ツイノベまとめ

希咲さき

文字の大きさ
85 / 96
リクエスト

⑦先輩×後輩(平凡×美形)

しおりを挟む


「離してってば!」

 人気の無い校舎裏。花壇の手入れをしていた平凡(空良)はその声に、視線をさ迷わせる。
 一体どこから……と探してみれば、建物の影になった場所に2人の生徒がいるのが分かった。

「良いじゃねぇかよ!暴れんな!」
「嫌だ!キモイってば!!離れろっ!!」

 何をしているのかと覗いてみれば、小柄な生徒がもう1人の生徒に抱きしめられてもがいていた。

「何してるんだっ!!」
「なっ、誰だよ!」
「嫌がってるだろ、離してやれよ!」

 空良が声を掛けたことに驚いた生徒。一瞬力が緩んだその隙に小柄な生徒は拘束を振り切って空良の方へ逃げてきた。
「ちっ、クソが!覚えてろよ!」

 男子生徒は捨て台詞をはいて逃げていく。空良は自分の後ろにいる小柄な生徒に声を掛けた。

「大丈夫?」
「大丈夫。ほんと、助かった」

 その子は綺麗な顔をした男の子。空良は彼のことを知っていた。学校内でも有名な美少年くん(茜)だ。入学当初からめちゃめちゃ噂されてた彼がどうしてこんなことに?と思う空良。

「なんでこんなことになってるか、聞いてもいい?」
「……別に。昔から変態によく絡まれるだけ。よくある事だよ」

 なんでもないように笑う茜。でも手が震えてるのに気づいた。

「無理して笑わなくていいよ。ずっと辛かったんだね」

 自分より小さな位置にある頭を撫でる。

「……勝手に触んないでよね」
「あ、ごめん。つい」
「…………別にいいけど」

 プイ、とそっぽを向く茜。けれどさっきのような拒否は見られない。

 ーーそうやって出会った2人。
 それから交流するようになる。
 空良は、校舎裏で花壇の手入れをしている園芸部の3年。
 茜は帰宅部の1年だった。
 助けられてから茜は、空良と一緒に土いじりをするように。

「別に俺に付き合わなくていいんだよ?」
「いいじゃん別に。帰っても暇だし」

 ツンとした態度の茜。それでも空良と一緒に楽しそうに花の世話をしてくれる。
 毎日穏やかで楽しい日々を過ごしている2人。ずっとこんな日が続けばいいなと思っていた矢先のこと。

「今日は来ないな。学校では見たのに……」

 放課後、花壇に茜が来ない。
 時々来ない時はいままでもあったが、その時は必ず連絡があった。

「何かあったんじゃ……」

 ふと胸騒ぎを覚える空良。脳裏をよぎるのは初めてあったあの日のこと。

「……探しに行こう」

 校舎に戻っていれば、途中ガラの悪い生徒たちとすれ違う。

「オイ、岩下からLINEきたか?」
「きたきた!あの可愛い1年ヤるんだろ?俺も行こうかなって」

 “岩下”その名前は茜の口から聞いた覚えがあった。初めてあったあの日、彼に抱きついていた男だ。

「っオイ!!」

 空良は話をしていた生徒達をつかまえ話を聞き出す。
 それから走り出した。

 (頼む!間に合ってくれ……!!)

 ーー一方その頃。

「イヤだ!!やめろってば!離せ……っ!!」
「っせーな!暴れんなよ!!」
「いっ!!」

 頬を思いっきり殴られた。口の中が切れたのか鉄の味がする。
 茜は、人気の無い教室に連れ込まれていた。
 両手を机の足に縛り付けられていたが、足をばたつかせて暴れる。
 服は破られてボロボロだ。
 体をまさぐられて舐められて、その全てに吐き気を覚える。
 そうして男の手が茜の後ろに伸びる。

 (嫌だ嫌だ嫌だ!早く助けに来て、先輩ーー!!)

「飯島!!」
「っ!!」

 音を立てて扉が開かれ、そこには空良が立っていた。彼の後ろには教師もいる。
 そうして無事に茜は助け出された。襲っていた男は教師に連れていかれる。

「飯島……」
「せ、んぱい」

 教室には、2人だけが残されていた。
 茜に歩み寄る空良。手を伸ばそうとして止める。

「怖かったな。大丈夫か?」
「…………うん」
「ごめんな。もっと早く気づいてたらお前がこんな目にあわずに済んだかもしれないのに。本当にごめん」
「そんな、先輩は何も悪くないよ!」
「……そうかもしれないけど」

 そこで空良は言葉を切る。それから。

「なぁ飯島。触っても大丈夫か?」
「え……?」
「俺が触れても、怖くないか?」

 顔を見れば、空良は優しく微笑んでいる。
 小さく頷くと、空良はゆっくりと茜を抱きしめた。

「怖い思いさせてごめん。俺が守ってやりたかったのに。ホント、ごめん」
「せんぱい……」
「こんな時に言うのもどうかと思うんだけど、俺飯島が好きなんだ」
「っ!!」
「ツンとしてる顔も、俺と一緒に花の世話を楽しそうにしてくれるのも構って欲しそうにしてる顔も、全部好きなんだ。……俺と、付き合ってくれない?」
「お、れも。俺も、先輩が好き……っ!!」

 涙を流してぎゅっと抱きついてくる茜。空良はその涙を唇で拭う。顔中にキスの雨を降らせてそれから
「口にしてもいい?」
 って聞くから、茜は

「聞かなくてもいい」

 って言って自分から合わせに行く。
 しばらくそうして抱きしめて優しいキスをして、茜の恐怖を和らげてくれる空良。

 翌日から空良が茜をめちゃめちゃに甘やかして、愛しまくる日々の始まり。
 茜を守るために体鍛え出すし、卒業後は大学進学するんだけど、茜の親にも掛け合って一緒に住んだりする。

 めちゃ甘ラブラブ平凡×美形のお話。



CP名:木村空良きむらそら×飯島茜 いいじまあかね
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...