47 / 72
本編
拠点を探そう。
しおりを挟む
ルナリアが熱を出して、一週間ほどになる。今では、元の体調に戻りタラサの仲間たちから送られてくる報告書を読んだり、拠点となる土地を探したりしていた。
そんな書類の整理をしながら未だに、城で過ごしている自分が不思議に思う。ハイングルの夫妻は昨日帰られた。だから、城に客人とし残っているのはルナリアだけだった。もともと、体調が完全に戻ればカレンの屋敷に戻るつもりだったのだが、何故かレオンや上皇夫妻、ヴィオラに止められた。一番の決定打になったのは、レオンに城には帝都の土地情報が集っていると教えもらったことだった。
「なぜ、ここにいるんでしょうね。」
「不服か?」
ポツリとこぼした言葉に、最近ルナリアの部屋に入り浸っているヴィオラが答えた。
「いえ、不服ではなく。待遇が良すぎて慣れないんです。」
ヴィオラは、「おかしなことを言う。」と笑っているが、事実本当に慣れないのだ。
廊下で使用人達とすれ違えば、ただの平民の客にお辞儀をしてくるし、料理は何が良いだとか好きなお花は何かとか色々聞いてくる。中庭の一画を庭師が、ルナリアをイメージしたと言って青や白の花々を植えていた。先日は、文官の方に何故か「ありがとうございます!仕事が捗ります!」と喜ばれた。
(分からないわ。こちらが声をかければ嬉々として返事をしてくれるのはありがたいのだけど・・・)
その反応に、かえってルナリアがたじろいでしまう。
ステラは、ステラで憧れと尊敬の眼差しで城の侍女達から注目されてた。
ふぅとため息をつく。
考えても、しょうがないと手に持っていた土地の資料を見る。
研究施設に使えそうな離れがあって、かつ、店が入る広さがあり、大通りからさほど遠くない所。そして何より、皆んなの居住区域が確保できる場所。
そんな条件で見つかるのかと、不安になっていたのに三つほど見つかった。
潰れた商会の屋敷たっり、帝都の土地を売り払い田舎に引っ越した貴族の屋敷や誰も管理者がいなく廃墟同然の屋敷などの土地が候補に上がった。
(こればかりは、一度、自分の目でみないとなんとも言えないわね。)
幾つか書類をまとめて、机の上に置く。
ちょうどその時、ノックが聞こえた。ガチャリと音がなり扉が開かれる。返事を待たずに入れるのは皇族ぐらいだろう。
入ってきたのは、レオンだった。
レオンは、ヴィオラを見て眉を一瞬ひそめて、元の表情に戻った。
「ヴィオラ、何故いる。」
「友人の元へきてはいけませんか?兄上。」
ニコニコとヴィオラは言い返した。
レオンは、何も言わずにため息だけをこぼしてルナリアに向き直る。
「調子はどうだ?」
「お陰様で元気ですわ。」
いつもの様にそう返した。
レオンは、ルナリアに会うと初めに同じ質問をする。それにルナリアは、同じように返答するのだ。この何気無いやりとりが、二人だけのルールのようでほのかに嬉しく思ってしまう。
レオンは、机に置いてあった書類を気づき手に取った。
「商会の土地資料か?」
「はい。この三つのうち気に入ったものしようかと思いまして、レオンさまお願いがあるのですが物件を見に行こうと思うのです。明日、外出しても?」
一応、こちらに城の客人としているのでその城の、主であるレオンに許可を取る。
「あぁ、いいぞ。そうだ、私もいこう。」
「へ?」
思っても見なかった申し出に、はしたないことに惚けた声が出てしまった。
「無理ですよ。兄上、雑務の整理誰がやるんですか。」
ヴィオラが呆れたように言った。
「お前がやればいいだろう?」
「いやですよ!なんで私が!」
ヴィオラは、強く反対して「兄上が、視察の時いつもの倍の量だったんですよ!」とレオンに示していた。
「あぁ、そうだな。だが、あれはお前が貯めていた書類を回しただけだ。」
レオンの一言に、ヴィオラが固まる。
「それと、私が視察に行っている間。何者かが、軍の訓練場を壊したらしい。未だに、復旧の目処がたっていない。軍の皆は、遠征を中心に訓練をしているようだが訓練場が無いと嘆いていたぞ。」
「うっ・・」
身に覚えがあるのだろうか?ヴィオラの目が、泳いでいる。
「うぅぅ。分かりました!分かりましたよ!明日の雑務は私がやります。謁見の方も明後日に回して調整します!それでいいですね!兄上!」
「あぁ。」
ヴィオラは立ち上がり、宣言してさっさと出て行った。
「明日は、一緒に居られるな。」
呆気にとられて、二人のやりとりを見ていたルナリアに、レオンはふっと笑って言った。
そんな書類の整理をしながら未だに、城で過ごしている自分が不思議に思う。ハイングルの夫妻は昨日帰られた。だから、城に客人とし残っているのはルナリアだけだった。もともと、体調が完全に戻ればカレンの屋敷に戻るつもりだったのだが、何故かレオンや上皇夫妻、ヴィオラに止められた。一番の決定打になったのは、レオンに城には帝都の土地情報が集っていると教えもらったことだった。
「なぜ、ここにいるんでしょうね。」
「不服か?」
ポツリとこぼした言葉に、最近ルナリアの部屋に入り浸っているヴィオラが答えた。
「いえ、不服ではなく。待遇が良すぎて慣れないんです。」
ヴィオラは、「おかしなことを言う。」と笑っているが、事実本当に慣れないのだ。
廊下で使用人達とすれ違えば、ただの平民の客にお辞儀をしてくるし、料理は何が良いだとか好きなお花は何かとか色々聞いてくる。中庭の一画を庭師が、ルナリアをイメージしたと言って青や白の花々を植えていた。先日は、文官の方に何故か「ありがとうございます!仕事が捗ります!」と喜ばれた。
(分からないわ。こちらが声をかければ嬉々として返事をしてくれるのはありがたいのだけど・・・)
その反応に、かえってルナリアがたじろいでしまう。
ステラは、ステラで憧れと尊敬の眼差しで城の侍女達から注目されてた。
ふぅとため息をつく。
考えても、しょうがないと手に持っていた土地の資料を見る。
研究施設に使えそうな離れがあって、かつ、店が入る広さがあり、大通りからさほど遠くない所。そして何より、皆んなの居住区域が確保できる場所。
そんな条件で見つかるのかと、不安になっていたのに三つほど見つかった。
潰れた商会の屋敷たっり、帝都の土地を売り払い田舎に引っ越した貴族の屋敷や誰も管理者がいなく廃墟同然の屋敷などの土地が候補に上がった。
(こればかりは、一度、自分の目でみないとなんとも言えないわね。)
幾つか書類をまとめて、机の上に置く。
ちょうどその時、ノックが聞こえた。ガチャリと音がなり扉が開かれる。返事を待たずに入れるのは皇族ぐらいだろう。
入ってきたのは、レオンだった。
レオンは、ヴィオラを見て眉を一瞬ひそめて、元の表情に戻った。
「ヴィオラ、何故いる。」
「友人の元へきてはいけませんか?兄上。」
ニコニコとヴィオラは言い返した。
レオンは、何も言わずにため息だけをこぼしてルナリアに向き直る。
「調子はどうだ?」
「お陰様で元気ですわ。」
いつもの様にそう返した。
レオンは、ルナリアに会うと初めに同じ質問をする。それにルナリアは、同じように返答するのだ。この何気無いやりとりが、二人だけのルールのようでほのかに嬉しく思ってしまう。
レオンは、机に置いてあった書類を気づき手に取った。
「商会の土地資料か?」
「はい。この三つのうち気に入ったものしようかと思いまして、レオンさまお願いがあるのですが物件を見に行こうと思うのです。明日、外出しても?」
一応、こちらに城の客人としているのでその城の、主であるレオンに許可を取る。
「あぁ、いいぞ。そうだ、私もいこう。」
「へ?」
思っても見なかった申し出に、はしたないことに惚けた声が出てしまった。
「無理ですよ。兄上、雑務の整理誰がやるんですか。」
ヴィオラが呆れたように言った。
「お前がやればいいだろう?」
「いやですよ!なんで私が!」
ヴィオラは、強く反対して「兄上が、視察の時いつもの倍の量だったんですよ!」とレオンに示していた。
「あぁ、そうだな。だが、あれはお前が貯めていた書類を回しただけだ。」
レオンの一言に、ヴィオラが固まる。
「それと、私が視察に行っている間。何者かが、軍の訓練場を壊したらしい。未だに、復旧の目処がたっていない。軍の皆は、遠征を中心に訓練をしているようだが訓練場が無いと嘆いていたぞ。」
「うっ・・」
身に覚えがあるのだろうか?ヴィオラの目が、泳いでいる。
「うぅぅ。分かりました!分かりましたよ!明日の雑務は私がやります。謁見の方も明後日に回して調整します!それでいいですね!兄上!」
「あぁ。」
ヴィオラは立ち上がり、宣言してさっさと出て行った。
「明日は、一緒に居られるな。」
呆気にとられて、二人のやりとりを見ていたルナリアに、レオンはふっと笑って言った。
0
あなたにおすすめの小説
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?
3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。
相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。
あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。
それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。
だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。
その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。
その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。
だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる