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【二日目、第九回戦】
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「熱気と興奮が渦巻く王都闘技場にお集まりの紳士淑女の皆様!
明朝よりお待ち頂き、我々大会運営部もまことに感謝が堪えません。
さあ――大変長らくお待たせ致しました!
超越者からの祝福たる、クラスチェンジを受けし者達が繰り広げる強者の宴!
勇者隊長選抜トーナメント……二日目の開催です!!!
昨日行われた激戦・魔戦を経てついに出揃ったベスト8。
果たして王者の栄冠に輝くのは一体誰なのか!?
初戦を飾るのは今王都で最も熱い話題のこの人!
巨人族を相手に圧勝した英傑、ガリウス・ノーザン!
対するは――
圧倒的魔力の暴威、絶界の魔女マドカ・ペテルギウス!
さあ、共に中央へ!」
トーナメント最終日という事もありより熱のこもった司会の呼び声に従い、闘技場の左右に設けられた入場門から二人の人物が顔を覗かせる。
最初に顔を覗かせたのは、傍目には渋めとはいえ……
どこか冴えない感じが拭えないおっさん冒険者だ。
使い込まれ馴染んでいる風の薄汚れた装備も、そのうだつの上がらなさに拍車を掛けているといえよう。
しかし――この王都で今や彼を知らぬ者はいない。
巨人族の壊し屋相手に膂力で圧倒し人族の可能性を見せつけた最も新しい英雄。
実際殺してないのに、巨人殺し【ジャイアントキリング】の異名で呼ばれる男。
勇者のお目付け役にして聖女の護衛、さらに賢者の従者というパーティでの役柄もその話題に一躍を買っている。
実際王都だけでなく中継映像が流れた各都市ではガリウスの活躍に心躍らせる者が続出し、酒場などでは警備隊が制止に踏み入った程だ。
冴えないおっさんが美少女や美女に囲まれ目覚ましい功績を遺す。
いったいどこの英雄叙述詩かとツッコミたくなるが、民衆の人気は高い。
晴れ晴れとしたガリウスの精悍さとは反面、どんよりと鬱屈した死んだ魚の様な眼差しで入場してきたのは魔女マドカであった。
二番煎じの変身では注目を浴びれないと思ったのか、既に変身済みである。
フリルの沢山ついた魔法少女衣装を纏った20代後半の美女。
ビジュアル的には中々キツイというか、痛々しいものがあるが……
本人のメンタル的にはノープロブレムらしい。
凄まじい度胸である。覚悟完了。
だが……ただ一つ問題を上げるとすれば、それは――
「……のせいで」
「――ん? 何か言ったか?
すまん、観客の声がうるさくて聞こえないんだが……」
開始線に並んだ瞬間、下向きになりながら何かを呟くマドカ。
自然体でそれを耳にしたガリウスだったが、さすがにこれだけ距離を取っていながら解析するほど聴力は良くない。
けど何やら圧倒的な負のオーラを感じ取り、油断なく身構える。
「それでは只今よりトーナメント二日目、第九回戦を開始致します……
始めえええええええええええ!!」
開始の号令と同時にキッと顔を上げガリウスを睨むマドカ。
目尻に涙が浮かんでいるのを見咎め、ガリウスが眉を寄せる。
「……のせいで」
「ん?」
「あんたのせいで――満足に目立たなかったじゃない!
昨日の試合も、昨晩の親睦会もぜ~~~~~~~~~んぶ、台無し!
お陰様で視聴率はガタ落ちよ!
八つ当たりなのは分かるけど……今日は悪役ムーブでいくからね!」
「……何を言ってるんだ?」
「うるさい、先手必勝!
いきなり【火球】ファイヤーボール!」
マドカの戯言に怪訝そうに聞き返したガリウス目掛けて放たれたのは、無詠唱で唱えられた巨大な火球である。
魔術師の定番ともいえる火属性魔術であり威力(大概の妖魔に有効)、効果範囲(着弾点から半径5メートルに拡散)、副効果(炎上付与)と申し分ない。
これを扱えて魔術師は初めて一人前ともいわれる。
しかしそれだけでないのは明らかで、通常のものよりも明らかに大きく速い。
おそらくオリジナルの術式構成によって増幅を掛けられているのだろう。
紅蓮の炎が虚空を渦巻きながらもガリウスへと迫る巨大火球。
戦士系前衛職では避けようもない。
半分の観客が悲鳴を上げ――半分の観客は瞠目する。
彼なら――最も新しき英雄ガリウスならどうにかするんじゃないか? と。
果たしてそれは現実となった。
「っしょ、と」
体幹をまったく崩さず抜き放った惚れ惚れする抜刀術。
会場に響く鞘鳴りの音。
次の瞬間――火球は搔き消された。
ガリウスの放った不可視の斬撃によって。
「魔術を……斬った?」
「嘘でしょう……?」
信じれないものを見た観客は茫然と呟く。
無論、一番信じられないのはマドカである。
魔術に耐えた者はいた。
術式に干渉して無効化された事はあった。
だがあんな風に――無造作に魔術を斬り捨てられたのは初めてだ。
理論的にもあり得ないし、納得がいかない。
「ふっ、ふざんけんじゃないわよ!」
「無駄だ」
一発で駄目ならもう一発。
今度は属性を変えて放った【風刃】ウインドカッターだったが……
まるで意にも介さずガリウスは斬り捨てた。
崩壊し宙に消えていく魔術。
霧散する構成式と共にマドカの中で何かが弾けた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄駄無無無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁ!!」
五月雨のように放たれた魔術。
その全てが閃光の様に翻った刀に斬り捨てられ無効化されていく。
それだけではない。
弾幕みたいな魔術を冷静に捌きながらガリウスはゆっくりと近付いてくる。
現実なのにまるで悪夢を見ている最中のような無力感と絶望。
「――ひっ」
そしてマドカの臆した一瞬を見逃すガリウスではなかった。
10メートルも離れた間合いから放たれた輝く斬撃がマドカの身を打ち据える。
崩壊する身代わりの宝珠に茫然としながら、ペタンとその場に跪くマドカ。
今、自分を下した一撃……あれは間違いなく術式の煌めきだった。
ならば彼は――ガリウス・ノーザンは剣技だけでなく――
「魔現刃――【裂空】」
業名を呟きながらも、残心を怠ることなく納刀し周囲を窺うガリウス。
その様子に慌てて勝利宣言を告げる司会。
ドッと怒号と大歓声に沸く観客。
各々が今起きた出来事を信じられないと叫びながら喝采を送る。
この日、人々は見た――
魔術を斬り捨てるだけでなく魔術を自らの刃とする神秘の業を。
後世に謳われる英雄のおっさんことガリウス。
彼の名は間違いなくこの日を以って確実に歴史書に記されるようになったことを疑う者はいない。
明朝よりお待ち頂き、我々大会運営部もまことに感謝が堪えません。
さあ――大変長らくお待たせ致しました!
超越者からの祝福たる、クラスチェンジを受けし者達が繰り広げる強者の宴!
勇者隊長選抜トーナメント……二日目の開催です!!!
昨日行われた激戦・魔戦を経てついに出揃ったベスト8。
果たして王者の栄冠に輝くのは一体誰なのか!?
初戦を飾るのは今王都で最も熱い話題のこの人!
巨人族を相手に圧勝した英傑、ガリウス・ノーザン!
対するは――
圧倒的魔力の暴威、絶界の魔女マドカ・ペテルギウス!
さあ、共に中央へ!」
トーナメント最終日という事もありより熱のこもった司会の呼び声に従い、闘技場の左右に設けられた入場門から二人の人物が顔を覗かせる。
最初に顔を覗かせたのは、傍目には渋めとはいえ……
どこか冴えない感じが拭えないおっさん冒険者だ。
使い込まれ馴染んでいる風の薄汚れた装備も、そのうだつの上がらなさに拍車を掛けているといえよう。
しかし――この王都で今や彼を知らぬ者はいない。
巨人族の壊し屋相手に膂力で圧倒し人族の可能性を見せつけた最も新しい英雄。
実際殺してないのに、巨人殺し【ジャイアントキリング】の異名で呼ばれる男。
勇者のお目付け役にして聖女の護衛、さらに賢者の従者というパーティでの役柄もその話題に一躍を買っている。
実際王都だけでなく中継映像が流れた各都市ではガリウスの活躍に心躍らせる者が続出し、酒場などでは警備隊が制止に踏み入った程だ。
冴えないおっさんが美少女や美女に囲まれ目覚ましい功績を遺す。
いったいどこの英雄叙述詩かとツッコミたくなるが、民衆の人気は高い。
晴れ晴れとしたガリウスの精悍さとは反面、どんよりと鬱屈した死んだ魚の様な眼差しで入場してきたのは魔女マドカであった。
二番煎じの変身では注目を浴びれないと思ったのか、既に変身済みである。
フリルの沢山ついた魔法少女衣装を纏った20代後半の美女。
ビジュアル的には中々キツイというか、痛々しいものがあるが……
本人のメンタル的にはノープロブレムらしい。
凄まじい度胸である。覚悟完了。
だが……ただ一つ問題を上げるとすれば、それは――
「……のせいで」
「――ん? 何か言ったか?
すまん、観客の声がうるさくて聞こえないんだが……」
開始線に並んだ瞬間、下向きになりながら何かを呟くマドカ。
自然体でそれを耳にしたガリウスだったが、さすがにこれだけ距離を取っていながら解析するほど聴力は良くない。
けど何やら圧倒的な負のオーラを感じ取り、油断なく身構える。
「それでは只今よりトーナメント二日目、第九回戦を開始致します……
始めえええええええええええ!!」
開始の号令と同時にキッと顔を上げガリウスを睨むマドカ。
目尻に涙が浮かんでいるのを見咎め、ガリウスが眉を寄せる。
「……のせいで」
「ん?」
「あんたのせいで――満足に目立たなかったじゃない!
昨日の試合も、昨晩の親睦会もぜ~~~~~~~~~んぶ、台無し!
お陰様で視聴率はガタ落ちよ!
八つ当たりなのは分かるけど……今日は悪役ムーブでいくからね!」
「……何を言ってるんだ?」
「うるさい、先手必勝!
いきなり【火球】ファイヤーボール!」
マドカの戯言に怪訝そうに聞き返したガリウス目掛けて放たれたのは、無詠唱で唱えられた巨大な火球である。
魔術師の定番ともいえる火属性魔術であり威力(大概の妖魔に有効)、効果範囲(着弾点から半径5メートルに拡散)、副効果(炎上付与)と申し分ない。
これを扱えて魔術師は初めて一人前ともいわれる。
しかしそれだけでないのは明らかで、通常のものよりも明らかに大きく速い。
おそらくオリジナルの術式構成によって増幅を掛けられているのだろう。
紅蓮の炎が虚空を渦巻きながらもガリウスへと迫る巨大火球。
戦士系前衛職では避けようもない。
半分の観客が悲鳴を上げ――半分の観客は瞠目する。
彼なら――最も新しき英雄ガリウスならどうにかするんじゃないか? と。
果たしてそれは現実となった。
「っしょ、と」
体幹をまったく崩さず抜き放った惚れ惚れする抜刀術。
会場に響く鞘鳴りの音。
次の瞬間――火球は搔き消された。
ガリウスの放った不可視の斬撃によって。
「魔術を……斬った?」
「嘘でしょう……?」
信じれないものを見た観客は茫然と呟く。
無論、一番信じられないのはマドカである。
魔術に耐えた者はいた。
術式に干渉して無効化された事はあった。
だがあんな風に――無造作に魔術を斬り捨てられたのは初めてだ。
理論的にもあり得ないし、納得がいかない。
「ふっ、ふざんけんじゃないわよ!」
「無駄だ」
一発で駄目ならもう一発。
今度は属性を変えて放った【風刃】ウインドカッターだったが……
まるで意にも介さずガリウスは斬り捨てた。
崩壊し宙に消えていく魔術。
霧散する構成式と共にマドカの中で何かが弾けた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁ!!」
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その全てが閃光の様に翻った刀に斬り捨てられ無効化されていく。
それだけではない。
弾幕みたいな魔術を冷静に捌きながらガリウスはゆっくりと近付いてくる。
現実なのにまるで悪夢を見ている最中のような無力感と絶望。
「――ひっ」
そしてマドカの臆した一瞬を見逃すガリウスではなかった。
10メートルも離れた間合いから放たれた輝く斬撃がマドカの身を打ち据える。
崩壊する身代わりの宝珠に茫然としながら、ペタンとその場に跪くマドカ。
今、自分を下した一撃……あれは間違いなく術式の煌めきだった。
ならば彼は――ガリウス・ノーザンは剣技だけでなく――
「魔現刃――【裂空】」
業名を呟きながらも、残心を怠ることなく納刀し周囲を窺うガリウス。
その様子に慌てて勝利宣言を告げる司会。
ドッと怒号と大歓声に沸く観客。
各々が今起きた出来事を信じられないと叫びながら喝采を送る。
この日、人々は見た――
魔術を斬り捨てるだけでなく魔術を自らの刃とする神秘の業を。
後世に謳われる英雄のおっさんことガリウス。
彼の名は間違いなくこの日を以って確実に歴史書に記されるようになったことを疑う者はいない。
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