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決断、らしいです
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鬱蒼と茂る鎮守の森。
気を抜けば足を取られそうな藪や蔦があちらこちらに伸びています。
汗ばむ陽気もあり、本来なら歩くのすら困難だったでしょう。
しかし今の私達にはトレエンシア様から頂いた指輪があります。
指し示すだけで道が出来るという精霊王の加護。
その恩寵に感謝しながら、私達は颯爽と森を掻き分け進みます。
「この分なら何とか遭遇せずにすみそうですね」
「ああ……そうだな」
シャス兄様の肩を借りたミスティ兄様が同意します。
やはり急激に血液を失った影響は大きく、貧血気味のようです。
「ま、油断すんなよ。
奴等だって馬鹿じゃないんだ。
斥候が戻って来なければ警戒もするしな」
「でも……トレエンシア様の加護もありますし、
このままなら大丈夫じゃないですか、兄様?」
「はあっ……まったく。
ユナ、ちょっとこっちこい」
「は~い。
……って、あいた!」
上機嫌で意見した私ですが、
額に手を伸ばしてきたミスティ兄様によってデコピンをされます。
あうう。
結構痛いです。
涙目で見上げる私に対し、ミスティ兄様が溜息混じりに応じます。
「お前みたいに浮かれてる奴が一番危ないんだ。
力は力。
手段であって目的じゃない。
まして借り物の力だ。
少しは戒めろ」
「はい……ごめんなさい」
私が馬鹿でした。
すぐいい気になるのが自覚してる私の悪い所です。
額を押さえ項垂れる私。
シャス兄様が苦笑しながら頭を撫ででくれます。
「ユナはまだ小さいから無理はありませんね。
だけどこういう力なんて、最終的には何の役にも立たないんですよ」
「え?」
「結局はね、正否を分けるのは何事にも屈しない意志。
これが一番強くて怖いんです」
「そうなんですか?」
「ええ。いつか実感できます」
「……はい」
「でもまあ、ユナの意見も蔑ろにする訳じゃないぞ。
確かに精霊王の加護は偉大だ。
ほら、こんな事もできるしな」
兄様が立ち木に向け、指輪を嵌めた指で指し示します。
すると地面より湧き上がる緑色のシャワー。
何事かと身構えた私でしたが、それはよく見ると丈夫そうな草花の蔓で編まれた縄でした。
兄様の指示通り中空を舞う縄は立ち木をあっという間に束縛します。
驚愕に目を見張る私達に、兄様が疲れた笑みを浮かべ解説してくれます。
「な? バインド系の力を秘めてるっていうか、そういう使い方もできるんだよ。
しかも魔力消費はなしでな。
多分これは基本技で、応用すればもっと色んな事ができる筈だ」
「ふあ……凄いです。
兄様はどうして分かったんですか?」
「ん~精霊を使う者としての相性もあるだろうが……
様は想像力(イマジネーション)だ。
それがある限り、こいつは様々な力の断片を見せる」
「想像力……」
私はミスティ兄様の言葉に、そっと指輪に指を忍ばせてみます。
熱く。
静かで。
生命力に満ち溢れる何か。
それは何か形を与えられるのを待ってる気がします。
もう少しあれば何か掴めそうです。
私の中で何かが形作られていく……まさにその時、
順調に進んでいたシャス兄様の足がふと止まります。
怪訝そうな私達を無視し、眼を閉眼し様子を窺うように耳をそばだてます。
優れた弓手としての何かが目覚めたようです。
「兄さん、ユナ」
「どうした、シャス?」
「ここら遠く離れてない先、何者かが襲われてる。
襲撃者はゴブリンに間違いないだろうけど」
ミスティ兄様を抱えながら、シャス兄様は尋ねます。
その瞳は「どうしますか?」と訴えています。
「ん~……面倒事だな。
リスクを考えれば無視した方がいいんだろうが……
ユナは、どうしたい?」
私ですか?
未熟な私。
今日は数え切れないくらい、いっぱい兄様達に迷惑を掛けちゃいました。
正直こんな我儘を言っていい筈がありません。
でも……
「私は……助けにいきたいです。
そこに、救いを求めてるものがいるなら」
それでも私は言います。
何故ならこれこそ私の自己証明(アイデンティティ)。
命を喪っても変えられない私の生き方なのですから。
私の言葉にミスティ兄様は満足そうに頷きます。
「お前ならそう言うと思ったよ。
……よし、助けに行くか」
「兄さん!」
「兄様!」
流石はミスティ兄様♪
シャス兄様と共に喜色を浮かべます。
「ただお前達の安全が最優先だ。
いいな?」
「ええ」
「はい!」
「ん。じゃあ、手遅れにならない様……少し急ぐか」
シャス兄様の肩から手を離したミスティ兄様。
具合を確かめる様にその場で幾度かジャンプをすると、
韋駄天の様な駿足で駆け出し始めます。
先程までの憔悴ぶりが嘘の様です。
私とシャス兄様は逸れない様、慌ててその後を追うのでした。
気を抜けば足を取られそうな藪や蔦があちらこちらに伸びています。
汗ばむ陽気もあり、本来なら歩くのすら困難だったでしょう。
しかし今の私達にはトレエンシア様から頂いた指輪があります。
指し示すだけで道が出来るという精霊王の加護。
その恩寵に感謝しながら、私達は颯爽と森を掻き分け進みます。
「この分なら何とか遭遇せずにすみそうですね」
「ああ……そうだな」
シャス兄様の肩を借りたミスティ兄様が同意します。
やはり急激に血液を失った影響は大きく、貧血気味のようです。
「ま、油断すんなよ。
奴等だって馬鹿じゃないんだ。
斥候が戻って来なければ警戒もするしな」
「でも……トレエンシア様の加護もありますし、
このままなら大丈夫じゃないですか、兄様?」
「はあっ……まったく。
ユナ、ちょっとこっちこい」
「は~い。
……って、あいた!」
上機嫌で意見した私ですが、
額に手を伸ばしてきたミスティ兄様によってデコピンをされます。
あうう。
結構痛いです。
涙目で見上げる私に対し、ミスティ兄様が溜息混じりに応じます。
「お前みたいに浮かれてる奴が一番危ないんだ。
力は力。
手段であって目的じゃない。
まして借り物の力だ。
少しは戒めろ」
「はい……ごめんなさい」
私が馬鹿でした。
すぐいい気になるのが自覚してる私の悪い所です。
額を押さえ項垂れる私。
シャス兄様が苦笑しながら頭を撫ででくれます。
「ユナはまだ小さいから無理はありませんね。
だけどこういう力なんて、最終的には何の役にも立たないんですよ」
「え?」
「結局はね、正否を分けるのは何事にも屈しない意志。
これが一番強くて怖いんです」
「そうなんですか?」
「ええ。いつか実感できます」
「……はい」
「でもまあ、ユナの意見も蔑ろにする訳じゃないぞ。
確かに精霊王の加護は偉大だ。
ほら、こんな事もできるしな」
兄様が立ち木に向け、指輪を嵌めた指で指し示します。
すると地面より湧き上がる緑色のシャワー。
何事かと身構えた私でしたが、それはよく見ると丈夫そうな草花の蔓で編まれた縄でした。
兄様の指示通り中空を舞う縄は立ち木をあっという間に束縛します。
驚愕に目を見張る私達に、兄様が疲れた笑みを浮かべ解説してくれます。
「な? バインド系の力を秘めてるっていうか、そういう使い方もできるんだよ。
しかも魔力消費はなしでな。
多分これは基本技で、応用すればもっと色んな事ができる筈だ」
「ふあ……凄いです。
兄様はどうして分かったんですか?」
「ん~精霊を使う者としての相性もあるだろうが……
様は想像力(イマジネーション)だ。
それがある限り、こいつは様々な力の断片を見せる」
「想像力……」
私はミスティ兄様の言葉に、そっと指輪に指を忍ばせてみます。
熱く。
静かで。
生命力に満ち溢れる何か。
それは何か形を与えられるのを待ってる気がします。
もう少しあれば何か掴めそうです。
私の中で何かが形作られていく……まさにその時、
順調に進んでいたシャス兄様の足がふと止まります。
怪訝そうな私達を無視し、眼を閉眼し様子を窺うように耳をそばだてます。
優れた弓手としての何かが目覚めたようです。
「兄さん、ユナ」
「どうした、シャス?」
「ここら遠く離れてない先、何者かが襲われてる。
襲撃者はゴブリンに間違いないだろうけど」
ミスティ兄様を抱えながら、シャス兄様は尋ねます。
その瞳は「どうしますか?」と訴えています。
「ん~……面倒事だな。
リスクを考えれば無視した方がいいんだろうが……
ユナは、どうしたい?」
私ですか?
未熟な私。
今日は数え切れないくらい、いっぱい兄様達に迷惑を掛けちゃいました。
正直こんな我儘を言っていい筈がありません。
でも……
「私は……助けにいきたいです。
そこに、救いを求めてるものがいるなら」
それでも私は言います。
何故ならこれこそ私の自己証明(アイデンティティ)。
命を喪っても変えられない私の生き方なのですから。
私の言葉にミスティ兄様は満足そうに頷きます。
「お前ならそう言うと思ったよ。
……よし、助けに行くか」
「兄さん!」
「兄様!」
流石はミスティ兄様♪
シャス兄様と共に喜色を浮かべます。
「ただお前達の安全が最優先だ。
いいな?」
「ええ」
「はい!」
「ん。じゃあ、手遅れにならない様……少し急ぐか」
シャス兄様の肩から手を離したミスティ兄様。
具合を確かめる様にその場で幾度かジャンプをすると、
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