【完結】恥ずかしさレベル100で世界最強！？ 赤面するほど無敵になる俺の学園ライフ

第21章：颯との特訓提案

　Bランク昇格から三日が過ぎた。

　10月初旬の空は高く、風が爽やかだ。

　蓮は訓練場で、四人と練習していた。

　基礎体力の向上。

　連携の確認。

　恥メーターのコントロール。

　汗を拭う。

　身体が熱い。

「休憩しましょう」

　雪菜が水筒を差し出す。

　蓮は水を飲む。

　冷たくて、美味しい。

「蓮、すごく強くなったね」

　明日香が笑う。

　その時、訓練場の入口に人影が現れた。

　黒崎颯だ。

　四人が緊張する。

　蓮も、身構える。

　颯が、ゆっくりと近づいてくる。

　その目が、蓮を見据えている。

「柊蓮」

　颯が言う。

「ああ」

　蓮が答える。

　沈黙。

　風が吹く。

　木の葉が舞う。

　颯が口を開く。

「俺が特訓してやる」

　その言葉に、蓮の目が見開かれる。

「え……」

「お前の能力」

　颯が続ける。

「まだ伸びる」

　四人も、驚いている。

　学園最強が、主人公の特訓を申し出た。

「なんで……」

　蓮が尋ねる。

「気まぐれだ」

　颯が言う。

　だが、その目には別の何かがある。

　興味。

　期待。

「お前、面白い」

　颯が続ける。

「この前の戦い、見てた」

「戦略で勝った」

「だが、それだけじゃ俺には勝てない」

　蓮の拳が握られる。

　その通りだ。

「だから」

　颯が言う。

「基礎を鍛える」

「感情に頼らない強さを」

　蓮は、四人を見た。

　雪菜が頷く。

「行きなさい」

　雪菜が言う。

「これは、チャンスです」

　明日香も頷く。

「颯さんから学べるなんて」

　美鈴が微笑む。

「未来で見ました」

「これは、必要な道です」

　莉音が拳を握る。

「蓮くん、頑張って」

　蓮は決意した。

「お願いします」

　蓮が颯に頭を下げる。

　颯が、わずかに目を細める。

「明日から、朝5時」

　颯が言う。

「遅刻するな」

　颯は去っていく。

　蓮は、その背中を見た。

　遠い背中。

　だが、近づける。

　翌朝、5時。

　空がまだ薄暗い。

　蓮は訓練場にいた。

　颯が、すでに待っていた。

「遅刻しなかったな」

　颯が言う。

「当然です」

　蓮が答える。

「じゃあ、始める」

　颯が構える。

　実戦形式だ。

「恥メーター、使うな」

　颯が言う。

「え……」

「お前の素の力を見る」

　蓮は構える。

　額の数字は、20。

　ほとんど上がっていない。

「来い」

　蓮が飛び出す。

　拳を振る。

　颯は避ける。

　余裕の動き。

　蓮の蹴りが空を切る。

　颯のカウンター。

　腹に直撃。

「ぐっ……」

　痛い。

　息が詰まる。

「遅い」

　颯が言う。

「動きが読める」

　蓮は立ち上がる。

　再び挑む。

　だが、颯には届かない。

　一時間後。

　蓮は地面に倒れていた。

　全身が痛い。

　汗が止まらない。

「これが、お前の素の力」

　颯が言う。

「弱い」

　その言葉が、胸に刺さる。

　だが、反論できない。

　恥メーターなしでは、こんなものだ。

「だが」

　颯が続ける。

「伸びしろはある」

　颯が手を差し伸べる。

　蓮は、その手を取る。

　立ち上がる。

「感情に頼るな」

　颯が言う。

「それだけじゃ、限界がある」

　蓮は頷く。

「基礎を固めろ」

　颯が続ける。

「体力、技術、判断力」

「全てが揃って、初めて強者になれる」

　颯の言葉が、重い。

　特訓は、毎朝続いた。

　一週間が過ぎる。

　蓮の動きが、少しずつ変わっていく。

　二週間目。

　颯の攻撃を、一度だけ避けられた。

「進歩した」

　颯が言う。

　その言葉が、嬉しい。

　三週間目。

　蓮は、颯に一撃を当てた。

　軽い拳だが、確かに届いた。

　颯が止まる。

「お前……」

　その目に、驚きがある。

「やるじゃないか」

　颯が、初めて笑った。

　本当の笑顔。

　蓮の胸が熱くなる。

　ある朝。

　特訓が終わった後。

　二人は、ベンチに座っていた。

　朝日が昇る。

　美しい光景。

「颯さん」

　蓮が言う。

「なんで、俺を特訓してくれるんですか」

　颯が、空を見上げる。

　沈黙。

　やがて、颯が口を開く。

「俺は、ずっと一人だった」

　その声が、わずかに震えている。

「小さい頃から」

　颯が続ける。

「能力が強すぎて、周りが離れていった」

　蓮は、黙って聞く。

「友達もいなかった」

　颯が言う。

「親も、俺を恐れた」

　その言葉に、蓮の胸が痛む。

「だから」

　颯が続ける。

「最強になろうと決めた」

「誰にも頼らず」

「誰にも負けず」

　颯の拳が握られる。

「それが、俺の全てだった」

　蓮は、颯を見た。

　孤独な背中。

「でも」

　颯が言う。

「お前を見て、変わった」

「俺を……？」

「ああ」

　颯が頷く。

「お前は、仲間がいる」

「四人のヒロインが、お前を支えてる」

　颯の目が、蓮を見る。

「そして、お前も」

　颯が続ける。

「みんなを支えてる」

　蓮は、四人の顔を思い浮かべる。

　雪菜。

　明日香。

　美鈴。

　莉音。

　みんな、大切な仲間だ。

「羨ましかった」

　颯が呟く。

「俺には、そういうのがなかった」

　その言葉が、静かに響く。

　蓮は、颯の肩に手を置いた。

「じゃあ」

　蓮が言う。

「一緒に強くなろう」

　颯が、蓮を見る。

「一緒に……？」

「ああ」

　蓮が頷く。

「颯さんも、俺の仲間だ」

　その言葉に、颯の目が揺れる。

「仲間……」

　颯が、その言葉を繰り返す。

　初めて聞く響き。

　温かい言葉。

「俺も、お前の仲間になれるのか」

　颯が尋ねる。

「もう、なってますよ」

　蓮が笑う。

　颯の目が潤む。

　涙が、一筋流れる。

「ありがとう……」

　颯が呟く。

　その声が、震えている。

　蓮は、何も言わない。

　ただ、隣にいる。

　朝日が二人を照らす。

　新しい一日の始まり。

　そして、新しい絆の始まり。

　その日の午後。

　蓮は四人に報告した。

「颯さんが、仲間になった」

　四人の目が見開かれる。

「本当？」

　明日香が尋ねる。

「ああ」

　蓮が頷く。

　雪菜が微笑む。

「良かったですね」

　美鈴が言う。

「未来が、また明るくなりました」

　莉音が拳を握る。

「最強の仲間、ゲットだね」

　五人が笑う。

　その時、訓練場に颯が現れた。

　四人が緊張する。

　だが、颯は。

　わずかに笑っていた。

「よろしく」

　颯が言う。

　四人が、驚く。

　颯が、笑った。

「こちらこそ」

　雪菜が答える。

　明日香が手を伸ばす。

「一緒に頑張ろう」

　颯が、その手を取る。

　握手。

　美鈴と莉音も、手を伸ばす。

　五人の手が重なる。

　新しいチームの誕生。

　蓮を中心に。

　四人のヒロイン。

　そして、学園最強の颯。

　六人のチームが、完成した。

　夕日が、訓練場を照らす。

　長い影が、地面に伸びる。

　蓮は、五人を見た。

　雪菜の冷静な微笑み。

　明日香の明るい笑顔。

　美鈴の優しい瞳。

　莉音の元気な声。

　颯の、初めて見せた安らぎの表情。

　全員が、仲間だ。

　これから先、どんな試練が待っていても。

　この仲間たちと一緒なら。

　乗り越えられる。

　その確信が、胸を満たす。

「みんな、ありがとう」

　蓮が言う。

　五人が、蓮を見る。

「どういたしまして」

　雪菜が答える。

「当然だよ」

　明日香が笑う。

「これからも、一緒です」

　美鈴が微笑む。

「ずっと、仲間だよ」

　莉音が言う。

「ああ」

　颯が頷く。

「俺も、お前たちと共に」

　六人の絆が、深まる。

　蓮の物語は、新たな段階へ。

　学園最強が、仲間になった。

　これで、委員会との戦いも。

　恐れることはない。

　六人の力を合わせれば。

　どんな敵も、倒せる。

　その自信が、蓮の中で育つ。

　だが、まだ一つ。

　越えなければならない壁がある。

　恥メーター95の壁。

　それを越えるには。

　本気の告白が必要だ。

　蓮は、四人を見た。

　誰に告白するのか。

　その答えは、まだ出ていない。

　だが、いつか。

　その時が来る。

　それまでは。

　この仲間たちとの時間を。

　大切にしたい。

　六人で、訓練場を出る。

　夜が訪れる。

　星が輝き始める。

　蓮は、空を見上げた。

　満天の星。

　美しい。

「綺麗だね」

　明日香が呟く。

「ああ」

　蓮が答える。

　六人で、星を見る。

　静かな夜。

　穏やかな時間。

　これが、永遠に続けばいい。

　だが、蓮は知っている。

　時は流れる。

　新たな試練が、待っている。

　だが、恐れない。

　仲間がいるから。

　この絆が、何よりも強いから。

　蓮は、前を向く。

　未来へと。

　六人で、歩き出す。

　恥ずかしさを力に変えて。

　大切な人たちを守るために。

　蓮の決意は、揺るがない。

　そして、颯も。

　初めて、仲間の存在を感じた。

　孤独だった心が。

　少しずつ、温かくなる。

　これが、仲間というものか。

　颯は、五人の背中を見た。

　初めて、自分が一人じゃないと感じた。

　その感覚が、心地よい。

　颯の口元に、笑みが浮かぶ。

　本当の笑顔。

　これから、この仲間たちと。

　共に歩んでいける。

　その喜びが、胸を満たす。

　六人の物語は、続いていく。

　新たな絆を胸に。

　未来へと、進み続ける。

　こうして、10月下旬。

　六人の新しいチームが、完成した。