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12月3日 覚悟
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12月3日
授業が終わり、1日の終わりが迫るように夕陽が学校を淡く染めていた頃、旧校舎1階にある図書室の書庫に通じる古い扉が僅かに開いていた。
そこには恰幅のいい定年間際の男性教師が54年前の卒業アルバムを見つめていた。
教師は自分の顔写真を見て、思わず微笑んだ。
この時に比べて白い髪が増えたうえに頭髪がさみしくなり、より浅黒くなった顔には目じりや口元に幾重もの深い皺が刻まれているが、顔の形自体はほとんど変わっていない気がしたからだ。
懐かしい思いで旧友達の顔写真を1人1人確認する。
中にはほとんど記憶のないクラスメイトもいたが、大概の生徒は覚えていた。
今となっては誰とも付き合いがなかったが、彼らが今どこで何をしているか、無性に知りたくなった。
この中の何人かは既に逝去している者もいるだろう。本来なら72歳になっているはずなのだから。
いつの間にか彼の視線は1人の女子生徒に釘付けになっていた。
江藤縷々子。
教師は写真に問いかけた。
君は何故こんなことをしたんだ。
俺は最低な人間だ。
自分なりに必死に考えた結果、俺は同じ過ちを繰り返すことしかできないことに気が付いてしまった。
それは……。
背後からギギギッという扉を押す、重く低い音に教師はゆっくりと振り返った。
顔を見なくても誰が来たのか分かっていた。
いや、彼自身がそれを待っていたのかも知れない。
彼は教師として、最後の責任を果たそうとした。
「佐々木先生、ちょっといいですか?」
鈴原は古いアルバムを開いている老教師に声を掛けた。
鈴原は震えた手に高鳴る心臓を必死に抑えながら、なるだけ冷静を装って佐々木を見据えた。
佐々木はしゃがんだままの姿勢を変えないまま鈴原をじっと見つめた。
授業が終わり、1日の終わりが迫るように夕陽が学校を淡く染めていた頃、旧校舎1階にある図書室の書庫に通じる古い扉が僅かに開いていた。
そこには恰幅のいい定年間際の男性教師が54年前の卒業アルバムを見つめていた。
教師は自分の顔写真を見て、思わず微笑んだ。
この時に比べて白い髪が増えたうえに頭髪がさみしくなり、より浅黒くなった顔には目じりや口元に幾重もの深い皺が刻まれているが、顔の形自体はほとんど変わっていない気がしたからだ。
懐かしい思いで旧友達の顔写真を1人1人確認する。
中にはほとんど記憶のないクラスメイトもいたが、大概の生徒は覚えていた。
今となっては誰とも付き合いがなかったが、彼らが今どこで何をしているか、無性に知りたくなった。
この中の何人かは既に逝去している者もいるだろう。本来なら72歳になっているはずなのだから。
いつの間にか彼の視線は1人の女子生徒に釘付けになっていた。
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君は何故こんなことをしたんだ。
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自分なりに必死に考えた結果、俺は同じ過ちを繰り返すことしかできないことに気が付いてしまった。
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いや、彼自身がそれを待っていたのかも知れない。
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佐々木はしゃがんだままの姿勢を変えないまま鈴原をじっと見つめた。
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