海は今日も大荒れ(完結)

三森まり

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古い体育館の怪

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新設校といいつつ 実はこの学校は元々古い女子校を進学塾が買い取り大幅な改造をしたものなので 新しい校舎と古い校舎が混在している

なので中庭の中央にある桜の木じたいの樹齢は古く 俺達が新入生として手続きに来た時にも鮮やかな桜が咲き誇っていた

中庭から山側にある今はほぼほぼ物置と化している 体育館が建物としては1番古くいろいろな噂が飛び交っていた

曰く出る…らしい…

真夜中に防空頭巾を被った少女が…体育館の薄暗い地下からすっと現れ
『水を下さい』
って……すがって来るんだそうだ

まぁ この手の心霊話はうちの県の古い学校の定番中の定番なんだけど
霊感なんて ほとんど0だから たとえ居たとしてもまぁ俺にはたぶん見えないと思うけどね…


なんで夜中に出て来るという噂の幽霊が生徒に目撃されちゃったりしてるのかっていうと 部費に余裕の無い部が新設された体育館を使って夏休み合宿を行う事があり 
真夜中に肝試しで体育館まわりを回るとか トランプやウノを夕食後やり 罰ゲームで体育館内巡りをするとか で霊障に合い毎年騒ぎになってるらしい

「幽霊ってホントにいるのかなぁ?」

と言う俺に七海ちゃんが う~~んと小首を傾げる

「美海はなんか去年 姿じゃなくて妖しい声が聞こえたって言ってたよ」

「え…」

思わずぎょっとしながら 旧体育館を見やる
先ほどまで何にも感じなかったのに 蔦の這う古びた壁や古い閂がはめられた木製の重厚な扉に言い知れぬ薄気味悪さを感じた

「空也って見える人だっけ?」

「いや~全然 七海ちゃんはどうよ?」

「僕も全然だし 美海も全然 なのに聞こえちゃったんだって もっとも変な声ってだけだから 猫とかが喧嘩してたりしたのかも??」

「……は……ははは」

俺は乾いた笑いで返す
見たことないので信じては無いのだけれど… この世の不思議を全否定も出来ないと思うのだ

「今年も来週の月曜から1週間 テニス部の夏合宿があるから弁当お届け日の日 序に声を確かめてみる?」

と七海ちゃんが言い出しビックリする

「え?ちょっと七海ちゃんそれってどういう事???」

慌てて俺がそう言うと

「あのさテニス部合宿のなか日に生徒の様子観したい父兄が夕食を差し入れるって日が設けられるんだよ 他の日は調理実習室で自炊したりコンビニ弁当なんだけど
ん~~なんていうの クラブの授業参観みたいな日があるんだよ」

と七海ちゃんは続ける

「あれ?去年は??」

「おばあちゃんと真珠が行った 今年は真珠がプラネタリウムでお泊りイベントに行くんだって 一緒に珊瑚ねぇが同行するの
天文話とかもあの人詳しいから」

「あぁ……なるほど」

と深く頷く俺
 
学校合宿の夕食終わってからの帰り道 七海ちゃんを守るために同行する事に異論は無い
異論はないけどれ…幽霊散策よりも 満点の星々の輝くプラネタリウムで七海ちゃんとお泊り会のが嬉しいのになぁと 俺は密かに思ってしまったのだった
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