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15 御嬢様の不在
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移動の鉄即は、なるべく軽装で速く安全にだ。
よって、馬に乗った護衛は金属鎧や盾等を持てず、有事の際には身を呈して任務を遂行しなくてはならない。
「コースも護衛の数も情報どおりだし、案の定、軽装だな」
獲物の通り道が分かっていれば、前もって罠などの十分な準備ができるのは、狩人も襲撃者も同じだ。
母親の実家に向かうバルド・ノウルの馬車を待ち構える者達が居た。
「ピーッ」
ピュッ、ピュッ、ピュッ
「うっ!」「ぐあっ!」「あっ!」
口笛と共に、街道の両脇にある森から多数の矢が放たれて、次々と馬上の護衛や馬車の馭者に刺さっていった。
致命傷ではないが、馬から落ちる護衛が多数でている。
「襲撃だ!馬車を守れ」
「行けっ!やっちまえ!」
「うおぉぉぉ~~!」
矢が飛び終わるのと同時に、大量の男達が飛び出してきた。
「迎え撃て!」
「押さえ込め、動きを止めろ」
矢により怪我を負った護衛が多いのに対して、襲ってきた賊は剣と盾で護衛の攻撃を防ぎ、倒す事よりは押さえ込む事を重視していた。
「何なんだコイツ等は?技量は大したことないのに、準備と戦術が半端ない!」
腕前は盗賊以下と言って良い平民並みだが、数は護衛の倍近く居る為に、訓練を受けた護衛と拮抗している。
「間合いを取れ。護衛を無理に殺す必要は無い!動きを止めれば良い!」
「道は開いた!特攻隊、行けっ!」
押さえ込まれた護衛の隙間を縫って、数人の男達が一番立派な馬車に取り付いた。
護衛を押さえ込んでいる者達より、体格も動きも良い男達だ。
「邪魔な奴は引き剥がせ、目標を間違えるな」
「御嬢様を守・・・うあっ」
守りに入った馭者も、馬車の下に突き落とされてしまった。
「クソッ、扉を押さえてやがる!蹴破れ!」
「おうっ!」
「きゃっ!」
馬車に取り付いた数人の内の一人が扉を蹴破り、中に居たマリアナが悲鳴を上げた。
「まだ幼い娘・・・コイツさえ殺れば俺達の未来は・・・」
何の躊躇もなく、賊は馬車に居た金髪の小柄な女性の首をかっ切った。
小柄な女性は声を上げる事も出来ず、馬車の中に鮮血が飛び散り、瞳が光を失う。
「やったぞ~!これでノウルは終わりだ!俺達の勝利だ」
「皆、戦闘終了だ。無駄に死ぬな」
馬車から放たれた叫びにより、護衛を押さえ込んでいた賊は一斉に逃げるか、尻もちをついて武器を手放した。
「何なんだ?コイツ等は?」
賊に剣を突き付けた護衛は、何が起きたか分からないでいる。
「御嬢様がぁ、御嬢様がぁ」
馬車から上がるマリアナの叫びに、一同に戦慄が走った。
賊の狙いがエリーシアだった事を理解するのに、十分な叫びだった。
真っ先に動いたのは、側仕えとして逃げていたファイアットとライルだった。
蹴破られた扉に飛込み、血塗れの惨状に目をやる。
「エリーシア!・・じゃない?これは・・・・」
「似ているが・・・誰だ?」
二人は、しばらく混乱した。
「これはエリーシア様です。そうしないと本物も狙われます。いいですね?」
「「・・・・・・」」
マリアナの言葉を理解するのに、二人の婿養子候補は時間を要した。
「そうか!これは・・・奇襲は既に想定されていた訳か?」
「近くに首謀者への連絡係りが居るかも知れないしな」
掛け声を聞いて、逃げた賊も居るが、まだ離れてはいないだろう。
婿養子候補に選ばれるだけあって、二人は聡明だった。
これが、エリーシア本人を守る為の【囮】だと、早々に理解したのだ。
「(この死んだ娘が【エリーシア】であるうちは、【本物】が狙われる恐れは無いって事か!)」
この【エリーシア】が替え玉だと知れれば、本物の捜索が始まるが、そうでなければ狙われる事はない。
理解が進んでいる間に、マリアナが馬車から出て叫んだ。
「賊どもを全員縛りなさい。そして傷の手当てを。ここで起きた一切は、旦那様の許可が有るまで口外を禁じます」
まだ、領主であるフェラルドは健在である。
部下達は、【エリーシア】が死んだ事を理解しつつも、黙々とマリアナの指示に従った。
「マリアナ様。想定外の事態です。【別動隊】に報告すべきでは?」
見れば、護衛の一人が小声で耳打ちしてきた。
「貴方は・・・そうね。伝令として行ってくれるかしら?」
「承知いたしました」
マリアナは、その護衛がエリーシアの奇行を知っている分家の一人で、従順な【奴隷扱いされている者】である事を知っていたのだ。
その護衛は馬にまたがり、街道を先に向かって走って行った。
他者からは、目的地への伝令に見えるだろう。
「さて、これからどう致しましょう?ライル様、ファイアット様、何かお考えが御有りでしょうか?取り合えず【別動隊】に伝令は走らせましたが」
マリアナは馬車の中で考えている二人に、小声で語りかけた。
外の部下達には、婚約者の亡骸に別れを惜しんでいる様に見えている。
「【別動隊】・・・ですか?定石なら戻るのが常識でしょう。これから先に向かったとて、第二陣や三陣が待ち構えているかも知れません」
「【エリーシア様】が亡くなられたのなら、母君の実家に向かうのではなく、フェラルド様に亡骸を御目にかけるのが流れです。ライルの意見に同意します」
二人の意見はもっともだ。しかし、
「行違いがあるといけませんので、私は【別動隊】の返事を待つべきだと思うのですが?」
「そうですね。行違いが【本当の最悪】を招く事が有るかも知れません」
事を成すのに仲間すら騙す必要が有るのを、彼等は理解している。
目的の為には騙される事も受け入れなくてはならない。
そして一番問題なのは、トップへの【報連相】を怠る事だ。
個々で感じたり判断した事が正しいと思ったり、行動が正解に至ると盲信するのは、子供向けの御都合主義童話でしかないのだ。
社会は複数の人間の思惑でできている。
だから個々人の理想や常識が他者のソレとぶつかり、社会は個人の思った通りに進まない。
同様に、複数の人間によって構成されている【組織】や【集団】も、個々人では行動や判断の方向がまちまちである。
一般に、この様な集団を【烏合の衆】と呼ぶ。
なので【組織】では、ソレを統一して方向性を強める為に上下関係たる【トップ】が存在し、それに指揮権と情報を集約して責任をも取らせるのだ。
当たり前だが、この場合のトップとはバルドのフェラルドではなく、最重要人物である【エリーシア】である。
「捕虜も有り、補給も必要なので、予定にあった次の宿場町まで移動するのが妥当ではないでょうか?マリアナ様」
「ファイアット殿のおっしゃる通りに致しましょう。これくらいの誤差なら、伝令も分かるでしょう」
「そうですね。それくらいの距離なら、奇襲の第二陣がある事も無いでしょう」
近くに第二陣を設けるくらいなら、戦力を合わせる方が合理的だ。
縛られた奇襲者達を歩かせ、三人の合意の元に隊列は次の宿場町へ向かって前進を始めた。
賊は、その装いや振るまいから山賊や農民の類いではなく、良家の子息のようだった。
「恐らくですが、三男以下の者かと」
「拷問しても喋らないでしょうが、エリーシア様を亡きものにして彼等に何の得があるのでしょうか?ファイアット殿」
布で包んだ遺体を乗せた馬車の中で、同じ三男であるファイアットにマリアナは問いただした。
「得など有りませんよ。同じ三男の嫉妬から殺されるなら、徴用された私が狙われるでしょう。彼等はバルド・ノウルに怨みがある者達なのでしょうか?」
「確かに『ノウルは終わりだ!』と叫んでいが、クスの三男とバルドに接触が有るとは思えないしな」
ファイアットもライルも、見当がつかなかった。
「全てを旦那様に御伝えして、更なる調査をしないと、全貌は掴めませんね」
馬で移動して到着する筈の宿場町だったが、徒歩の捕虜が居る事により、到着は日が暮れてからとなった。
よって、馬に乗った護衛は金属鎧や盾等を持てず、有事の際には身を呈して任務を遂行しなくてはならない。
「コースも護衛の数も情報どおりだし、案の定、軽装だな」
獲物の通り道が分かっていれば、前もって罠などの十分な準備ができるのは、狩人も襲撃者も同じだ。
母親の実家に向かうバルド・ノウルの馬車を待ち構える者達が居た。
「ピーッ」
ピュッ、ピュッ、ピュッ
「うっ!」「ぐあっ!」「あっ!」
口笛と共に、街道の両脇にある森から多数の矢が放たれて、次々と馬上の護衛や馬車の馭者に刺さっていった。
致命傷ではないが、馬から落ちる護衛が多数でている。
「襲撃だ!馬車を守れ」
「行けっ!やっちまえ!」
「うおぉぉぉ~~!」
矢が飛び終わるのと同時に、大量の男達が飛び出してきた。
「迎え撃て!」
「押さえ込め、動きを止めろ」
矢により怪我を負った護衛が多いのに対して、襲ってきた賊は剣と盾で護衛の攻撃を防ぎ、倒す事よりは押さえ込む事を重視していた。
「何なんだコイツ等は?技量は大したことないのに、準備と戦術が半端ない!」
腕前は盗賊以下と言って良い平民並みだが、数は護衛の倍近く居る為に、訓練を受けた護衛と拮抗している。
「間合いを取れ。護衛を無理に殺す必要は無い!動きを止めれば良い!」
「道は開いた!特攻隊、行けっ!」
押さえ込まれた護衛の隙間を縫って、数人の男達が一番立派な馬車に取り付いた。
護衛を押さえ込んでいる者達より、体格も動きも良い男達だ。
「邪魔な奴は引き剥がせ、目標を間違えるな」
「御嬢様を守・・・うあっ」
守りに入った馭者も、馬車の下に突き落とされてしまった。
「クソッ、扉を押さえてやがる!蹴破れ!」
「おうっ!」
「きゃっ!」
馬車に取り付いた数人の内の一人が扉を蹴破り、中に居たマリアナが悲鳴を上げた。
「まだ幼い娘・・・コイツさえ殺れば俺達の未来は・・・」
何の躊躇もなく、賊は馬車に居た金髪の小柄な女性の首をかっ切った。
小柄な女性は声を上げる事も出来ず、馬車の中に鮮血が飛び散り、瞳が光を失う。
「やったぞ~!これでノウルは終わりだ!俺達の勝利だ」
「皆、戦闘終了だ。無駄に死ぬな」
馬車から放たれた叫びにより、護衛を押さえ込んでいた賊は一斉に逃げるか、尻もちをついて武器を手放した。
「何なんだ?コイツ等は?」
賊に剣を突き付けた護衛は、何が起きたか分からないでいる。
「御嬢様がぁ、御嬢様がぁ」
馬車から上がるマリアナの叫びに、一同に戦慄が走った。
賊の狙いがエリーシアだった事を理解するのに、十分な叫びだった。
真っ先に動いたのは、側仕えとして逃げていたファイアットとライルだった。
蹴破られた扉に飛込み、血塗れの惨状に目をやる。
「エリーシア!・・じゃない?これは・・・・」
「似ているが・・・誰だ?」
二人は、しばらく混乱した。
「これはエリーシア様です。そうしないと本物も狙われます。いいですね?」
「「・・・・・・」」
マリアナの言葉を理解するのに、二人の婿養子候補は時間を要した。
「そうか!これは・・・奇襲は既に想定されていた訳か?」
「近くに首謀者への連絡係りが居るかも知れないしな」
掛け声を聞いて、逃げた賊も居るが、まだ離れてはいないだろう。
婿養子候補に選ばれるだけあって、二人は聡明だった。
これが、エリーシア本人を守る為の【囮】だと、早々に理解したのだ。
「(この死んだ娘が【エリーシア】であるうちは、【本物】が狙われる恐れは無いって事か!)」
この【エリーシア】が替え玉だと知れれば、本物の捜索が始まるが、そうでなければ狙われる事はない。
理解が進んでいる間に、マリアナが馬車から出て叫んだ。
「賊どもを全員縛りなさい。そして傷の手当てを。ここで起きた一切は、旦那様の許可が有るまで口外を禁じます」
まだ、領主であるフェラルドは健在である。
部下達は、【エリーシア】が死んだ事を理解しつつも、黙々とマリアナの指示に従った。
「マリアナ様。想定外の事態です。【別動隊】に報告すべきでは?」
見れば、護衛の一人が小声で耳打ちしてきた。
「貴方は・・・そうね。伝令として行ってくれるかしら?」
「承知いたしました」
マリアナは、その護衛がエリーシアの奇行を知っている分家の一人で、従順な【奴隷扱いされている者】である事を知っていたのだ。
その護衛は馬にまたがり、街道を先に向かって走って行った。
他者からは、目的地への伝令に見えるだろう。
「さて、これからどう致しましょう?ライル様、ファイアット様、何かお考えが御有りでしょうか?取り合えず【別動隊】に伝令は走らせましたが」
マリアナは馬車の中で考えている二人に、小声で語りかけた。
外の部下達には、婚約者の亡骸に別れを惜しんでいる様に見えている。
「【別動隊】・・・ですか?定石なら戻るのが常識でしょう。これから先に向かったとて、第二陣や三陣が待ち構えているかも知れません」
「【エリーシア様】が亡くなられたのなら、母君の実家に向かうのではなく、フェラルド様に亡骸を御目にかけるのが流れです。ライルの意見に同意します」
二人の意見はもっともだ。しかし、
「行違いがあるといけませんので、私は【別動隊】の返事を待つべきだと思うのですが?」
「そうですね。行違いが【本当の最悪】を招く事が有るかも知れません」
事を成すのに仲間すら騙す必要が有るのを、彼等は理解している。
目的の為には騙される事も受け入れなくてはならない。
そして一番問題なのは、トップへの【報連相】を怠る事だ。
個々で感じたり判断した事が正しいと思ったり、行動が正解に至ると盲信するのは、子供向けの御都合主義童話でしかないのだ。
社会は複数の人間の思惑でできている。
だから個々人の理想や常識が他者のソレとぶつかり、社会は個人の思った通りに進まない。
同様に、複数の人間によって構成されている【組織】や【集団】も、個々人では行動や判断の方向がまちまちである。
一般に、この様な集団を【烏合の衆】と呼ぶ。
なので【組織】では、ソレを統一して方向性を強める為に上下関係たる【トップ】が存在し、それに指揮権と情報を集約して責任をも取らせるのだ。
当たり前だが、この場合のトップとはバルドのフェラルドではなく、最重要人物である【エリーシア】である。
「捕虜も有り、補給も必要なので、予定にあった次の宿場町まで移動するのが妥当ではないでょうか?マリアナ様」
「ファイアット殿のおっしゃる通りに致しましょう。これくらいの誤差なら、伝令も分かるでしょう」
「そうですね。それくらいの距離なら、奇襲の第二陣がある事も無いでしょう」
近くに第二陣を設けるくらいなら、戦力を合わせる方が合理的だ。
縛られた奇襲者達を歩かせ、三人の合意の元に隊列は次の宿場町へ向かって前進を始めた。
賊は、その装いや振るまいから山賊や農民の類いではなく、良家の子息のようだった。
「恐らくですが、三男以下の者かと」
「拷問しても喋らないでしょうが、エリーシア様を亡きものにして彼等に何の得があるのでしょうか?ファイアット殿」
布で包んだ遺体を乗せた馬車の中で、同じ三男であるファイアットにマリアナは問いただした。
「得など有りませんよ。同じ三男の嫉妬から殺されるなら、徴用された私が狙われるでしょう。彼等はバルド・ノウルに怨みがある者達なのでしょうか?」
「確かに『ノウルは終わりだ!』と叫んでいが、クスの三男とバルドに接触が有るとは思えないしな」
ファイアットもライルも、見当がつかなかった。
「全てを旦那様に御伝えして、更なる調査をしないと、全貌は掴めませんね」
馬で移動して到着する筈の宿場町だったが、徒歩の捕虜が居る事により、到着は日が暮れてからとなった。
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