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六章
69 嫌じゃないけど困ること
夜勤明けの仮眠から目を覚ましたエディは、食堂で眠気覚ましのミルクたっぷりなカフェオレを飲んでいた。
カフェオレボウルを両手で包み込むように持ちながら、フウフウと息を吹く。甘いミルクとほろ苦い珈琲の匂いが、いつもの通りに彼女の鼻をくすぐった。
「……ふぅ。どうしたものか」
カフェオレをチビチビと舐めるように飲みながら、エディはカフェオレボウルの縁を指で撫ぜた。
ロキースに指を噛まれ、恥ずかしさのあまり逃げ帰ったのは、昨日のことである。
どうしたものかとは、もちろんロキースについてだ。
「今度こそ、間を置かずに行った方が良いことは分かっている……」
間を置けば、また同じことの繰り返しだ。
それだけはないようにしなくてはと思うのだが、また襲われたらどうしようと気恥ずかしさがあるのもまた事実。
(嫌というわけじゃあ、ないのだけれど……でも、いくらなんでも早過ぎるよ。気持ちを自覚して、これから少しずつ距離を詰めていけたらいいなって思っているところなんだから)
一足飛びに関係を進められても、困る。
ロキースはロキースで大変かもしれないが、エディだって大変なのだ。
(ロキースが焦る気持ちも分からなくもない。だって僕は今まで、ロキースに対して酷い態度を取っていたのだもの。その結果、暴走してあの行動になったのなら、それは僕のせい。だからこそ僕は、今度こそゆっくりじっくり事を進めたい)
エディの脳裏に、昨日のロキースの顔が浮かぶ。
エディの指を美味しそうに甘噛みして、恍惚とした表情を浮かべていた。
ゾクゾクするほどの色気を撒き散らして、エディをおかしくさせようとしているみたいだった。
「食べられちゃうんじゃないかって、思った……」
エディはカフェオレボウルをテーブルへ置くと、まだうっすらと噛み跡が残る左の薬指を撫ぜた。
そこは、自ら噛んでと差し出した指だ。
綺麗に並んだロキースの歯が、カプリとその指を噛んだ感触を思い出して、エディはフルリと体を震わせる。
「あの時は、食べられたいって思っちゃったんだよなぁ……僕って、自分で思っている以上にロキースに惹かれているのかも?」
カフェオレボウルを両手で包み込むように持ちながら、フウフウと息を吹く。甘いミルクとほろ苦い珈琲の匂いが、いつもの通りに彼女の鼻をくすぐった。
「……ふぅ。どうしたものか」
カフェオレをチビチビと舐めるように飲みながら、エディはカフェオレボウルの縁を指で撫ぜた。
ロキースに指を噛まれ、恥ずかしさのあまり逃げ帰ったのは、昨日のことである。
どうしたものかとは、もちろんロキースについてだ。
「今度こそ、間を置かずに行った方が良いことは分かっている……」
間を置けば、また同じことの繰り返しだ。
それだけはないようにしなくてはと思うのだが、また襲われたらどうしようと気恥ずかしさがあるのもまた事実。
(嫌というわけじゃあ、ないのだけれど……でも、いくらなんでも早過ぎるよ。気持ちを自覚して、これから少しずつ距離を詰めていけたらいいなって思っているところなんだから)
一足飛びに関係を進められても、困る。
ロキースはロキースで大変かもしれないが、エディだって大変なのだ。
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そこは、自ら噛んでと差し出した指だ。
綺麗に並んだロキースの歯が、カプリとその指を噛んだ感触を思い出して、エディはフルリと体を震わせる。
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