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第1章 うろうろ迷子と運命の出会い?
第021話 幕間 レイクの奮戦、開戦
しおりを挟む「さて、冒険者共はどの程度ヤルかな」
「数はいるからなあ。まあまともなのも中にはいるだろうさ。それよりレイク、俺等の出番はナイトが出てから、本命はキングだからな? 暴走すんなよ?」
「分かってる、雑魚狩りは冒険者に任すさ」
そうと分かっていても初めの内は場が安定しなくて、俺達もどんどん雑魚狩りする事になってしまった。
「うおっ、凄えなアイツ等」
「傭兵か? でも何であんな凄腕がこんなトコにいんだよ」
「どうした冒険者共ぉーーっ! もっと気を張れやぁーーっ!」
「おい、お前等は前に出過ぎだ。下がれっ!」
リックとトマソンが冒険者を煽って行くけどなかなか上手くいってない。それどころか低ランクの奴等が他の冒険者共に煽られて無謀にもゴブリンに突っ込んで行こうとする。
冒険者共をコントロールしながら戦って行く内に俺達は下がるどころか最前線で動けなくなってしまった。
「レイク、トマソン! このままじゃ最前線で雑魚共相手に消耗させられちまう! 固まってるからこのエリアを任されちまってるんだ。徐々にバラけてそれぞれ下がるぞ!」
「ああ! 了解だ!」「分かった」
計画通り徐々にトマソンとリックが距離をとっていった。けど俺が倒す数が増えただけで防衛する範囲が変わらないし援軍も来ない。どうなってんだ!?
クソッ、魔力を循環させて瞬間的に部分的身体強化を使ってゴブリン共を瞬殺していく。こんな雑魚相手に魔力を使わされるなんて不本意極まりない。
「うおー、凄え。まだ本気じゃなかったのかよアイツぅ」
「マジかよ、もうこの辺アイツに任せて良いんじゃね?」
「あの人イケメンだし強いしすっごいわね。お近づきになれないかな?」
「良いよねー? 戦う姿もカッコ良いんだもん」
「くっ、イケメンめ。けど今だけは応援してやる。……今だけだけどな」
「イケメン死すべし……。ただしこの戦いが終わってからな」
何か遠くで騒いでるけどコッチにフォローに来いよな。リックの案は失敗だ。結局3人どころか俺1人で戦う事になってしまった。
徐々に上位種のゴブリンソルジャーが増えて来た。コイツ等くらいなら変わらず倒せるけど肉厚な分ちょっと力がいる。このまま続くと体力の方も消耗しそうだ。
それでも手を抜けずに範囲内を追ってまで倒して行かないとイケない。逃げられないように素早く倒すのにいちいち魔力を使わされるのが地味にキツい。全部俺に向かって来た方が楽なのに。
「戦線を押し上げるぞぉおおーーっ!! 戦線を20m押し上げるぞぉおおーーっ!!」
誰かの指示か? いい加減ゴブリンの死体が邪魔になって来てたから丁度良いか。けど押し上げるのかよ、引く方が楽なのにまた魔力使わされるな。
溜め息を吐きながら近くに落ちてた片手剣を拾う。片手剣の二刀流にして身体強化魔法を使いながら、二刀を振り回してゴブリンもゴブリンソルジャーも一振りで次々屠って突き進む。
「うおー、すっげ。アイツの後ろ楽で良いよな」
「ああ、安全圏だよ。偶に雑魚が流れてくるぐらいだからな。ガハハッ」
ヤバいな……、何とか言われた通り戦線を押し上げたけど魔力が半分くらい使わされた。体力も戦い詰めで疲れが溜まって来たし精神的にもしんどくなって来た。
「ナイトが出たぞぉーー! 2、……3匹出た! 3匹出たぞ!! ソルジャーもかなり引き連れて来てるぞぉおおーーーーっ!!!」
「マジかよヤベえぞ! 誰か倒せる奴イケよ!!」
「逃げるか!?」
「アホッ、逃げたら死刑かも知れないぞ!」
「マジで死刑なんかなるかよ! 俺は逃げるぞ!!」
「強え奴は強え奴に倒させろ! 俺等は雑魚を倒してたら良いんだよ!!」
このタイミングでかよ。最前線に入ってからどのくらい経ってるんだ? リックとトマソンはどうなった?
「クソッ! そいつは俺の獲物だ! 邪魔する奴はぶっ殺すぞ!!」
「おおー、アイツがヤルってよ!」
「マジかよ。1人でヤレんのか?」
「大丈夫だろ。さっきからハンパねえ動きしてたし」
「いやーん男前~。カッコ良いだけじゃなくて強くて度胸もあるなんてすご~い」
「うわ惚れそう。ヤバい、ヤバ過ぎる」
「くぅ~~っ……ゆ……る……すぅ~」
「ああー、早く娼館行きてぇー」
宣言して邪魔な冒険者が出ないようにしてからゴブリンナイト達を待ち構える。まあその間にもゴブリンやゴブリンソルジャー達が次々と襲い掛かって来て両断してるんだけど。
「チッ」
ナイトがバラけそうになったからコッチから突っ込んで行った。ゴブリン、ソルジャーを次々と倒しながら進んで行くと仲間を倒されたからか激昂して襲い掛かかって来た。
ゴブリンナイトは180cm、俺の頭半分低いくらいだけど筋肉が凄くて中々威圧感がある。けど俺の残りの魔力体力を考えなければ大した相手ではない。
先頭にいるナイトを相手に強めの身体強化をして、拾った方の片手剣で胸に突き刺してやる。更にその剣を蹴りで押し込んで後ろにいるナイト1匹の方に蹴り飛ばす。
自分の片手剣を両手に持ち替えて別の1匹に振り下ろし肩から胸まで両断、最後の1匹が体制を立て直した所で踏み込んで首をはねて3匹共始末した。
「おおーー! あっと言う間じゃねえか!!」「凄過ぎんぞ兄ちゃん!!」
「きゃあーー、カッコ良いー!!」「凄いすごーい、何それぇーー!?」
「うぐぐ、……ヤルな」
「ああ、理不尽だ。せめてその顔俺にくれよ」
「怖っ、何言ってんだよお前!!」
外野が五月蝿い。確かナイトはあの集落だけで6匹居た。……少なくともあと3匹はいる筈だ。更にキングがいるとしたらもっと大きな集落があるだろう。下手すればまだ中盤戦にもいってないかも知れない。流石にうんざりして来るな。
「レイクッ! 代われっ! 後ろに下がるんだ!!」
「!? ……リック? トマソンも!?」
「交代だ。後は俺等がヤル、しばらく休め」
「ああ、助かった」
マジで助かった。このままじゃジリジリ体力魔力を削られてどうにもならなくなる所だった。
「レイクさん、コッチです! 補給場所があるんで案内します」
15・6歳くらいの成年に連れられて行くと20人近くが休んだりしていた。
「レイクさん、僕が剣の血脂だけでも洗って来ますんで少しでも休んで下さい!」
「ああ、丁重に扱ってくれ」
「はい、任せて下さい!」
普段なら他人に武器を渡したりしないが流石に休みたい。まあ洗うだけなら大丈夫だろ。水を飲みながらへたり込むように木陰に座り込んで休みをとった。
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