【第一部】没落令嬢は今宵も甘く調教される

真風月花

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六章

3、椅子

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 わたくしは両手で顔を隠しました。
 
「いやです、こんな……」
「あなたが大胆になるまでの辛抱だ。そうすればすぐに外してあげよう。少し我慢しなさい」

 無理です。こんなの。
 だって帯紐で、脛と太腿をまとめて縛られているんですもの。それも両脚、それぞれを。
 旦那さまの両手が膝を押さえているので、足を閉じることも叶いません。

 わたくしは抱えあげられ、椅子に座らされました。大きな椅子ですから、縛られた足ごとすべてが乗ります。ええ、乗ってしまうんです。

 大きな手に胸を撫でられます。ゆったりと持ち上げられたと思うと、今度は胸の尖りを、旦那さまが舌先で舐めます。
 触れるか触れないかの感覚がもどかしくて、息が上がってまいります。

「いっそ明るくしたいね」
「な、なぜ……ですか」

 上ずった声で問いかけると、旦那さまは意地悪そうな笑みを浮かべました。

「まだ触れてもいないのに、あなたのここは待ち遠しそうにしているからだ。それをもっとよく見たい」

 つぅ、と花弁の形をなぞられて、あられもない声を上げてしまいました。

「や……あぁ」

 足を閉じることもできない状態です。いっそ視界をふさいでしまえば、と瞼を閉じましたが。

「ちゃんと目を開いて見ていなさい」
「な……ぜ?」
「俺に愛されているところを、今日は見ているんだ」

 そう命じられれば、目を閉じることもできません。
 どんな風に触れられ、愛撫されるのか確認しろだなんて。そんなの……。
 
 旦那さまが、それまで指で触れていた部分に顔を寄せました。舌先でそっと舐められ、わたくしはびくりと背を反らせました。

「あ……だめ、です」

 思わず旦那さまの髪に指をさし入れました。無論、そんなことでやめてくださるはずもありません。
 むしろ、縛られたわたくしの足を手で押さえ、さらに広げさせられます。

「ん……あぁ、それ、もう……や……っ」

 舌全体でねっとりと舐め上げられたと思うと、尖らせた舌先で弄ばれます。

「駄目なら、やめるけど」

 旦那さまは顔を上げて目を細めました。
 追い込むだけ追い込んでから、やめると提案するだなんて。ひどいです。
 わたくしは、ふるふると首を振りました。

「そうだな。俺もやめるつもりはない」

 耳朶を噛まれ、痛みに身がすくみます。なのに、さっきまで舐められていた所を旦那さまが指で抓むので、強烈な快感が駆け上がってきました。

「あっ、あぁ……んぁ……っ」

 快楽なのか痛みなのか、どちらに悶えているのか自分でも分かりません。わたくしは夢中で旦那さまの首にしがみつきました。

 体中にくちづけを落とされ、さらに旦那さまの指の動きに合わせて淫らな水音がするので、もう何も考えられなくなります。
 ただあなたに触れていてほしいと、わたくしの肌が体の芯が、そればかりを望んでいます。
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