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22 エリーシアの準備
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部屋に戻ったエリーシアは、気軽な部屋着に着替えて御茶を飲んだ。
「あまりでしゃばると、御父様の心証を悪くするかしら?」
部屋にはメイド長のマリアナと、暗殺ギルドから来ているシンシア。あとは【影】の使用人だけにして人払いをしてある。
「いいえ。表立っては御嬢様が関与している事にはなっておりませんし、詳細は実行班で決めていますので、大丈夫だと思います」
【影】の使用人が返事をして、マリアナは聞いていないふりをしている。
彼女は中級貴族の出なので、『直接名指しされていない事で、自分が聞かない方が良い事は聞こえない』という貴族マナーができている。
あくまで『そんな事を話されていたような?いなかった様な?』という範囲に留めるのだ。
【影】や【暗殺ギルド】には、それぞれのやり方がある。
彼等を使う側の者が詳細を知る必要はないが、概要は知っておくのは重要だ。
エリーシアは、暗殺ギルドや影達から頻繁に【報告】を受けて、全体の構成を組み立てていった。
それはパズルや積み木を組み立てるのに似ていて、パーツが足りなかったり、バランスが悪かったりして難航はしたが、【影】達に教わりながらもどうにか組上がった。
「これで、ソライト・クス・リゼートの方は大丈夫ね」
「はい、御嬢様。あとは当方で調整や支援を行いますのでお任せください」
使用人は明確に返事してみせた。
暗殺はギルドの方に任せ、根回しや脅迫や誘拐は【影】が担当する様にしたのだ。
『餅は餅屋』と言った様に、分担と情報交換を明確にした。
「しかし、本当に【病死】にできるのでしょうね?【殺害】だと小規模と言えど、バルド派とリゼート派の戦に成りかねないのだけど?」
エリーシアの懸念は、部下も理解していた。
できれば、貴族にも領民にも被害が少ない方が望ましい。
反バルド派と言えど、重要な役職についている者は少なくはない。
一斉に粛清した方がキレイになるが、その後の行政が立ち行かなくなっては困る。
「大丈夫でございます。この暗殺方法は何度も行った方法でございますから」
シンシアが、当たり前の事の様に答えてエリーシアが少し顔色を変えた。
これまでも、領内で病死した貴族が居なかったわけでは無かったからだ。
「頭が潰れれば他の動きを止め、残る反対分子は時間をかけて調整をしながら始末していきますので」
【影】の方も手回しは終えている様だ。
会議前に下準備は始めていて、その場で決めるべきは連携と情報交換の方法を取り決めるだけだった。
「でも、一応は親戚筋なのだから、実行前に改心したり誰かに止められたら、可能な限り穏便に終わらせたいわ」
「承知致しました。ただ、御嬢様の御命を奪う行動に出た時は、確実に阻止して報復を致します」
既に影武者が殺されているので、【影】としては一族郎党皆殺しにしたいのだが、それでは御嬢様も困るらしい。
ただ、どこまでを【穏便に】と言うかは、意見の相違があるだろうが。
「(御父様に仇なす者を許す訳がないでしょう。ソライトだけは必ず)」
口では恩情をかける言葉をしていたエリーシアだが、その本心は違っていた様だ。
御互いに言質を取られない様にしているが、主人と配下の思いは、ほぼ同じだった。
「じゃあ、次に考えるのは成人の義と社交界ね」
次にリゼート家が襲うとなると、成人の義と社交界の為に王都に向かう時と考えられる。
屋敷での暗殺に関しては、【影】達が万全の体制で守っているからだ。
暗殺を行う者達は、自分や自分の関係者が暗殺される事も留意しなければならない。
だが、それらの行動判断は、既にエリーシアの手を離れたからだ。
為政者は目前の事が部下に任せられるなら、常に先の事を見なくてはならないのだ。
さて、【成人の義】とは新たに成人になった者が、上司の貴族に顔見せと挨拶を行う事だ。
【社交界】とは領主に当たる貴族の顔見せと情報交換の場所であり、未婚の貴族子女の結婚相手を見定める場でもある。
しかしソレは【お見合い】の様な当人同士の顔合わせではなく、親が相手の子供を見定めて親同士が婚姻を決める場だ。
現実的に『結婚式の時に始めて相手を見た』という事もザラだ。
貴族の【婚姻】とは個々の恋愛ではなく、家同士の契約関係なのだから。
「もともと【病弱】であられた御嬢様ですから、下手に負担になる様な事は旦那様が諌められるでしょう。そして、社交界で余程の縁談が無い限りは、ライルかファイアットが婿養子として迎えられると存じます」
社交界にも知識のあるマリアナが、今後の事について口を開いた。
「でも次期バルドが、あの二人じゃあ頼りないのよね。所詮は地方領地の行政経験止りだし、コネクションは狭いし」
バルド領地運営に関しては、エリーシアの方がしっかりした教育を受けている。
いまだ【婿養子候補】なだけでは、バルドの詳細を教える訳にはいかないからだ。
かと言って、エリーシア誕生の為に父親の代から先細りになったバルド・ノウルを、エリーシアの代で更に評判や勢力が落ちるのは申し訳ない。
少なくともエリーシア自身は、そう思っている。
「どうにか、王都で良縁を得る方法を考えないと・・・その時は、皆にも手伝ってもらうわよ」
「「勿論でございます」」
領地が力を持てば、領民は勿論だが家臣の待遇や生活も向上するので、彼女達にはメリットが大きい。
ただ、それに付随する責任も増えるだろうが。
「では、御嬢様。その為にも今日も社交界参加の方々についての御勉強をいたしましょう」
そう言うマリアナの目配せでシンシアが紙の束をテーブルに出した。
「そうね。御父様に恥をかかせる訳にはいかないものね」
「一応は、私達も側に控えておりますが、用心にこした事はございませんので」
少しウンザリ顔をしたエリーシアだが、その紙の束は社交界に参加予定の貴族に関する資料と似顔絵だ。
父親も同席するし紹介もされるだろうが、単独の時に声を掛けられる事もあるかもしれないからだ。
紹介されても、大勢の顔と名前が一度に覚えられる訳がないし、間違えたり忘れたりすると嫌がらせと取られかねない。
「社交界って、思った以上に大変なのね」
「何を言ってるのシンシア。御側で控える私達も覚えなくてはならないのよ」
「え~っ、嘘ですよね?マリアナ様」
「御嬢様が度忘れした時に、誰がお助けするのですか?」
会場内では主要な貴族と子女の他には、数人の御付き側仕えと使用人しか同席できない
エリーシア近くに居る者にはマリアナと、使用人と護衛としての能力も持つシンシアが選ばれた。
暗殺ギルドのシンシアは勿論だが、地方貴族出身のマリアナも王都での社交界ともなると参加者に関する知識が乏しいので勉強する必要が有るのだ。
マリアナも、これまでは妻セリナの世話とエリーシア養育の為に、王都へ行く機会がなかったからだ。
「ダニエルが一緒にいてぐれれば心強いんだけど」
「彼は旦那様に付いておらねばなりませんから」
侍従長のダニエル・セドランは、何度も王都での社交界に同行しているが、フェラルドに付いていはならないので、別行動になった時に頼る訳にはいかないのだった。
「でも、王都社交界の経験がある側仕えを数人回していただけるとは思いますが」
「そうね。御父様にお願いしてみるわ」
経験者を用立てる事ができたとしても、この三人が参加者を覚えなくても良いという訳ではない。
「資料を三分割しましたので、平行して覚えてまいりましょう」
「そうね。特に王族とバルド関係は、私に回してね」
「心得ております」
その後、勉強会は夕食直前まで続いたのだった。
「あまりでしゃばると、御父様の心証を悪くするかしら?」
部屋にはメイド長のマリアナと、暗殺ギルドから来ているシンシア。あとは【影】の使用人だけにして人払いをしてある。
「いいえ。表立っては御嬢様が関与している事にはなっておりませんし、詳細は実行班で決めていますので、大丈夫だと思います」
【影】の使用人が返事をして、マリアナは聞いていないふりをしている。
彼女は中級貴族の出なので、『直接名指しされていない事で、自分が聞かない方が良い事は聞こえない』という貴族マナーができている。
あくまで『そんな事を話されていたような?いなかった様な?』という範囲に留めるのだ。
【影】や【暗殺ギルド】には、それぞれのやり方がある。
彼等を使う側の者が詳細を知る必要はないが、概要は知っておくのは重要だ。
エリーシアは、暗殺ギルドや影達から頻繁に【報告】を受けて、全体の構成を組み立てていった。
それはパズルや積み木を組み立てるのに似ていて、パーツが足りなかったり、バランスが悪かったりして難航はしたが、【影】達に教わりながらもどうにか組上がった。
「これで、ソライト・クス・リゼートの方は大丈夫ね」
「はい、御嬢様。あとは当方で調整や支援を行いますのでお任せください」
使用人は明確に返事してみせた。
暗殺はギルドの方に任せ、根回しや脅迫や誘拐は【影】が担当する様にしたのだ。
『餅は餅屋』と言った様に、分担と情報交換を明確にした。
「しかし、本当に【病死】にできるのでしょうね?【殺害】だと小規模と言えど、バルド派とリゼート派の戦に成りかねないのだけど?」
エリーシアの懸念は、部下も理解していた。
できれば、貴族にも領民にも被害が少ない方が望ましい。
反バルド派と言えど、重要な役職についている者は少なくはない。
一斉に粛清した方がキレイになるが、その後の行政が立ち行かなくなっては困る。
「大丈夫でございます。この暗殺方法は何度も行った方法でございますから」
シンシアが、当たり前の事の様に答えてエリーシアが少し顔色を変えた。
これまでも、領内で病死した貴族が居なかったわけでは無かったからだ。
「頭が潰れれば他の動きを止め、残る反対分子は時間をかけて調整をしながら始末していきますので」
【影】の方も手回しは終えている様だ。
会議前に下準備は始めていて、その場で決めるべきは連携と情報交換の方法を取り決めるだけだった。
「でも、一応は親戚筋なのだから、実行前に改心したり誰かに止められたら、可能な限り穏便に終わらせたいわ」
「承知致しました。ただ、御嬢様の御命を奪う行動に出た時は、確実に阻止して報復を致します」
既に影武者が殺されているので、【影】としては一族郎党皆殺しにしたいのだが、それでは御嬢様も困るらしい。
ただ、どこまでを【穏便に】と言うかは、意見の相違があるだろうが。
「(御父様に仇なす者を許す訳がないでしょう。ソライトだけは必ず)」
口では恩情をかける言葉をしていたエリーシアだが、その本心は違っていた様だ。
御互いに言質を取られない様にしているが、主人と配下の思いは、ほぼ同じだった。
「じゃあ、次に考えるのは成人の義と社交界ね」
次にリゼート家が襲うとなると、成人の義と社交界の為に王都に向かう時と考えられる。
屋敷での暗殺に関しては、【影】達が万全の体制で守っているからだ。
暗殺を行う者達は、自分や自分の関係者が暗殺される事も留意しなければならない。
だが、それらの行動判断は、既にエリーシアの手を離れたからだ。
為政者は目前の事が部下に任せられるなら、常に先の事を見なくてはならないのだ。
さて、【成人の義】とは新たに成人になった者が、上司の貴族に顔見せと挨拶を行う事だ。
【社交界】とは領主に当たる貴族の顔見せと情報交換の場所であり、未婚の貴族子女の結婚相手を見定める場でもある。
しかしソレは【お見合い】の様な当人同士の顔合わせではなく、親が相手の子供を見定めて親同士が婚姻を決める場だ。
現実的に『結婚式の時に始めて相手を見た』という事もザラだ。
貴族の【婚姻】とは個々の恋愛ではなく、家同士の契約関係なのだから。
「もともと【病弱】であられた御嬢様ですから、下手に負担になる様な事は旦那様が諌められるでしょう。そして、社交界で余程の縁談が無い限りは、ライルかファイアットが婿養子として迎えられると存じます」
社交界にも知識のあるマリアナが、今後の事について口を開いた。
「でも次期バルドが、あの二人じゃあ頼りないのよね。所詮は地方領地の行政経験止りだし、コネクションは狭いし」
バルド領地運営に関しては、エリーシアの方がしっかりした教育を受けている。
いまだ【婿養子候補】なだけでは、バルドの詳細を教える訳にはいかないからだ。
かと言って、エリーシア誕生の為に父親の代から先細りになったバルド・ノウルを、エリーシアの代で更に評判や勢力が落ちるのは申し訳ない。
少なくともエリーシア自身は、そう思っている。
「どうにか、王都で良縁を得る方法を考えないと・・・その時は、皆にも手伝ってもらうわよ」
「「勿論でございます」」
領地が力を持てば、領民は勿論だが家臣の待遇や生活も向上するので、彼女達にはメリットが大きい。
ただ、それに付随する責任も増えるだろうが。
「では、御嬢様。その為にも今日も社交界参加の方々についての御勉強をいたしましょう」
そう言うマリアナの目配せでシンシアが紙の束をテーブルに出した。
「そうね。御父様に恥をかかせる訳にはいかないものね」
「一応は、私達も側に控えておりますが、用心にこした事はございませんので」
少しウンザリ顔をしたエリーシアだが、その紙の束は社交界に参加予定の貴族に関する資料と似顔絵だ。
父親も同席するし紹介もされるだろうが、単独の時に声を掛けられる事もあるかもしれないからだ。
紹介されても、大勢の顔と名前が一度に覚えられる訳がないし、間違えたり忘れたりすると嫌がらせと取られかねない。
「社交界って、思った以上に大変なのね」
「何を言ってるのシンシア。御側で控える私達も覚えなくてはならないのよ」
「え~っ、嘘ですよね?マリアナ様」
「御嬢様が度忘れした時に、誰がお助けするのですか?」
会場内では主要な貴族と子女の他には、数人の御付き側仕えと使用人しか同席できない
エリーシア近くに居る者にはマリアナと、使用人と護衛としての能力も持つシンシアが選ばれた。
暗殺ギルドのシンシアは勿論だが、地方貴族出身のマリアナも王都での社交界ともなると参加者に関する知識が乏しいので勉強する必要が有るのだ。
マリアナも、これまでは妻セリナの世話とエリーシア養育の為に、王都へ行く機会がなかったからだ。
「ダニエルが一緒にいてぐれれば心強いんだけど」
「彼は旦那様に付いておらねばなりませんから」
侍従長のダニエル・セドランは、何度も王都での社交界に同行しているが、フェラルドに付いていはならないので、別行動になった時に頼る訳にはいかないのだった。
「でも、王都社交界の経験がある側仕えを数人回していただけるとは思いますが」
「そうね。御父様にお願いしてみるわ」
経験者を用立てる事ができたとしても、この三人が参加者を覚えなくても良いという訳ではない。
「資料を三分割しましたので、平行して覚えてまいりましょう」
「そうね。特に王族とバルド関係は、私に回してね」
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