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3(マーティ侯爵視点)
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今日は妻と娘を連れて街の視察を兼ねて、買い物に来ている。
私によく似た顔立ちと髪色をもち、少し冷たい雰囲気にも見える姉のエマは、表情がよく変わり、周りのことにもよく気がつく優しい性格だ。
妻によく似た妹のアリスは、美しい金髪とぱっちり二重の愛くるしい顔をしている。妻がかつて歌姫と称されていた遺伝子を引き継いだのか、アリスにはピアノの才能があった。
どちらも可愛い自慢の娘で目に入れても痛くないほどに可愛い。
そして何よりも愛する妻は、昔私が妻の歌を聞き、あまりの美しい声と見た目に本当にこの世のものかと目を疑うほどであった。妻は昔から美しいことで有名で、どうにか妻に釣り合う男になりたいと、積極的に他国との交流を貿易を拡大し、マーティ家を大きくした。
当時は私自身も、美丈夫といわれ、女性関係に困ることはなかったが、もともと自分の親しい人以外にはどこか冷たい性格をしていたのもあり、周りに人が寄り付く様なタイプでは無かった。
だが、妻には自分から花を送り、デートに誘い、なんとか妻と結婚することができたのである。
そんな3人の愛する家族を連れて歩くということもあり、マーティ家の騎士をつれ、市民に扮した警護もつけさせた。
しかし、飴を買い喜んでいる妻とアリスに見惚れている隙に、エマが走り出してしまい、見失った。
幸いにもすぐに見つかったが、そこには大人の男に立ち向かう娘の姿があり、肝が冷えた。
エマは妹のことが好きすぎる故に、アリスがとても可愛く自分はそんなに可愛くないと思っている節があるが、エマも子供とは思えない美しさを放っていることで有名なのである。
そんなエマが、無防備にも知らない男の前に立ちはだかるなんて、誘拐してくださいと言っている様なものだ。警備隊がいるとはいえまだ治安が良いとは言いづらい。
私はすぐに騎士に男を捕まえさせ警備隊に引き渡した。
男を警備隊に受け渡し、やっと冷静さを取り戻すと、エマが少年を庇っていたことに気がついた。
そしてその少年のつけている、ネックレスを見て驚いた。
そのネックレスは知る人ぞ知る、隣の国ムーア帝国の王族を象徴するものだったのである。
ムーア帝国といえばこの国の2倍はある大帝国で、ムーア帝国の皇太子殿下と我が国の皇太子殿下が歳が近いこともあり、両国の皇太子殿下が交流も兼ねて、互いの国を行き来していた。
先代皇帝の時に奴隷制度が禁止されたのは、豊かなムーア帝国と交流を始めたいがために、褐色肌に対する差別をなくすためでもあったのだ。
そんな大帝国の皇太子殿下が、我が国で褐色肌が故に襲われたなんてことがあれば、国際問題に発展しかねない。私は急いで王族騎士団に連絡を取り、少年を我が国の城まで連れていったのだ。
無事ムーア国の皇太子殿下を王宮に送り届け、報告を済ませ家に着く頃には、娘たちは眠ってしまっていた。
私は理由をしっかり気がずエマを怒ってしまったため、エマに合わす顔がないと思っていたため、寝てくれていたのはちょうどよかったのかもしれない。
「あなた、お帰りなさい。
無事報告済みましたか?」
「ああ。とにかく何事もなく、ムーアの 皇太子殿下を王宮に送り届けられて良かったよ。
国際問題にもならずに済みそうだ。エマには感謝しないとな。」
「無事に終わったのに何を落ち込んでるのですか?」
妻は無表情と言われる私の表情に機敏で、妻に昔から隠し事はできない。
娘に怒ってしまったことを後悔していることを伝えると、
「今回は勝手に走り出したエマにも否がありますし、彼女もあなたが心配してくれた上でのことだとわかってますよ。」
妻には昔から敵わない。彼女のおかげで冷徹と称されていた私の性格も大分丸くなったと感じる。
私はなんともいえない温かい気持ちになり、妻をそっと抱きしめ、口付けを落とす。
私の愛しい妻はそれだけで頬を赤らめる。もう十何年もの付き合いだというのに、こういう可愛らしいところはずっと変わらない。
私は我慢できなくなり、妻を連れて寝室に行き、そっとベッドに寝かせる。
「マリア悪い、抱いてもいいか?」
妻は私に口付けし、恥ずかしそうに見つめ返してきた。
そのあとは年甲斐もなく妻を夜明けまで抱いてしまった。
次の日の朝妻に怒られることを予想しつつも、美しい妻の寝顔を眺めながら眠りについたのだった。
私によく似た顔立ちと髪色をもち、少し冷たい雰囲気にも見える姉のエマは、表情がよく変わり、周りのことにもよく気がつく優しい性格だ。
妻によく似た妹のアリスは、美しい金髪とぱっちり二重の愛くるしい顔をしている。妻がかつて歌姫と称されていた遺伝子を引き継いだのか、アリスにはピアノの才能があった。
どちらも可愛い自慢の娘で目に入れても痛くないほどに可愛い。
そして何よりも愛する妻は、昔私が妻の歌を聞き、あまりの美しい声と見た目に本当にこの世のものかと目を疑うほどであった。妻は昔から美しいことで有名で、どうにか妻に釣り合う男になりたいと、積極的に他国との交流を貿易を拡大し、マーティ家を大きくした。
当時は私自身も、美丈夫といわれ、女性関係に困ることはなかったが、もともと自分の親しい人以外にはどこか冷たい性格をしていたのもあり、周りに人が寄り付く様なタイプでは無かった。
だが、妻には自分から花を送り、デートに誘い、なんとか妻と結婚することができたのである。
そんな3人の愛する家族を連れて歩くということもあり、マーティ家の騎士をつれ、市民に扮した警護もつけさせた。
しかし、飴を買い喜んでいる妻とアリスに見惚れている隙に、エマが走り出してしまい、見失った。
幸いにもすぐに見つかったが、そこには大人の男に立ち向かう娘の姿があり、肝が冷えた。
エマは妹のことが好きすぎる故に、アリスがとても可愛く自分はそんなに可愛くないと思っている節があるが、エマも子供とは思えない美しさを放っていることで有名なのである。
そんなエマが、無防備にも知らない男の前に立ちはだかるなんて、誘拐してくださいと言っている様なものだ。警備隊がいるとはいえまだ治安が良いとは言いづらい。
私はすぐに騎士に男を捕まえさせ警備隊に引き渡した。
男を警備隊に受け渡し、やっと冷静さを取り戻すと、エマが少年を庇っていたことに気がついた。
そしてその少年のつけている、ネックレスを見て驚いた。
そのネックレスは知る人ぞ知る、隣の国ムーア帝国の王族を象徴するものだったのである。
ムーア帝国といえばこの国の2倍はある大帝国で、ムーア帝国の皇太子殿下と我が国の皇太子殿下が歳が近いこともあり、両国の皇太子殿下が交流も兼ねて、互いの国を行き来していた。
先代皇帝の時に奴隷制度が禁止されたのは、豊かなムーア帝国と交流を始めたいがために、褐色肌に対する差別をなくすためでもあったのだ。
そんな大帝国の皇太子殿下が、我が国で褐色肌が故に襲われたなんてことがあれば、国際問題に発展しかねない。私は急いで王族騎士団に連絡を取り、少年を我が国の城まで連れていったのだ。
無事ムーア国の皇太子殿下を王宮に送り届け、報告を済ませ家に着く頃には、娘たちは眠ってしまっていた。
私は理由をしっかり気がずエマを怒ってしまったため、エマに合わす顔がないと思っていたため、寝てくれていたのはちょうどよかったのかもしれない。
「あなた、お帰りなさい。
無事報告済みましたか?」
「ああ。とにかく何事もなく、ムーアの 皇太子殿下を王宮に送り届けられて良かったよ。
国際問題にもならずに済みそうだ。エマには感謝しないとな。」
「無事に終わったのに何を落ち込んでるのですか?」
妻は無表情と言われる私の表情に機敏で、妻に昔から隠し事はできない。
娘に怒ってしまったことを後悔していることを伝えると、
「今回は勝手に走り出したエマにも否がありますし、彼女もあなたが心配してくれた上でのことだとわかってますよ。」
妻には昔から敵わない。彼女のおかげで冷徹と称されていた私の性格も大分丸くなったと感じる。
私はなんともいえない温かい気持ちになり、妻をそっと抱きしめ、口付けを落とす。
私の愛しい妻はそれだけで頬を赤らめる。もう十何年もの付き合いだというのに、こういう可愛らしいところはずっと変わらない。
私は我慢できなくなり、妻を連れて寝室に行き、そっとベッドに寝かせる。
「マリア悪い、抱いてもいいか?」
妻は私に口付けし、恥ずかしそうに見つめ返してきた。
そのあとは年甲斐もなく妻を夜明けまで抱いてしまった。
次の日の朝妻に怒られることを予想しつつも、美しい妻の寝顔を眺めながら眠りについたのだった。
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