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しおりを挟む『お前の目は濃い緑へ薄い灰色が滲んだみたいな色をして、宝石みたいだ』
小学生くらいの幼い頃、出掛けるおばあちゃんのかわりに家へ遊びに来てくれていた兄たち。兄弟とはいえ腹違い。血筋は同じでも顔も余り似ていなくて言われなければ兄弟と分からない容姿。
そんな兄と性教育を学ぶ前に一緒に風呂へ入ったりして体を手でまさぐられ、色んな場所を舐められ、行為が親しい仲なら当たり前のことと教えこまれた。体の奥まった場所を兄たちは一日に何度も代わる代わる舐めまわすこともあり、まだ精通もしていない時期だった俺は恐怖から泣いてもやめてくれない兄にどうすればいいか分からなくて、怖くても泣いて縋るのはやはり兄だった。
おばあちゃんが亡くなり、棋王学園へ入学する前に兄たちから男同士にもかかわらず俺に教えこんだ行為を発揮され続け、泣いても許されず体の繋がりというものを知る。
「夢見が悪すぎるだろ」
幼かった頃とはいえ、あんな濃厚過ぎることをいま夢に視るとか重傷だ。ベッドから起き上がって頭を抱えた。
理事長室の部屋にあるキングサイズのベッドへ緋曜さんと二人で向かい合うように寝ていたことにもびっくりしたけど、思わず夢精してないか確認までしてしまった。恥ずかしいことになってなくて良かった。
起きた緋曜さんから話していたソファーで倒れてしまったことを聞き、礼を言ったあと朝だから早めに寮へ帰ると伝えると、拗ねられた挙げ句に体へソフトタッチなプレイまで披露され困った。早々にベッドから抜け出して逃げたけど、あのまま拘束されたらヤバかっただろう。
ふぅ、と息を吐き専用エレベーターを降りて、寮に繋がった渡り廊下を歩きながら八雲への言い訳を探す。
無難に理事長室に行ったらぶっ倒れてしまい朝帰りになった、でなんとかなるか。
寮のエレベーターは使用せずに階段を登りながらあーでもないこーでもないと唸りながら考えたら部屋のある階まで来ていた。
途中、自販機でスポーツドリンクを買ってカードキーをポケットから出し、部屋の前まで来て認識機械に差し込んでドアを開ける。
シューズボックスがある場所でドアを振り返って静かに閉めたらドアの鍵とチェーンロックをして靴を脱ぎ、スリッパを履いて中へと進む。
朝から体が怠いのは泣いたせいか?一度目が腫れていないか見ておこうと風呂場と繋がった洗面所のドアを開けると、風呂から出て下だけ着替えた八雲に出会す。
「オカエリ」
「ただいま」
水分を含んだ紅い髪からポタポタと水滴を垂らす八雲は上半身裸の状態で進み出て俺の手首を掴み、やんわりと引っ張る。
洗面所に入った俺は首にかけられたタオルを取って髪をタオルドライするように拭いてやる。
「風邪引くぞ」
「ん」
下を向く八雲は拭きやすいようにしたんだろうけど、ちょっとだけやり辛い。身長差が憎いな、屈めとも言い辛いし。
その間に右側にある長方形の大きな鏡で目が腫れていないか確認すると、気にするほどではなくてホッとする。ついでに顔も洗っておくかな。
「幸村」
「んー?」
片手を掴まれ、顔を上げてタオルから顔を出した八雲は神妙な面持ちで何故朝帰りだったのか聞いてきた。
端から聞いたら恋人同士って勘違いされそうだ。
「どこにいるかはメールしたから分かってると思うけど、あのあと気を失ってそのまま理事長のところに泊まった」
強ち嘘じゃないことをペラペラ言って八雲に伝えると掴まれた指先に口付けられた。
シャワー浴びたっぽいけど、まだ寝ぼけてたりする?
二、三回繰り返された後、抱き込まれて無事で良かったと言われ心配させたことが分かる。男二人で何やってんだかな・・・安心させるように裸の背に腕をまわし、そっと背中を撫でる。
片口に顔を埋めてくる八雲へ背中を撫でた手を動かし今度はさっきよりも水分が抜けた髪に触れて頭を撫でてやる。
朝っぱらから水も滴るいい男な八雲に顔を洗うから離れてって言えば、頬に接吻をしてから離れていく。
なんだろ、この糖尿病になりそうな甘ったるさは。
一度瞬きして八雲を見れば首にかかっていたタオルを手に持ち、上半身を拭いたあとタオルを近くにあった籠の中に入れてシャツを着る。
それにしても均等のとれた体に筋肉が綺麗についていて一瞬羨ましく思う。
鏡に向かい、歯ブラシと歯磨き粉を手に取ったところで話かけられた。
「飯は食堂にするか?」
「うん、八雲は?」
「俺もそーする」
くあっと一度欠伸し、一緒に行こうと言いだした八雲へ頷くとソファーで待ってると言い、ドアから出ていく。
歯ブラシを濡らし、歯磨き粉を付けて口にくわえた俺は歯ブラシを動かして、朝からやたら濃いないろいろと思いながら首を少し傾げた。
顔を洗い終わって洗面所から出る。ソファーに座って雑誌を見てる八雲を通り過ぎて部屋に入り、制服をクローゼットから出し時計を見るとまだ時間的に余裕がある。そんなに急がなくても大丈夫か。シャワーまでしてる時間ないから下着だけ替えよう。
シャツを着てネクタイを緩く締めてから第一ボタンを外す。携帯を出して下を脱いで、下着を替えてから指定のズボンに履き替える。
寝癖を直すために買っておいた霧吹き状のものを一度頭に吹きかけ、壁にあるフックへ掛けてある鏡の前に行き髪を弄る。その後、姿見の鏡で変なところがないかチェックしツーウェイバックの中に授業で必要な物を入れ、肩から斜め掛けにしてドアに向かう。
20160215.
20181213.
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