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しおりを挟む「もう引退した奴等が今まで同様の扱いされると思ってるんだから救いようがねぇな」
「手厳しいねぇ、熊沢。俺もそう思うけどあの人たちはそれが当たり前だと思ってんのよ、きっと。田代、メンバー全員に鍵付けることの多数決とるからメールして」
俺パソコン弄るの苦手なの。知ってるよね。
「しょーがねぇなぁ。パソコン弄らなきゃ上達しねぇのに」
うん、知ってる。苦手なんて嘘だから。偶には楽をしたいお年頃なんだなー。
今日は知佳にメールして転入生のこと教えてやろう。お眼鏡に叶うといいね。
座ってる椅子から立って一人のお兄さんのところに行き、預けてあるノートパソコンを出してもらう。
「食堂にパソコン預けるなよ」
「便利でしょ」
持ち運ぶの怠いし。
そんな柿の種食べたような顔をしない、熊沢くん。
「あと、よろしく田代」
「はいはい」
パソコンを受け取ってテーブルに戻った俺は田代にパソコンを渡して、次々にくる料理に食らいつく熊沢を見てしまう。炭水化物多くない?よく食うなぁ。
「送信完了。織田のピッチに送るようにしといたから確認しろよ」
「ありがとー」
普段の携帯じゃない、校内用の自治委員全員が持つピッチをポケットから出せば受信したのかピカピカ光ってるし。もうメール送った奴いるのか。仕事が早いねぇ。
イエスかノーで答えるだけじゃなくコメント付きなんだね、田代。退屈しなくて済みそうだ。有り難い。
「ど?面白いコメントあった?」
「中島が今からここ来るって」
「ただの私用かよ」
私用に使っちゃ駄目だなんて言ってないしいーんじゃない。次々メールくるな。すげーわ。
「一年の紫野が鍵のいい店知ってるって。任せよ」
「紫野って白馬の王子様って言われてる奴か?」
「自治にそんなのいんの」
「いるよ」
結構、バリエーション豊富です。スカウトするの大変なんだよね、ろくでもない条件出したりする奴いるから。
「緩そうな奴いたら紹介して。会ってみたいから」
「緩くちゃ駄目だろ」
「口とケツが緩くなけりゃいいよ」
自治の条件なんてそんなもんさ。何驚いた顔してんの二人とも。トップが俺の時点で気付こうね。
「なんつーか、熊沢。俺たち類友?」
「意味が違うだろ」
辞書ひけば解るんじゃない?まぁ、そんなこたどうでもいい。あと二人はメンバーに入れたいんだよなぁ。どっかに逸材、転がってないかね。
「エフの比賀なんてど?」
「ありゃぁヤリチンなだけだろ。見かけは生徒会にひけを取らないが」
比賀って喧嘩に強いって評判の王様?
確かに見かけは大した男前だ。中等部から噂は絶えない奴だし人を殴りつけながら笑ってるしな。
あの髪の赤さは毛根ダメージ半端ないと思います。話すと案外面白かった記憶がある。
「なにより生徒会役員を降りたことが引っかかる?」
渋る熊沢に俺が言えば瞬きをして見てきた。
顔の良さはお前もいいよって言ったら馬車車かハムスターが走り回るみたいに働いてくれるかな。
「知ってんの?比賀のこと」
「委員長絡みでちょっとね」
「どーせろくでもないことだろ」
うん、まぁそうだけど。正直に頷けない。
「やほー、みんなのアイドル中島です!」
「選挙カーは間に合ってます。お帰りくださいサヨウナラ」
「委員長は血も涙もない」
乱入してきた中島に冷めた目を向ければ酷い言われよう。血も涙もある人間やってます。
茶色く染めた髪は大分ダメージから回復してきたな中島よ。スカウトした最初ん時にしたら比べものにならない。
「何の話してたの?」
「比賀をスカウトしようかなって」
「あの問題児か」
問題児ねぇ。やけに大人っぽいから違和感あるな。
「それよりお前、伊原先輩になんかした?すげー落ち込んでるのさっき見かけたんだけど」
「ザルにでも引っかかったんじゃね」
「たらいの間違いだろ」
「織田がなんかしたんじゃなくて先輩がやらかしたの」
熊沢、たらいくらい知ってますー。ワザとザルって言ったのに……。
「そう。まぁ、織田がヘコましたんならしゃーないわな」
「自業自得」
三人で頷いてるところ悪いんだけど。
20100715
20160211.
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