拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第1章 うろうろ迷子と運命の出会い?

第007話 3日目、調査開始

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 森の中を歩いて行く。来た時とは違い洞窟から少し離れた所を探索してる。ゴブリンが1番いそうな洞窟側はレイク達が行ってる。自信があるのか中身もイケメンなのか知らんけど楽出来るなら有難い。
「ちょっとぉ? 何で私達が5人で他が3人なのよ。私達が頼り無いみたいじゃない」
「そうだぜエリックさん。せめて4人だったら良かったのに」
「そうですね。まるで私達が助っ人を頼んだみたいです」
 楽が出来るなら良いじゃないか……とは言わない。火に油を注ぐようなモンだからな。それにしても、リズとラストは何時もの事だけどクリスも何時もよりキツいな。
『ゴブリンも居ないが他の魔物も居ないのじゃ』

「その細剣はどうだ?」
 妹精霊に索敵を任せて進んでいるとエリックが声を掛けて来る。
「良い……かな?」
『そうじゃろう、そうじゃろう』ふふん
「そうか、まあ前までの片手剣は重そうだったしな」
「んっ」コク
 後ろで3人が何か言ってるけど無視だ。俺に習ってエリックもそうしてる。相手をするだけ無駄だ、つまらんストレスは抱えない。
「でもかなり使い勝手が違うんじゃないか?」
「んっ、違う」コク
「村長に聞いたけど随分熱心に鍛練してたって聞いたぞ? そこまでする程細剣が合ってたのか?」
「体に、……負担無い」
「貧弱なのよ」「まるでか弱い女性ですね」
 やかましいわ。気にしないようにしてても女共に言われるとグサリと来るだろ。
「ちょっと貸してくれないか? 少し振ってみたい」
「ダメ、……探索中」
「あっ、すまん。そうだったな。余りに静かだから油断してた」
「何だよエリックに偉そうに。何様のつもりだよ」
「何時もボッチの癖にエリックに相手してもらって舞い上がってるんじゃないの?」
「そうね、エリックさんが優しいからって勘違いしないで欲しいわ」
『そろそろ洞窟に着くのじゃ。しかし後ろの3人は喧しいの。貴様もガツンと言ってやれば良いものを』
 何時もならエリックに押し付けるんだけど同じチームで逃げ場が無いからな。シカトが1番マシな対応なんだよ。

『むっ、崖の方、洞窟より先にゴブリンがいるのじゃ。3匹じゃの』
「いた、……ゴブリン……」
「何? 何処だ?」
 エリック達全員がすぐに警戒態勢をとる。何だかんだ言ってもここら辺は流石だな。妹精霊の指し示す方をそのまま指さす、けど目が良くなった俺にもまだ見えて無いんだよね。
「ちょっと見えないわよ? アンタ本当に見えたんでしょうね!?」
「止めろ、取り敢えず警戒しながら進んで行こう」
 そこから20m程進むとゴブリンが皆んなにも見えて来た。
「ちっ、まだレイク達も気付いて無いな。笛を鳴なす、合流するぞ」

 ピロロロロ、ピロロロロロロ。
 
「っと俺達が最後か」
「ああ、洞窟の先20mくらいの所に3匹いるらしい」
「見えたのはな、まだ居るかもしれないぞ?」
 レイク達に続いてサージェス達も集まり作戦を立てて行く。
「取り敢えず囲んで3方から一気に殺る。遠距離攻撃持ちは後ろにいて逃げられたら対処、伏兵にも気を配ってくれ」
「「「了解」」」
「俺達はクリスが弓で待機、リズはクリスを守ってやれ。俺とラスト、アイリスで突っ込むぞ」
「おう」「しょうがないわね」「分かりました」「んっ」
 3匹程度ならクリスの弓は矢が勿体ないからな。――木々に隠れながら進んで行くと近くにゴブリンが見えて来た。それぞれ囲うように移動しながら伏兵がいないか注意して持ち場に待機する。

 ピロロロロ。
 
「合図だ。行くぞっ!」
「おうっ!」
 気合い入ってんなあ。過剰戦力だろ。俺は後ろから付いて行くだけ。まあ一応、抜けて来たら対処出来るように油断しないで見ておくけど。
「「「ぎゃぎゃっ、ぎゃーー!?」」」
 うん、過剰戦力でした。あっと言う間に終わったよ。伏兵も無し。
「本当にゴブリンがいたな。アイリスさん良く気付きましたね?」
「ん」コク
『我のお陰なのじゃ』ドヤァ
 えっへん、とでも言うように胸を張って俺の目の前に飛んで来る。俺の妹はそんなんじゃないんだよなぁ。リリちゃんリリちゃんって何時も後ろに付いて来てたっけ。可愛いかったなぁ。
 ――はぁ、……子供時代に戻りたい。
『ねぇねと呼ばされリリちゃんと呼ばれる? ……妹に妹扱いされとらんかコヤツ』ボソッ

「それで、お前達は此処に来るまでゴブリン以外の魔物は見たか?」
「俺達は見て無いな」「俺達もだ」
「ゴブリンに殺されたか逃げたか、どちらにしてもゴブリンの脅威がそれだけあるって事か……」
「コイツ等が洞窟の側にいたってのも気になるな。仲間を探してたのかも」
「――統率者が居るかもしれない」
「もしそうなら思ったより規模がデカいかも知れないぞ?」
「確認出来るだけ行ってみよう」
「ああ、こっち側で当たりだったかもしれない」
「また同じように別れて行くか?」
「そうだな……いや、今度は俺達が真ん中になろう。エリック達は右側、サージェス達は左側を頼む。それと此処からは危険度が上がりそうだ。互いの距離を狭めて互いに見える範囲にしようと思う」
「真ん中は俺達の方が良いんじゃないか? 数も多いしいざと言う時は両方に人を送れる。お前達は自信があるんだろうが人数の差ってのは大きいぞ?」
「エリック、お前の力は知ってるし認めてもいる。けどチームとしても俺達の方が戦力が上だ。お前の仲間はお前より落ちるんだろ? 俺達が真ん中で先行する、良いな?」
「ちょっと、アンタ達3人の方が私達5人より強いって言うの? あんまり舐めないで貰いたいわね!」
「エリックよりランクが上だからって調子に乗り過ぎてねえか!?」
「分かった、無理するなよ」
「ああ、当たり前だ」
 エリックが視線でリズとラストを黙らせてからレイクの案に了承する。良いなその技術、俺にもくれよ。
 
「あっ」
 そうだ、精霊剣の索敵能力があるなら中央にいた方が良いよな。
「何ですか? アイリスさん」
 お嬢さん呼ばわりされてからコイツずっと俺に敬語なんだよな。エリックにはタメで喋ってるのに。まあ俺が一番年上なんだけど、……でもソロだしランクは2で逆に1番低いんだよな。
「そっち……入る。索敵」
「いや、危ないだろう」
「そうですよ。危険です」
「私は賛成、そもそもウチらに要らないし人数的にもバランスとれるじゃん」
「私もそう思います」
 リズ達は俺を追い出したいだけだろう。そしてエリックとレイクは何で揃って反対するんだよ。
『お主がそんな提案するなんてどう言う風の吹き回しなのじゃ?』
 お前の索敵と合わせればレイク達の側が1番安全そうだろ? エリックは兎も角リズ達は俺と連携とる気なんて無いだろうし。
『成る程の』




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