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中学時代の思い出 4
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台風が日本で猛威をふるい、川の増水や土砂崩れなどが発生してやりたい放題やって去っていった。
そのおかげと言っては何だが、暴風警報で学校が休みになったのは嬉しかった。
一日中ダラダラと過ごしながらジュースと菓子を大量に食べまくったおかげで胃の調子がおかしくなり、人生で初めて胃薬を飲むという軽いハプニングも発生したが、すぐに元気になった。
台風は夏も一緒に連れて行ってくれたみたいで、キャンプ当日にはすっかり秋模様に変身していた。
夏が大嫌いな俺は薄い服を一枚はおるようになるこの時期が一番好きだ。しかも今日は勉強しなくても先生に怒られない。
「皆さん、中学生らしく規律を守って無事帰って来てください」
校長先生の無難で簡単な挨拶が終わると、クラスで分けられたバスに分乗するよう指示される。
そう……、俺達は知っていた。乗車するバスによって運命が大きく左右されることを。バスに向かう短い道中、隣にいる佐々木の喉仏が大きく上下したのを見て自然と緊張感が高まる。
「伊吹……」
その一言に重みを感じる。俺は無言で頷いた。
他の男子生徒も気持ちは一緒だ。普段はいがみ合っている連中も今は団結している。
「1組の皆さんはこちらでーす」
バスの方から聞こえる声に男子生徒の視線が集中する。
「おっ、おいっ……、あれっ」
佐々木が思わず呟いたが、誰もその声に耳を貸さない。
今起きている現実に眼を向けることで精一杯だった。
「こんなことがあっていいのか?」
他の男子生徒ががっくりと肩を落とした。膝を着いて項垂れる者まで現れた。
「バスガイドさん、男じゃねえか」
佐々木が真実を口にしてしまったことで現実感がより一層増した。
「1組」と書かれた旗を持ったお姉系男子のバスガイドさんが手を振りながら全力の笑顔を見せている。
おう……飛び跳ね方が乙女だ。
「今回バスガイドを務めさせて頂きます杉本源輔と言います」
静まりかえった車内にはしゃいだ声が響き渡る。ってか男らしい名前だな。
隣に座っている佐々木に至っては屍状態で動かない。口閉じろ、ヨダレ拭け!いくら何でもショック受けすぎだろ。
「えー彼氏がいるかですって?それはヒミツです」
誰かそんな質問したか?
「ヒントは、彼氏募集中ってことかな」
だから訊いてないって。
こんな白けた雰囲気の中ではしゃげる彼女、いや彼氏はすごい。
皆の元気がなかったのは最初だけだった。
佐々木はいつの間にかお姉系バスガイドと肩を組んで歌を歌っている。どっちもノリが良い。バスガイドさんは楽しみながらも調子が悪そうな生徒に優しく声をかけていた。キャンプ場に到着するまでの3時間があっという間に感じる程楽しい時間が過ぎると、お別れの時間だ。
「皆ケガに気をつけるのよー」
大粒の涙を流しながら生徒を見送るバスガイドさんのいかつい姿を見た他のクラスの生徒が驚いた様子でこちらを眺める。
最後は皆で万歳三唱した上でバスガイドさんを胴上げした。
……皆は気付いているだろうか?帰りも同じバスガイドさんだということを。
そのおかげと言っては何だが、暴風警報で学校が休みになったのは嬉しかった。
一日中ダラダラと過ごしながらジュースと菓子を大量に食べまくったおかげで胃の調子がおかしくなり、人生で初めて胃薬を飲むという軽いハプニングも発生したが、すぐに元気になった。
台風は夏も一緒に連れて行ってくれたみたいで、キャンプ当日にはすっかり秋模様に変身していた。
夏が大嫌いな俺は薄い服を一枚はおるようになるこの時期が一番好きだ。しかも今日は勉強しなくても先生に怒られない。
「皆さん、中学生らしく規律を守って無事帰って来てください」
校長先生の無難で簡単な挨拶が終わると、クラスで分けられたバスに分乗するよう指示される。
そう……、俺達は知っていた。乗車するバスによって運命が大きく左右されることを。バスに向かう短い道中、隣にいる佐々木の喉仏が大きく上下したのを見て自然と緊張感が高まる。
「伊吹……」
その一言に重みを感じる。俺は無言で頷いた。
他の男子生徒も気持ちは一緒だ。普段はいがみ合っている連中も今は団結している。
「1組の皆さんはこちらでーす」
バスの方から聞こえる声に男子生徒の視線が集中する。
「おっ、おいっ……、あれっ」
佐々木が思わず呟いたが、誰もその声に耳を貸さない。
今起きている現実に眼を向けることで精一杯だった。
「こんなことがあっていいのか?」
他の男子生徒ががっくりと肩を落とした。膝を着いて項垂れる者まで現れた。
「バスガイドさん、男じゃねえか」
佐々木が真実を口にしてしまったことで現実感がより一層増した。
「1組」と書かれた旗を持ったお姉系男子のバスガイドさんが手を振りながら全力の笑顔を見せている。
おう……飛び跳ね方が乙女だ。
「今回バスガイドを務めさせて頂きます杉本源輔と言います」
静まりかえった車内にはしゃいだ声が響き渡る。ってか男らしい名前だな。
隣に座っている佐々木に至っては屍状態で動かない。口閉じろ、ヨダレ拭け!いくら何でもショック受けすぎだろ。
「えー彼氏がいるかですって?それはヒミツです」
誰かそんな質問したか?
「ヒントは、彼氏募集中ってことかな」
だから訊いてないって。
こんな白けた雰囲気の中ではしゃげる彼女、いや彼氏はすごい。
皆の元気がなかったのは最初だけだった。
佐々木はいつの間にかお姉系バスガイドと肩を組んで歌を歌っている。どっちもノリが良い。バスガイドさんは楽しみながらも調子が悪そうな生徒に優しく声をかけていた。キャンプ場に到着するまでの3時間があっという間に感じる程楽しい時間が過ぎると、お別れの時間だ。
「皆ケガに気をつけるのよー」
大粒の涙を流しながら生徒を見送るバスガイドさんのいかつい姿を見た他のクラスの生徒が驚いた様子でこちらを眺める。
最後は皆で万歳三唱した上でバスガイドさんを胴上げした。
……皆は気付いているだろうか?帰りも同じバスガイドさんだということを。
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