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オリジナル
73.激重執着ストーカー俳優×ファン(美形×平凡)
しおりを挟む大学生の平凡くん(秀矢)には、推しの俳優がいる。
子役からずっとテレビに出続けている売れっ子で、めちゃめちゃ綺麗な顔をしたイケメン(晴之)。若い頃1度スランプに陥ったという噂も聞いたが、そんなの感じさせないほど素晴らしい演技力で、世の中のファンを魅了している。
そんな晴之が30歳の節目に写真集を発売することに。
秀矢はもちろん購入。何冊か購入して観賞用や保存用などで取っておくつもりだが、真のお目当ては発売記念に行われるサイン会の応募券である。
まとめて送ってみればなんの奇跡か、かなりの倍率の中から当選。ドキドキワクワクのサイン会を迎えることに。
女性ファンが多い中、ソワソワしながら順番を待つ。
ついに自分の番が来て、憧れの晴之と対面する。テレビ越しに見る何万倍もイケメンで、なんかいい匂いがするし、声もセクシーでもう、今にも鼻血を吹きそうなほどテンション上がる秀矢。挙動不審気味な秀矢を見ても、晴之はちっとも嫌な顔せず、むしろ蕩けるような笑みで対応してくれる。サインを貰ったあと、爪の先まで美しい手と握手をさせてもらって天にも登る気持ちでいれば、その手の中に、なにやら握らされていることに気づく。
「……?」
列から外れてそれを確認すると、だれかの連絡先が書かれた紙が。
「こ、これって……!?」
いやいやそんなことあるはず……でも、あの人が直接握らせてくれたし……でもなんでそんなことある??
グルグル考えても仕方ないので、夜も更けてから覚悟を決めて掛けてみることに。
呼び出し音が2コールほどですぐに取られて驚く秀矢。
「あ、あの……」
『もしもし? 今日来てくれた子、だよね?』
聞こえてきたのは間違いなく、大好きな晴之の声。
嬉しくって恥ずかしくって、訳分からん!てなりながらも、この与えられた奇跡をめいっぱい楽しもう!!って気持ちでいっぱいおしゃべりする。
『君と話が出来て嬉しい……。良かったら明日も電話していいかな?』
「ひぃえ!? で、でもそんなこと、いいんですか……?」
『もちろん。僕がしたくてしてるんだから。……いいかい?』
「もっ、もちろんです!!嬉しいです……ッ!」
それから毎日憧れの人と通話することになるのだが、それからあれよあれよという間に告白されて付き合う流れになってしまう。
秀矢は死ぬほど嬉しいけど、なんで僕……?て思ってて、幸せ過ぎて怖かったり、いつか捨てられるんじゃないか。それより彼の経歴に傷をつけちゃうんじゃないか……。段々そんな気持ちが強くなっていく。
……そんなある日、恐れていた事態……というか、晴之の熱愛報道が出る。それは自分ではなく、有名女優とのもの。
(やっぱり捨てられるんだなぁ……そりゃそうだよなぁ)
なんて、すごく悲しいけどどこか納得出来て安心しちゃう秀矢。
これ以上欲深くなって、彼に迷惑をかける前に……と連絡を絶って彼から離れることを決意。…………するのだが。
「僕のことブロックしたよね?僕の家の合鍵も返してきたし。なんで?ねえなんでなの?」
って1度も上げたことない自分の家の中に晴之がいて、死ぬほどビビる話。
このあとどれだけ晴之が秀矢のことが好きで愛しているか、君が別れると言うなら俳優なんて辞める!……なーんてことまで言われて、折れるしかないというか、彼と一緒にいることを約束させられるのであった。
激重執着(ストーカー)美形俳優×平凡ファン
…………これは秀矢視点。
以降晴之視点↓
子役としてデビューし、売れていた晴之。
けれども中学生になったあたりから、クラスメイトからは陰口を言われたり仲間はずれにされるように。
(まぁ、辛いけどそんなに学校も行ってないし、仕事頑張ろ)
って自分を納得させて仕事頑張るんだけど、声変わりとか、成長期で身長伸びて……とかでなかなか仕事が取れなかったりする。
そんなのと重なるように両親が不仲になって、とうとう高校生の頃に離婚してしまう。おまけに出ていった母親が、自分の稼いだ金を持って出て行ってしまい、もう立ち直れないかもってくらい落ち込む晴之。
ある日なんにもする気が起きなくて、辛くてどうしようもなくて、公園のベンチでひとり泣いてた晴之。
ぼーっとしていると、隣に気配が。
見ると5歳くらいの男の子が座っている。
「どうしたの? なんでないてるの? けがしたの?」
心配そうに顔をのぞきこんでくる子供。
それは下心や裏なんて感じられない、純粋に晴之を心配する顔をしていて。
「……なんでもないよ」
「ほんとに? ぼく、なみだがとまるおまじないしってるから、やってあげるね!」
「え、いや……」
「よいしょ……。よし! いたいのいたいの、とんでいけー! はいこれでだいじょうぶ!! それでね、そのあとはね……」
「……?」
ベンチの上に乗って晴之の頭を撫でながら“おまじない”をする子供。
にっこり笑うとそれから、晴之の頭をぎゅうっと抱きしめた。
「いたかったね~、でもがんばったね~。えらいえらい!」
「ッ!」
「んふふ、どう? げんきになった? これ、ぼくがないてるといっつもママがしてくれるの!」
もちもちほっぺをくっつけながらそう言う子供に、晴之は心臓を撃ち抜かれた。
愛情に、褒められることに餓えていた晴之を、こんなに小さな子供が救ってしまったのだ。
「……きみ、名前は?」
「ぼく? ぼくはしらいししゅうや! いつかわほいくえんのちゅーりっぷぐみなんだよ~!」
楽しそうに笑うその顔がこの世の何より輝いて、愛らしく見えて、晴之はうっとりする。教えてもらった名前と情報を何度も心の中で繰り返して魂に刻み込む。
それから少しの間子供……秀矢と話をして、彼の情報を集めていく。そうしていたら母親が探しに来てしまった。
「しゅう! 勝手に居なくならないの! 心配したでしょ!」
「ごめんなさいママ~」
「ほら、お姉ちゃんの発表会終わったから帰るわよ!」
「はぁい……。お兄ちゃんバイバイー!」
母親に手を引かれて秀矢は帰って行ったが、この公園に来た時とは違い、もう悲しくも寂しくもなかった。
「しゅうやくん、また逢おうね♡」
それから塞ぎ込んでいたのが嘘のように、また仕事にも学業にも本気を出し始めた晴之。
いつか彼が大きくなった時、すぐに気づいて貰えるように。彼を養えるだけの金を貯めるために。
一時期は引退も噂された彼は、運命の出会いによって、その存在や実力を確固たるものにしたのだった。
こうして晴之は、仕事の合間には秀矢の様子を探り、悪い虫がつかないようにしたり、彼の生活や情報を随時チェックしたりと完璧なるストーカーと化す。(本人は愛のためと思っているので悪気なし)
そして写真集発売した日。
秀矢の行動は盗聴()により把握していたので、実際は抽選なぞ関係なく彼は当選。
サイン会の時も、秀矢の番が来るまでずーーーっと手袋して握手してたのに、秀矢とだけは素手で接触。(その後また手袋)
プライベートの電話番号教えてそのままグイグイ押しまくったのだった。
ちなみに熱愛報道の女優は、単なる共演者。向こうには恋人がいてゾッコンなの知ってたから、恋愛相談(??)してた所を撮られただけ。
秀矢から距離取られた時はクッッソ荒れまくってて、マネージャーも恐怖するほどキレてた。
晴之は高校卒業後くらいに事務所移籍してるんだけど、そこの社長には
「心に決めた相手がいる。その子と結婚するつもりだけど邪魔するならこの事務所も、仕事も辞める」
って脅しとも取れるような宣言をしてる。(受け入れられた)
そんなこんなで秀矢は
「昔かっこいいお兄ちゃんに会ったなー」
くらいの記憶しかないけど、相手から死ぬほど執着されてるお話でした!
お互い好きだから、この先も別れないし、なんなら結婚するし、秀矢は専業主夫になって軟禁(())されるよ!よかったね!!
CP名:南里晴之×白石秀矢
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