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七章
22、ひざまくら【4】
痺れる両足を床につけた状態で、膝に唇を這わせると、翠子さんは短い喘ぎ声を洩らした。
いつもと違う感覚に襲われたせいか、秘された部分はすでにしっとりと潤んでいる。
「……恥ずかしい、です」
「しばらくしていないと、俺を忘れてしまうだろう?」
「忘れていません」
「うん。でも、翠子さんの体はどうかな」
するりと指を滑り込ませると、まるで心待ちにしていたかのように、彼女の花弁にしっとりと包まれる。
指先で花芯を撫でると、小さかったそれが徐々に膨らんでいくのが分かった。
「あ……ぁ、あっ……ん」
「どうしてほしい? もっと優しく? それともきつい方がいいかな」
「きつく……して」
「そうだね。翠子さんは痛いのが好きだから」
「言わないで……」
襲ってくる快感と、指摘された言葉の恥ずかしさに、翠子さんは身をよじらせる。だが、そのせいで足が床にこすれて、翠子さんは短く悲鳴を上げて達した。
「まだ何もしていないよ」
「だって」
「悪い子だな、俺を迎える前に一人で勝手に達してしまって」
「ごめ……ん、なさい。や……ぁあ、ん」
ひくつく花芯をきつく指で抓むと、翠子さんは唇を引き結んだ。なのに堪えることができずに口は半ば開いて、唾液が唇を濡らす。
あまりにもあでやかなその姿に、俺は息を呑んだ。
浴衣を脱いで、翠子さんと素肌を重ねる。柔らかでまろやかな彼女の肌を、全身で感じたい。しっとりと汗ばんだ翠子さんのなまめかしい体は、闇夜に咲く白い花だ。
俺だけが触れることを許された花。
その花を今から散らすことに、背徳感すら感じる。
一度達した体は、俺をすんなりと受け入れた。熱くうねる彼女に包まれながら、そのしなやかな体を揺さぶる。
俺の背に爪を立てながら、翠子さんは喘ぎ声を洩らした。
黒髪が白磁の肌にまとわりつき、微かに開いた薔薇色の唇からは「旦那さま」と俺を、何度も求める声がする。
◇◇◇
どれほどの時間、わたくしは抱かれていたのでしょうか。
何度も達して意識が飛びそうになると、また快感に引き戻されます。
極みに追いやられた体は、またすぐに昇りつめて、視界が白く弾けます。
「だ……め、また、あぁ」
膝にくちづけられ、それから腿の内側へと、旦那さまのくちびるが辿ります。
もう、それだけでもわたくしの体は反応してしまいました。
なのに唇でそして指で触れられ、淫らに乱れてしまいます。
「あ……ぁ、ん、や……っ、あ、も……ぉ、むり」
再び、いえ三度かもしれません。旦那さまを受け入れると、その圧迫感だけでも全身にぞくぞくとした痺れを感じました。
「翠子さん……」
苦しげに眉根を寄せながら、旦那さまの舌に口の中を蹂躙されます。ねっとりと舌を絡ませて、奥まで旦那さまに穿たれて。
肌を伝う汗も、わたくしのものなのか旦那さまのものなのか判別もつかず。もう何も考えられなくなります。
「く……っ」
旦那さまは呻いて、わたくしの体を力任せに抱き寄せました。汗ばむ肌を重ね、悦びの中にたゆたうままに、わたくしは眠りに落ちました。
目を覚ました時、すでに夜はとっぷりと更けていました。
それぞれの浴衣を布団代わりに掛けていたので、寒くはありませんが。とうに起きていらしたご様子の旦那さまが、わたくしを浴衣ごと抱き寄せます。
「そういえば腹が減ったな」
「おやつのおまんじゅうを食べたきりでした」
時計を見ると、すでに午前零時を過ぎています。ずっと暗い中にいたので、明かりがなくとも針の位置は分かりました。
旦那さまが電燈ではなく、行灯に火を入れます。それと持ち運び用のカンテラにも。
暴力的に明るい電気の光は、広い場所でならいいのでしょうが、室内ではまだ慣れません。旦那さまはそんなわたくしを、気遣ってくださるのでしょう。
「翠子さん。膝枕をしてくれてありがとう」
「え、あ、はい」
思わぬお礼に、わたくしはきゅんと胸が高鳴りました。
どうしたのでしょう。膝枕は恥ずかしいだのとあんなにも嫌がっていらしたのに。素直にお礼を仰るなんて。
やはり、わたくしの包容力にめろめろなんですね。ええ、旦那さまと年は離れておりますが、包み込む優しさには自信があるのです。
ふふ、と悦に入って笑みを洩らしていると、旦那さまはとんでもないことを仰いました。
「今日のあなたはいつもよりも、激しく乱れていたから」
「え?」
「とても可愛かった。膝枕で足が痺れていたおかげかもな」
あまりな言葉に、わたくしは手近にあった座布団を旦那さまに投げました。
いつもと違う感覚に襲われたせいか、秘された部分はすでにしっとりと潤んでいる。
「……恥ずかしい、です」
「しばらくしていないと、俺を忘れてしまうだろう?」
「忘れていません」
「うん。でも、翠子さんの体はどうかな」
するりと指を滑り込ませると、まるで心待ちにしていたかのように、彼女の花弁にしっとりと包まれる。
指先で花芯を撫でると、小さかったそれが徐々に膨らんでいくのが分かった。
「あ……ぁ、あっ……ん」
「どうしてほしい? もっと優しく? それともきつい方がいいかな」
「きつく……して」
「そうだね。翠子さんは痛いのが好きだから」
「言わないで……」
襲ってくる快感と、指摘された言葉の恥ずかしさに、翠子さんは身をよじらせる。だが、そのせいで足が床にこすれて、翠子さんは短く悲鳴を上げて達した。
「まだ何もしていないよ」
「だって」
「悪い子だな、俺を迎える前に一人で勝手に達してしまって」
「ごめ……ん、なさい。や……ぁあ、ん」
ひくつく花芯をきつく指で抓むと、翠子さんは唇を引き結んだ。なのに堪えることができずに口は半ば開いて、唾液が唇を濡らす。
あまりにもあでやかなその姿に、俺は息を呑んだ。
浴衣を脱いで、翠子さんと素肌を重ねる。柔らかでまろやかな彼女の肌を、全身で感じたい。しっとりと汗ばんだ翠子さんのなまめかしい体は、闇夜に咲く白い花だ。
俺だけが触れることを許された花。
その花を今から散らすことに、背徳感すら感じる。
一度達した体は、俺をすんなりと受け入れた。熱くうねる彼女に包まれながら、そのしなやかな体を揺さぶる。
俺の背に爪を立てながら、翠子さんは喘ぎ声を洩らした。
黒髪が白磁の肌にまとわりつき、微かに開いた薔薇色の唇からは「旦那さま」と俺を、何度も求める声がする。
◇◇◇
どれほどの時間、わたくしは抱かれていたのでしょうか。
何度も達して意識が飛びそうになると、また快感に引き戻されます。
極みに追いやられた体は、またすぐに昇りつめて、視界が白く弾けます。
「だ……め、また、あぁ」
膝にくちづけられ、それから腿の内側へと、旦那さまのくちびるが辿ります。
もう、それだけでもわたくしの体は反応してしまいました。
なのに唇でそして指で触れられ、淫らに乱れてしまいます。
「あ……ぁ、ん、や……っ、あ、も……ぉ、むり」
再び、いえ三度かもしれません。旦那さまを受け入れると、その圧迫感だけでも全身にぞくぞくとした痺れを感じました。
「翠子さん……」
苦しげに眉根を寄せながら、旦那さまの舌に口の中を蹂躙されます。ねっとりと舌を絡ませて、奥まで旦那さまに穿たれて。
肌を伝う汗も、わたくしのものなのか旦那さまのものなのか判別もつかず。もう何も考えられなくなります。
「く……っ」
旦那さまは呻いて、わたくしの体を力任せに抱き寄せました。汗ばむ肌を重ね、悦びの中にたゆたうままに、わたくしは眠りに落ちました。
目を覚ました時、すでに夜はとっぷりと更けていました。
それぞれの浴衣を布団代わりに掛けていたので、寒くはありませんが。とうに起きていらしたご様子の旦那さまが、わたくしを浴衣ごと抱き寄せます。
「そういえば腹が減ったな」
「おやつのおまんじゅうを食べたきりでした」
時計を見ると、すでに午前零時を過ぎています。ずっと暗い中にいたので、明かりがなくとも針の位置は分かりました。
旦那さまが電燈ではなく、行灯に火を入れます。それと持ち運び用のカンテラにも。
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「翠子さん。膝枕をしてくれてありがとう」
「え、あ、はい」
思わぬお礼に、わたくしはきゅんと胸が高鳴りました。
どうしたのでしょう。膝枕は恥ずかしいだのとあんなにも嫌がっていらしたのに。素直にお礼を仰るなんて。
やはり、わたくしの包容力にめろめろなんですね。ええ、旦那さまと年は離れておりますが、包み込む優しさには自信があるのです。
ふふ、と悦に入って笑みを洩らしていると、旦那さまはとんでもないことを仰いました。
「今日のあなたはいつもよりも、激しく乱れていたから」
「え?」
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あまりな言葉に、わたくしは手近にあった座布団を旦那さまに投げました。
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