拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

文字の大きさ
82 / 305
第3章 なりきり学生生活は問題だらけ?

第005話 試験、問題!?

しおりを挟む

「アイリスちゃん、アイリスちゃん、起きて下さい?」
「んんぅ? ……ふあぁあふぅ」
 ナージャさんに起こされて寝惚けたまま目を開けると皆んながコッチを見てる? ……そう言えば試験だった!?
「もう試験が始まりますからね? 落ち着いて頑張って下さいね、では」
 軽く頭を下げて足速に教室から出て行った。ちょっとぼうっとする頭で前を見る。試験官が4人か、試験官も子供達も何で皆んな俺を見てんの? めちゃくちゃ目立ってるじゃん?
『そりゃ人生が掛かる試験で熟睡しておったら目立つのじゃ。見るなと言う方が無理なのじゃ』
 何で起こしてくれないんだよリリィ! 静かに過ごしたいって言ったじゃん!!
『静かに寝て過ごしとったのじゃ』
 そう言う意味じゃねえよ!
『寝とる時点で目立っておったからの、手遅れなのじゃ。そもそもこんな時に寝るお主が悪いのじゃぞ?』
 くうっ、……ぐうの音も出ないよ!?
 
 1時間目は社会、法律や王侯貴族との対応、一般的な礼儀作法についてだった……まあ何とか? 2時間目は歴史、3時間目は数学だった。合格ラインが分からんけど大体埋めたしやる事はやった。
『いや社会と歴史は半分以上リリィが答えたのじゃ! 書き終わったら試験中なのにさっさと寝てしまうし目立ちたくないって言ってたのはどうしたのじゃ!?』
 もう目立っちゃったんだし今更じやないか。ならもう寝ちゃって良いだろ?
『此奴、図太いのか繊細なのか分からんのじゃ』
「アイリスちゃん午後の試験は自信ありますか?」
「んっ、――まあ、まあ?」
 お前もちゃん付けか、隣りに座っている赤茶の髪目でショートボブの女の子供、ホリーと言う名前で商人の娘らしい、丸い子だ。
『いや丸い子って……、確かに丸顔でちょっとふっくらしておるが可愛い顔しとるじゃないか。オナゴをそんな呼び方するでないのじゃ』
 今は座学の試験が終わって合格した俺は教室でナージャさんが用意した昼食をとっている。そう、既に学院の合格は午前の座学で決まってしまっているのだ。
 この後は実技、剣や魔法の試験を受けるらしい。因みにクラス分けは座学の成績だけじゃなく身分も関わるらしくて数日掛かるそうだ。――面倒くさ。
「アイリスちゃん甘い物好きなんですか? 美味しそうに食べますねぇ」
「んっ、美味しい」
 今日のクッキー、固めた苺のジャムが乗ってるのとチーズが乗ってるの、それとナッツが乗ってる3種類ある。美味しい美味しい、どれも美味しいな。

「はぁ~、……帰りたい」
「そんな事言わないの、ほら行きましょアイリスちゃん」
 ホリーに背中を押されて校舎を出て広場に出ると、試験を受けた教室事に集められてそれぞれ試験を受けているみたいだった。
「アイリスちゃん達はあちらで試験をするそうです」
 俺達の後ろをナージャさんとホリーのメイドさんが仲良く歩いている。何時の間に仲良くなったのか、いや俺の所為か。
「よぉし集合したな。それぞれ手に合った木剣を取って適度に広がれ!」
 受験生が集まると教師? っぽいのが声をあげた。他にも騎士っぽいのが沢山いるな。
「アイリスちゃん、髪を結いましょうね?」
「んっ」
 髪の毛は伸ばすように言われてるんだよな。向こうに戻った時見た目を少しでも変えた方が良いって言うからしてるけど鬱陶しい。俺の為じゃなかったらとっくに切ってるのに。
「はぁ、……あんまり(人数が)減ってない」
「そうですね。まあお金とコネがモノを言いますから学院側も上位者と揉めでもしない限り不合格にはし辛いのでしょう」

 籠の中から自分でも取り回せそうなリリィの精霊剣に近い細剣の木剣を手にして言われたように広がった。
「よぉし、それじゃあ周りに当たらないように素振りをしろ! 良いと言うまで止めるなよ!」
 言われた通りに木剣を振っていく。周りを見ると明らかに振れてないのもいるな。て言うか前のバカ、木剣デカ過ぎだろ。重さに振り回されてるじゃんか危ないな。後ろに飛ばすなよ?
 ホリーの方を見ると俺と同じような木剣を持って剣を振ってるけど腰が引けてる。
『しかしそれなりに振れてるのとダメダメなのと両極端じゃの』
 まあ貴族の子息子女は嗜みとしてやっているみたいだけど、この学院を受ける商人はそれなりに大きな商家らしいからな。行商する訳じゃないから剣の腕なんて必要無いんだろ。
 そうこうしてる内に剣を振れない奴等が次々に除外されて3分の2程残った。
「アイリスちゃん剣も出来たんだね。持った事も無さそうに見えるのに」
 いやどんなイメージだよ。
『深窓の令嬢? 箱入り姫かの?』コテ
 何を言っているんだお前は。
「よーし、残った者達はこっちに来い! 騎士の方達と手合わせして貰う。大体の腕が分かれば良いので正々堂々戦うように!」
 次々と手合わせが進んでいくのを見ていると、やはり12歳と大人の騎士と言う体格差が大きく、殆どが相手にならずに敗れていく。
 中には互角に近い戦いをするのもいるにはいるけど……。何かあからさまに手加減されてるんだよな。まあどこぞの貴族なんだろうけど、こう言うの見ると萎えるよな。
 けど他の騎士を見るとそいつを嫌そうに見ていたから慣例って訳じゃないのかね?

「次っ、アイリス・フローディア!」
「んっ」コクリ
 呼ばれて前に出ると貴族に手加減騎士が相手みたいだ。
『貴族に手加減騎士って……、そのまんまじゃの』
 因みに名前にフローディアが付いたのはシャルロッテさんの苗字を借りた。シャルロッテさんの養子になった訳じゃないからね?
 名前だけじゃ不便だからって付けられたんだよな。ビアンカお嬢様はレンリートって付けようとしてたけど伯爵家と同じ名前がヤバいのは俺でも分かるんだぞ?
 木剣を構えるけど向こうからは攻めて来ない。まあ腕を見る為だから他の騎士達も同じようだったけど。
 自分から攻めるのは苦手なんだよな! 浅い踏み込みで片手で騎士の小手を狙う。騎士は鎧を着込んでいるから遠慮なく打ち込めるな。
 けど木剣を引かれて木剣で受けられた。でもそれはコッチも想定済み、回り込んで横を抜けるように胴を薙いでいく。
 しかしそれに合わせて相手も体の向きを正面に変えて木剣を振り下ろして弾かれた。
 けどそれも想定内だよ? コイツ腕力はあるけど技術はミリアーナより低い、ヴェルンさんやナージャさんより格下だ。俺よりは上だけどレイク達みたいな規格外ともやり慣れてるから隙を付けない程じゃない。
 木剣を弾かれた勢いを利用して体を回転させて更に接近密着して木剣を首筋に当てた、コレで勝負あり、何とかなったな。

 ドカッ!
 !? 何だ? 何があった!? 体がふらつく、膝が笑ってる!?
『体当たりを食らったのじゃ! 油断するな! まだ来るのじゃ!!』
 横を見ると馬鹿騎士が顔を真っ赤にして木剣を振り上げて打ち込もうとしていた。
 俺は咄嗟に細剣を盾にするよう構えて衝撃に耐えようと構える。
『安心するのじゃ! リリィが障壁を張るのじゃ! 弾いたら叩きのめしてやるのじゃ!!』
 おっ、使えるじゃないかリリィ。ならこんな馬鹿思いっきりやってやるか。
「バリスっ! 何をしてる! 止めるんだ!!」
 木剣同士が当たる寸前、同僚の騎士に止められて馬鹿騎士はまだ怒りを残した顔のまま木剣を止めた。
「……チッ、命拾いしたな」
 馬鹿騎士はイラつきながらも見下した視線で吐き捨てて去って行った。
「君、大丈夫か? ……済まないな、同僚が……」
 ガコッ!!
 寄ってきた同僚の騎士が話しかけて来た時、馬鹿騎士は後ろから頭に衝撃を受けて崩れ落ちた。
『なっ、何をしとるのじゃお主っ!?』
 そう、後ろから馬鹿騎士の後頭部におもいっきり木剣を叩きつけたのだ。まあ兜越しだし死なないだろ。
「なっ、何をしてるんだ貴様はっ!」
 寄って来ていた騎士は咄嗟に木剣を俺に向けて来たが何時の間にかナージャさんが真剣を抜いて間に入って来ていた。アンタ何者??
 未だにナージャさんヴェルンさんの底が見えないんだよな。流石にレイク程でないのは分かるんだけど。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

追放されたデバフ使いが実は対ボス最終兵器でした〜「雑魚にすら効かない」という理由で捨てられたけど、竜も魔王も無力化できます〜

チャビューヘ
ファンタジー
「お前の弱体化は雑魚モンスターにすら効かない。足手纏いだ」 勇者マルセルにそう告げられ、俺アクセルは5年間共に戦った仲間から追放された。 確かに、俺のデバフ魔法はゴブリンやスライムといった低級モンスターには効果が薄い。それどころか、ほとんど無意味だった。パーティは俺を庇いながら戦い続け、やがて「無能」の烙印を押されたのだ。 だが、誰も気づいていなかった。 俺たちのパーティは、5年間ずっと雑魚狩りしかしていなかったという事実に。 追放された翌日、森で偶然出会ったS級冒険者たちが、レベル50のボス級モンスター「オーガロード」と苦戦していた。 迷ったが、俺は助けることを決意した。 「弱体化!」 その瞬間オーガロードの全能力が70%も減少した。 『対象レベルが高いほど効果増大』 それが、俺のスキルの真の性質だったのだ。 「...何が起きた?」「あいつの動きが...!」 S級冒険者たちは驚愕し、あっという間にオーガロードを撃破。そして俺に告げた。 「私たちのパーティに来ない?」 美貌の女剣士クリス、豪快な戦士ダリウス、明るい魔法使いミラ。彼らは俺を対等な仲間として迎え入れてくれた。 そして俺は知った。自分の真の価値を。 古代遺跡のストーンゴーレム、地下迷宮のボスモンスター――次々と討伐成功。俺のデバフがあれば、どんな強敵も「ただの的」になる。 A級冒険者に昇格し、やがて古代竜討伐の依頼まで舞い込んできた。 一方、元勇者パーティは―― 「くそっ...アクセルの弱体化があれば...!」 ボス戦で完敗を喫し、評判は地に落ちていた。 ある日、マルセルが俺の前に現れた。 「頼む...戻ってきてくれ!お前がいないとボスが倒せないんだ!」 土下座するかつてのリーダー。 だが、俺は冷たく告げた。 「今更もう遅い。俺には新しい仲間がいる」 無能と蔑まれた男が、竜を倒し、魔王をも脅かす最強デバッファーへ。 これは、追放された補助職が真の力を開花させる物語。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...