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第13話 嫌がらせへの報復
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「要するにこういうことですか? 彼女にそれを提供する気もない癖に、アクタラッサの新鮮な魚介類をこれ見よがしに食して見せつけるために呼びつけたと? ほぼ嫌がらせですね」
ベネットの詰問は続く。
なんとなく虐めを受けている気がしたがやはりそうだったのか、と、夫ベネットの説明でメルも合点がいった。
「嫌がらせなんて人聞きの悪い、国王陛下もおっしゃったとおり、メルはいつも妹に譲る娘だと聞いて……」
「だからその妹エメをダシにするために家族でもないのに同席させたと?」
王妃の言い訳にベネットが反論した。
「まあ、いやらしい解釈。顔が醜いと性根まで醜く腐っていくものなのかしら」
王妃の意地の悪い感想にクレールやエメがくすくすと笑った。
「あの、一言よろしいですか? 両親から私はエメに何でも譲ると聞いたとおっしゃられますが、それは両親の側の都合の良い解釈で、私にとっては嘘です。譲らなければ今の王妃殿下のような意地の悪いことを言われたり、暴力を振るわれたりするので、そうせざるを得なかったわけです」
メルは王妃の意地の悪さをけん制するかのように発言した。
「ひどいわ、メル。お父様やお母様がメルをひっぱたくのまでばらすなんて」
「ほんとうのことよ、そもそも、あなたが欲張って何でも人の物を欲しがるからなんですけどね」
「まあまあ、泥棒ねこという私の見立ては正しかったわけですか」
エメとメル、姉妹の言い合いにばあやのサモワが割って入った。
「そもそも、誰のおかげでアクタラッサから毎年、希少な魚介の珍味が献上されていると思っているのですか? 呪いによって生産されている魔石を安価でかの国にゆずりわたしているからでしょう」
ベネットが再度国王夫妻に指摘した。
「つまり、どうすればいいというのだ……?」
返す言葉がなくなり、国王はおずおずとベネットの気持ちを尋ねた。
「そうですね。献上品はまだ残っているのでしょう。材料はちゃんと残っているのにあたかも切らしたごとく言い訳をして、我が妻にこのような嫌がらせをするとは!」
「……っう……」
「今ある食事はどうぞ、そこにいる方々でお楽しみください。残ったものはみなメルの食事で使わせていただきます。それでよろしいですね」
国王はうなづくしかなかった。
しかし王妃や弟妹達は異を唱えた。
「ちょっと待ちなさい。たかだか一回、この娘に同じものを提供しなかったからって……」
「そうよ、毎年楽しみにしているのに……」
「他にも食べたいものはあったのに、何もそこまで……」
「ならば、なぜ我が妻のメルにこんな底意地の悪い仕打ちをしたんだ?」
「いや、だからさ……」
「あの、少しよろしいですか?」
ベネットと他の王族との言い合いに再びメルが割って入った。
「先ほどベネット様がおっしゃった、献上品の食材はみな私の食事にとのお話ですが、私だけにそのようなことをされるのはもったいなさすぎて……」
ベネットの厳しい懲罰的な提案に面食らっていた王家の面々はメルの発言に救いを感じた、しかし、
「私だけではなく、私とベネット様のお食事に使わせていただく、と、言うことにいたしましょう。たいそう美味との話ですので一緒に食べた方が美味しゅうございますよ」
彼女の発言は王家の面々の期待に即したものではなかった。
ベネットの詰問は続く。
なんとなく虐めを受けている気がしたがやはりそうだったのか、と、夫ベネットの説明でメルも合点がいった。
「嫌がらせなんて人聞きの悪い、国王陛下もおっしゃったとおり、メルはいつも妹に譲る娘だと聞いて……」
「だからその妹エメをダシにするために家族でもないのに同席させたと?」
王妃の言い訳にベネットが反論した。
「まあ、いやらしい解釈。顔が醜いと性根まで醜く腐っていくものなのかしら」
王妃の意地の悪い感想にクレールやエメがくすくすと笑った。
「あの、一言よろしいですか? 両親から私はエメに何でも譲ると聞いたとおっしゃられますが、それは両親の側の都合の良い解釈で、私にとっては嘘です。譲らなければ今の王妃殿下のような意地の悪いことを言われたり、暴力を振るわれたりするので、そうせざるを得なかったわけです」
メルは王妃の意地の悪さをけん制するかのように発言した。
「ひどいわ、メル。お父様やお母様がメルをひっぱたくのまでばらすなんて」
「ほんとうのことよ、そもそも、あなたが欲張って何でも人の物を欲しがるからなんですけどね」
「まあまあ、泥棒ねこという私の見立ては正しかったわけですか」
エメとメル、姉妹の言い合いにばあやのサモワが割って入った。
「そもそも、誰のおかげでアクタラッサから毎年、希少な魚介の珍味が献上されていると思っているのですか? 呪いによって生産されている魔石を安価でかの国にゆずりわたしているからでしょう」
ベネットが再度国王夫妻に指摘した。
「つまり、どうすればいいというのだ……?」
返す言葉がなくなり、国王はおずおずとベネットの気持ちを尋ねた。
「そうですね。献上品はまだ残っているのでしょう。材料はちゃんと残っているのにあたかも切らしたごとく言い訳をして、我が妻にこのような嫌がらせをするとは!」
「……っう……」
「今ある食事はどうぞ、そこにいる方々でお楽しみください。残ったものはみなメルの食事で使わせていただきます。それでよろしいですね」
国王はうなづくしかなかった。
しかし王妃や弟妹達は異を唱えた。
「ちょっと待ちなさい。たかだか一回、この娘に同じものを提供しなかったからって……」
「そうよ、毎年楽しみにしているのに……」
「他にも食べたいものはあったのに、何もそこまで……」
「ならば、なぜ我が妻のメルにこんな底意地の悪い仕打ちをしたんだ?」
「いや、だからさ……」
「あの、少しよろしいですか?」
ベネットと他の王族との言い合いに再びメルが割って入った。
「先ほどベネット様がおっしゃった、献上品の食材はみな私の食事にとのお話ですが、私だけにそのようなことをされるのはもったいなさすぎて……」
ベネットの厳しい懲罰的な提案に面食らっていた王家の面々はメルの発言に救いを感じた、しかし、
「私だけではなく、私とベネット様のお食事に使わせていただく、と、言うことにいたしましょう。たいそう美味との話ですので一緒に食べた方が美味しゅうございますよ」
彼女の発言は王家の面々の期待に即したものではなかった。
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