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15(アーサ•ムーア)
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ムーア帝国、膨大な土地を持ち、豊かな資源と発達した技術で他国とは一線を介していた。
他国から貿易のために、積極的に交流を打診される。
父親である陛下は中々外交に直接行けないため、息子である私が他国に交流に向かうことが多かった。
ムーア帝国自体は豊かなため、無理に貿易する必要もなかったが、他国へ行くことは、私自身の教育のためでもあった。他国の政治、文化を学びより良い皇帝陛下になれるよう幼き頃からたくさんの国を回った。
その中でもエストレジャ帝国はアーサにとって、思い入れのある国であった。
ムーア帝国民の中にはエストレジャに対し、悪い印象を持っているものも少なくはない。かつて奴隷制度があり、褐色肌を持つものたちが奴隷民だっただめだ。我が国と交流を始めるようになってから、奴隷制は撤廃されたものの、未だ根強い差別が残っている。
私自身が初めてエストレジャに訪れた時も、王族の人々は友好的な態度で好感が持てたが、貴族たちの中には明らかに馬鹿にするような目で見てきた奴らがいた。
それでもエストレジャの皇太子殿下である、リアムと気が合ったのもあり積極的に互いの国を行き来していた。
今日もエストレジャに来てリアムと今後の目標について話し合っていた。
「アーサ、君は一体いつになったら婚約者を作るんだ?君ももう18歳で周りもそろそろうるさいだろうに。」
小さい頃から大好きな婚約者がいるこの男は、呆れたように聞いてくる。
「何度も言ってるだろう。私はどうしても結婚したい相手がいて、彼女をずっと探しているんだ。」
「もしかしてその人って、この国で一目惚れしたって言う、例のあの子のことか?12年も前の話だろ?
そんなにずっと探していて見つからないなんて、彼女もどこかに嫁いでしまったんじゃないか?」
そう私にはどうしても結婚したい相手がいる。7歳の時にこの国で出会ったある少女に一目惚れして以来、彼女のことが忘れられないのだ。自国の女性と結婚を勧められたことは何度もあったが、彼女がどうしているか気になり、中々結婚に踏み出せずにいた。
7歳の私は、たまにはエストレジャの街を探索したいと、初めて買い物に出かけた。街に出かけると我が国では中々見かけない食べ物があり、見回るうちに騎士とはぐれてしまった。
街の方が色濃く褐色肌に対する差別が残っていることを知らなかった私は、街の男に絡まれ、着ているものを剥ぎ取られそうになった。
周りの大人は、私の様子に気づいているものの、男と同じ考えなのか、面倒ごとに関わりたくないのか、皆見て見ぬ振りをしていた。
諦めて騎士が来るのを待とうと、抵抗をやめたとき、どこからか少女が現れ、男の前に立ちはだかり、私を被ってくれた。
他国から貿易のために、積極的に交流を打診される。
父親である陛下は中々外交に直接行けないため、息子である私が他国に交流に向かうことが多かった。
ムーア帝国自体は豊かなため、無理に貿易する必要もなかったが、他国へ行くことは、私自身の教育のためでもあった。他国の政治、文化を学びより良い皇帝陛下になれるよう幼き頃からたくさんの国を回った。
その中でもエストレジャ帝国はアーサにとって、思い入れのある国であった。
ムーア帝国民の中にはエストレジャに対し、悪い印象を持っているものも少なくはない。かつて奴隷制度があり、褐色肌を持つものたちが奴隷民だっただめだ。我が国と交流を始めるようになってから、奴隷制は撤廃されたものの、未だ根強い差別が残っている。
私自身が初めてエストレジャに訪れた時も、王族の人々は友好的な態度で好感が持てたが、貴族たちの中には明らかに馬鹿にするような目で見てきた奴らがいた。
それでもエストレジャの皇太子殿下である、リアムと気が合ったのもあり積極的に互いの国を行き来していた。
今日もエストレジャに来てリアムと今後の目標について話し合っていた。
「アーサ、君は一体いつになったら婚約者を作るんだ?君ももう18歳で周りもそろそろうるさいだろうに。」
小さい頃から大好きな婚約者がいるこの男は、呆れたように聞いてくる。
「何度も言ってるだろう。私はどうしても結婚したい相手がいて、彼女をずっと探しているんだ。」
「もしかしてその人って、この国で一目惚れしたって言う、例のあの子のことか?12年も前の話だろ?
そんなにずっと探していて見つからないなんて、彼女もどこかに嫁いでしまったんじゃないか?」
そう私にはどうしても結婚したい相手がいる。7歳の時にこの国で出会ったある少女に一目惚れして以来、彼女のことが忘れられないのだ。自国の女性と結婚を勧められたことは何度もあったが、彼女がどうしているか気になり、中々結婚に踏み出せずにいた。
7歳の私は、たまにはエストレジャの街を探索したいと、初めて買い物に出かけた。街に出かけると我が国では中々見かけない食べ物があり、見回るうちに騎士とはぐれてしまった。
街の方が色濃く褐色肌に対する差別が残っていることを知らなかった私は、街の男に絡まれ、着ているものを剥ぎ取られそうになった。
周りの大人は、私の様子に気づいているものの、男と同じ考えなのか、面倒ごとに関わりたくないのか、皆見て見ぬ振りをしていた。
諦めて騎士が来るのを待とうと、抵抗をやめたとき、どこからか少女が現れ、男の前に立ちはだかり、私を被ってくれた。
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