夢で会った猫は異世界からの迎え!?僕は異国のお姫様!?

猫兎彩愛(ねこうさあやめ)

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星の川、兄との思い出

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ガラク・ロード(森の部分)の出口が見えてきた。森を抜けると目の前には星の川が広がっていた。例えるなら天の川の様な道だ。この星の川こそ、ガラク(銀河)の名に相応しい道といえる。

私は、その美しさに見惚れてしまっていた。

「綺麗……」

そう呟いて星の川を見詰めていると、カイが、

「そうか……アステリアは初めてだもんな?ここに来るの。俺は案内人だから、何度かここには来たことあるよ。アステリアは、この修行の前は国から出た事さえなかったな」

「ううん、そんなに出たことはなかったんだけど、一度、お兄様とここには来たことあるの……思い出の場所なの。ここは」

私は遠い目をして、星の川を見詰める。

「お兄様……って、アクトル王子?」

カイが尋ねる。

「うん、そうよ。アクトルお兄様……」
私が寂しそうに答えると、カイは心配そうに私を見つめる。

「そうか、一緒に来てたんだな。アステリアの思い出の場所か。お兄様に、会いたい……?」

「うん……でも、もうお兄様には会えない。お兄様は私を庇って……」
私は言葉が出なくなり、その場にしゃがみこんでしまった。

「ごめん、アステリア。辛いこと思い出させて」
そう言うと、カイは私を抱き締める。

「ううん、大丈夫。ありがとう。ダメね、もう吹っ切れてると思ったのに」

「そんなことないよ。家族を亡くすことはとても辛い。それにアステリアは頑張ってたよ。テルスに行って、男の子の生活をしてたのだって、アクトル王子の為だろう?」

「うん、お兄様が二十歳になる時に、もう一度行きたいって言ってたから。行く前に、私にテルスの事を教えてくれたの。みんな優しくて、凄く良い人達ばかりだったって。それに、テルスはとても綺麗で……って」

涙が溢れてきた。お兄様はもう、この世にはいない……カイの抱き締める手が強くなる。顔を上げると、心配そうに見ていた。

「アステリア、大丈夫……か?俺もアクトル王子にはお世話になったよ。俺が本当の弟みたいに接してくれた。アステリアと同じで、身分を感じさせないようにしてくれてたしな」

「うん、お兄様は優しいもの。だから……だからっ……せめてお兄様の意思を継いで、テルスで男の子として過ごしたかったの。でも居心地良すぎて、アステリアとしての自分を忘れちゃってたね」

私が涙を流しながらも、カイに心配をかけてはいけないと思い、少し笑ってみたり、照れながら話してみた。すると、カイも思い出した様に優しく微笑み、

「そうだな。本当に記憶が戻らなかったらどうしようって、正直かなり焦ったよ。しかし、俺、『ミドリ』って名前間違っちゃってたし、本当ごめん」

カイが申し訳なさそうに言ってる。それに対して、私は思い出していた事を話した。

「その事ならもう良いよ。それにお兄様はあの字の事、『碧』ミドリって読んでたし。お兄様がきっと、カイにテルスの字を教えた時もそうだったのかなって思って。私はあえてその字を『アオイ』って読むことにしたの」

お兄様、テルスでの言葉、凄く気に入ってたもんね……カイにもいっぱい教えたんだな……

「そうだったんだ。うん、確かに、王子には『ミドリ』って聞いた気がするな」

「ごめんね、紛らわしくて。お兄様が好きだった字、お兄様が使ってた字をそのまま使うよりは、他の読み方で使いたかったの……」

私が寂しそうに言ったからなのか、まだ、涙で濡れている頬を拭ってくれ、頭を撫で、額に軽く口づけた。

「……っ。か、カイ?」

驚いて、顔を上げると、カイは顔を真っ赤にして、照れながら呟く。

「アステリアの全てを今、癒す事は出来ないかもしれない。でも、俺が居るから……」

そんなカイが凄く愛おしい……

「カイ、ありがとう。そう言ってくれて嬉しい……これからも側にいてね?」

カイは少しまた困った顔をしたけれど、すぐに笑顔になった。

「当たり前だろ!俺がアステリアを守るから。ずっと側にいる」

カイは私の手を引いて走る。星の川に辿り着いた。

「カイ、ここ渡るの?」

「そうだよ。ここは飛んで、川に沿って渡るんだ。浮遊魔法、大丈夫か?」

「浮遊魔法……うん、大丈夫だと思う」

私が少し不安そうに言うと、カイはしっかり手を繋いでくれた。

「自信ないか……?大丈夫だ。俺がしっかり手を繋いでおくからな。誘導もちゃんとする。アステリアは飛ぶことに集中してくれたら良いよ」

カイが凄く逞しく見える。

「ありがとう。やっぱり、私にはカイが居ないと、だね」

自然に笑顔になる。
星の川を飛んでいく。その先に扉が見えた。

「あの扉に入ると、そこはもう、アトラスだぞ。もう少しだ。頑張れ」

「そか。もう、終わっちゃうんだね……」

寂しさが込み上げてきた。仕方がないけれど、もう少しで終わり。あの扉を抜けると……
長いようで、早かったな……
そうこう考えてえているうちに扉の前に来てしまったーー。




    
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