拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第7章 ふわふわ空飛ぶ旅は旅行気分?

第038話 幕間 メメントリア王国の未来、スカーレットの困惑

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 リアースレイ精霊王国とメメントリア王国との取り引きに使われる飛空挺は一隻のみで1日一往復する。国の規模に合わせたモノだから一隻でもそれは仕方がない。
「だが問題は、我が国にリアースレイ精霊王国へ売れる物が無い事だ」
「フォシュレーグ王国からはランプオイルや食料品。リアースレイ精霊王国からは断熱強化ガラスに断熱材、それに紙等の筆記用具、ですか」
「――出来れば衣料品や化粧品も欲しい所だな」
「王妃様ですか」
「娘達もだな」
「スカーレット姫もですか? ……何と言うか、意外ですな」
「スカーレットを何だと思っているんだ。リアースレイ精霊王国とはアデール王国で2年もの間後ろ楯として接して来た相手だぞ? その力を良く知っているのだろう」
「(でも脳筋ですよね?)確かに、話しを戻しましょう。輸出品ですが我が国からは高級毛皮、各種ベリーで作るジャムやドライフルーツ等の希少品になりますが、リアースレイ精霊王国には芳しくありません」
「フォシュレーグ王国にはかなりの高値で売れる様だがな」
「それは大変助かっています。アデール王国では随分買い叩かれていましたから」
「うむ、身内に上前をはねていた阿呆も居たがな」
「それはそれとして、アデール王国やカントラス王国では希少な鉱物を交易品として扱っている様ですな」
「うむ、フォシュレーグ王国側も当初は接収する予定のアデール王国の鉱物資源をそのまま使う様だしな」
「メメントリア王国にはそう言った資源はありません。フォシュレーグ王国から買い入れるしかないでしょう」
「やはり、それしか無いか」
「となればフォシュレーグ王国へ売れる物を増やして行く事が必要でしょう。高級毛皮となる白狼や白熊などは冬の間しか出てきませんし、それも獲物次第で確実ではありません」
「相手は魔物だ。狙って増産出来る物でも無いしな」
「となるとベリーしかありません。畑を10倍に増産しましょう」
「10倍!? 何処にだよ!??」
「リアースレイ精霊王国方式の新建築で、来季の冬の薪の消費量は3分の1以下になる試算です。西の植林地帯をベリー畑に変えるのです」
「成る程、その手があったか。確かに薪の消費が減れば余裕が生まれるか。西側は例の精霊樹のお陰でまた魔物が少なくなって来たし、塀で囲う必要はあるだろうが、……やれそうだな」
「野菜等も作って食料自給率も上げたい所ですが。陛下、酒を造ってみては如何でしょうか?」
「酒?」
「ベリーにより付加価値を付ける為です。此方で採れるベリー種で造った方が高級酒として売れるそうです。まあ初めから上手く行くとは限りませんが」
「将来の為の布石か、良いのではないか?」
「最後の手段としましては、リアースレイ精霊王国との取り引き枠をフォシュレーグ王国に貸し出す事も出来ますが」
「シャルロッテ殿の提案だな。癪だが建築素材は必要分輸入してしまえばどうしても必要なのは紙くらいだからな。空きが出来ると言えば出来る」
「まあ贅沢品も財政状況を見て仕入れ手いけば良ろしいかと」
「うむ、そうだな」
 化粧品などはアプリコット王妃やスカーレット姫、コクリコット姫達の突き上げもありそうだが仕方がない。


「お母様、現在兵士は下位貴族出身か庶民が殆んどです。高位貴族が軒並み処分を受けた事で彼等は王公貴族に対して不信感を持っています。兵士達と共に民の為に汗を流せば、兵士達に対しても民に対してもそれを払拭する一助になりましょう」
「――貴女もやっているじゃないの」
「私は昔から好きでやっておりましたから有り難みが少ないのです。病弱だったコクリコットが病から立ち直ったばかりなのに民の為に汗を流す。兵士も民もその姿を見てこの王族、この王家なら信じるに値すると感じ入る事でしょう」
「貴女のその考えは立派ですけど、……コクリコットにその話しはしているのかしら?」
「――そうですね。一応しましたかね?」
「(していなさそうね)もう一度ちゃんと話しておきなさい。やる気に繋がるかも知れないわ」
「確かにそうですね。そう致します」
「それと、コクリコットの鍛練は減らしなさい」
「――体調には配慮しておりますよ?」
「体だけではなく精神的な問題よ。貴女だって刺繍や楽器は得意ではないでしょう? あのままだと滅入ってしまうわ」
「いえ、アデール王国で馬鹿にされるので今は私も人並み以上には出来ますよ。為せば成ります。気の持ち様です」
「はぁ、――なら王妃として命じます。コクリコットは3日に一度、午前か午後だけの鍛練になさい」
「……お母様、流石にそれは過保護が過ぎるのではないでしょうか?」
 困惑するスカーレットに困惑しているのは此方なのよ!? と言いたいアプリコットだった。
 今までは毎日の朝の鍛練に加え、2日に1日は1日中鍛練に付き合わせていたらしい。……しかも兵士に混じって……。
 コクリコットに泣き付かれた時は余りにも厳しい鍛練内容に、思わず目まいを起こしそうになってしまった。
 国王ギリアムにも相談したが、役に立たなかったらしい。
(取り敢えずこれでコクリコットの様子を見る事にしましょうか)
 スカーレットの言う、兵士や民に寄り添うと言う事も汲んでの折衷案だった。
「そんなに心配なら代わりにお母様もやりますか? お母様でも同様の効果があるかと思いますよ?」
「――やらないわよ」
 尚も渋るスカーレットに王妃としての威厳も重要である事。民は兎も角、他国の王公貴族や大商人に舐められる様な真似をする訳にはいかないと言う事。
 更にコクリコットにも様々な教育が必要な事をこんこんと説明して、何とか納得させる事に成功した。
 結果コクリコットの中で母親に対しての尊敬が無限に高まり、父親に対しては下がる処まで下がっていくのだった。




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