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第8章 のろのろ帰還と運命の再会?
第036話 チーム再結成
しおりを挟むその後キーちゃんとも少し遊んであげてから置いていく精霊剣をリリィからネネェに交換する。ネネェがリリィと別れて新しい所に行くのに不安を感じたらしい。
ネネェはリリィとは色違いで同じ姿をしている。ただリリィに比べて幼い言動が目立つ事から精神まで同じではないのだろう。
「プルルゥ『早く帰って来て遊ぶのだー』」
『待ってるなのー』
「ん、行ってくる」
因みにエミリアーナは昨日に続きラウレスとお茶会をさせられていた。アイリスと接触させない為のエウレカ、ビアンカ母娘の策である。エミリアーナは終始退屈そう、ラウレスは昨日のお茶会で話せるモノは出尽くしていて、まさに地獄の空気であった。
ビアンカに旅? の話しを聞いていれば興味を惹けただろうがそこまで頭が回らなかったのだ。
まあビアンカに聞いたとしても素直に話す事は無かったであろう。エミリアーナの興味を惹けば色々と騒動を引き起こし、自分も巻き込まれるだろうと考えるからだ。
「アイリスちゃん。気を付けてね? この領地の事は慣れてないんだし、(騒動を起こさない様に)家族の言う事を良く聞いて行動するのよ?」
「ん、ビアンカお姉様。行ってきます」
心配性だなビアンカお姉様。お姉様呼びさせてる所為で俺の事を年下と勘違いしてないか? いやまさかな、そんな訳ないか。
『まさかと思うとるお主にまさかの思いじゃ』ジト目
何を言ってんだ??
アリアとカチュアとも挨拶を終えて、ヴェルンさんが用意してくれた馬車に乗り込む。ナージャさんも一緒だ。
馬車で領都の中心地に向かって行くと次第に人の喧騒が大きくなっていく。20分程馬車を走らせると大きな建物の前に停められた。
先ずは傭兵ギルドだ。コレット達と合流してチームを組むのだ。
「アイリスちゃーん、ヤッホー、こっちこっち」
建物に入って直ぐにミリアーナに呼ばれた。連絡済みだったから1階のロビーで直ぐに合流出来た。
「会いたかったよアイリスちゃーん、感動の再会ね!」
「むぐぐ!??」
ミリアーナの胸で抱き締められる。て言うかお前とは昨日までずっと一緒だっただろう!?
ミリアーナの胸が凶器で息が出来ない。どうしよう、足が付かないんだよ? バタバタするけど引き剥がせない。うぐぐ、胸がデカ過ぎるんだよ? この胸シャルロッテさん程ではないけど俺の顔くらいデカいんだよ!?
「ちょっ、アイリスちゃん息出来てないわよミリアーナさん!」
「おっとごめんごめん、つい嬉しくって」
「ぷはっ!?」
「おっとと、大丈夫アイリスちゃん」
「むぐぅ!?」
うぐぐ、今度はお前かラビィ!? お前も胸で抱きしめるな! お前もそこそこ大きいから結局息が出来ないじゃないか………、く、苦しい。
「ちょっと何してるのよラビィまで! アイリスちゃん本当に苦しそうよ!?」
「………ふはっ、はぁ、はぁ」
「大丈夫ですかアイリスちゃん?」
「……んっ、……だい、じょぶ」
コレットが引き剥がしてナージャさんに後ろから抱きしめられて救助された。まあナージャさんなら正面からでも大丈夫だったろうけど。
「アイリスちゃん? 何か考えました?」
「? ナージャさん、……おっぱいが無いから大丈夫?」コテン
と言ったら無言で正面から抱き締められた、やっぱり大丈夫だったな。
「えへへ、ナージャさん好きー」
「はうっ! ア、アイリスちゃんやりますね。私も大好きですよアイリスちゃん!」
俺からも抱き締めておく、助けてくれたし愛想くらい幾らでも振り撒いておくんだよ?
「アレ、ナージャさん。胸で締めるつもりだったよね? ミリアーナさん?」
「そうねラビィ、その前にアイリスちゃんに潰された様だけど」
「むう、出遅れた」
「無理に割って入らなくて良いわよルルは。これ以上混乱させないでよね」
そんな騒ぎの中ヴェルンは空気になって黄昏ていた。只でさえ10代半ばから20代半ばまでの若い女達の中で居づらいと言うのに更に居づらい会話をしているのだ。それも無理無い事だろう。
ヴェルンやナージャの様な市井に紛れる事が出来る実力者は、希少だがレンリート伯爵家には他にも居る。ただ初めに選ばれてしまったからそのまま便利使いされてしまっているのだ。
今更アイリス達のチームにヴェルンの替わりに見知らぬ者を付けられないと言う事だ。
(せめてナージャがまともであったなら……)
そう思わずにはいられないヴェルンであった。
傭兵ギルドでのチーム編成は人数やランクによって受けられる依頼が変わってくる。ギルド側も100人のソロより10人10チームの方が管理しやすいからチームにする事を積極的に勧めてくるのだ。
チームリーダーはミリアーナ、何時の間にかランク4になっていやがった。そう言えばアデール王国でちょこちょこ傭兵ギルドに行ってたな。
「強さ的にはタニアの方が強いんだけどねぇ?」
「あたしは構わないさ。傭兵としては未熟だしね」
サブリーダーにタニアがついて残りのメンバーはコレット、ルル、ラビィと俺にヴェルンさんナージャさんの8人チームになった。ヴェルンさんナージャさんはそれで良いのかと思うけどビアンカお姉様の許可は貰っているらしい。
――まあキーちゃんの事もあるし連絡役は必要か。
しかし当面チームでの依頼は受けられない。俺は何時ビアンカお姉様に呼ばれるか分からないしヴェルンさんナージャさんもそれは同じだからな。
ただビアンカお姉様がアデール王国に行く時は皆んな一緒に行く事になるかも知れない。ヴェルンさんが話したら皆んな乗り気みたいなのだ。
「チーム名はアデール王国の探索者ギルドで付けた桃月の妖精で良いわよね?」
「良いんじゃないか?」
「うんうん、アイリスちゃんにピッタリだね!」
「ん、賛成」
ミリアーナの提案にコレット達が同意していく。俺の髪の毛は確かに桃色だけどそれだけじゃないか。まあ皆んなが賛成してる所でケチ付けたりはしないけどね、大人気ないし。
これで傭兵ギルドでの用事は終わったかな。ギルドの場所も分かったしミリアーナやコレット達の宿泊先も分かったからな。後はいよいよねぇね達の所に行くだけだ。
馬車に乗ってヴェルンとナージャと共に去って行くアイリスを見送るコレット達。アイリスには黙っているが、コレット達はアイリスに対する護衛依頼をビアンカからヴェルン経由で受けていた。
「アイリスちゃん家族の、近くの空き部屋は押さえてあるのよねコレット?」
「はい、ヴェルンさんが用意してくれました。私達の仕事は周辺の警戒と、いざと言う時の護衛が依頼ですね」
「でも護衛かぁ。どうしよっかねえ?」
「後ろを付けてて、バレたら顔見知りじゃ言い訳効かないもんね」
「隠れないで、一緒に遊べば良い」
「毎日って言う訳にはいかないでしょ?」
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