拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第8章 のろのろ帰還と運命の再会?

第039話 家族の団欒

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「リリちゃんごめんねえ? 家のパパが」
「ん、だいじょぶ」
 ねぇねに起こされたら両親の部屋で夜ご飯になっていた。何時の間にか寝てたんだよ?
 夜ご飯は両親にねぇねとユミル、それにマリエルとセディナと一緒だ。マリエルが謝って来たけど悪いのはシュミル兄さんだからね。
 そのシュミル兄さんも謝ってきたし、俺も大人だし何時まで引き摺ってても仕方ないから許したよ?
『大人? アネモネが隣に居るからご機嫌なだけじゃろ』ボソッ
 サラダと芋と豆の野菜たっぷりスープに薄切りパン。石パン程ではないけど中々噛みごたえがあるんだよな。スープに浸ければ何とか食べられる。
「今日はお肉が食べられると思っていたのに~」
「私も~」
 マリエルとユミルがしょんぼりしてるけどお肉がそんなに美味しいかね? 昔は贅沢品って感じで小物の魔物を狩っても売ってしまっていたし、最近は食べる気も起きないんだよな。
『リリィ達が魔力を供給しとるからの。必要なエネルギーが減ったのもあるじゃろが、精霊は命を食らう事をせんからその精神的な影響を受けとるのかも知れんのじゃ』
 ふーん、……害は無い?
『無いのじゃ。肉も食べられなくなる訳でもないしの』
 なら良いや。
「贅沢言わないのよー? 今日の主役はリリちゃんなんだからねぇ? リリちゃんのリクエストが優先されますよー」
「ええ~、リリちゃんお肉嫌いなのぉ!?」
「お肉美味しいよ!? ねっ? マリエルちゃん!」
「うん! 私もユミルちゃんもセディナお姉ちゃんもお肉は大好きなんだよ!?」
「そこで私の名前出さないでよ。いや確かにお肉好きだけどさ」
「お肉、……好きじゃない」
 俺の一言に3人娘達が悲しそうに見てくる。でも仕方がないよね? 食べるって言ったらドンドン出されそうな気がするもん。父親も悲しそうにしてたけどそこは見て見ぬ振りをしておく。

「ふふっ。リリちゃんのリクエストはお肉無しのご飯だけじゃないのよ? 寧ろ前座、リリちゃんのリクエストはスイーツ三昧でしたー!」
「「「おおーーっ!!?」」」
「ご飯をちゃんと食べたら出しますからねー?」
「やった!」
「リリちゃんでかした!!」
「お肉なんかよりスイーツの方が良いわ!」
 テンション爆上がりの3人娘達を余所に「俺はスイーツより酒が……」と父親が小さく呟いていたが母親に流されていた。俺はお酒も飲まないからな。強く生きてくれ父よ。
 ご飯が多くてスイーツが殆んど食べられなかった。ユミルやマリエルだっていっぱい食べていたのに、悔しい。――思わず涙が零れてしまった程だ。
『思わず? 何時も通りで何の意外性も無いのじゃがの』ボソッ
 でもねぇねがスイーツは朝に食べれば良いと言ってくれたのだ。やっぱりねぇねは優しい。
 朝ご飯を少なくして良いと言われたので泣くのを何とか我慢した。ユミルとマリエル、セディナにも誉められたのだよ? ふふふん。
『何とか……』白目


 両親の部屋での夜ご飯を終えたらアイリス兄さんを残してそれぞれ部屋に戻って行った。歓迎会どころでは無くなってしまったので繋げた部屋は戻してある。私とユミルも食事を終えて部屋に戻っていった。
 アイリス兄さんはそのまま両親と同じ部屋を使う事になる。
「えへへー、リリちゃん可愛かったねママ!」
「そう、……ね」
「もうずっと一緒なんだよね!?」
「1ヶ月ぐらいは此処に居るらしいけど、その先は未だ分からないそうよ」
「むむー、1ヶ月~? もっと良いじゃん。短いよ!?」
「リリちゃんの仕事相手はお貴族様、――滅多な事を言っては駄目よ?」
「むう、……はぁーーい」
「もう寝なさい。明日は学校でしょ」
「はーい、お休みママー」
「はいお休みなさいユミル」
 ユミルが二段ベッドの上で布団に就いたのを見て図書館で借りた本の読書をする。ランプが勿体無いけど此処最近の楽しみになっているのだ。
 食事のスイーツやこんな贅沢な時間を持てるのもアイリス兄さんのお陰なのよね。それにしてもお腹いっぱいでスイーツが食べられなくなって泣くなんて。
「やっぱり、1番子供っぽいのよねぇ」
 ユミルは9歳、マリエルより1つ下で親戚の中で1番年下だ。アイリス兄さん相手にお姉さんぶって喜んでいたけど、このままで良いのかしら?
 昔から言動が幼くて、兄扱いするのが恥ずかしくてあだ名と称してねぇねと呼ばせて暗に弟扱いしていたけど、今はユミルの妹にすら見えてしまうのよね。


 コンコン
 もやもやした気持ちを抱えながら本を読み耽っていると不意に扉をノックする音が聞こえた。
 こんな夜更けに誰かと思ってドアを開けると、――アイリス兄さんだった。可愛い熊柄の子供用パジャマに身の丈程の熊のぬいぐるみを引き摺って寝ぼけ眼で私を見上げている。
(子供丸出し……その姿、可愛い過ぎるわよ?)
「んんっ、……どうしたの? リリちゃん」
「ん、……ねぇねと寝る」
 そう言って私の服の袖を引っ張ってくるアイリス兄さん。
 一瞬思考が停止してしまったけど何とか再起動して、取り敢えず先にベッドで休む様に言って頭の中を整理する。
(さて、どうしようかしらね)
 座っていた椅子に戻って考える。追い返すとまた泣かれそうだし、別に寝るくらい良いんだけど兄さん達からまた甘やかし過ぎとか言われそうよね?
 お母さんも何で止めないのかな。まあ、お母さんならアイリス兄さんが私と寝ると言ったら「あらあら仲が良いのねー」とか言って普通に送り出しそうだけど。
 取り敢えず、アイリス兄さんが寝入ったら様子を見て私はユミルと寝ようかしらね。

「えっ、……ええーっと、リリちゃん?」
 そう思っていたのにアイリス兄さんは熊のぬいぐるみをベッドに置くと、ふらふらと私の所に来て床にペタリと座り込んでしまい私の膝を枕にして寝てしまった。
 本格的に寝入られるとベッドに運ぶのが大変になるから慌てて起こしてベッドに寝かそうとしたけどぐずられる。
「んん~、にゃっ。ねぇねと寝る~」
 あ、……甘えん坊。でも頭をふらふらさせて今にも寝ちゃいそう。
 うーん、このままだとユミルが起きちゃいそう。そしたら一緒に寝るとか言い出しそうよね。それならまだ私が寝る方がマシか。
 読書を止めてアイリス兄さんをベッドに連れて行く。結局一緒に寝る事になってしまったわね。
 兄妹とは言え大人になって一緒のベッドで寝れば何も起こらない筈が無い。
 ――なんて事もある筈がなく、私に抱き付いたままアイリス兄さんは直ぐに寝息をたてて寝入ってしまっていた。
(分かっていたけど、――分かっていたけど複雑だわ)
 それにしても、10ヶ月前に会った時も可愛いらしいとは思っていたけど、更に磨きがかかっている様に見えるのはどう言う事かしら?




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