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第1章 転魂流転~ルーベリス~
第11話 街道
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「まぁ、何にせよ、今は関係ないか。欠片が〈240〉必要だもんな」
魂位が8まで上がって、現在、〈魂の欠片8〉。【魔草検知】に〈6〉使ったから……今まで合計〈14〉の欠片を獲得してきたわけだ。つまりは……
「魂位が1上がるごとに、〈魂の欠片〉は2獲得できるわけだ――ってどんだけ魂位上げなきゃならないんだよ!」
……って愚痴を言う立場じゃないか。あれだけ気持ちい……心地よい体験をさせてもらい、かつ魔法関連のステータス爆上がり。
「ホント、ありがとう、水聖様」
とりあえず、川に向かって手を合わせる。
そして、感覚的にアレができそうだ。森では失敗したけど、『魔素調整力』が相当上がった今ならできるはず! 俺は森の木、そこそこの大木の前まで行き、正拳突きの構えをとる。
「……はあーー! 〈走れ稲妻! 怒れよ大地! 愛と怒りの~~〉 【鉄馬車パンチ】!!」
ズドンッ!!
俺が拳を繰り出した部分の木の幹がえぐれ、「ギギギーー」と音を立て、大木が倒れた。異空間から一瞬だけ、鉄馬車を超高速で射出し、全部出る前にこれまた超高速で鉄馬車を収納する。端から見れば、俺の正拳突きの威力と見える……だろうか。
まあ、でも。よし、これで俺の命綱と言っていい『鉄馬車さん』を遠くまで飛ばさずに済む。飛んでった先が崖の下で、回収できないとかなったら……泣く。
なんだかんだで日が暮れてきた。色々と驚愕の出来事もあったし、満足のいくスキルの成果も得られた。今日はここで夜を明かすとしよう。なんか清らかな雰囲気だし、魔物の気配も感じない……気がする。それでも、寝るのは鉄馬車の中だが。
◇
爽やかな朝、心地よい目覚め。もうずっとここに住み着きたい気持ちになるが、食料のこともあるし、さすがにそういうわけにもいかない。川で軽く顔を洗い、川下に向かって出発する。
『魔素調整力』の値が上がったおかげか、水と適度な大きさの石を異空間に収納しながら、川下に向かって歩くことができる。とりあえずは人里を確認するために移動をしなきゃな……あるよね? 人もいたし、鉄馬車もあったし、あるはず。
少しだけ不安になりながら川沿いを歩いていたら、「フワッ」と何か濃い空気の壁のようなものを抜けた感じがした。
「な、なんだ今の……えっ!?」
俺は歩いてきた道を振り返った。そこには俺が沿って歩いてきた川が流れている。『川沿いを歩いてきた』という事実は何も変わりなく、変わらず川は流れている、川幅も水量も変化はない、ないのだが。
「明らかに違う、絶対に違う川だ……」
雰囲気が違う、と言えばそれまでだが、あの水の…『水聖の少女』を感じられなくなった後でも、あの川には”清らかさ”が感じられた。体も心も安らぐ感じがした。
『空気の壁』を感じた所を再度通り抜けようとするが、何も感じられず、川の雰囲気も変わらない。
「……もう二度と行けない場所なのか……?」
少し、というか、かなりショックを受けながら、川下に向かってとぼとぼと歩く。
「ああ、もう少しあそこに居座ればよかった……本当に心地よい場所だったのに」
◇
『空気の壁』を抜けた後は、何度か魔物に襲われた。といっても、チビゴブリンやデカ角兎、デカキモ鼠など、森で倒したものばかりで、【岩弾】数発で沈む奴ばかりだ。何度かは、あえて【岩弾】で弱らせ、剣でとどめを刺した。近接戦闘も慣れねばならないし、筋力などのステータスはこうした方が上がりやすいだろうという、俺のRPG理論によるものだ。
そして、2、3時間ほど歩いただろうか、俺は森を抜けた。
「……平野だ。そして、あれは……道がある!!」
無論、アスファルトなどではなく、ただ踏み固められただけの道ではあるが。そこそこの幅があり、『ザ・街道』って感じだ。
とりあえず、街道には出ずに、それが見える範囲で移動する。いや、急に人に出くわしたら怖いし。と思っていたが、1時間ほども歩くと、街道沿いにちらほら家や畑が見え始めてきた。人もまばらに見え始め…………デカッ!
いかにも城塞都市って感じの城壁が現れた。そして門らしきところに人が列を作っている。これはもう……人見知りを発動している場合じゃない。
『うぉぉー! 俺は行くぞ! 並んでやる!!』
意を決して俺は列に並んだ! すると前の男が俺を振り返る!
「……おい、嬢ちゃん。こっちは商人用の通用口だぞ。一般人はあっちの門だ」
「す、すみませんっ……」
俺は並ぶ門を間違えた。
魂位が8まで上がって、現在、〈魂の欠片8〉。【魔草検知】に〈6〉使ったから……今まで合計〈14〉の欠片を獲得してきたわけだ。つまりは……
「魂位が1上がるごとに、〈魂の欠片〉は2獲得できるわけだ――ってどんだけ魂位上げなきゃならないんだよ!」
……って愚痴を言う立場じゃないか。あれだけ気持ちい……心地よい体験をさせてもらい、かつ魔法関連のステータス爆上がり。
「ホント、ありがとう、水聖様」
とりあえず、川に向かって手を合わせる。
そして、感覚的にアレができそうだ。森では失敗したけど、『魔素調整力』が相当上がった今ならできるはず! 俺は森の木、そこそこの大木の前まで行き、正拳突きの構えをとる。
「……はあーー! 〈走れ稲妻! 怒れよ大地! 愛と怒りの~~〉 【鉄馬車パンチ】!!」
ズドンッ!!
俺が拳を繰り出した部分の木の幹がえぐれ、「ギギギーー」と音を立て、大木が倒れた。異空間から一瞬だけ、鉄馬車を超高速で射出し、全部出る前にこれまた超高速で鉄馬車を収納する。端から見れば、俺の正拳突きの威力と見える……だろうか。
まあ、でも。よし、これで俺の命綱と言っていい『鉄馬車さん』を遠くまで飛ばさずに済む。飛んでった先が崖の下で、回収できないとかなったら……泣く。
なんだかんだで日が暮れてきた。色々と驚愕の出来事もあったし、満足のいくスキルの成果も得られた。今日はここで夜を明かすとしよう。なんか清らかな雰囲気だし、魔物の気配も感じない……気がする。それでも、寝るのは鉄馬車の中だが。
◇
爽やかな朝、心地よい目覚め。もうずっとここに住み着きたい気持ちになるが、食料のこともあるし、さすがにそういうわけにもいかない。川で軽く顔を洗い、川下に向かって出発する。
『魔素調整力』の値が上がったおかげか、水と適度な大きさの石を異空間に収納しながら、川下に向かって歩くことができる。とりあえずは人里を確認するために移動をしなきゃな……あるよね? 人もいたし、鉄馬車もあったし、あるはず。
少しだけ不安になりながら川沿いを歩いていたら、「フワッ」と何か濃い空気の壁のようなものを抜けた感じがした。
「な、なんだ今の……えっ!?」
俺は歩いてきた道を振り返った。そこには俺が沿って歩いてきた川が流れている。『川沿いを歩いてきた』という事実は何も変わりなく、変わらず川は流れている、川幅も水量も変化はない、ないのだが。
「明らかに違う、絶対に違う川だ……」
雰囲気が違う、と言えばそれまでだが、あの水の…『水聖の少女』を感じられなくなった後でも、あの川には”清らかさ”が感じられた。体も心も安らぐ感じがした。
『空気の壁』を感じた所を再度通り抜けようとするが、何も感じられず、川の雰囲気も変わらない。
「……もう二度と行けない場所なのか……?」
少し、というか、かなりショックを受けながら、川下に向かってとぼとぼと歩く。
「ああ、もう少しあそこに居座ればよかった……本当に心地よい場所だったのに」
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『空気の壁』を抜けた後は、何度か魔物に襲われた。といっても、チビゴブリンやデカ角兎、デカキモ鼠など、森で倒したものばかりで、【岩弾】数発で沈む奴ばかりだ。何度かは、あえて【岩弾】で弱らせ、剣でとどめを刺した。近接戦闘も慣れねばならないし、筋力などのステータスはこうした方が上がりやすいだろうという、俺のRPG理論によるものだ。
そして、2、3時間ほど歩いただろうか、俺は森を抜けた。
「……平野だ。そして、あれは……道がある!!」
無論、アスファルトなどではなく、ただ踏み固められただけの道ではあるが。そこそこの幅があり、『ザ・街道』って感じだ。
とりあえず、街道には出ずに、それが見える範囲で移動する。いや、急に人に出くわしたら怖いし。と思っていたが、1時間ほども歩くと、街道沿いにちらほら家や畑が見え始めてきた。人もまばらに見え始め…………デカッ!
いかにも城塞都市って感じの城壁が現れた。そして門らしきところに人が列を作っている。これはもう……人見知りを発動している場合じゃない。
『うぉぉー! 俺は行くぞ! 並んでやる!!』
意を決して俺は列に並んだ! すると前の男が俺を振り返る!
「……おい、嬢ちゃん。こっちは商人用の通用口だぞ。一般人はあっちの門だ」
「す、すみませんっ……」
俺は並ぶ門を間違えた。
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