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リクエスト
⑧猫系先輩×犬系後輩(美形×平凡)
しおりを挟む「お前バカすぎんだろー!図書室行って本でも読め!」
「なんだよぉ!!バカって言うなー!」
クラスのみんなが笑っている。プンプン怒っているのは平凡顔の男(紅葉)。特徴的なのはクルクルの髪の毛くらいか。そんな平凡、人見知りはしないし愛嬌はあるしお喋りだしで、クラスのマスコットキャラ的ポジションにいた。今は中間テストの返却が行われていたのだが、紅葉の成績があんまりにも悪くて笑われていたのだ。
「んもー!みんな失礼なんだから!」
昼休み。バカにされたのでいっちょ見返してやるか!と本当に図書室にやってきた紅葉。
そこで窓際に座る美人(ノア)を発見する。
「……なに」
「ひぇ!」
思わずガン見していたようで、ノアに睨まれてしまった。だが紅葉はそれどころでは無い。
(わわわっ!どうしよう顔熱い。ドキドキする!俺、もしかして……!)
ノアの顔を見ているだけで動悸が止まらない。これは間違いない!
「あ、あの!俺寺内紅葉って言います!あなたに一目惚れしました!付き合ってください!!」
「はぁ?」
ノアの向かいの席につき、身を乗り出すようにして告げた。
この平凡、勉強に限らず本当に馬鹿だったようだ。
そんな紅葉から告白された美人はといえば。
「断る」
「なんで!?」
「男と付き合う趣味ないし。そもそもお前のことなんて知らんし」
「これから知ってくださいよォ!!」
「あとお前うるさい。ここ図書室なんだけど」
「はっ!そうでしたごめんなさい!!」
慌てて周りを見れば、ジロリと数名の生徒がこちらを見ていた。
紅葉は声を潜めて、それでも止まらない。
「それはそうと、先輩のお名前はなんですか!?」
「なんで教えなきゃなんないの」
「いいじゃないですか!教えてくださいよぉ~!」
「だからうっさい。しつこい。俺は静かに過ごしたいんだから邪魔。どっか行って」
冷ややかな視線で告げるノア。それにグッと詰まってしまって、紅葉はシュンとなる。
「…………わかりました。うるさくしてごめんなさい」
「……わかればいいんだよ。じゃあ」
「じゃあ、また明日来ますね!」
「はっ!?」
一瞬萎んだ紅葉だったが、次の瞬間には笑顔になって、明日のことを考えていた。
「それじゃあ先輩また明日!」
ポカンとした様子のノアを残して、紅葉は図書室を後にする。教室に戻るとクラスメイトから
「マジで図書室行ってたん?」
「勉強してきたのか?」
と言われて、そういえば勉強しようと思っていたのを思い出す。だがそんなことはどうでも良くて、友人たちにノアのことを訊ねる。
するとどうやらノアは、校内では有名らしい。1つ上の学年で、美人で成績優秀、家も金持ちで誰もが彼と付き合いたいと思っているんだとか。
「お前、そんな人に告白したん?」
「ん?したよ!!だって一目惚れしたもん!明日も会いに行く!!」
にぱっと笑う紅葉に、クラスメイトは若干引き気味だったが
まぁ、おバカに何言ってもな……という感じで、応援モードに切り替えたらしい。ノアの情報を色々と教えてくれた。
「ノアせんぱーい!!」
「うげ……」
翌日から紅葉のアタックが始まる。
昼休みになれば図書室に行ってノアに話しかけ、放課後になれば下駄箱にダッシュ。ノアが出てくるのを待ち、来たら(勝手に)一緒に帰っている。
「うるさい」
「馴れ馴れしい」
「ついてくんな」
毎度毎度ノアに冷たくあしらわれるが、わんこな紅葉はへこたれない。そんな光景は周りからも認知されつつあり、近頃はなんだか温かい目で見られ始めている。
「はい先輩!先輩の好きなおかしです!」
「なんで知ってんの……。まぁ、貰うけど……」
「っ先輩が!俺の差し出したもの貰ってくれた!うわぁい!!」
「だからうるさい!」
「ひん!ごめんなさい!!」
なんだかんだ、近頃ノアの態度も軟化してきたように感じ、ワンチャン!?と思う紅葉。
♢♦︎♢
「お前凄いなぁ」
「なにが?」
男子トイレで友達が話しかけてくる。
「あんだけ冷たくされてもめげないじゃん。辛くないん?」
「全然!だって俺が勝手に好きになっただけだし、冷たいって言っても、無視されるわけじゃないし、最近は渡したお菓子とか食べてくれるし、会話も前より長く続くようになったもん!ちょー幸せ!!」
「お前……可愛いやつだよなぁ!」
「んにゃあ!やめろよぉ!」
友達と2人キャッキャする。そんな2人を見ている人間がいたが、紅葉は気づいていない。
そんで今日も今日とてノアの元へ行く紅葉。
「せんぱーい!!」
「…………ん」
「……?どうしたんです?なんか調子悪いです?」
「……なんで」
「だって、いつもは『うるさい』とか『暑苦しい離れろ』とか言うじゃないですかぁ?」
「……別に。どうもしてないけど。なに、帰んないの」
「へ?!あっ、か、帰ります!!」
これは!もしや!?ノアのデレか!?!?とうっはうはする紅葉。近寄っても話しかけても、いつもより言葉のトゲがなくて、紅葉を受け入れてくれてるように感じる。
それから段々とノアとの距離が近くなってく。それにもう紅葉はニッコニコ!このまま行けば付き合えるかもぉ!と思っていた矢先のこと。
「……転校生?」
「おー。隣のクラスらしいけど、なんかスゲェの来たらしい」
「へー」
噂の転校生の出現により、紅葉の日常が崩されることになる。
その噂の転校生、キャラが強かった。
人の話は聞かない、自分が1番!人類みな友人!!……所謂非王道転校生ポジだった。校内のイケメンをロックオンしては付きまとっていて、そのうちの一人にノアが入っていた。
ノアは転校生から逃げ回っているらしく、昼休みも放課後も、紅葉は会うことが出来なくなっていた。
寂しいと思うと同時に、紅葉の胸にはある思いが。
「俺、転校生と同じことしてたよな……」
うるさい、邪魔、離れろ。ノアはそう言っていたのに、自分は諦めずにずっと付きまとっていた。
最近、ノアとの距離が近づいている気がしていたけど、気のせいだったかもしれない。本当はずっと嫌な気持ちだったのかも。
そう思ったら、ノアに会うのが怖くなった。いや会えてもいないのだが。
何より、転校生が今の状態を続けていたら、自分の時みたいにお菓子とか貰ってくれたり、一緒に帰ってくれるようになって、それで……。そう考えたらもう、ダメだった。
(先輩のことは諦めよう。それがお互いのため……)
なんて思っていたある日のこと。
「ーーなんで来ないわけ」
「ひ、ぇ」
1人で帰ろうと思って玄関を出たところ、何故かノアに捕まって、そのままどこかに連行された。そんである家に突っ込まれると、壁とノアの腕の間に囲われる。
「なんで会いに来ないの。どうして一人で帰ってんの」
「へ、あの、えっ??」
「なに、放っておいたから拗ねてんの?」
「拗ね……?」
意味がわからなくてアワアワする紅葉。ノアは顔をズイっと近づけてくる。
「俺の事好きなの、もうやめたわけ?」
「っちが!好き!先輩のこと、ずっと好きです!!」
「ならなんで?」
「それは……」
言い訳は許さないというように鋭い視線で射抜いてくるノア。紅葉は今まで思っていたことを伝えるはめに。
そしたらクソデカため息をつかれて、
「お前とアイツが一緒なわけないだろ」
ってとこから、ノアは自分の想いを教えてくれた。
最初はウザかったこと。でも自分の好物とかくれるし便利だなくらいに思うようになったこと。だんだん会話とか悪くないなって思ってたら、紅葉のトイレでの会話を聞いて、それから紅葉が可愛く思えてきたこと。
「勝手に俺の傍離れんなよな」
そういってキスをしてくるノア。
ーーそのままベッドに連れていかれて抱かれちゃう紅葉。抱かれながら「好き」って言わされて、「好きだ」って言われて。ウルトラハッピーエンドを迎えるのでした!
非王道転校生?なんか誰かとくっついたらしいよ!!
ツンデレ猫系先輩×愛され犬系後輩
のお話。
CP名:日向ノア×寺内紅葉
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