私の旦那様は地上最強でした!

GARUD

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8 汚いなさすがミレーヌさんきたない!

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「これはヒドイな。」

ライトさんは先ほどの男達がやらかした惨状に改めて感想を漏らし…そのお顔は怒りに染まっています…

「ライトさん……顔が怖いですよ?どこかお怪我を?」

「ライト様……大丈夫ですか?」


「済まない。2人には心配かけたね」

「いえ……」

「ライト様が無事ならそれで私は……」

「ところでレナート。話が聞きたいんだが──いいか?」

「はい……」

そこで私達はレナートさんから事の真相を聞きました──

事の始まりは近くに大貴族御用達の服屋が出来たのがきっかけだったようです。
その服屋はなんでも、この街で人気のレナートさんの服屋があるせいで思うように売上が伸びずにいたのか───

数ヶ月が過ぎた頃。

朝早く店の入り口に猫や鳥の死骸が置かれるようになったそうです……

レナートさんは誰かのイタズラだろうと思い気にしないでいたらしいのですが…

そのうち店の壁に落書きをされるようになったそうです……

それも気にしないでいると…先ほどのような男達が度々来るようになった

────という事でした。

なんてことでしょう!とても許せることじゃありません!ひどい服屋もあったもんです!

私は絶対にそんな服屋さんで買い物なんてしてあげません!……

まぁそもそも…そんなお金もないんですけど……と私が肩を落としていると──


「ちょっと、皆外へ出ていてくれないか?」

「ライトさん?急にどうしたんですか?」

ライトさんの急な要請に皆さん一様に頭に?マークを浮かべています。

するとライトさんが…一言

「この惨状を魔法で元の状態に戻す」

「「ええ!」」

私もそうですけど、ミレーヌさんも興奮した様子でライトさんに説明を要求しています!

するとライトさんは周囲の時を戻す魔法だ──と、しぶしぶ…といった感じで簡単に説明?してくれました!
全く意味がわかりません!!

ミレーヌさんも同様に?マークを浮かべています!

さらにライトさんはレナートさんに向かって……

「元に戻す時に足場や立ち位置に何があるか解らないから、外で待っていて欲しいんだ。レナート達は店を開けて俺を一人にするのに不安かもしれないが──」

「信じます。貴方は何も利がないにも関わらずゴロツキを退治してくれました。貴方は信用に値します。」

ライトさんの説明に頷き、レナートさんは従業員さん達を連れて外へと歩いていきました。

「外で待ってます!」
「ライト様頑張って!」

と私とミレーヌさんも店の外へと移動します。

そうしてお店の中にはライトさん一人が残されて───

そんな一人佇むライトさんを壁に空いた穴から皆さんで見ていると──

「ぇ────」

突如店内の景色がゆっくりと動いていくのがわかりました!

先ほど男達に倒された棚は元の位置へと戻り、散らばった服も棚の中へと戻って…

私達が現在覗いている…ライトさんが開けた壁の穴もじわじわと塞がっていきます。


そして数分後───

ライトさんの許可が出て、店内に戻ってみれば…

全てが元通り…私達が来店した時のキレイな状態に戻ってます!信じられません!!

まるで神様の奇跡を見ているかのようです!!


「すごい!ライトさんすごすぎます!」

「ライト様ってなんでもできるんじゃ……」

「おお……すごい……壁の穴まで全てが元通りに……」

レナートさん…ライトさんが空けた壁の穴が一番心配だったんですね……

レナートさんの反応にライトさんも苦笑い


「んじゃ2人とも帰るよ!流石に魔力を使いすぎたからフラフラする」

「ええ!それじゃあ帰ったらご飯が出来るまでゆっくり寝ててください!」

「アンナさん、私も手伝います!2人でライト様の疲れが吹き飛ぶような美味しいご飯を用意しましょう!」

私達はお互いの顔を見つめ、頷き合い「やるぞー!」「おー!」と掛け声一つ……チラッと盗み見たライトさんのお顔は微笑んでいて……


その夜───食事を終え、夜も更け……私が睡魔に負けまどろんでいたその時……


───ガチャ───

玄関の方から音が聞こえました。

私は恐る恐る玄関へと足を運ぶと……そこにはなにも無く……

私は怖くなってライトさんの部屋へと向かいました……

こんな深夜に不気味な音が聞こえ私は恐怖していたのです……

断じてライトさんの寝顔を見たいとかそういう事じゃありません……

そろ~り

そろ~り

私は足音を立てないよう注意を払って移動します……

なぜ忍び足?

もちろん寝ているであろうライトさんを起こさないタメです!

起こさないのに部屋に行く意味はあるのか?って?

勿論あります!

寝顔を見たりとか寝顔を見たりとか寝顔を見たりとか!

あああああ!そうじゃないんです!そうじゃないんです!

でもでも!好意を寄せている殿方の寝顔……見たいと思うのが乙女ってもんじゃないですか!


そろ~り

そろ~り

そして私は辿り着きました…そう!私の目の前にはライトさんの部屋へと続く扉があります!

「ふぅー…はぁー」

よし!深呼吸して落ち着きました!……では~…お邪魔しま~~す……


ガチャ


「ラ・イ・ト・さ~ん……ってあれ?」

ベットで寝ているであろうライトさんが見当たりません!

部屋はもぬけの殻というやつです!

そうか!わかりました!先ほどの玄関からの音はライトさんが外に出た音だったんですね!

ライトさんがいらっしゃらないのでは仕方ない……


ばふ~~ん!


そう!いらっしゃらないのだから仕方ない!

私がライトさんのお布団で少々暖を取っても仕方のないことなんです!
だってライトさんはいらっしゃらないのですから!
ライトさんが昨晩ご就寝なされた布団……って!私はこんな変態な子じゃありません!
匂いを嗅ぐなどと……嗅ぐ…など……くっ!


ガチャ


「ラーイートーさーまーってあれ?アンナ……何してんの?」

「ひぅ─────みみみみ」

「アンナ……まさか抜け駆け!そうなのね!ライト様はどこ!」

「みみみミレーヌさん!なぜライトさんのお部屋に来たのですか!」

「はああ!?言う!?アンナが言っちゃうのそれ!?」

「わわわわ私は別に!玄関の方から音がして怖くて……つい……ミレーヌさんはなんで来たんですか!!」

「え~っと…」

「私はライトさんの無事を確認しに来ただけなんです!もう一度聞きますけど!ミレーヌさんはどーしてこんな夜中にライトさんのお部屋に忍び込んで来たんですかー!」

「えーっと…ライト様と…その~…」

「まさか!一夜のアバンチュール狙いですか!それこそ抜け駆けじゃないですか!汚いなさすがミレーヌさんきたない!」

「ちょっ!なんでそういうHな展開に持っていくのよ!そういうアンナだってライト様が居ないからってライト様のベットに潜り込んでなにしてんのよ!!」

「そ…それは……」

「まさか!ライト様が居ないのをいいことにライト様のベットでライト様の匂いを嗅いで一人でスルつもりだったんじゃないでしょうね!!なんていやらしい子なの!普段は清純そうなフリをしているくせにぃ!」

「すすすす!するわけないじゃないですか!!いい加減にしてください!!」

「アンナの方こそいい加減ベットから出なさいよ!!」

キーーー!
キキーーーー!



とその後私達の闘いは数時間に及びました……

そしてすっかり夜が明けた頃には私達は疲れ果て…

そしていまだに帰ってこないライトさんこそが一番悪い!という結論に至ったのです!!



それから小一時間後───


ガチャ


「あれ?二人とも早起きだね?」

などとライトさんは余裕の朝帰りをかましてくれたのです!!
そんなライトさんに私達の怒りはメーターを振り切り有頂天へと昇り、この瞬間のみ私達は普段のメイドからリアルモンクへとジョブが変貌します!


───ゴゴゴゴゴ───

と怒りの気を纏いながら───


「ライトさん……私達が一緒に住んでいるのに朝帰りだなんて……」

「ライト様は釣った魚には餌を与えないんですね~」


私達の凍えるような冷たい眼差しがライトさんを射抜く……



 「くそぉぉぉ!俺は無実だあああああ!」



そしてライトさんの慟哭は朝焼けの街へと響き渡るのでした───
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