ツイノベまとめ

希咲さき

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オリジナル

㉕幼なじみ×小さい頃女の子みたいだった(美形×平凡)

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『ちーちゃん大好きだよ!大きくなったらけっこんしようね!』
『うん!!ぼくもきょうくんのこと大好き!約束だよ!』

 そう、約束したのに。

「楢沢、好きだ!付き合ってくれ」
「柚木くん……!」

 目の前で告白劇を繰り広げているのは、自分の初恋の相手で今でも大好きな幼なじみだった美形(恭平)。その彼が告白しているのは小柄で可愛くて、女の子みたいな顔をした美少年。その子の顔は、小さい頃の自分にそっくりで。

 (……やっぱり、昔の面影もない僕のことなんて、分かるわけないよね)

 幸せそうな顔で結ばれた2人を見ながら、静かに涙を流す平凡(千尋)。

 ーー子供の頃、千尋はとっても可愛い顔をしており、よく女の子と間違われていた。恭平とはその時仲良くなり、ずっと一緒にいた。最初は恭平も千尋の事を女の子だと思っていたらしいが、おうちにお泊まりをした時に裸を見て男だとわかったと、少ししてから聞いた。
 そんな2人は友達以上の気持ちをお互いに抱いており、ある日遊んでいた時に「結婚しよう」と恭平からプロポーズされたのだった。
 嬉しくて嬉しくて、大人になったら結婚出来るとルンルンしていた千尋だったが、最悪なことに親の都合で引っ越すことになる。
 恭平と離れるのが嫌で泣きわめいたがどうにもならず、彼とのお別れの時も親に抵抗しまくった。
 そしたら恭平が、
「ずっと好きだから!絶対ちーちゃん見つけ出してけっこんするから!」
 と、涙をこらえて言ってくれた。

 ……それから数年。今もその時の言葉を胸に、恭平と会えると信じて生きてきた。
 そうしたら奇跡が起きて、入学した高校で恭平と再会したのだ!

 あの頃とちっとも変わらないカッコ良さのまま成長した姿に、今まで以上に好きな気持ちが溢れ出たが、彼はこちらに気づかない。

「あの……」
「ん?キミ、どこの中学?俺になんか用?」

 声をかけた自分のことを、恭平は分かっていなかった。

 ーー仕方ないのかもしれない。子供の頃は女の子に間違われるほど可愛かった顔も、今では面影もないくらい普通になっていたし、数年あっていなかったら顔だって忘れるだろう。

 約束したのに、と思わないでもなかったが、千尋は気を取り直して名乗ろうとした。
 だが、タイミング悪く友達に呼ばれた恭平はそちらに走り去ってしまう。

 ……それから、クラスも部活も全部違った恭平と千尋。接点がないまま日々はすぎる。
 そうしていたら、恭平のクラスに転校生がやってきた。たまたま見かけたその顔は、幼い頃の自分にそっくりで。これで名前が全然違えば良かったのだろうが、最悪なことに似たような名前だったのだ。

 嫌な予感は的中し、どんどん距離を縮める2人の姿が見られるようになった。そうしてついに本日告白……という流れである。

「……きょうくんなら、気づいてくれると思ったのにな」

 ポツリと涙と一緒に零した言葉は誰にも拾われることは無い。
 と、思っていたらクラスの委員長にたまたま聞かれていたらしい。

「どうした?話なら聞くぞ?」

 とその辛い現場から手を引かれて離されて、優しく話を聞いてくれた。
 そこで恭平との昔の話をしたら、なんと委員長のほうは転校生と知り合いだったらしい。しかも自分たちと似たような関係性だったと。

 共通点の多かった千尋と委員長はすぐに仲良くなり、好きな相手同士が結ばれてしまった悲しさとか、この気持ちの忘れ方とかを相談するように。

 恭平と転校生くんは上手くいっているのか、とても幸せそうな顔をよく見かける。その度心は痛むけど、もう彼のことは忘れようと気にしないフリをした。

 ……のだが。
 近頃なぜか恭平の顔が曇っている。何かあったのか?と思うが、声をかけられるわけもない。委員長に話してみると、転校生の方も悩んでいるようだとか。
 お互いストーカーじみているのは百も承知なので、ここは突っ込まないでおく。

 そんなこんなで数日様子を見ているが、やっぱり機嫌も表情もよろしくない。

 一体どうしたんだ……と悶々としつつ、その日の授業はプールだったので着替えをする千尋。合同授業で恭平のクラスと同じになり、余計に考え込んでしまうのだが……

「ぅ、ひゃぁ!?」

 突然腰を触られ、珍妙な声を上げてしまう。
 驚いて振り返ると、そこには恭平が。

「うぇ!?柚木くん!?」
「……お前、ここにホクロあるんだな」
「へっ?あ、うん。三角形みたいに並んでて、ちょっと変なんだよね。……でも、なんで?」
「……いや、別に」

 言い淀んで、そのままプールに行ってしまった恭平。

 なんだったんだ?と首を傾げる千尋だが、その日から何だか恭平とよく目が合ったり、行く先々で出会うことが増えた。

「ーーてことなんだけど、どう思う?」
「どうって……。なんか思い当たる節とかないのか?」
「んー。小さい頃、一緒にお風呂に入ったことはあるけど……。でもホクロぉ?触られた記憶とかもないんだけど」

 放課後の教室でいつものように話をする2人。結局理由は分からないままその日は解散。そんで次の日学校に来たら、恭平と転校生くんが別れたと噂になっていた。

「え?なんで??」
「いや俺も知りたいわ。たしかに最近上手くいってないみたいには感じたけど……」

 悶々としたまま一日の授業が終わった放課後。
 破局報道について話していれば、突然扉が開く。

「ぉわ!」
「柚木……」
「…………」

 立っていたのは恭平。何故か無言でこちらを睨んでいる。

「え、えと。何か用?」
「お前に……、添田に話あるから、ちょっと外してくんない?」

 委員長にそういう恭平。ちょっと不穏な空気にビクビクする千尋は、委員長に残っていて欲しかったが、そう上手くいく訳もなく。結局教室に2人で取り残される。

「……は、話って、なに?」
「ちーちゃん」
「っ!?」

 呼ばれたのは幼い頃の呼び名。驚いて肩が揺れた。それを見て恭平が距離を詰めてくる。

「やっぱりちーちゃんだ!あのホクロ、俺が見間違うわけないんだ!なんで教えてくれなかったんだよ!?」

 肩を掴んで揺すぶる恭平。その剣幕に驚くのと同時に、怒りが湧いた。

「なんでって、気づかなかったのはそっちだろ!!」
「っ」
「僕はちゃんときょうくんって気づいてたのに、僕のこと初対面の人だと思って話してきたくせに!」

 ギッと睨むと途端にたじろぐ恭平。

「だって、昔と違くて、わかんなくて……」
「そうだね!昔は可愛かったもんね僕!でもそれって結局、僕の見た目が好きだったんだ?顔が変わったら分かんなくなるくらいのその程度だったってこと?」
「っ違う!」
「じゃあなんであの子と付き合ったの?僕の名前も覚えてなかったってことでしょ?」
「……」
「もういいよ。なんであの子と別れたのか知らないけど、僕もう諦めることにしたから」

 ふい、と恭平から顔を背けて言う千尋。そうしたら肩を掴む手の力が強くなる。

「っい……!」
「ダメだよ、なんでそんな事言うの?結婚するって言ったじゃん」
「だからっ」
「名前ちゃんと覚えてなかったのはゴメン。でも、そのホクロのことも、ちーちゃんが好きな物も嫌いなものも全部覚えてる。昔のちーちゃんに似てたあの子と付き合ったのも本当にごめんね?でも顔とか関係なく、ちーちゃんの存在自体が好きなんだ。お願い、何でもするから許して。好き、大好きなんだ」

 涙を流しながら縋ってくる恭平。手は震えていて、カッコ良さの欠けらも無い。それでも、一途に彼を想い続けてきた心が動かないわけながなくて。

「可愛かったちーちゃんが好きなんでしょ?」
「違う。ちーちゃんならなんでも好き。同じ顔でもちーちゃんじゃないならいらない」
「ホクロ見るまで間違えてたくせに?」
「可愛いまま成長してると思い込んでたから。ホントごめん。でもちゃんとちーちゃんだって気づいたでしょ?許して?」
「ていうかなんでホクロで気づいたの?」
「それは、その。泊まりに来てちーちゃんが寝てる間に、ホクロのとこにキスしまくってたから……」
「っ、はぁ!?」
「ゴメン!だってちーちゃんの裸みたり、エッチなホクロ見ちゃってどうしようもなくて!寝てるちーちゃんも可愛くてそれで!」
「~~変態!」

 ……結局なんだか勢いに流された気がするが、そのまま恭平を許してしまって。そうして小さい頃の約束の通りにくっついた2人。

 発言した通り、それ以降の恭平はどんなに幼少期の千尋に似た顔の人が現れても、千尋以外に靡くことはなく末永く幸せに暮らしましたとさ。

 ちなみに転校生くんの方はと言えば、無事に委員長とくっつきました。
 彼の方は本気で子供の頃の約束とかを忘れてたパターン。よかったね委員長!

 ということで

 美形×小さい頃女の子みたいだった平凡
 のお話でした!

 離れてる間もちゃんと一途に千尋を思っていたので、実は恭平くんは童貞。
 ちなみに、転校生くんの下の名前は『千春』




CP名:柚木恭平ゆぎきょうへい×添田千尋そえだちひろ
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