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リクエスト
⑥DV癖先輩×オドオド後輩(美形×平凡)
しおりを挟む「い、た……っ」
「暴れんな」
ぐっ、と髪を掴まれたまま後ろから突き上げられる。一切自分の身を案じる様子もなく、欲望を発散する為だけの行為に、涙と嗚咽が漏れそうになるが、唇を噛み締めて耐えた。
……こんな関係になったのはいつからだったか。
元々自分を抱いているこの男(勇音)とは、先輩後輩の仲だった。同じ大学のサークルに所属していて、人目を引く華やかな容姿に自分(うみ)が見とれたのが始まり。
人に見られることに慣れている美形の勇音は、すぐに自分の視線にも気づいた。
「お前、いつも俺の事見てるだろ」
確信したようにいう勇音。
その妖艶な笑みに否定することなんて出来なくて頷いてしまった。それから何故か彼は、なんの取り柄もない平凡な自分をセフレにした。
初めのうちは互いに男同士の勝手が分からず、探りながら体を繋げた。
慎重に、ゆっくり、自分の体の強ばりが解けるように。勇音は抱いてくれた。
体を繋げることにも慣れ、後ろで快感を拾えるようになった頃、勇音の態度が変わり出す。元々強めに小突くことや、冗談を言った時などに思い切りはたかれたりすることがあった。それが、セックスの最中にも現れ出して、脚や尻を叩かれる。髪をわし掴まれる。首をしめたり無遠慮に噛みつかれたり、慣らさずに挿入されたりと。
うみの体は酷い有様だった。それでもなんとか生活ができていたのは、単純にセフレという関係性ゆえ。勇音は途切れずに彼女がいて、そちらとのデートなどが基本優先だ。呼び出されない間は体を休めることが出来た。
いつ呼び出されるのか、次は何をされるのか。元々大人しかった性格が、そんな不安や恐怖からオドオドとした態度を取るまでになってしまった。
「先輩のこと憧れて、好きだったけど……。こんなの望んでない」
高圧的で、暴力で己を支配する勇音の姿を思い出し家で一人で泣くうみ。
けれど、何が一番悲しいかと言えば、男に抱かれることに慣れた自分の体だ。
ある時、1ヶ月ほど勇音から呼び出されない期間があった。
……その間、体が疼いてたまらなかった。
そしてうみは決意する。
ある夜、ゲイバーに足を踏み入れ、一夜限りの相手を探す。
そうして運良く相手が見つかった。ワンナイトの相手は優しそうなサラリーマン。これで体の疼きが楽になる……と思ったものの。
実際に抱かれてみたら、余計に酷くなってしまった。
男は見た目通りの優しさで、丹念に舐めて解して、うみの気持ちのいいところを探りながら抱いてくれた。
心は今までにないほど感じていたのに、体がそれを裏切る。
(……どうして)
愕然とするうみ。
そうして、熱を持て余したままの翌日。
久しぶりに勇音から呼び出された。
そうしていつもの如く激しく、そして痛みとともに抱かれる。
(ああ…………)
心は、昨日のような優しい行為を求めているのに、体が喜んでいるのがわかる。
昨日は物足りなさを感じた行為が、今は善がるほど満たされていた。
(自分はもう、この人とのセックスじゃなきゃ満足出来なくなったんだ……)
自分に優しくない勇音から離れられないことに、うみは静かに涙を流した。
CP名:茅井勇音×和久井うみ
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