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三章
40 はじめての抱擁
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ロキースはエディを怯えさせないように、慎重に動いた。
そんな彼を、エディは潤みそうになる目で見上げる。
なにをするのだろうと見ていたら、ソファの背もたれごと抱きしめられた。
恐々と伸びてきた腕は、エディに嫌がる素振りがないと分かると、ゆっくりと抱きしめてくる。
エディは、まさか抱きしめられるなんて思いもしなくて、ビックリしすぎて涙が引っ込んだ。
「んえぇ⁉︎」
ぎゅっとロキースの大きな体がエディの小さな体を抱き込む。
思いがけず、しっくりとくる腕の中に、エディはうっかりこう思っていた。
(包容力、半端ない……)
ソファの背もたれごとでこれである。直に抱かれたら、どんな感じなのか。
エディはちょっとだけ、期待した。
「すまない。でも、俺の前では我慢しないで欲しい。俺は、そのためにここに居るから」
「我慢って……」
(いや、そうは言っても、涙引っ込んじゃいましたけどね⁉︎)
「遠慮しないでくれ」
不思議と、抱きしめる手が嫌だとは思わなかった。
ジワリと服越しに感じる自分より高めの体温に、嫌悪どころか安堵する。
(そっ、それよりも! み、耳! 耳元で囁くなぁぁぁ)
ゾワゾワする。
悪寒とも違う、知らない感覚だった。まるで蛇が這い上がるように腰から背中を走っていって、エディは怯える。
「ろ、ロキース……あの、お願いだから離れて」
か細い声で訴えれば、背後からションボリとした気配がする。
エディは慌てて「違うから!」と訴えた。
「嫌だからとかじゃなくて……ちゃんと話をしたいから……このままだと、目を見て話せないでしょう?」
嫌じゃないのは確かだ。
目を見て話したいのも、本当。
ゾワゾワした件については、黙っていることにした。
無意識に、それが恥ずかしいものだと理解していたからかもしれない。
ロキースが離れていって、エディは騒ぐ胸を落ち着かせるようにクッキーを頬張った。
ギ、と音がして、ロキースがソファに腰を下ろす。その腕には、先ほどはなかったクッションが抱きかかえられている。
なんだか、抱っこし足りないと言われているようで心苦しい。エディは「そんなわけない」とまた一枚クッキーを頬張った。
胸は騒々しいまま。治る気配もない。
(一体なにがどうなって、こうなった?)
ほんの数分前の出来事なのに、抱きしめられたのが衝撃的で吹っ飛んでしまっている。
サクサクと、ドングリを頬袋に詰め込むリスのようにクッキーを咀嚼しながら、エディは「うーん」と唸った。
そんな彼を、エディは潤みそうになる目で見上げる。
なにをするのだろうと見ていたら、ソファの背もたれごと抱きしめられた。
恐々と伸びてきた腕は、エディに嫌がる素振りがないと分かると、ゆっくりと抱きしめてくる。
エディは、まさか抱きしめられるなんて思いもしなくて、ビックリしすぎて涙が引っ込んだ。
「んえぇ⁉︎」
ぎゅっとロキースの大きな体がエディの小さな体を抱き込む。
思いがけず、しっくりとくる腕の中に、エディはうっかりこう思っていた。
(包容力、半端ない……)
ソファの背もたれごとでこれである。直に抱かれたら、どんな感じなのか。
エディはちょっとだけ、期待した。
「すまない。でも、俺の前では我慢しないで欲しい。俺は、そのためにここに居るから」
「我慢って……」
(いや、そうは言っても、涙引っ込んじゃいましたけどね⁉︎)
「遠慮しないでくれ」
不思議と、抱きしめる手が嫌だとは思わなかった。
ジワリと服越しに感じる自分より高めの体温に、嫌悪どころか安堵する。
(そっ、それよりも! み、耳! 耳元で囁くなぁぁぁ)
ゾワゾワする。
悪寒とも違う、知らない感覚だった。まるで蛇が這い上がるように腰から背中を走っていって、エディは怯える。
「ろ、ロキース……あの、お願いだから離れて」
か細い声で訴えれば、背後からションボリとした気配がする。
エディは慌てて「違うから!」と訴えた。
「嫌だからとかじゃなくて……ちゃんと話をしたいから……このままだと、目を見て話せないでしょう?」
嫌じゃないのは確かだ。
目を見て話したいのも、本当。
ゾワゾワした件については、黙っていることにした。
無意識に、それが恥ずかしいものだと理解していたからかもしれない。
ロキースが離れていって、エディは騒ぐ胸を落ち着かせるようにクッキーを頬張った。
ギ、と音がして、ロキースがソファに腰を下ろす。その腕には、先ほどはなかったクッションが抱きかかえられている。
なんだか、抱っこし足りないと言われているようで心苦しい。エディは「そんなわけない」とまた一枚クッキーを頬張った。
胸は騒々しいまま。治る気配もない。
(一体なにがどうなって、こうなった?)
ほんの数分前の出来事なのに、抱きしめられたのが衝撃的で吹っ飛んでしまっている。
サクサクと、ドングリを頬袋に詰め込むリスのようにクッキーを咀嚼しながら、エディは「うーん」と唸った。
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