵安全金庫室 あんしんくん』の保安管理者としてね!」
ジザスに首を締め上げられながら、ジャスミンが叫んだ。
「お……おい、ジザスのおっさん! 再就職先を斡旋してやった恩人相手に、この扱いは酷いんじゃないのかい! 早く……離して――」
「――ああ。もちろん、推薦してくれた事には感謝してるぜ。――だから!」
ジザスは、ニヤリと笑うと、次の瞬間、ジャスミンの腹に重い拳を叩き込んだ。
「グフゥッ!」
「――ホントなら十発のトコを、特別に腹パン一発で勘弁してやるよ」
「……そ、そりゃどーも……」
そう、くの字に折れて蹲ったジャスミンに言うと、腕を掴んで助け起こしてやるジザス。
そして、懐から取り出したシケモクに火を点けると、心配そうな顔で言った。
「……本当に行くのか、お前ら?」
「……ま、ね。ちょっと団長さんに聞きたい事があってね」
「俺は、銀の死神に借りが出来てな。ちょいとブチのめしによ」
ジザスの問いに、ジャスミンとヒースは答える。
それを聞いたジザスは、興味無さ気な様子で手をプルプル振る。
「いや、別にお前らはどうでもいいわ。勝手に行ってこい。――でも」
そこで言葉を切ると、ジザスは、金髪碧眼の小柄な神官をジッと見つめて、口を開いた。
「――キミは行く必要なんて無いんじゃないのかい……フェーンちゃん……」
「……あの、僕、パームって言うんですけど……この前お伝えした様に……」
戸惑った様子で、ジザスの言葉を訂正するパーム。ジザスは、その言葉に寂しそうな顔で頷く。
「あ……そうだったね。……済まないな。正直、まだ信じられなくてよ……キミが男だったなんて……」
「……は、はあ……すみません」
「いや……いいんだ。悪いのは、全部コイツだって事は知ってるから」
そう言うと、ジザスはパームの肩を掴んで、真剣な顔で訴えた。
「な、考え直せ! 俺はアソコに居たから、ダリア傭兵団の……特に団長のヤバさを良く知ってる。キミみたいな、か弱い子の手に負える相手じゃない! だから――!」
「……心配して頂いてありがとうございます。ジザスさん」
「……!」
パームは、柔和に微笑むと、自分の肩に乗せられたジザスの手を退かし、決意を決めた目で、彼の目を見つめ返した。
「――でも、僕は行きます。ダリア傭兵団は、野放しには出来ませんし、僕も黙って見ている訳にもいきません。――それに」
パームは、フッと表情を緩めると続けた。
「――ジャスミンさんこそ、野放しにしたら何をするか分かったものではないので……僕が、この人のストッパーにならないといけないんです」
「おいおい……この人、まるで俺の保護者気取りだよ」
「しょうがないでしょ。だって事実じゃない?」
パームの言葉に口を尖らせるジャスミンと、クスリと微笑むアザレア。
ジザスは、彼らの様子を見ると、苦笑して頷いた。
「……分かった。キミの決意は固いようだね。……なら」
そう言うと、ジザスは腰から提げていた小さな袋を手に取り、パームに差し出した。
「これを持っていけ。……きっと役に立つ……らしい」
「……これは……」
差し出された袋を受け取りながら、パームは首を傾げた。
「オレにも良く分からん。……大教主の爺様がそう言ってたから、そうなんだろうぜ……多分」
「……大教主様が?」
パームは、ハッとして頷くと、ニッコリと微笑って、受け取った袋を荷物のポケットに仕舞った。
「頂戴します。――ありがとうございます、ジザスさん」
「……無理はするなよ、フェー……パーム君」
そして、ジャスミン達の方を向いて、ジザスは険しい顔で言った。
「――お前ら、この子を頼むぞ。……ついでに、お前らも死ぬなよ!」
「やれやれ……俺たちは、ついでかい」
ジャスミンは、苦笑いを浮かべてそう言うと、親指を立てて、片目を瞑ってみせた。
「大丈夫だよ。俺たちは死ぬ気は無いし、死なないからさ!」
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