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オリジナル
55.超一途×ひねくれ(美形×平凡)
しおりを挟む幼い頃から自分の性的指向に気付いてた平凡(宗太)。高校は親元を離れて遠いところに進学。
そこで何回も告白してやっと彼氏をゲットする。
彼氏が大大大好きな宗太は、すぐにヤキモチ妬くし、彼のことがなんでも知りたくなって、あれやこれやと訊ねまくる。
そうしていたら1年経たずに
「重いウザイ疲れた」
と言って振られてしまう。
かなり落ち込んで泣きまくった宗太。
ところがある日、新たな恋に出会って立ち直り、またもや猛アタック。晴れてお付き合いする事に。
今度こそは失敗しないぞ!!と意気込む宗太。
束縛しすぎてたのが良くなかったと反省し、今度は彼の自由にさせることに。
誰と遊びに行こうが、自分より他人を優先させようが、痛む心を我慢して彼の好きにさせた。
これでずっと一緒にいてくれる!……と思っていたら、あっさり浮気されて捨てられてしまう。
もうどうしていいのか分からなくなった宗太は、恋人を作らないことに決める。
体を持て余すのなら、それだけの相手を見つければいい……と、夜の街で一夜の相手を漁る日々。
そうしていたある日、モデル顔負けのイケメン(円)と出会う。すぐにホテルへ行き、体を重ねたのだが、ものすごく相性が良かった。
けれども宗太は、一度寝た相手と二度は寝ないと決めていたので、名残惜しくはあるがさっさとホテルを出ようとする。
……のだが。
「どこ行くの?」
「……帰るんだけど。手、離してくれない?」
「やだ。まだ時間あるからもう一回しようよ」
「悪いけど、同じ男と二度は寝ないから」
「ホテル出るまでが一回ってカウントでしょ?そうだよね?ってことではい!」
「ぅ、わ!?」
ニコニコ笑顔のまま宗太をベッドに引きずり込む円。そのまま時間が来るまでずっと抱かれることに。
後半イキすぎて記憶は無いし、体の痛みが酷いが、それでもどうにか家に帰ってきた宗太。もう会うこともないだろう……と思っていたら、知らない番号からメッセージが。
『今日はめちゃめちゃ良かったよ♡俺、君のこと気に入っちゃったから、また会おうね!』
ーーそれはつい先程別れた円からで。
「……しんっじらんねー。勝手に連絡先見んなよな」
ぐ、と唇を噛み締めると、すぐに送り主をブロックする。
人の心にズケズケと入り込んできそうな円に、宗太は警戒心を持つ。
(なんか良くないことが起きそう。絶対、二度と!あの男には会わない!!)
……そう思っていたのに。
「やほー!」
「な、んで」
大学から出てきた瞬間、あっさりと捕まってしまった。
「どうして大学っ」
「君が寝てる間にちょっと、ね?」
「クソ野郎が!……ッ悪いけど、俺はお前に用なんてないし、どっか行ってくれる?」
「ヤダ。また会おうねって言ったのに、連絡取れなくなってるし。ホント困ったんだからね?」
「俺には関係ない」
「関係なくないでしょー。あーんなに気持ちよくしてあげたのに、忘れちゃった?」
「っオイ!!こんなとこで……!」
「じゃあお話できるとこ行こっか」
そうやってまたニッコリ笑った円は、宗太を引きずってホテルへと向かう。
絶対に抱かれたくないと抵抗する宗太だけど、色々と上手い円に勝てるはずもなく、結局ドロドロに溶かされてしまう。
そうして、二度目が終わってしまえば、あとはなし崩しというか、三度目四度目……と、ほぼ円に強制されてはいるが、ズルズルと関係が続いてしまう。
(……まずい。このままじゃ絶対まずい)
これに焦りを覚える宗太。
彼は分かっていた。体の関係が続けば続くだけ、心が引っ張られて好きになってしまうと。
実際、何度も行為中に甘い言葉を囁かれて、優しく触れられる事に溺れてしまっている。このままこの時間が続けばいいのに、この人が自分のものになったらいいのに……。そんなことばかり考えるようになってしまっていた。
「好きになったら、恋人になったら、絶対別れることになる。辛い目にあう……」
傷つきたくない宗太は、今度こそ本当に円に会わないことを決める。
「話がある」
「なぁに?」
「もうお前とは会わない。連絡も取らない。俺に付きまとうな」
いつもと同じように大学前に現れた円に、冷たく言い放つ。
「……なんで?」
「なんでもなにも、最初から言ってただろ。同じ男と二度は寝ないって。大体連絡先勝手に見たり、大学まで押しかけてくるような非常識な奴、迷惑だし」
「……ふーん?」
「そもそも俺たちって、一夜の相手だったはずだろ。名前と体の相性くらいしか知らないんだ。会わなくったって何も問題ない。そういう事だからーー」
「俺は知ってるよ」
「……は?」
いつもの笑顔じゃなく、無表情に近い顔で円は言う。
「名前と相性以外にも、俺は君のことを知ってる。高校の時に付き合ってた彼氏に『重い』って捨てられたのも、次の彼氏に浮気されて捨てられたのも、全部知ってる」
「なんで……」
「その二人、知り合いなんだよね。アイツら口が軽いから、君のこと笑いながら俺に話してくれたよ」
「ッ、なに、それ」
「あんまりにも話に聞く君が、重くて面倒くさくて、可哀想で……ずっと気になってた」
「は」
「俺ならどんなに重くても受け止めるのにとか、あのバカみたいに浮気なんてしないのに、とか。いっぱい考えてるうちに、会ったことも無い君のこと好きになっててね?そうしたらあの日たまたま、ワンナイトの相手として出会うじゃん?なんかもー、運命かと思ったよね」
「何、言って」
「会ったら想像より何倍も可哀想で可愛くて、もっと好きになった。だから、俺は君を離す気なんてない。アイツらとの恋愛で、二度と恋なんてしないと思ってるかもしれないけど、俺はどんな君でも受け入れる自信しかないから、さっさと諦めて俺に落ちてくんない?」
いつもと同じ笑顔でそう言う円。
でも、いつもみたいな圧とか胡散臭さなんてなくて。
自信たっぷりに何もかもを見透かしてる彼に、宗太は敗北を悟ったのだった。
(もしこれが嘘でも、この先不幸になるとしても、こんなの好きにならないなんて無理でしょ)
涙を浮かべながら宗太は、初めてベッド以外で円に抱きついたのだった。
それからの二人はというと。
宗太の不安は杞憂に終わり、いつまでも幸せに、寄り添いあって日々を過ごしたのだとか。
おしまい!
超一途美形×ひねくれ(?)平凡
CP名:塩尻円×井村宗太
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