ツイノベまとめ

希咲さき

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リクエスト

①大喧嘩(美形×平凡)

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「もういい!お前なんて大っ嫌いだ!別れる!」

 家を飛び出して歩きながら大粒の涙を零した。
 どうしてこんな事になってしまったのかと、さっきまでの出来事を振り返る。

 俺(倫)の恋人は、自分で言うのもなんだが、俺にはもったいないくらいのいい男なのだ。

 実家が金持ちで、運動も勉強もできるし、性格もいい。おまけに誰もが振り返るほどの美形(怜也)。
 引く手あまたな高スペック男子が、何をどうしてそうなったのか、俺に「一目惚れした!付き合ってくれ!」と告白してきたのが2年前。

 自身がゲイだと自覚していた俺は、こんな嬉しいことは無いと即OKして俺たちの交際はスタートした。
 いつも俺を大事にしてくれて、記念日もちゃんと祝ってくれるし、たくさん甘やかしてくれる。そんな怜也が大好きだった。
 でも、そんな彼にも一つだけ不満があった。

「倫、どこ行ってたの?既読もつかなくて凄い心配だった」
「今の人誰?俺知らないんだけど」
「サークルの飲み会?誰と?何時まで?」

 怜也は、俺の全てを知りたがった。最初はそれくらい、俺の事を愛してくれてるんだな、と嬉しかった。
 だけど、次第に束縛されることに窮屈さを感じて、何より自分のことを信用してくれていないんだと、悩むようになった。
 そのことを怜也に告げ、喧嘩になったことも何度もある。でも、その度に

「ごめんね倫の事が好きすぎて、口うるさくなっちゃった」

 って反省する怜也と、そんな姿に俺が絆されて仲直りしてた。

 でも、今回は違った。

 話は遡って昨日のこと。怜也が俺の知らない綺麗な女の人と歩いてるのを見かけた。
 俺の事を束縛するくらい愛してくれてる怜也だから、浮気だとは思ってなかった。それでも気にはなる。だから今日会いに行った時に聞いたんだ。

「なあ、昨日一緒に歩いてた女の人、誰?」
「えっ、見てたの?」
「いや、たまたま見かけただけだけど。で、誰なの?」

 そう問うたら怜也は視線を逸らして、モゴモゴと小さな声で呟いた。

「あー……。別に良くない?誰でも」
「…………は?」
「絶対に浮気とかじゃないし、俺が好きなのは倫だけだもん。なにも気にすることないって」
「いや、ただ名前とかお前との関係とか、教えてくれるだけでいいんだってば」

 なにか誤魔化そうとするその態度にイラッとした。
 それを感じているだろうに怜也は、それでも教えるつもりは無いらしい。

「だから、別に誰だっていいだろ?お前には関係ないんだし」

 そう言い放った。

 それを聞いた瞬間、今まで抑えていたものが溢れてしまった。

「っふざけんな!俺には関係ない?恋人なのに関係ないって!?大体、いっつも俺の事根掘り葉掘り聞いて束縛する癖に、俺が聞くのは駄目なわけ!?」
「っ、それは」
「今まで何回も束縛やめて欲しいって言っても「俺の事好きすぎるから」って言ってなあなあにして!好きならなんでも許されるのか!?」

 顔を真っ赤にして肩を震わせる俺を見て、怜也は焦ったような顔をする。

 ーーそれでも。

「言い方が悪かったよな、ごめんな」

 そう言うだけで、結局教えてくれなかった。

 だからもう我慢が出来なくて、冒頭のセリフを言って家を飛び出してしまったんだ。

 ……ホントは嫌いになんてなってない。ムカついたのは本当だけど、嫌いなんて、別れたいなんて思ってないんだ。だってーー

「まだこんなに好きなのに……」
「倫っ!!」

 言ってしまった事を後悔していたら、後ろから思いっきり名前を呼ばれた。

 それは間違えようもない。大好きな怜也の声。

「っ、怜也……?」
「倫待って!謝るから、ちゃんと全部話すからっ!!だからお願いだ、別れるなんて言わないでくれ……っ!!」

 駆け寄ってきてぎゅっと抱きしめられた。
 走ったためだろう上がった体温が、冷えた心を温めていく。

「怜也……」
「ごめんな、本当にごめん。とりあえず家に帰ろう?」

 追いかけてきてくれたことが嬉しくて、でも別れると言ってしまったことが怖くて、彼に手を引かれるまま二人の家へと戻った。

 そうして怜也が話してくれたことは、

 昨日一緒にいたのは自分の姉で、一緒に買い物をしていたこと。
 やましいことは何にもなくて、倫にサプライズのつもりだったからバレたくなくて、ついぶっきらぼうにあんな風に言ったことなど。

「こんなふうに出ていきたくなるくらい、俺が追い詰めてたんだよな。本当にゴメン。許して貰えないかもだけど、倫を愛してるのは事実だから。もう束縛しないし、俺のことも包み隠さず話す。だからお願いだ。別れないで欲しい」

 不安げな表情で言う怜也。それを見て倫は泣きながら答える。

「嫌いなんて、別れるなんて嘘!大好きだから!俺こそゴメンね。秘密にしておきたかった事なのに無理に聞きだしたりしてっ。……怜也の気持ち、疑ったりしてないよ。俺も、愛してる」

 そうして過去一の喧嘩をした二人は仲直り。

 それから宣言通り、怜也は束縛しなくなったし、なんでも報告してくれるようになった。
 けど今度は逆に、束縛されないことに不安になって、怜也に
「なんで何も聞かないの?」
「俺の事興味なくなったの?」
 とかって聞くようになった倫なのでした!

 束縛系美形×平凡



CP名:黛怜也まゆずみれいや×小菅倫こすげりん
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