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25 タウンハウス
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地球型多細胞生物の多くは、父方と母方二系統の遺伝情報を持っている。
近年の生物学研究では、本来は一系統の遺伝情報しか持たなかった単細胞生物が、飢餓状態の時に構成物資を共有使用する為に同種と融合する事が判明し、それが二系統遺伝子の起源ではないかと考えられている。
異なる二つの遺伝子が一つの細胞内で同居し、お互いの情報を入れ替える遺伝子操作が、多細胞化や進化の元となっているのかも知れない。
地球の生物は、寄り添い協力しあう事で生き延び、進化したのだろう。
それ故か、『万物の霊長』と自負する人間も単独では繁殖もできない。
生活するのも一人では難しい。
家族を作り村を作り、町や国を作る。
複数の人間が接触すれば争いも起きるのだが、それを上回るメリットがあると感じているのか、単細胞生物だった頃からの生存処世本能なのかは、判断が難しい。
ともあれエリーシア達の馬車は、最大級の統制集団【国】の中心たる【王都】に予定通りに到着した。
「想定外のイレギュラーも無かったな」
「初めての長旅なので分かりませんが、他にも驚異があるものなのですか?」
「ああ、盗賊とか狼の群、崖崩れや天候による影響など、命の危険は多数ある」
本や報告書には記載されない事もあるので、エリーシアが屋敷内で学べない事は多い。
実際には襲撃者達が、不確定要素を無くす為に排除したのかも知れなかったが。
「領内の街並とは、規模も質も段違いなのですね」
馬車の窓から見える初めての王都に、エリーシアは興奮ぎみだ。
「我が領地も、これを目指して発展させたいものだ」
そもそも王家と公爵では、税収も行政予算も規模が異なるので、あくまで『目指す』なのではある。
王都に入った一行は、王城の近くにあるタウンハウスへと向かっている。
現代で【タウンハウス】と言えば、都市部や周辺の集合住宅を意味するが、本来は地方貴族が首都圏に滞在する為の住まいや貴族街を意味する。
対義語としては自領内の屋敷を【カントリーハウス】と呼ぶ。
タウンハウスは主が不在時には数人で管理して居るが、その広さは行列の全てを収容できるだけのものがある。
財力の無い領主の簡素な物でも領主家族と側仕えと使用人、最低限の護衛が生活できる規模が必要だ。
その場合は移動時の護衛や物資を一時雇いしていたり、比較的地価の安い辺境部に宿舎を借りて他の人員を収容している。
しかし、バルドであるエリーシアの家は、衰えたと言えど一等地にある巨大な持ち家なのだ。
都門を抜け大通りを進むと、高い塀に囲まれた区画に入っていく。
馬車の窓から見回すと、そのうちの一つが大きな門を開いた。
「こんな御屋敷が王都に有ったのですね?」
「財政は困難だが、このタウンハウスは王都における【バルド・ノウルの顔】だからな」
バルドのタウンハウスともなると一つの建物ではなく、複数の建物からなる【村】の規模だ。
中には現代のタウンハウス同様の集合住宅もある。
門を入ると隊列を組んでいた馬車や騎兵が左右の通りへと別れていく。
エリーシアの【社交界デビュー】とは言え、その一行には分家も含まれる。
護衛をする者の中にも、社交界デビューする者の親が含まれていたりするので、敷地内の其々の屋敷へと向かっているのだ。
やがて、ひときわ大きな屋敷の前まで来るとダニエルが立っていた。
停まった馬車の扉を開けて、昇降用の階段を用意しはじめた。
「旦那様、御嬢様、御無事で何よりでございます。先ずはリビングで御茶をどうぞ」
今も昔も、長い移動の時は水分を控えるのが常識だ。
それはトイレを用意するのに停まらなくてはならなくなるからだ。
現代日本の皇族などもソウだが、警備の為に重要人物はトイレに行く時間も決められている。
喉が渇いても、好き勝手に飲み物を飲む事はできない。
その為に到着時には、ゆっくりとした水分補給こそが最高の持て成しとなる。
リビングでは、御茶が用意されていたが、ダニエルの他にはフェラルドとエリーシアのみで他の者が排されていた。
「報告致します。ギルドの協力もあって襲撃者達は排除できました。首謀者のソライト伯は病死されておりましたが、後継者のパーシェル殿には伯が行った奴隷売買、エリーシア様暗殺未遂と襲撃計画の証拠と証人を提出致しました。潜入していたギルドのお陰で、御膳立ては万全でございましたよ」
フェラルドが御茶を飲む間に、ダニエルはケーキを準備しながら告げた。
実際にはソライトの死は【病死】ではなく【毒殺】なのだが、それを口にするほどヤボでも不用心でもない。
あくまでフェラルド達が行ったのは、襲撃犯達の撃退であって暗殺ではない事にしなくてはならない。
よって、襲撃犯が動き出すまでは手を出さなかったのだ。
「表向きは『領内にトラブルは無かった』で通す事にしたであろうな?」
「勿論でございます。そうしなければリゼート家をとり潰さなくてはならない事を、パーシェル殿も理解されておりましたから」
エリーシアの影武者が襲われた件も、野盗の襲撃という事で配下には知らせてある。
真実を知るのは、関係者と親族のみだ。
影武者襲撃の当事者も、フェラルドをなだめて数名残してあった。
「で、どれだけ取れた?」
「農地の三分の一と、財産の半分でございます」
「まぁ、そんなものか・・・」
倍賞金として取り立てた金額としては破格と言える。
これ以上要求すれば領地の運営に差し障り、今後の徴税に響くからだ。
これら利益の一部は、暗殺ギルドへの報酬や対策の諸経費に当てられる。
結局は、権力と財力のある者が情報を手にして勝利を手にし、相手の財産をブン取るのだ。
その様な者を相手にするには、よほど身元を隠すか奇策を講じるか、更なる上位者と結託するしかない。
金も知恵も、人員力も足りなかったのが、リゼート家の敗因と言える。
「支援者関係者の処分は、領地へ戻り次第となりますが、よろしいでしょうか?」
「逃げる先もないし、急ぐ事もあるまい」
「責任の擦り付け合いにも時間が必要でございますからね」
実行犯が傍流や勘当された貴族子息でも、全くの無関係とする事はできない。
また、暗殺ギルドが潜入していたのは、支援者などの関係を突き止めるためでもあったのだ。
貴族の当主が【病死】して世代交代し、バルドへの【挨拶】として倍賞金を納める形になるだろう。
リゼートと結託して成り上がろうとしたのだから、リスクを負うのも当然だ。
だが、中には貴族としての地位を維持できない者も出る。
「上級や中級貴族に、新たに叙爵がある事を知らせねばならないな」
爵位を返上せざるを得ない者が出ては、領地の管理に問題が生じる。
なので、上位貴族の許可を得た者が爵位と領地権限を『買い取る』のだ。
爵位を失った者は、その金を倍賞金や借金に充てるという寸法だ。
「是非とも、孫も候補にお願い致します」
「抜け目無いな。ダニエル」
平民扱いになる貴族の三男坊以下や、貴族の血を持ちながら平民に墜ちたダニエルの息子、孫達からすれば、再び貴族に返り咲くチャンスと言える。
「はははは、貴族の家に生れた者としては当たり前でございますよ」
「確かにソウだな、はははは」
「・・・・・・」
「「はははははははは」」
リビングに、含みのある笑いが響き渡った。
「狸と狐かぁ」
個室にさがったエリーシアは、服を着替えて髪を整えさせていた。
髪を整えているメイドはシンシアで、後ろにはメイド長のマリアナが控えている。
「御嬢様は御承知の事と存じますが、この王都では実家の支援が有りませんので、私はお役にたてません」
「そうだったわね。でも、貴女が私の補佐はできるのでしょう?」
シンシアの本当の実家は、バルド・ノウルを拠点とする【暗殺ギルド】で、その実態は王家直属の諜報部門【闇】の分家だ。
王都は【闇】本家の領分なので、分家の者が動いては面目が立たない。
「確かに雇われメイドとしてなら動けますが」
「それ以上は望まないわ。貴女の実家との関係を悪くはしたくないもの」
地元の暗殺ギルドと敵対するのはエリーシアにとっても都合が悪い。
暗殺ギルドとは主従関係ではなく、利益によって繋がっている関係と言えるからだ。
暗殺ギルド/闇の分家は、バルドが王家に対して謀叛を企てるのを防止するのが主な任務だ。
公然とバルド・ノウルを監視できる現在の関係はメリットが大きい。
「用意ができましたら、そろそろレクチャーを開始いたしましょう」
「そうね、何日もかかるのでしょう?気が重いわ」
エリーシアやシンシアは勿論、マリアナも親族ではない為に成人の義や社交界は経験が無かった。
これから三人を含めた者達が、父親付きの側仕えや使用人から教えを受けるのだ。
「(まさか、王都での事まで関わるとは思わなかったわ)」
平民に近い生活を送っていたシンシアは、心身ともに重たくなるのを感じた。
近年の生物学研究では、本来は一系統の遺伝情報しか持たなかった単細胞生物が、飢餓状態の時に構成物資を共有使用する為に同種と融合する事が判明し、それが二系統遺伝子の起源ではないかと考えられている。
異なる二つの遺伝子が一つの細胞内で同居し、お互いの情報を入れ替える遺伝子操作が、多細胞化や進化の元となっているのかも知れない。
地球の生物は、寄り添い協力しあう事で生き延び、進化したのだろう。
それ故か、『万物の霊長』と自負する人間も単独では繁殖もできない。
生活するのも一人では難しい。
家族を作り村を作り、町や国を作る。
複数の人間が接触すれば争いも起きるのだが、それを上回るメリットがあると感じているのか、単細胞生物だった頃からの生存処世本能なのかは、判断が難しい。
ともあれエリーシア達の馬車は、最大級の統制集団【国】の中心たる【王都】に予定通りに到着した。
「想定外のイレギュラーも無かったな」
「初めての長旅なので分かりませんが、他にも驚異があるものなのですか?」
「ああ、盗賊とか狼の群、崖崩れや天候による影響など、命の危険は多数ある」
本や報告書には記載されない事もあるので、エリーシアが屋敷内で学べない事は多い。
実際には襲撃者達が、不確定要素を無くす為に排除したのかも知れなかったが。
「領内の街並とは、規模も質も段違いなのですね」
馬車の窓から見える初めての王都に、エリーシアは興奮ぎみだ。
「我が領地も、これを目指して発展させたいものだ」
そもそも王家と公爵では、税収も行政予算も規模が異なるので、あくまで『目指す』なのではある。
王都に入った一行は、王城の近くにあるタウンハウスへと向かっている。
現代で【タウンハウス】と言えば、都市部や周辺の集合住宅を意味するが、本来は地方貴族が首都圏に滞在する為の住まいや貴族街を意味する。
対義語としては自領内の屋敷を【カントリーハウス】と呼ぶ。
タウンハウスは主が不在時には数人で管理して居るが、その広さは行列の全てを収容できるだけのものがある。
財力の無い領主の簡素な物でも領主家族と側仕えと使用人、最低限の護衛が生活できる規模が必要だ。
その場合は移動時の護衛や物資を一時雇いしていたり、比較的地価の安い辺境部に宿舎を借りて他の人員を収容している。
しかし、バルドであるエリーシアの家は、衰えたと言えど一等地にある巨大な持ち家なのだ。
都門を抜け大通りを進むと、高い塀に囲まれた区画に入っていく。
馬車の窓から見回すと、そのうちの一つが大きな門を開いた。
「こんな御屋敷が王都に有ったのですね?」
「財政は困難だが、このタウンハウスは王都における【バルド・ノウルの顔】だからな」
バルドのタウンハウスともなると一つの建物ではなく、複数の建物からなる【村】の規模だ。
中には現代のタウンハウス同様の集合住宅もある。
門を入ると隊列を組んでいた馬車や騎兵が左右の通りへと別れていく。
エリーシアの【社交界デビュー】とは言え、その一行には分家も含まれる。
護衛をする者の中にも、社交界デビューする者の親が含まれていたりするので、敷地内の其々の屋敷へと向かっているのだ。
やがて、ひときわ大きな屋敷の前まで来るとダニエルが立っていた。
停まった馬車の扉を開けて、昇降用の階段を用意しはじめた。
「旦那様、御嬢様、御無事で何よりでございます。先ずはリビングで御茶をどうぞ」
今も昔も、長い移動の時は水分を控えるのが常識だ。
それはトイレを用意するのに停まらなくてはならなくなるからだ。
現代日本の皇族などもソウだが、警備の為に重要人物はトイレに行く時間も決められている。
喉が渇いても、好き勝手に飲み物を飲む事はできない。
その為に到着時には、ゆっくりとした水分補給こそが最高の持て成しとなる。
リビングでは、御茶が用意されていたが、ダニエルの他にはフェラルドとエリーシアのみで他の者が排されていた。
「報告致します。ギルドの協力もあって襲撃者達は排除できました。首謀者のソライト伯は病死されておりましたが、後継者のパーシェル殿には伯が行った奴隷売買、エリーシア様暗殺未遂と襲撃計画の証拠と証人を提出致しました。潜入していたギルドのお陰で、御膳立ては万全でございましたよ」
フェラルドが御茶を飲む間に、ダニエルはケーキを準備しながら告げた。
実際にはソライトの死は【病死】ではなく【毒殺】なのだが、それを口にするほどヤボでも不用心でもない。
あくまでフェラルド達が行ったのは、襲撃犯達の撃退であって暗殺ではない事にしなくてはならない。
よって、襲撃犯が動き出すまでは手を出さなかったのだ。
「表向きは『領内にトラブルは無かった』で通す事にしたであろうな?」
「勿論でございます。そうしなければリゼート家をとり潰さなくてはならない事を、パーシェル殿も理解されておりましたから」
エリーシアの影武者が襲われた件も、野盗の襲撃という事で配下には知らせてある。
真実を知るのは、関係者と親族のみだ。
影武者襲撃の当事者も、フェラルドをなだめて数名残してあった。
「で、どれだけ取れた?」
「農地の三分の一と、財産の半分でございます」
「まぁ、そんなものか・・・」
倍賞金として取り立てた金額としては破格と言える。
これ以上要求すれば領地の運営に差し障り、今後の徴税に響くからだ。
これら利益の一部は、暗殺ギルドへの報酬や対策の諸経費に当てられる。
結局は、権力と財力のある者が情報を手にして勝利を手にし、相手の財産をブン取るのだ。
その様な者を相手にするには、よほど身元を隠すか奇策を講じるか、更なる上位者と結託するしかない。
金も知恵も、人員力も足りなかったのが、リゼート家の敗因と言える。
「支援者関係者の処分は、領地へ戻り次第となりますが、よろしいでしょうか?」
「逃げる先もないし、急ぐ事もあるまい」
「責任の擦り付け合いにも時間が必要でございますからね」
実行犯が傍流や勘当された貴族子息でも、全くの無関係とする事はできない。
また、暗殺ギルドが潜入していたのは、支援者などの関係を突き止めるためでもあったのだ。
貴族の当主が【病死】して世代交代し、バルドへの【挨拶】として倍賞金を納める形になるだろう。
リゼートと結託して成り上がろうとしたのだから、リスクを負うのも当然だ。
だが、中には貴族としての地位を維持できない者も出る。
「上級や中級貴族に、新たに叙爵がある事を知らせねばならないな」
爵位を返上せざるを得ない者が出ては、領地の管理に問題が生じる。
なので、上位貴族の許可を得た者が爵位と領地権限を『買い取る』のだ。
爵位を失った者は、その金を倍賞金や借金に充てるという寸法だ。
「是非とも、孫も候補にお願い致します」
「抜け目無いな。ダニエル」
平民扱いになる貴族の三男坊以下や、貴族の血を持ちながら平民に墜ちたダニエルの息子、孫達からすれば、再び貴族に返り咲くチャンスと言える。
「はははは、貴族の家に生れた者としては当たり前でございますよ」
「確かにソウだな、はははは」
「・・・・・・」
「「はははははははは」」
リビングに、含みのある笑いが響き渡った。
「狸と狐かぁ」
個室にさがったエリーシアは、服を着替えて髪を整えさせていた。
髪を整えているメイドはシンシアで、後ろにはメイド長のマリアナが控えている。
「御嬢様は御承知の事と存じますが、この王都では実家の支援が有りませんので、私はお役にたてません」
「そうだったわね。でも、貴女が私の補佐はできるのでしょう?」
シンシアの本当の実家は、バルド・ノウルを拠点とする【暗殺ギルド】で、その実態は王家直属の諜報部門【闇】の分家だ。
王都は【闇】本家の領分なので、分家の者が動いては面目が立たない。
「確かに雇われメイドとしてなら動けますが」
「それ以上は望まないわ。貴女の実家との関係を悪くはしたくないもの」
地元の暗殺ギルドと敵対するのはエリーシアにとっても都合が悪い。
暗殺ギルドとは主従関係ではなく、利益によって繋がっている関係と言えるからだ。
暗殺ギルド/闇の分家は、バルドが王家に対して謀叛を企てるのを防止するのが主な任務だ。
公然とバルド・ノウルを監視できる現在の関係はメリットが大きい。
「用意ができましたら、そろそろレクチャーを開始いたしましょう」
「そうね、何日もかかるのでしょう?気が重いわ」
エリーシアやシンシアは勿論、マリアナも親族ではない為に成人の義や社交界は経験が無かった。
これから三人を含めた者達が、父親付きの側仕えや使用人から教えを受けるのだ。
「(まさか、王都での事まで関わるとは思わなかったわ)」
平民に近い生活を送っていたシンシアは、心身ともに重たくなるのを感じた。
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