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狼は羊の皮を被って笑う
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キャンディは、もう来ない。
朝、目を覚まして、最初に思ったのはそれだった。
枕元には何もない。当然だ。
私はベッドの上で深呼吸をした。
乳母は消えた。脅威は去った。
それなのに、胸の奥がざわついている。
あまりにも、あっさりしすぎていた。
昨日まで屋敷にいた人間が、一夜で消える。
裁判もない。騒ぎもない。音もない。
まるで最初から、存在しなかったみたいに。
権力者のやり方だ。わかっている。
でも、だからこそ気になる。
乳母は、本当に「一人で」動いていたのだろうか。
考えても仕方ない。
今日は、お父様との文字の授業がある。
生き延びるために、学び続けなきゃ。
-----
書斎に入ると、お父様はもう座っていた。
窓際の椅子。革張りの本。昨日と同じ光景。
違うのは、机の上に新しい紙が置いてあること。
「来い」
短い声。振り向かない。
私は小さく頷いて、お父様の隣に立った。
紙の上に、四つの単語が書いてある。
城。剣。王。毒。
私の背筋が、かすかに強張った。
どくどくと心臓が鳴る。最後の一文字が、目に刺さる。
毒。
乳母が、私に盛ろうとしたもの。
お父様は知っている。だから、これを教える。
「敵の武器を知れ」という意味なのだろうか。
お父様の指が、最初の文字を指す。
「城」
低い声。短い発音。
私は口を開いた。
「し、しろ」
指が動く。次の文字。
「剣」
「け、けん」
また動く。
「王」
「おう」
そして、最後。
お父様の指が、その文字の上で止まった。
「毒」
私は唾を飲み込んだ。
声が震えないように気をつけて、口を開く。
「どく」
沈黙が落ちた。
お父様は何も言わない。ただ、紙を見つめている。
私も黙って立っていた。何を言えばいいかわからない。
長い静寂の後、お父様が口を開いた。
「昨日の復習をしろ」
私は頷いた。
紙の隅に、昨日教わった単語が書いてある。
狼。森。雪。夜。
一つずつ、指でなぞりながら読み上げた。
「おおかみ」
「もり」
「ゆき」
「よる」
お父様の指が、ぴくりと止まった。
私は息を詰めた。間違えたのだろうか。
でも、お父様は何も言わなかった。
ただ、ほんの少しだけ、肩の力が抜けたように見えた。
「……覚えたか」
低い声。抑揚がない。
でも、責めている響きではなかった。
「は、はい」
私は小さく頷いた。
お父様は紙を裏返した。新しい単語が現れる。
授業は続く。
一文字ずつ、覚えていく。
これが私の武器になる。生き延びるための、たった一つの力。
-----
授業が終わって、部屋に戻ると、知らない顔が待っていた。
恰幅のいいおばさんだ。
柔らかそうな頬。丸い体。白い前掛け。
笑顔が顔全体に広がっている。三日月みたいな目。
「まあまあ、お嬢様!」
甲高い声が響いた。
両手を広げて、私に近づいてくる。
「お可哀想に、お可哀想に! こんな小さいのに、お父様のお勉強についていくなんて」
私は一歩下がった。
誰だ、この人。
「あ、あの」
「私はマルタと申します。メイド長をしておりますの」
深々とお辞儀。でも、すぐに顔を上げる。
笑顔は崩れない。ずっと笑っている。
「お嬢様のお世話を、これからさせていただきますわ」
乳母の代わり、ということだろうか。
私は警戒心を隠しながら、小さく頷いた。
「よ、よろしく、おねがいします」
「まあ、なんて良い子!」
マルタさんが、私の頭を撫でた。
ふわふわした手のひら。温かい。
でも、その温かさが、どこか作り物みたいに感じた。
「お嬢様、これをどうぞ」
マルタさんが、包みを差し出した。
中を開けると、焼き菓子が詰まっている。
バターの香りが鼻をくすぐる。
「お勉強ばかりじゃ疲れるでしょう? 甘いものを食べて、元気をお出しになって」
私は包みを受け取った。
ありがとうございます、と言おうとした。
でも、次の言葉で、口が止まった。
「お勉強なんて、しなくていいのよ」
マルタさんは笑っている。
優しそうな笑顔。母親のような声。
でも、言っていることがおかしい。
「お嬢様はまだ五歳でしょう? 難しいことは、大人に任せておけばいいの」
私の背筋に、冷たいものが走った。
「あの、でも」
「大丈夫、大丈夫」
マルタさんが、私の言葉を遮った。
両手で私の肩を包む。柔らかい手。温かい手。
でも、その優しさに、なぜか息が詰まる。
「お嬢様は、可愛らしくしていればいいの。お人形さんみたいにね」
お人形。
その言葉が、胸に突き刺さった。
私は知っている。この手の人を。
前の人生で、何度も見た。
下の者が育つのを望まない主人。
「あなたのため」と言いながら、翼を折る人。
優しさを装って、相手を籠の中に閉じ込めようとする人。
マルタさんは笑っている。目は三日月みたいに細い。
優しそうだ。親切そうだ。
でも、その笑顔のまま「勉強しなくていい」と言う。
ぞっとした。
この人は、私の翼を折ろうとしている。
優しさという綿で、首を絞める気だ。
「あ、ありがとう、ございます」
私は笑顔を作った。五歳児の笑顔。無邪気な笑顔。
でも、心の中では鐘が打ち鳴らされている。
この人は、味方じゃない。
マルタさんが扉に手をかけた。
振り返らずに、独り言のように呟く。
「乳母様も気の毒に。あんなに若様を想っていたのに」
私は耳を疑った。
「誰かに唆されたのかもしれないわねえ」
扉が閉まる。
足音が遠ざかっていく。
私は動けなかった。
-----
唆された?
なぜ、そんな発想が出る?
私は椅子に座り込んだ。
焼き菓子の包みを、膝の上に置いたまま。
マルタさんの最後の言葉が、頭から離れない。
まるで、犯人の手口を知っているみたいな口ぶりだった。
窓の外では、昨日の雨の名残が屋根を濡らしている。
義兄様は、どうしているだろう。
執事さんが言っていた。「しばらく荒れるかもしれない」と。
私は今日のことを整理した。
お父様は、私に「毒」という文字を教えた。
これは警告だ。「敵を知れ」という意味。
お父様は厳しい。無言で、無愛想で、怖い。
でも、私に知識という武器をくれる。
マルタさんは、私に焼き菓子をくれた。
甘くて、美味しそうで、温かい。
でも、「勉強しなくていい」と言った。
私から考える力を奪おうとしている。
どっちが本当の味方か。
前の人生で、そういう人をたくさん見てきた私には、痛いほどわかる。
優しさは、形だけでは測れない。
本当に相手のためを思うなら、時には厳しくなる。
甘やかすだけの優しさは、相手を弱くする毒だ。
私は焼き菓子を眺めた。
食べる気にはなれなかった。
乳母は、本当に一人で動いていたのだろうか。
「若様のため」と言いながら、若様を孤立させる行動をとった。
妹を殺せば、義兄様の立場は悪くなる。それは明らかだ。
乳母は馬鹿じゃない。そんなことはわかっていたはず。
なのに、実行した。
誰かに命令されていた?
それとも、誰かに「そうするしかない」と思い込まされた?
考えれば考えるほど、霧が深くなる。
一つだけ、確かなことがある。
脅威は去っていない。
むしろ、より深く潜った。
乳母は、切り捨てられた駒だ。
本当の敵は、まだこの屋敷のどこかにいる。
窓の外で、風が木の枝を揺らした。
北部の冬は、まだ始まったばかりだ。
-----
その夜、私は夢を見た。
暗い森の中を歩いている。
狼の声が聞こえる。遠くから、近くから。
私は走った。でも、足がもつれる。
振り返ると、そこにいたのは狼じゃなかった。
笑顔のおばさんが、両手を広げて立っていた。
「お嬢様、こっちへいらっしゃい」
甘い声。優しい声。
でも、その手には、キャンディが握られていた。
赤い、赤い、血のような色のキャンディ。
私は叫んだ。声にならなかった。
目が覚めた。
天井が見える。自分の部屋だ。
心臓がばくばくと鳴っている。
枕が汗で濡れていた。
窓から月明かりが差し込んでいる。
私はゆっくりと呼吸を整えた。
大丈夫。まだ生きている。
首はつながっている。毒は盛られていない。
でも、油断はできない。
狼は、羊の皮を被って近づいてくる。
優しい笑顔で、甘い言葉で、私を殺そうとする。
私は毛布を頭まで引き上げた。
明日も、生き延びなきゃ。
お父様の授業で、もっと文字を覚えなきゃ。
知識は武器だ。誰にも奪えない、私だけの武器。
マルタさんの笑顔が、まぶたの裏にちらついた。
でも、負けない。騙されない。
私は、生存者になる。
どんな手を使ってでも、二度目の処刑台には立たない。
月が雲に隠れた。
部屋が暗くなる。
北部の夜は、長い。
朝、目を覚まして、最初に思ったのはそれだった。
枕元には何もない。当然だ。
私はベッドの上で深呼吸をした。
乳母は消えた。脅威は去った。
それなのに、胸の奥がざわついている。
あまりにも、あっさりしすぎていた。
昨日まで屋敷にいた人間が、一夜で消える。
裁判もない。騒ぎもない。音もない。
まるで最初から、存在しなかったみたいに。
権力者のやり方だ。わかっている。
でも、だからこそ気になる。
乳母は、本当に「一人で」動いていたのだろうか。
考えても仕方ない。
今日は、お父様との文字の授業がある。
生き延びるために、学び続けなきゃ。
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書斎に入ると、お父様はもう座っていた。
窓際の椅子。革張りの本。昨日と同じ光景。
違うのは、机の上に新しい紙が置いてあること。
「来い」
短い声。振り向かない。
私は小さく頷いて、お父様の隣に立った。
紙の上に、四つの単語が書いてある。
城。剣。王。毒。
私の背筋が、かすかに強張った。
どくどくと心臓が鳴る。最後の一文字が、目に刺さる。
毒。
乳母が、私に盛ろうとしたもの。
お父様は知っている。だから、これを教える。
「敵の武器を知れ」という意味なのだろうか。
お父様の指が、最初の文字を指す。
「城」
低い声。短い発音。
私は口を開いた。
「し、しろ」
指が動く。次の文字。
「剣」
「け、けん」
また動く。
「王」
「おう」
そして、最後。
お父様の指が、その文字の上で止まった。
「毒」
私は唾を飲み込んだ。
声が震えないように気をつけて、口を開く。
「どく」
沈黙が落ちた。
お父様は何も言わない。ただ、紙を見つめている。
私も黙って立っていた。何を言えばいいかわからない。
長い静寂の後、お父様が口を開いた。
「昨日の復習をしろ」
私は頷いた。
紙の隅に、昨日教わった単語が書いてある。
狼。森。雪。夜。
一つずつ、指でなぞりながら読み上げた。
「おおかみ」
「もり」
「ゆき」
「よる」
お父様の指が、ぴくりと止まった。
私は息を詰めた。間違えたのだろうか。
でも、お父様は何も言わなかった。
ただ、ほんの少しだけ、肩の力が抜けたように見えた。
「……覚えたか」
低い声。抑揚がない。
でも、責めている響きではなかった。
「は、はい」
私は小さく頷いた。
お父様は紙を裏返した。新しい単語が現れる。
授業は続く。
一文字ずつ、覚えていく。
これが私の武器になる。生き延びるための、たった一つの力。
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授業が終わって、部屋に戻ると、知らない顔が待っていた。
恰幅のいいおばさんだ。
柔らかそうな頬。丸い体。白い前掛け。
笑顔が顔全体に広がっている。三日月みたいな目。
「まあまあ、お嬢様!」
甲高い声が響いた。
両手を広げて、私に近づいてくる。
「お可哀想に、お可哀想に! こんな小さいのに、お父様のお勉強についていくなんて」
私は一歩下がった。
誰だ、この人。
「あ、あの」
「私はマルタと申します。メイド長をしておりますの」
深々とお辞儀。でも、すぐに顔を上げる。
笑顔は崩れない。ずっと笑っている。
「お嬢様のお世話を、これからさせていただきますわ」
乳母の代わり、ということだろうか。
私は警戒心を隠しながら、小さく頷いた。
「よ、よろしく、おねがいします」
「まあ、なんて良い子!」
マルタさんが、私の頭を撫でた。
ふわふわした手のひら。温かい。
でも、その温かさが、どこか作り物みたいに感じた。
「お嬢様、これをどうぞ」
マルタさんが、包みを差し出した。
中を開けると、焼き菓子が詰まっている。
バターの香りが鼻をくすぐる。
「お勉強ばかりじゃ疲れるでしょう? 甘いものを食べて、元気をお出しになって」
私は包みを受け取った。
ありがとうございます、と言おうとした。
でも、次の言葉で、口が止まった。
「お勉強なんて、しなくていいのよ」
マルタさんは笑っている。
優しそうな笑顔。母親のような声。
でも、言っていることがおかしい。
「お嬢様はまだ五歳でしょう? 難しいことは、大人に任せておけばいいの」
私の背筋に、冷たいものが走った。
「あの、でも」
「大丈夫、大丈夫」
マルタさんが、私の言葉を遮った。
両手で私の肩を包む。柔らかい手。温かい手。
でも、その優しさに、なぜか息が詰まる。
「お嬢様は、可愛らしくしていればいいの。お人形さんみたいにね」
お人形。
その言葉が、胸に突き刺さった。
私は知っている。この手の人を。
前の人生で、何度も見た。
下の者が育つのを望まない主人。
「あなたのため」と言いながら、翼を折る人。
優しさを装って、相手を籠の中に閉じ込めようとする人。
マルタさんは笑っている。目は三日月みたいに細い。
優しそうだ。親切そうだ。
でも、その笑顔のまま「勉強しなくていい」と言う。
ぞっとした。
この人は、私の翼を折ろうとしている。
優しさという綿で、首を絞める気だ。
「あ、ありがとう、ございます」
私は笑顔を作った。五歳児の笑顔。無邪気な笑顔。
でも、心の中では鐘が打ち鳴らされている。
この人は、味方じゃない。
マルタさんが扉に手をかけた。
振り返らずに、独り言のように呟く。
「乳母様も気の毒に。あんなに若様を想っていたのに」
私は耳を疑った。
「誰かに唆されたのかもしれないわねえ」
扉が閉まる。
足音が遠ざかっていく。
私は動けなかった。
-----
唆された?
なぜ、そんな発想が出る?
私は椅子に座り込んだ。
焼き菓子の包みを、膝の上に置いたまま。
マルタさんの最後の言葉が、頭から離れない。
まるで、犯人の手口を知っているみたいな口ぶりだった。
窓の外では、昨日の雨の名残が屋根を濡らしている。
義兄様は、どうしているだろう。
執事さんが言っていた。「しばらく荒れるかもしれない」と。
私は今日のことを整理した。
お父様は、私に「毒」という文字を教えた。
これは警告だ。「敵を知れ」という意味。
お父様は厳しい。無言で、無愛想で、怖い。
でも、私に知識という武器をくれる。
マルタさんは、私に焼き菓子をくれた。
甘くて、美味しそうで、温かい。
でも、「勉強しなくていい」と言った。
私から考える力を奪おうとしている。
どっちが本当の味方か。
前の人生で、そういう人をたくさん見てきた私には、痛いほどわかる。
優しさは、形だけでは測れない。
本当に相手のためを思うなら、時には厳しくなる。
甘やかすだけの優しさは、相手を弱くする毒だ。
私は焼き菓子を眺めた。
食べる気にはなれなかった。
乳母は、本当に一人で動いていたのだろうか。
「若様のため」と言いながら、若様を孤立させる行動をとった。
妹を殺せば、義兄様の立場は悪くなる。それは明らかだ。
乳母は馬鹿じゃない。そんなことはわかっていたはず。
なのに、実行した。
誰かに命令されていた?
それとも、誰かに「そうするしかない」と思い込まされた?
考えれば考えるほど、霧が深くなる。
一つだけ、確かなことがある。
脅威は去っていない。
むしろ、より深く潜った。
乳母は、切り捨てられた駒だ。
本当の敵は、まだこの屋敷のどこかにいる。
窓の外で、風が木の枝を揺らした。
北部の冬は、まだ始まったばかりだ。
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その夜、私は夢を見た。
暗い森の中を歩いている。
狼の声が聞こえる。遠くから、近くから。
私は走った。でも、足がもつれる。
振り返ると、そこにいたのは狼じゃなかった。
笑顔のおばさんが、両手を広げて立っていた。
「お嬢様、こっちへいらっしゃい」
甘い声。優しい声。
でも、その手には、キャンディが握られていた。
赤い、赤い、血のような色のキャンディ。
私は叫んだ。声にならなかった。
目が覚めた。
天井が見える。自分の部屋だ。
心臓がばくばくと鳴っている。
枕が汗で濡れていた。
窓から月明かりが差し込んでいる。
私はゆっくりと呼吸を整えた。
大丈夫。まだ生きている。
首はつながっている。毒は盛られていない。
でも、油断はできない。
狼は、羊の皮を被って近づいてくる。
優しい笑顔で、甘い言葉で、私を殺そうとする。
私は毛布を頭まで引き上げた。
明日も、生き延びなきゃ。
お父様の授業で、もっと文字を覚えなきゃ。
知識は武器だ。誰にも奪えない、私だけの武器。
マルタさんの笑顔が、まぶたの裏にちらついた。
でも、負けない。騙されない。
私は、生存者になる。
どんな手を使ってでも、二度目の処刑台には立たない。
月が雲に隠れた。
部屋が暗くなる。
北部の夜は、長い。
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