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3日目 終
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「先輩先輩!
どうしましょう……次の敵が来てます!」
「――焦るな、楓。
俺が魔法で支援するからさっきの要領でいくぞ」
「了解っす!」
斥候特有の能力【モンスター気配察知】の感知範囲に触れたのだろう。
慌てふためく楓にまず落ち着くよう促す。
これで2度目の戦闘となるがやはり荒事とは無縁だった女子だ。
いきなり命を懸けて戦え、と言われても難しいわな。
けど――その胆力は中々の物だ。
職業補正とはいえ腰を落として逆手で鉈を構える仕草は様になっている。
とはいえ俺のようにスカル先生の世話になっている訳じゃないからな。
こうやってドンドン経験を積ませるしかないだろう。
「キキキ」
「キュイ~」
甲高い声を上げて洞窟脇の暗闇から出て来たのはこの第一階層でも面倒な組み合わせである【ジャイアントラット】と【ジャイアントバット】の二体だ。
相互に連携を取って上と下から攻められると対応する際に混乱する。
……まあ、それもソロの時の話だがな!
「【ウインドカッター】!」
姿を捉えたと同時に俺が唱えた攻撃魔法がジャイアントバットに飛ぶ。
低魔力故に威力の出ないソレは、それでも空を舞うジャイアントバットの肢体を的確に捕捉し地べたに叩き落とした。
アイの忠告通り一撃でモンスターを倒せないのは確かに効率が悪い。
MPを消費している上に連発は出来ず詠唱という名のクールタイムもある。
二次職ならまだしも最初に術師は扱い辛い。
レベルを上げて物理で殴るのが一番だわな。
でも魔法だからこそ生み出される攻撃範囲の広さは別格だ。
これでジャイアントラットの方を相手取る際に楓にちょっかいを出しくることはないだろう。
「今だ、楓!」
「はい! 【隠密(スニーク)】【死点急襲(バックスタブ)】!」
機を逃さず指示に応じた楓がコンボを発動。
隠密で相手の視界から消える事により使用条件を満たす事となった死点急襲で背後から襲い掛かったのだ。
斥候の基本にして最優のコンボ。
それは何と通常攻撃の実に6倍ダメージ!
雑魚敵などモノともせず一撃でジャイアントラットを斬り伏せた。
俺もただ茫然とその流れを見ていた訳じゃない。
愛用のスコップを振りかざすと地面でもがくジャイアントバットに止めを刺す。
粒子化し魔石を残し消え失せるラットにバット。
何もさせず一方的に叩くのはハックアンドスラッシュの基本だ。
しかしこうも見事に決まると楓という存在の大きさを感じる。
だからこそ確認をしておきたい。
緊張故か浮き出た汗を拭って勝利に微笑む楓に俺は尋ねた。
「――本当に良かったのか、楓。
貴重な願い枠をこんな風に使って」
「えっ? 全然OKっすよ!
こうして臥龍先輩のお役に立ててますし」
「だが、しかし――」
「なら……ひとついいすっか?」
「なんだ?」
「もし引け目を感じるなら頭をナデナデして欲しいっす」
「ん? こんな感じか?」
ワクワクしながら形の良い頭を突き出す楓。
柔らかい髪質を感じながら優しく撫でると……猫のように目を細め身を震わす。
気持ちいいらしい。
よく分からん。
「何だかな~
いいのか、これ?」
「当人が喜んでるんだからいいんです!」
「はあ……」
プンスカと抗議する楓に溜息で相槌を打っておく。
楓の契約願望時の内容。
それは【パーティ内レベル・スキルの個別シンクロ化】だった。
これはどういう事かというと、誰かがレベルアップすれば自動的にそのレベルに補正されるしスキルを別個に取得すればパーティメンバー全てが使用できるようになるというものだ。
つまり斥候【スカウト】として楓が使っていた【隠密】【死点急襲】等を俺も扱う事が出来るし、反対に俺が取得した【強撃】【ウインドカッター】だけでなくSPをつぎ込んだ【恒常疲労回復】【空間収納】等も楓が扱う事ができる。
ここで重要なのは共有でなく個別での同調、ということだ。
レベルを揃えるならまだしもスキル自体を共有すると使用後のクールタイムや収納量などに弊害が出る。
そこで楓はアイの助言を受けながら個別のシンクロに、と格差を図った。
これによりパーティメンバー個人がスキルを個別に扱うのと同じ扱いになる。
分かりやすく例えると同時やタイムラグを置いての同スキル発動も可能だ。
上級職を目指し二次職で術師【ウイザード】を選択した俺と今後必須となる斥候【スカウト】を楓が選んでくれたのでバランスが良い構成となったと言えよう。
願い後の楓の希望もあり、早速お試しでダンジョンに挑んでみたのだが……
首尾は恐ろしいくらいに上々。
ご満悦そうな表情の楓を撫で続けながら――
俺は明日から始まる本格的な探索に想いを馳せるのだった。
ネーム:臥龍臼汰
レベル:13
クラス:戦士【ファイター】L10
:術師【ウイザード】L3
HP :238
MP :51
SP :17
称 号:ダンジョンの寵愛を受けし者
身 長:185
体 重:72
ステ表:筋力B 体力D 魔力E
敏捷C 器用D 精神E
装 備:スコップ
ツナギ
安全靴
所 持:回復ポーション×5
解毒ポーション×3
スキル:獲得経験値向上(低)
身体強化(低)
物理耐性(低)
強撃(発動名:スマッシュ)
恒常疲労回復
武器攻撃力増強(低)
空間収納(低)
風刃(発動名:ウインドカッター)
魔化(発動名:エンチャント)
焔槍(発動名:フレイムランス)
加 護:助言者(思念体:アイ)
ネーム:紫亜楓
レベル:13(以下+補正)
クラス:戦士【ファイター】L10
:斥候【スカウト】L3
HP :132
MP :78
SP :0
称 号:夜明けの迷惑来訪者(ナイトノッカー)
身 長:150
体 重:43
ステ表:筋力E 体力E 魔力E
敏捷C 器用B 精神E
装 備:鉈
ジャージ
ジョギングシューズ
所 持:回復ポーション×2
解毒ポーション×2
煙幕×3
スキル:【個別シンクロ】対象:パーティ
隠密(発動名:スニーク)
死点急襲(発動名:バックスタブ)
罠察知・解除
鍵開け
戦闘即応
鋭敏感覚増強
器用万能
加 護:助言者(思念体:アイ)
どうしましょう……次の敵が来てます!」
「――焦るな、楓。
俺が魔法で支援するからさっきの要領でいくぞ」
「了解っす!」
斥候特有の能力【モンスター気配察知】の感知範囲に触れたのだろう。
慌てふためく楓にまず落ち着くよう促す。
これで2度目の戦闘となるがやはり荒事とは無縁だった女子だ。
いきなり命を懸けて戦え、と言われても難しいわな。
けど――その胆力は中々の物だ。
職業補正とはいえ腰を落として逆手で鉈を構える仕草は様になっている。
とはいえ俺のようにスカル先生の世話になっている訳じゃないからな。
こうやってドンドン経験を積ませるしかないだろう。
「キキキ」
「キュイ~」
甲高い声を上げて洞窟脇の暗闇から出て来たのはこの第一階層でも面倒な組み合わせである【ジャイアントラット】と【ジャイアントバット】の二体だ。
相互に連携を取って上と下から攻められると対応する際に混乱する。
……まあ、それもソロの時の話だがな!
「【ウインドカッター】!」
姿を捉えたと同時に俺が唱えた攻撃魔法がジャイアントバットに飛ぶ。
低魔力故に威力の出ないソレは、それでも空を舞うジャイアントバットの肢体を的確に捕捉し地べたに叩き落とした。
アイの忠告通り一撃でモンスターを倒せないのは確かに効率が悪い。
MPを消費している上に連発は出来ず詠唱という名のクールタイムもある。
二次職ならまだしも最初に術師は扱い辛い。
レベルを上げて物理で殴るのが一番だわな。
でも魔法だからこそ生み出される攻撃範囲の広さは別格だ。
これでジャイアントラットの方を相手取る際に楓にちょっかいを出しくることはないだろう。
「今だ、楓!」
「はい! 【隠密(スニーク)】【死点急襲(バックスタブ)】!」
機を逃さず指示に応じた楓がコンボを発動。
隠密で相手の視界から消える事により使用条件を満たす事となった死点急襲で背後から襲い掛かったのだ。
斥候の基本にして最優のコンボ。
それは何と通常攻撃の実に6倍ダメージ!
雑魚敵などモノともせず一撃でジャイアントラットを斬り伏せた。
俺もただ茫然とその流れを見ていた訳じゃない。
愛用のスコップを振りかざすと地面でもがくジャイアントバットに止めを刺す。
粒子化し魔石を残し消え失せるラットにバット。
何もさせず一方的に叩くのはハックアンドスラッシュの基本だ。
しかしこうも見事に決まると楓という存在の大きさを感じる。
だからこそ確認をしておきたい。
緊張故か浮き出た汗を拭って勝利に微笑む楓に俺は尋ねた。
「――本当に良かったのか、楓。
貴重な願い枠をこんな風に使って」
「えっ? 全然OKっすよ!
こうして臥龍先輩のお役に立ててますし」
「だが、しかし――」
「なら……ひとついいすっか?」
「なんだ?」
「もし引け目を感じるなら頭をナデナデして欲しいっす」
「ん? こんな感じか?」
ワクワクしながら形の良い頭を突き出す楓。
柔らかい髪質を感じながら優しく撫でると……猫のように目を細め身を震わす。
気持ちいいらしい。
よく分からん。
「何だかな~
いいのか、これ?」
「当人が喜んでるんだからいいんです!」
「はあ……」
プンスカと抗議する楓に溜息で相槌を打っておく。
楓の契約願望時の内容。
それは【パーティ内レベル・スキルの個別シンクロ化】だった。
これはどういう事かというと、誰かがレベルアップすれば自動的にそのレベルに補正されるしスキルを別個に取得すればパーティメンバー全てが使用できるようになるというものだ。
つまり斥候【スカウト】として楓が使っていた【隠密】【死点急襲】等を俺も扱う事が出来るし、反対に俺が取得した【強撃】【ウインドカッター】だけでなくSPをつぎ込んだ【恒常疲労回復】【空間収納】等も楓が扱う事ができる。
ここで重要なのは共有でなく個別での同調、ということだ。
レベルを揃えるならまだしもスキル自体を共有すると使用後のクールタイムや収納量などに弊害が出る。
そこで楓はアイの助言を受けながら個別のシンクロに、と格差を図った。
これによりパーティメンバー個人がスキルを個別に扱うのと同じ扱いになる。
分かりやすく例えると同時やタイムラグを置いての同スキル発動も可能だ。
上級職を目指し二次職で術師【ウイザード】を選択した俺と今後必須となる斥候【スカウト】を楓が選んでくれたのでバランスが良い構成となったと言えよう。
願い後の楓の希望もあり、早速お試しでダンジョンに挑んでみたのだが……
首尾は恐ろしいくらいに上々。
ご満悦そうな表情の楓を撫で続けながら――
俺は明日から始まる本格的な探索に想いを馳せるのだった。
ネーム:臥龍臼汰
レベル:13
クラス:戦士【ファイター】L10
:術師【ウイザード】L3
HP :238
MP :51
SP :17
称 号:ダンジョンの寵愛を受けし者
身 長:185
体 重:72
ステ表:筋力B 体力D 魔力E
敏捷C 器用D 精神E
装 備:スコップ
ツナギ
安全靴
所 持:回復ポーション×5
解毒ポーション×3
スキル:獲得経験値向上(低)
身体強化(低)
物理耐性(低)
強撃(発動名:スマッシュ)
恒常疲労回復
武器攻撃力増強(低)
空間収納(低)
風刃(発動名:ウインドカッター)
魔化(発動名:エンチャント)
焔槍(発動名:フレイムランス)
加 護:助言者(思念体:アイ)
ネーム:紫亜楓
レベル:13(以下+補正)
クラス:戦士【ファイター】L10
:斥候【スカウト】L3
HP :132
MP :78
SP :0
称 号:夜明けの迷惑来訪者(ナイトノッカー)
身 長:150
体 重:43
ステ表:筋力E 体力E 魔力E
敏捷C 器用B 精神E
装 備:鉈
ジャージ
ジョギングシューズ
所 持:回復ポーション×2
解毒ポーション×2
煙幕×3
スキル:【個別シンクロ】対象:パーティ
隠密(発動名:スニーク)
死点急襲(発動名:バックスタブ)
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