旧校舎の少女

チャロコロ

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真実 1

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 三嶋先生はイスを引いて静かに立ち上がった。
 話を訊き入っていた鈴原は、イスを引く音で現実の世界に戻ってきた。
 彼女はカバンから一冊の本と取り出してテーブルの上に置いた。
 それは本校の過去20年分の卒業アルバムのうち、昨日確認した時にはなかったものだった。縷々子さんは古い時代から語り継がれていたと訊いていたので、1年分のアルバムが抜けていても気に留めていなかった。
 「私もここの卒業生だったのよ。3年5組だった。ねえ佐々木先生」 
 やはりそうだったのか。だから彼女は縷々子さんのことを知っていたんだ。鈴原は無言でアルバムを手に取ると、パラパラと捲って3年5組の集合写真が貼られているページを開いた。
 「これが三嶋先生ですね」
 指を指すと、三嶋先生は微笑みながら頷いた。
 「あれっ、この先生……」
 集合写真の真ん中に、恰幅のいい先生がこちらを見つめている。
 「あら、訊いていなかったの?私の担任は佐々木先生だったのよ」
 「そうだったんですか」
 縷々子さんの同級生で、人を殺めた三嶋先生達の担任だった佐々木。
 13年の時間を遡ってここにいるのには、縷々子さんにとって必要な存在だったからだろうか。
 鈴原は更にページを捲って3年5組の個人写真に眼を通す。
 担任の佐々木先生を見て疑問を感じた。今と全く変わっていない。
 三嶋先生の写真はやはり若い。高校生という感じだ。
 鈴原は三嶋先生の横に写っていた女子生徒を見て、眼を疑った。
 正確には女子生徒の写真に書かれている名前を見て驚愕した。
 単なる偶然だろうか。
 すぐに男子生徒側の個人写真に視線を移した。そうか、そういうことだったのか。でも、何で……。
 「13年の時間を遡ってきたのは佐々木先生だけじゃなかったんですね」
 鈴原はアルバムを閉じた。
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