拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第5章 くたくた迷宮探索の敵は移動とご飯?

第032話 幕間 レンリート伯爵の受難、序列

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 後日また城に呼ばれて陛下より正式にアドンの迷宮周辺の街や町を幾つかレンリート辺境伯領に取り込む事になった。
「だけど領都の商工ギルドのギルド長の様子がおかしかったから問いただしたんだけどよ。戦争前にシャルロッテがアドンの周辺の街を取り込みたいとか言ってたそうじゃないか」
「立地的にレンリート伯爵領の商業圏から外れてますからね。そうしないとあそこは経済的に厳しいんですよ」
「そう言って他領の領地を削っちまうのはシャルロッテくらいだよ」
 実際マトルアの暴走で周辺の村々や幾つかの町に大きな街まで手に入ってしまった。やっぱりコイツの手の平の上で転がされているじゃねえか!?
「私だって元々は地道にレンリート伯爵領の影響力を上げてフォシュレーグ王国にリアースレイ精霊王国との貿易を正式に認めさせ様とだけ考えていたんですよ?」
「…………それも大概だぞ?」
 もう自領に帰りたい。

 しかし現実は無常、更にまたまた城に呼ばれてゼルファー陛下とローゼンキッシュ宰相により更なる爆弾が無慈悲にも投げ込まれた。
「今すぐレンリート家を王都に転封と言うのは無理なのは分かった。ならばその方の次男にウチの3女を娶らせようと思う」
「3女、……エミリアーナ様ですか?」
「うむ、その方の次男、婚約もまだしていまい?」
「それはそうですが、ラウレスには荷が重いかと……」
 第3王女と言えば我儘姫と有名ですがリアースレイ精霊王国に強い関心を持っているとか。
 立場上止められないし暴走しても責任は取って下さるのですかね?
「その辺はその方に任す。取り敢えず次男にその方が持つ子爵位を与えて何らかの功績を取らせて伯爵に陞爵させよ、王女の婚約に子爵では爵位が足らん」
「はっ!」
 って丸投げかよ!?

「ですからラウレス様をさっさと結婚させておけと言っておいたでしょう?」
「まさかこんな事になるなんて思わねえだろ!!」
 急いで城から王都の屋敷に戻ってエウレカとシャルロッテに相談したらシャルロッテにバッサリいかれた。
 王都の屋敷で頭を抱える俺をシャルロッテが呆れた様に言って来る。うぐぐ、今度からはコイツの言う事をもっとちゃんと聞いておこう。
「ラウレスに俺の持つ子爵位を与える事になった」
 これは辺境伯になる事で、今まで伯爵位で国から与えられる2つの男爵位の権利の内1つが子爵位に上がる事になったのだ。もう1つ男爵位はシャルロッテに与えたいのに首を縦に振らないんだよな。
「それで、王女の件はどうすれば良いんだ? 大体その後にラウレスを伯爵位にするって言うけど俺の権力上がり過ぎるだろ」
「えっ?」
「んっ?」
 俺が何気なくボヤいたらシャルロッテが信じられない者を見る様な目で見て来た。何? 怖いんだけど?

「まさかとは思いますけど……、次男をそのまま自分の派閥に入れる気ですか?」
 えっ? 違うの? て言うかそのゴミ虫でも見るかの様な嫌そうな視線止めてくれない?
「子爵位を与えたら功績を上げて伯爵位と元マトルア伯爵領を貰う事になるでしょう。王女との婚姻発表はその後ですね」
「いやそうじゃなくて」
 いやそれも衝撃なんだけど、マトルア伯爵領貰っちゃうの!?
「その時にラウレス様は宰相の派閥にガチガチに取り込まれる事になりますよ? 王女を迎えると言うのはそう言う事ですから。恐らく家名も変える事になると思いますよ?」
「下手をすると貴方もそう見られるかも知れませんね」
 俺宰相の派閥に入るの?
「ふふっ、冗談ですよ。そんな事ラージヒルド商業王国やルードルシア教王国が許す訳が無いじゃないですか」
 いや分からんわ。

「それで、王女様はどんな方なんですかエウレカ様」
 何故俺に聞かないシャルロッテ?
「そうね、快活な方でどこかビアンカに似てる所があるわね。お歳もビアンカと同じ14歳だからラウレスは意外と上手くやれるのではないかしら?」
「いや王女の権力を持ったビアンカって、……振り回される未来しか想像出来ないぞ?」
「あら貴方、それは随分ラウレスを甘やかしているのではなくて?」
 ひゅっ、……空気が張り詰めて一瞬息が出来なくなった。何で俺は嫁にまでこんな恐怖を感じなければならないのか。
「いっ、イヤそんな事はないぞ? この間だってシャルロッテに付き合わせてライハルト子爵との交渉をさせたし……」
「まあ交渉したのは私で、ラウレス様は後ろから私の身体を舐め回すに眺めてるだけでしたが」
 空気を読めシャルロッテ! そしてラウレス、気持ちは分かるが母親に痴態を知られてしまったぞ。鬼だなシャルロッテの奴。
 俺ですら目を引かれない様に苦労してるのに16歳の若者にその暴力的な身体は凶器なんだぞ?

「で? 功績を取らせるってどうすりゃ良いんだ?」
 どうしたら良いのか全く分からないので情けなくシャルロッテを見上げる。
「貴方、少しは自分で考えたらどうなんですか?」
「う、いや考えてはいるよエウレカ。でも言われて簡単に取れるモノなら皆んな揃って陞爵してるだろ」
 戦争での功績もそうだけどリアースレイ精霊王国との交渉に辺境伯への陞爵と、王城では俺が切れ者って事になってんだよな。シャルロッテの所為で。
「それならマルトア伯爵領でアデール王国に取られた領地を奪還したら良いでしょう。彼方は中途半端に削り取ったから補給が厳しいと思うので数で囲うだけで簡単に引き上げると思いますよ?」
「ふむ、確かにそれなら……。しかしそれまでに再侵略して来る事は無いのか?」
「それどころでは無いでしょう」
 アデール王国王都でリアースレイ精霊王国の施設に一方的に攻撃を仕掛けた商業ギルド、聖女(アイリス)を攫う為に他国の貴族家に押し入った神聖教会。
 その両方に協力したアデール王国に対する庶民の不信感は相当なものらしい。高品質な物資が軒並み不足、高騰してるそうだしそれもリアースレイ精霊王国が撤退した余波ってヤツだな。

「これまで通り無能が治め続けるなら国は荒れますし。有能な者なら取って代わっても戦争なんて起こさないでしょう」
 リアースレイ精霊王国との繋がりがアデール王国頼りだった此方にも混乱が起きるだろうが直接取引が出来る様になれば収まるだろうしな。
 まあそれもアデール王国対策としてラージヒルド商業王国ルードルシア教王国の反対にあいながらも受け入れて来たんだ。向こうが再侵攻して来ないのであればその位の混乱は受け入れねばな。 
「けど国内ではどうかしら。マルトア伯爵の元領地なのよ? 宰相一派が領地を固める前にマルトア子爵が手を出して来るのではないかしら?」
 エウレカの不安も分かる。あの家の人間は俺に殺意増し増しらしいからな。それもエウレカが社交で得た情報だが。

「ああ、それについてなんだが奴はランドリッピ公爵に領地を貰って引っ込んでいるらしい」
「えっ?」
「寄親とは言えランドリッピ公爵がわざわざ領地を削ってまで守ったそうだ。訳が分からんよ、お前は何でか分かるかシャルロッテ?」
「はあ、そんな事ですか」
「いやそんな事って……」
「ランドリッピ公爵は子爵位を欲しただけですよ」
「元々寄子じゃねえか」
 自領を削ってまでやる意味が分からん。
「寄子としてではなくランドリッピの血族の子爵位ですよ」
「んん? ……ランドリッピの血筋と婚姻を結ぶって事か?」
「……はあ、敵国に国土を削り取られて、それ以前からも魔物被害を他領に押し付けていた国賊。そんな相手の血をランドリッピ公爵が受け入れる訳ないでしょう」
 そんな呆れた目で見るなよ。

「事故か病いか……、継ぐ者が居なくなればランドリッピ公爵家の者が子爵位を継ぐでしょうね」
「お家、…………乗っ取り」
 自分の顔が強張るのが分かる。通常なら貴族が最も忌避する行為だ。
「自身の領地を削ってまで守ってあげた子爵家が、継ぐ者が居なくなったのなら大手を振ってそうするでしょう」
「…………酷い自作自演だ」
「元々汚れた子爵家の為に公爵家を表立って非難する人はいないでしょうしね」
「だが裏ではいるだろう」
「あの公爵家が気にすると?」
 しないな。
「公爵家は子爵位を1つ増やす為に泥を被ったって事か」
「公爵は泥とも思っていないかも知れませんけどね」
「しかしマルトア子爵家の奴等は分かってるのかね?」
「さあ、それは分かりませんね。でも分かっていても何も出来ないでしょう」
 やけを起こさなければ良いんだがな。
「後は、長男との兼ね合いをどうするかだな」
「弟のラウレスが王女を娶る上に伯爵位を賜るとなると、長男のレシュレートももう子供も居ますし複雑でしょうね」
 レシュレートにはいずれ俺の領地を継がせる為に、領の運営の補佐をさせているけどそれまでは立場が逆転する事になるからな。
「まあレシュレートに関しては貴方に任せますわ。それより私は何時になったら領地へ帰れるのかしら?」
「陞爵された事でパーティーを開かねばならないですから。それらが終わったらエウレカ様もグランツ様とお帰りになられた方が良いと思いますよ」
「おい良いのか?」
「シャルロッテが良いと言ってるのだから良いじゃないですか。それとも私と一緒だと何か不都合がありまして?」
「いや、無い! 無いぞ!? 大歓迎だエウレカ!」 
 何で俺の周りに居るのは怖い女ばかりなんだよ!!

「ってそう言えばラウレスが爵位を受けたら補佐する人間も付けないと駄目じゃないか? 伯爵位になると文官がまるで足らないぞ?」
「ラウレス様に付ける人間は最低限で十分です。ローゼンキッシュ宰相に丸投げしましょう」
「い、良いのかそれ? 宰相に睨まれないか?」
「……はぁ……、寧ろ逆です。側近を宰相の人間で固めさせる事で此方に叛意が無い事を示すのです」
「そうね、王女様に対する対処もそちらの方がスムーズに行くでしょうし良いのではないかしら、ねぇ貴方」
「……はい」
 俺の序列、1番低くね?




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