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第25話 醜悪なのは顔か心か
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「その話をもしかしてベネット様にも?」
メルはテティスに聞いた。
「ええ、多分話したことはあると思うわ」
あの月夜の晩に素顔を見られたと思ったベネットが顔を必死で隠そうとしたわけが、メルにもようやく理解できた。
何かに恐れ必死で隠そうとしたあの行動は、私がばかにすると思ったからだろうか?
「でも、やはりわからないです。王家の人間の勝手さが昔から続いていたことだと理解しましたが、使用人までなぜ? しかも、良くしてくれている人に限ってその傾向が強いのでは救いがない」
メルは疑問を口にする。
「人は他人の不幸には同情するけど、その同情していた相手が不幸を切り抜けると物足りなさを覚え敵意すら感じ、どうにかして元の不幸な状態に引きずりおろしたいと願うものだからね」
人の心の醜い面をにべもなくテティスが述べた。
「そんな……」
「人々の上に君臨する天上の存在。しかもそろいもそろって美形ぞろい。そんな非の打ちどころのない一族の唯一の汚点ともいうべき、醜悪なご面相の第一王子。下々の妬み心を晴らすには絶好の存在だったんじゃないの」
「だからそうでない状態になるのが不満で、笑いものにしていたと?」
「まあ、そういうことなんでしょうね……」
身もふたもなく答えるテティスにメルは沈痛な面持ちになった。
「あの、では……、ばあやのサモワ様もいずれは……、私は彼女にとてもよくしてもらっていますし、ベネット様もご信頼を……」
「ああ、あの人は大丈夫」
「どうしてそう言い切れるのですか?」
「あの人はね実はレナートの母君と同じ出身地の人なの。母君が嫁がれると同時に王宮に仕え始め、母君の代わりに王宮に残り、今まで『呪われた王子』のことも見守り続けてきた人だから」
「まあ、伯父上様にゆかりのある方だったのですか!」
「ええ、その時から仕えているから海千山千。いろんな問題に対処ができて、ついでに口も減らなくて、頼りになるでしょ」
「はい、よかったです!」
メルは心底安心した。
ベネットが信頼しているサモワまで、実はベネットが呪いから逃れたら面白くないと思っているというのでは、ベネットが浮かばれない。
「まあ、次世代が生まれたらベネットの呪いは消えるんだから、それを待つ以外にできることはないってことね」
わざわざ魔王の住処にまで足を延ばしたが、結局『ふりだしに戻る』感の強い結果を導き出しただけの答えをテティスは口にした。
「そうですね、いろいろ知ることができたのは収穫でしたけど……。あの、いろいろ教えていただいてありがとうございます」
メルは魔王夫婦にお礼を言う。
「気にしなくていいよ」
気のいい返事をした夫魔王。
その彼が何かに気づいたように、メルたちが入ってきた入口の方に歩いていく。
「なんだ、なんだ! 今日は千客万来だな!」
夫魔王は二人の人間の男性を連れて戻ってきた。
「やっと見つけた、メル! どれだけ心配したと思ってるんだ!」
夫魔王に連れてこられたのはベネットとレナートだった。
メルはテティスに聞いた。
「ええ、多分話したことはあると思うわ」
あの月夜の晩に素顔を見られたと思ったベネットが顔を必死で隠そうとしたわけが、メルにもようやく理解できた。
何かに恐れ必死で隠そうとしたあの行動は、私がばかにすると思ったからだろうか?
「でも、やはりわからないです。王家の人間の勝手さが昔から続いていたことだと理解しましたが、使用人までなぜ? しかも、良くしてくれている人に限ってその傾向が強いのでは救いがない」
メルは疑問を口にする。
「人は他人の不幸には同情するけど、その同情していた相手が不幸を切り抜けると物足りなさを覚え敵意すら感じ、どうにかして元の不幸な状態に引きずりおろしたいと願うものだからね」
人の心の醜い面をにべもなくテティスが述べた。
「そんな……」
「人々の上に君臨する天上の存在。しかもそろいもそろって美形ぞろい。そんな非の打ちどころのない一族の唯一の汚点ともいうべき、醜悪なご面相の第一王子。下々の妬み心を晴らすには絶好の存在だったんじゃないの」
「だからそうでない状態になるのが不満で、笑いものにしていたと?」
「まあ、そういうことなんでしょうね……」
身もふたもなく答えるテティスにメルは沈痛な面持ちになった。
「あの、では……、ばあやのサモワ様もいずれは……、私は彼女にとてもよくしてもらっていますし、ベネット様もご信頼を……」
「ああ、あの人は大丈夫」
「どうしてそう言い切れるのですか?」
「あの人はね実はレナートの母君と同じ出身地の人なの。母君が嫁がれると同時に王宮に仕え始め、母君の代わりに王宮に残り、今まで『呪われた王子』のことも見守り続けてきた人だから」
「まあ、伯父上様にゆかりのある方だったのですか!」
「ええ、その時から仕えているから海千山千。いろんな問題に対処ができて、ついでに口も減らなくて、頼りになるでしょ」
「はい、よかったです!」
メルは心底安心した。
ベネットが信頼しているサモワまで、実はベネットが呪いから逃れたら面白くないと思っているというのでは、ベネットが浮かばれない。
「まあ、次世代が生まれたらベネットの呪いは消えるんだから、それを待つ以外にできることはないってことね」
わざわざ魔王の住処にまで足を延ばしたが、結局『ふりだしに戻る』感の強い結果を導き出しただけの答えをテティスは口にした。
「そうですね、いろいろ知ることができたのは収穫でしたけど……。あの、いろいろ教えていただいてありがとうございます」
メルは魔王夫婦にお礼を言う。
「気にしなくていいよ」
気のいい返事をした夫魔王。
その彼が何かに気づいたように、メルたちが入ってきた入口の方に歩いていく。
「なんだ、なんだ! 今日は千客万来だな!」
夫魔王は二人の人間の男性を連れて戻ってきた。
「やっと見つけた、メル! どれだけ心配したと思ってるんだ!」
夫魔王に連れてこられたのはベネットとレナートだった。
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