入れ替わった彼女

チャロコロ

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中学時代の思い出 2

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 「ただいまぁ」
 「あっ、おかえり伊吹」
 母さんが料理をしながら返事をする。
 「あー疲れた。練習きついわ」
 「はいはい、あーこら伊吹!洗濯物はカゴの中に入れろっていつも言ってるでしょ」
 「メシまだ?」
 「もうすぐできるわよ」
 「今日のメシ何なの?」
 「焼き魚とサラダと煮物よ」
 「えー肉は?肉ねえの?」
 「あんた毎日肉ばっかじゃん。魚も食べなさい」
 母さんがわざとらしい溜息をついた。
 「んーだよ」
 俺はテレビを付けながら文句を言う。腹が減ってる時は肉を食いたい。肉さえあればご飯何杯でもいける。あー腹減ったー。
 「ねえメシまだー?」
 「もうすぐできるって言ってるでしょ」
 今明らかにキレた。
 カバンから乱雑に入れていた体操服やユニフォームを取り出して洗濯機に投げ込んだ後にテレビをお笑い番組に変えた。
 テレビを見るともなしに見ていると、
 「はい、できたよ。さっさと手を洗ってきなさい」
という声がしたので、急いで手を洗ってご飯をかき込む。
 「ちゃんと噛んでたべなさい」
 そんな声を無視してバクバク食べまくった。

 「どうせ行くなら東京に行きてーよなー」
 佐々木が交差した両手を頭に乗せながら口を尖らせている。
 「そうだな、京都でもいいのにな」
 俺もしおりを軽くめくった後に机に投げた。
 「浅草行きてー」
 渋いな、佐々木君。
 ウチの中学校のキャンプは、隣県の田舎町に行って二泊三日のテント生活を送る。ただそれだけだ。
 当然一通りのレクリエーションはあるけど、俺達にとっては心底でどうでもいいことだ。まあキャンプに行くのに都会だったらおかしいけど、田舎に住む中学生が似たり寄ったりの田舎に行っても何も面白くない。
 やっぱ都会で買い物したいと思うのが普通だろう。授業よりはマシだ、部活も休みになるし。
 「月野さん、月野さーん」
 佐々木が唐突に大声を上げる。
 おいっ、おまっ!一瞬で心臓が張り裂けそうになった。
 首が折れてもおかしくないスピードで教室を見渡した。月野さんは……いた、いたっ。
 「大きい声で呼んだねぇ。何の用?」
 月野さんが近寄って来た。思わず見つめてしまった。眼が合いそうになって、瞬時に下を向いた。見ていたことがばれるのが怖かった。
 「キャンプの時同じ班だから、カレーよろしくね」
 「当然頑張るわ。でも男子も頼むわよ」
 「任しとき、俺はカレーの味にはうるさいからね。味見には自信ある」
 佐々木が超イケメンな顔で微笑んだ。白い歯がまぶしいぜ。
 「料理ができる男子はポイント高いらしいよ。私もイケメン男子が作った料理食べたーい」
 「えっ?そうなの?実は俺料理も得意なんだよ。毎日晩飯作ってっから」
 そんなこと初めて訊いた。
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