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2 報告連絡相談は大切です
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自慢ではないが、私はそんなに不出来ではない。
私、楠ノ宮董子は、一般的な中流階級の両親のもと、平凡に生まれついた。
容姿も平凡。可もなく不可もなく、私のことをかわいいと言うのは両親や祖父母くらいなものだが、だからと言って卑屈になるほど不細工というわけではない。
運動神経は悪い。
でも勉学に関しては、これといって特に秀でたものはないけれど、真面目に取り組むので内申点は高く、高校受験は無難にクリアし、大学には推薦で行った。
中の中。
平凡のなかの平凡。
それで自分に自信など持てるはずもなかった。
きっと私は、理想が高いのだ。
卑屈になるような人生ではない。
世界中のほとんどの人が平凡で、中流だ。特別なのは、ほんの一握り。
そう理解してるのに、私は私に自信が持てない。
そして自分以外すべての人が羨ましい。
平凡だったのに、誰もが知るような優良企業に就職した人も。
イケメンの彼氏と結婚が決まったという人も。
休みには必ず誰かと遊ぶという人も。
みんな、みんな、羨ましい。
でももうこどもじゃない。
そんなこと言ってたって、なにも現状は変わらない。そんなことは百も承知。
羨んでも仕方ない。
生まれついた時点で、私は、私。
楠ノ宮董子は、楠ノ宮董子にしかなれない。
あとは、私しだい。
努力で培えるものは、確かにある。
モデルのように美しい容姿や手足はなくても、お肌の手入れをして、いつまでも潤いのある肌をキープすることはできる。
天才や秀才にはなれなくても、著名な作家の本を読んだり、美術館へ足を運んで、教養を深め、話題作りをすることもできる。
休まず仕事を続けていれば、少なくとも後輩に仕事指導できるような実力はつく。
親しい同僚だって、できる。
そう。困ったことに私は、自分に自信が持たない自分も、決して嫌いではないのだ。
楠ノ宮董子としては、これでも及第点。
がんばっているなと思っている。
「董子さん、それは、応援してあげるべきとこだったんだよ」
その発言に、思わず箸が止まった。
出先から直帰することになり、せっかくだから一緒に晩御飯でも、という流れになった。
相手は同じ事務所所属の原さん。
既婚者、子持ち。左手の薬指に指輪がないのは、深い意味はないらしい。
原さんとは一年と半年ほど、一緒に働いているが、不思議と気が合う。
「応援? 応援って、なにを?」
「同期の誰かに告白したいって、あいつは言ってたんだよ、きっと」
頼んだばかりのだし巻き玉子が、手元の小皿の中でぐしゃぐしゃになってゆく。
はて、私はあの夜の出来事を、ちゃんと彼に説明できていなかっただろうか。
箸先でだし巻き玉子をつつく。
思い出せ。
あの夜の出来事と、いま原さんに説明した言葉のひとつひとつを。
なにか齟齬はなかったか?
「だって、あいつ、同期の女の子の、だれだっけ? あの髪の長い子とすっごく仲がいいじゃん」
「…たしかに。令和オールのときも、その子も一緒だって言ってた」
「だろ?」
「でも、それ、わざわざ私に言うこと?」
「だから、応援してほしかったんだって」
釈然としない。
しかし恋愛初心者の私と、既婚者子持ちの原さんとでは、経験値に差がありすぎる。
原さんがそう言うのなら、そうなのかもしれない。
ただ、釈然としないには理由がある。
なんとなく気まずくて、年上好きだと言っていたことは、はぶいた。
そこがまずかったのか。
いやでも、今となってはさらに言いづらい。
原さんは佐倉くんが同期の女の子が好きなのだと断言している。
そこに、佐倉くんは、案に私のことを好きだと言っていたのか、と聞く勇気は、私にはない。
だし巻き玉子がさらに崩れてゆく。
「あいつら、やっぱりそうだったんだな。やけに仲が良いなって思ってたんだよなー」
「男の人って、彼女にふられて、すぐ次の子って、切り替えられるもんなの?」
「だからふられたんだろ」
「なるほど。それは、そうだ」
「あいつ、人懐っこいからなあ。前の事務所でも、女性社員に人気だったって聞くし。たらしだな、たらし」
たらしっていう言葉はもう古いかな、と原さんは笑う。
そんな原さんは、私より二つ年下だ。
原さんで古いとなると、私なんてもっと古い。
若い佐倉くんがいくら年上好きだとしても、さすがに十二歳年上の私が、恋愛対象なわけがない。
そう。
十二歳差。
干支は、同じだ。
いくら彼女にふられて自暴自棄になっていたからといって、私はない。
原さんも言っていた。彼は女性社員に人気がある。
きっとあの夜、一緒に残業していたのが私じゃなくても、彼はあの台詞を呟いたのだろう。
あれは、私に向けた言葉じゃない。
未婚で、彼氏無しの、性別女であれば相手は誰でもよかったということだろう。
ただ、私が勘違いしただけ。
私のためだけの言葉だと思って、ちょっと浮かれてしまっただけだ。
そうか。
なんだ。
私じゃなかったんだ。
がっかりと、
ほっと安堵する気持ちがないまぜになった。
「董子さんは?」
「私?」
「董子さんは、やっぱり誰かと付き合うつもり、ないの?」
原さんは焼き鳥の串を噛みながら、ちらりと視線をこちらに向ける。
横並びのカウンターはこういう時に便利だ。顔を反らしやすい。崩れただし巻き玉子を口に放り込む。
「そうは言っても、まわりはもうみんな既婚者だしね。私はひとりが気楽だし」
「董子さんは、なんで独り身なんだろうな。明るいし、気が利くし、料理だってうまいし、女性として魅力的なんだけどなあ」
「まあ、そうやって言ってくれる男性は概ね既婚者だから」
「既婚者以外の友達いないの?」
「いないなぁ。そもそも友達がいないからなぁ」
「それ。まずそこがなんでなんだろうね?」
「体調崩してた期間がちょっと長かったからと、あとはまぁ、私が薄情で、人望がないからかな」
女の人生も三十六年となれば、体調不良の時期もある。
前厄、本厄、後厄とあるが、私の場合は五年間。二十代後半からつい二年ほど前まで、原因不明の体調不良に悩まされた。
病院に通っても原因は不明。精密検査をすれば百点満点の結果。なのに体調は優れず、半年に一度は意識が遠のき倒れた。
そうなると外出もままならなくなる。
外食など不可能。
家族との最低限の連絡のほか、誰とも連絡を取らず、ただ生活費を稼ぐためだけに仕事は続け、休日は病院かベッドの中という生活を続けること五年。
気づけば友達とは疎遠になっていた。
タイミングも良くなかった。
二十代後半といえば 、女ならば誰しも結婚を考える時期。
そうして結婚すれば、やがて妊娠、出産と続く。産まれた子は時が経つにつれて成長する。
私は、完全にその流れから取り残された。
最近ではこうして外食もできる。体調が良ければ遠出だってできる。
だけど母親となった友達と、共有できる話題が見当たらない。
彼女たちが新婚生活や子育てに忙しなかった時、私は自分のことで精一杯で、でもそんな話を彼女たちにしたところで、なにが楽しいだろう。
そう考えると、連絡を取ろうという気持ちも失せた。
哀れんでほしいわけじゃない。
つらかったけれど、今は比較的元気だ。こうして原さんとご飯だって食べられている。私は現状に満足している。
でもそのことについて、わざわざ説明するのも億劫だ。数年ぶりに会ってするような話でもなかろう。そう考えるところが、私の薄情さの由縁だと、認識はしている。
「まあ、既婚者の立場から言うと嫌味に聞こえるかもだけど、俺は独身時代が懐かしいよ」
「どうして?」
「だってほら、給料が入っても小遣い制だから、俺の手元を素通りしてくだけだし、奥さんは育児疲れでピリピリしてるし、家の中だってもう本当に汚いよ。この前も奥さんとくだらないことで大喧嘩になってさ、離婚してやろうかと本気で思った。休日にのんびりカフェで読書したとか、時間ができたから旅行してきたとか董子さんが言うたび、心の底から羨ましいと思うよ」
ほとほと困ったことに、原さんの言葉には嘘がない。
既婚者は皆、私のような独身の身軽さが羨ましいと言う。
その口で、でも家族はかけがえがないとも、言うのだ。
「あ、奥さんから連絡きた。…たまには早く帰って子育て手伝ってってさ。俺だって毎日遊んでるわけじゃないのにね」
結婚って、不思議だ。
私、楠ノ宮董子は、一般的な中流階級の両親のもと、平凡に生まれついた。
容姿も平凡。可もなく不可もなく、私のことをかわいいと言うのは両親や祖父母くらいなものだが、だからと言って卑屈になるほど不細工というわけではない。
運動神経は悪い。
でも勉学に関しては、これといって特に秀でたものはないけれど、真面目に取り組むので内申点は高く、高校受験は無難にクリアし、大学には推薦で行った。
中の中。
平凡のなかの平凡。
それで自分に自信など持てるはずもなかった。
きっと私は、理想が高いのだ。
卑屈になるような人生ではない。
世界中のほとんどの人が平凡で、中流だ。特別なのは、ほんの一握り。
そう理解してるのに、私は私に自信が持てない。
そして自分以外すべての人が羨ましい。
平凡だったのに、誰もが知るような優良企業に就職した人も。
イケメンの彼氏と結婚が決まったという人も。
休みには必ず誰かと遊ぶという人も。
みんな、みんな、羨ましい。
でももうこどもじゃない。
そんなこと言ってたって、なにも現状は変わらない。そんなことは百も承知。
羨んでも仕方ない。
生まれついた時点で、私は、私。
楠ノ宮董子は、楠ノ宮董子にしかなれない。
あとは、私しだい。
努力で培えるものは、確かにある。
モデルのように美しい容姿や手足はなくても、お肌の手入れをして、いつまでも潤いのある肌をキープすることはできる。
天才や秀才にはなれなくても、著名な作家の本を読んだり、美術館へ足を運んで、教養を深め、話題作りをすることもできる。
休まず仕事を続けていれば、少なくとも後輩に仕事指導できるような実力はつく。
親しい同僚だって、できる。
そう。困ったことに私は、自分に自信が持たない自分も、決して嫌いではないのだ。
楠ノ宮董子としては、これでも及第点。
がんばっているなと思っている。
「董子さん、それは、応援してあげるべきとこだったんだよ」
その発言に、思わず箸が止まった。
出先から直帰することになり、せっかくだから一緒に晩御飯でも、という流れになった。
相手は同じ事務所所属の原さん。
既婚者、子持ち。左手の薬指に指輪がないのは、深い意味はないらしい。
原さんとは一年と半年ほど、一緒に働いているが、不思議と気が合う。
「応援? 応援って、なにを?」
「同期の誰かに告白したいって、あいつは言ってたんだよ、きっと」
頼んだばかりのだし巻き玉子が、手元の小皿の中でぐしゃぐしゃになってゆく。
はて、私はあの夜の出来事を、ちゃんと彼に説明できていなかっただろうか。
箸先でだし巻き玉子をつつく。
思い出せ。
あの夜の出来事と、いま原さんに説明した言葉のひとつひとつを。
なにか齟齬はなかったか?
「だって、あいつ、同期の女の子の、だれだっけ? あの髪の長い子とすっごく仲がいいじゃん」
「…たしかに。令和オールのときも、その子も一緒だって言ってた」
「だろ?」
「でも、それ、わざわざ私に言うこと?」
「だから、応援してほしかったんだって」
釈然としない。
しかし恋愛初心者の私と、既婚者子持ちの原さんとでは、経験値に差がありすぎる。
原さんがそう言うのなら、そうなのかもしれない。
ただ、釈然としないには理由がある。
なんとなく気まずくて、年上好きだと言っていたことは、はぶいた。
そこがまずかったのか。
いやでも、今となってはさらに言いづらい。
原さんは佐倉くんが同期の女の子が好きなのだと断言している。
そこに、佐倉くんは、案に私のことを好きだと言っていたのか、と聞く勇気は、私にはない。
だし巻き玉子がさらに崩れてゆく。
「あいつら、やっぱりそうだったんだな。やけに仲が良いなって思ってたんだよなー」
「男の人って、彼女にふられて、すぐ次の子って、切り替えられるもんなの?」
「だからふられたんだろ」
「なるほど。それは、そうだ」
「あいつ、人懐っこいからなあ。前の事務所でも、女性社員に人気だったって聞くし。たらしだな、たらし」
たらしっていう言葉はもう古いかな、と原さんは笑う。
そんな原さんは、私より二つ年下だ。
原さんで古いとなると、私なんてもっと古い。
若い佐倉くんがいくら年上好きだとしても、さすがに十二歳年上の私が、恋愛対象なわけがない。
そう。
十二歳差。
干支は、同じだ。
いくら彼女にふられて自暴自棄になっていたからといって、私はない。
原さんも言っていた。彼は女性社員に人気がある。
きっとあの夜、一緒に残業していたのが私じゃなくても、彼はあの台詞を呟いたのだろう。
あれは、私に向けた言葉じゃない。
未婚で、彼氏無しの、性別女であれば相手は誰でもよかったということだろう。
ただ、私が勘違いしただけ。
私のためだけの言葉だと思って、ちょっと浮かれてしまっただけだ。
そうか。
なんだ。
私じゃなかったんだ。
がっかりと、
ほっと安堵する気持ちがないまぜになった。
「董子さんは?」
「私?」
「董子さんは、やっぱり誰かと付き合うつもり、ないの?」
原さんは焼き鳥の串を噛みながら、ちらりと視線をこちらに向ける。
横並びのカウンターはこういう時に便利だ。顔を反らしやすい。崩れただし巻き玉子を口に放り込む。
「そうは言っても、まわりはもうみんな既婚者だしね。私はひとりが気楽だし」
「董子さんは、なんで独り身なんだろうな。明るいし、気が利くし、料理だってうまいし、女性として魅力的なんだけどなあ」
「まあ、そうやって言ってくれる男性は概ね既婚者だから」
「既婚者以外の友達いないの?」
「いないなぁ。そもそも友達がいないからなぁ」
「それ。まずそこがなんでなんだろうね?」
「体調崩してた期間がちょっと長かったからと、あとはまぁ、私が薄情で、人望がないからかな」
女の人生も三十六年となれば、体調不良の時期もある。
前厄、本厄、後厄とあるが、私の場合は五年間。二十代後半からつい二年ほど前まで、原因不明の体調不良に悩まされた。
病院に通っても原因は不明。精密検査をすれば百点満点の結果。なのに体調は優れず、半年に一度は意識が遠のき倒れた。
そうなると外出もままならなくなる。
外食など不可能。
家族との最低限の連絡のほか、誰とも連絡を取らず、ただ生活費を稼ぐためだけに仕事は続け、休日は病院かベッドの中という生活を続けること五年。
気づけば友達とは疎遠になっていた。
タイミングも良くなかった。
二十代後半といえば 、女ならば誰しも結婚を考える時期。
そうして結婚すれば、やがて妊娠、出産と続く。産まれた子は時が経つにつれて成長する。
私は、完全にその流れから取り残された。
最近ではこうして外食もできる。体調が良ければ遠出だってできる。
だけど母親となった友達と、共有できる話題が見当たらない。
彼女たちが新婚生活や子育てに忙しなかった時、私は自分のことで精一杯で、でもそんな話を彼女たちにしたところで、なにが楽しいだろう。
そう考えると、連絡を取ろうという気持ちも失せた。
哀れんでほしいわけじゃない。
つらかったけれど、今は比較的元気だ。こうして原さんとご飯だって食べられている。私は現状に満足している。
でもそのことについて、わざわざ説明するのも億劫だ。数年ぶりに会ってするような話でもなかろう。そう考えるところが、私の薄情さの由縁だと、認識はしている。
「まあ、既婚者の立場から言うと嫌味に聞こえるかもだけど、俺は独身時代が懐かしいよ」
「どうして?」
「だってほら、給料が入っても小遣い制だから、俺の手元を素通りしてくだけだし、奥さんは育児疲れでピリピリしてるし、家の中だってもう本当に汚いよ。この前も奥さんとくだらないことで大喧嘩になってさ、離婚してやろうかと本気で思った。休日にのんびりカフェで読書したとか、時間ができたから旅行してきたとか董子さんが言うたび、心の底から羨ましいと思うよ」
ほとほと困ったことに、原さんの言葉には嘘がない。
既婚者は皆、私のような独身の身軽さが羨ましいと言う。
その口で、でも家族はかけがえがないとも、言うのだ。
「あ、奥さんから連絡きた。…たまには早く帰って子育て手伝ってってさ。俺だって毎日遊んでるわけじゃないのにね」
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