入れ替わった彼女

チャロコロ

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中学時代の思い出 11

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 また、月野さんは怖い話や学校の都市伝説といった話を集めるのが趣味だということも知った。
 俺もそういう類の話は好きなので教えて欲しいと頼むと、彼女は生徒の名前を伏せることを条件に重い口を開いてくれた。
 ある日、他のクラスの女子が国語の教科書を忘れてしまい、直前で気付いた彼女は急いでウチのクラスに教科書を借りに来たらしい。
 その日俺達のクラスは国語の授業がなかったので誰も教科書を持っていなかったが、ある男子生徒だけが偶然教科書を持っていたのでその女生徒に貸してあげた。
 女生徒が礼を言って授業で使っていると、あるページに眼が止まって手を止めた。
 そこには小さいがしっかりとした字で『俺の正体は誰にもバレてない』と書かれていたらしい。彼女が次のページを開くと『あの組織を潰さないと世界に平和は訪れない、どにかしなければ』と乱れた字で書かれていた。余程切羽詰まっているのだろう。
 女生徒は教科書を返した後、人目を盗んで教科書を貸してくれた生徒の机に『何故我々の陰謀に気付いている?』と書いたメモを置いて様子を見ることにした。
 廊下から覗いて様子を見ていると、男子生徒はメモに気付いて一読すると驚いた様子で周囲を伺いながらトイレに走っていった。
 5分後、男子生徒は何ごともなかったようにトイレから戻ると、右手を大きく上げて廊下にある掃除道具用ロッカーに何かを仕込んでいた。
 女生徒が後で確認すると、ロッカーの上部にセロテープで貼られた紙があり、そこには『何故俺のことを知っている?お前は誰だ?』と書いてあったそうだ。
 そこから二人の駆け引きが始まった。
 『お前の父親は組織の人間だった。Jと呼ばれた優秀な研究者だったんだ』
 『何だと?俺の親父は建築士だが、それは表向きの仕事だというのか?』
 『そうだ、お前も組織の一員にならないか?』
 『ふざけるな、俺は親父とは違う。お前達に世界は渡さない』
 『ならば消えてもらうだけだ』
 『ふざけるな……』
 ちょっと待った、と言って話を切った。
 どこが都市伝説なんだよ。どう考えても、その男子生徒は佐々木だろ。
 ってか他にこんなことやる奴いないよ。
 ちなみにそのやり取りは今でも続いているらしい。
 そう言えばこの前佐々木が「伊吹、俺実はな……。いや悪い、何でもねえ」と歩き出すと、「俺に何かあったら……、この世界を頼むぞ」と手を上げて走り去っていった。
 このことかよ。そもそもお前救世主じゃねえし、俺も引き継がれても困る。
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