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「これから狩りに行くんだけど、お前もついてくるのか?」
「きゃん!」
俺の問い掛けに、ブルータスは元気に返事をした。
どうやら俺が狩りに行くのに同行するらしい。
「そっか。じゃあ、お前の昼食も買って行かないとな」
「きゃん!」
「ミルクでいいか?」
「・・・」
俺の問いにブルータスは首を横に振る。
やはり人間が話す内容をはっきりと理解しているようだ。
「じゃあ、生肉?」
「・・・」
「干し肉?」
「・・・」
ブルータスは首を横に振るばかり。
こうなってくると何を与えればいいのか分からない。
「なら、俺と同じものを屋台で買うのでいいか?」
「きゃん!」
俺と同じものでいいかと提案してみれば、ブルータスは元気よく一鳴きしてくる。
昨日も腸詰など人間が食べるものをガンガン食べてたし、もう食事は俺と同じものでいいだろう。
体調が悪くなったとしても自業自得だ。
俺たちは昼食を屋台で買うと、森へと向かった。
森へと入った俺たちは探索しつつ奥へと進む。
いつものように、狩りや採集で稼ぐことが目的だが、今日はそれ以外に別の目的がある。
それは、ブルータスの能力を可能な限り確認することだ。
その為、周囲の探索だけでなく、ブルータスの様子にも注意を払っていた。
移動能力についてはかなり高い。街からここまで遅れることなくついて来ているのだから。
それどころか、俺の前を走って急かすこともあるくらいだ。
生後間もない姿にしか見えないというのに。
この分では昨日のよちよち歩きは擬態だったんだろうな。完全に騙されたよ。
移動能力以外に確認出来たものは嗅覚だ。
子犬のような外見から嗅覚も鋭いと思っていたけど、やはりその能力は高い。
先日食べたルトの実。あれの生る木を匂いで遠方から発見出来るのだから。
いきなり走り出したから何かと思ったけどさ。
そして、今は俺に実を採れと催促してきている訳だ。
「これでいいか?」
「・・・」
「違うのか。あ、こっちの実か?」
「きゃん!」
匂いで熟れ具合を判断しているのか、採る実の指定までしてくる。
顎で使われているような状態に若干イラッとすることはあるけど、この実を見付けてくれた功労者にはサービスしないとな。
「ほら。これでいいだろ」
「きゃん!」
俺が採って地面に置いたルトの実にかぶりつくブルータス。
俺もそれを見ながら採ったルトの実を口にする。
「うん。やっぱり美味いな。いくつかサーシャちゃんたちへのお土産に持って帰ろう」
俺はルトの実を採って、サーシャちゃんたちへのお土産用と、ギルドで売却する用に分けた。
数はそれぞれ十個ずつだ。
「じゃあ、行くか」
「きゃん!」
ルトの実を得るのに役に立ったブルータスの嗅覚。
その能力は索敵面でも力を発揮した。
「きゃん。ううううう」
ブルータスが小さく鳴く。何かを警戒しているみたいだ。
しばらくすると、ゴブリンの集団が近付いてくるのが見えた。その数八体。
まだ、こちらに気付いてはいない。
「待ち伏せするか」
「きゃん」
幸いにも俺たちのいる場所は風下だ。臭いでゴブリンに気付かれることはない。
俺とブルータスは息を潜めてゴブリンの集団が近付くのを待ち構えた。
・・・・・・今だ!
目と鼻の先にまで近付いたゴブリンの集団。
俺は立ち上がり一気に間合いを詰めると手にしたメイスを振りかぶる。
完全な奇襲。一体のゴブリンは何も反応出来ずに頭を爆ぜた。
「きゃん!」
俺に続くように、ブルータスが一鳴きしてゴブリンに向かって駆け出す。
そして、素早く懐に飛び込むと、ゴブリンの攻撃を躱して、その喉を噛み千切る。
首から血を噴き出しながら倒れていくゴブリン。
ブルータスは返り血を浴びることなく地面に降り立った。
プッ。
噛み千切ったゴブリンの肉片を吐き出すブルータス。倒したゴブリンを見下すその眼差しは、『ふん。雑魚が』とでも言っているかのようだ。
うわー、瞬殺かよ。想像以上に戦闘能力高かった。あれだと、普通の人間は首を噛まれたら終わりだな。
ブルータスはそんなことを考えている俺の顔と、自分が倒したゴブリンの死体を見比べては首を捻っていた。
きっと、俺の首を噛み千切れなかったことが不思議なのだろう。
まあ、そう思うのも無理はない。俺の体の質感は他の人間と変わらないのに、その強靭さは桁違いに高いからな。
「ぼさっとしてると危ないぞ」
「きゃん!」
俺が二体目のゴブリンを倒し、三体目を相手にしながらブルータスにそう声を掛ける。
ブルータスは分かっているとでも言いたげに一鳴きして新たな標的に向かっていった。
この後も終始俺たちがゴブリンたちを圧倒し続ける。
俺が四体を、ブルータスが三体を仕留めたところで一体のゴブリンが逃げ出していた。
「きゃん!」
ブルータスが逃げたゴブリンを懸命に追い掛ける。
だが、その牙がゴブリンを仕留めることは叶わなかった。
なぜなら、その牙が届くより先に俺の投げたメイスがゴブリンを仕留めたのだから。
「これで五対三だな」
「・・・」
そう呟く俺を不満気に振り返るブルータス。獲物を横取りされたと思っているのだろう。
「早い者勝ちだ」
「・・・」
俺としても倒したゴブリンの数で並ばれる訳にはいかなかったからな。
ゴブリンの集団を見付けたのはブルータスだし、その上、倒した数まで並ばれてはブルータスの貢献度の方が確実に高くなってしまうから。
見た目子犬に負ける訳にはいかないのですよ。
「さて、鼻と魔石を回収するか」
倒したゴブリンをお金に換えるのに必要な作業。臭くて気持ち悪いからといってやらない訳にはいかない。
そうして、俺がゴブリンの鼻と魔石を回収する間、ブルータスは風上にいて近付いてはこなかった。
きっと、ゴブリンの臭いが嫌いなのだろう。臭いから。
嗅覚が鋭いと不快感も増しそうだし。
「・・・よし、終わった!そろそろ昼だし、休憩出来そうな所で昼食にしようか」
「きゃん!」
俺はゴブリン八体分の鼻と魔石、それと、鉄製の槍の穂先を回収し終えたところでそう告げる。
ブルータスは昼食と聞くと尻尾を振りながら駆け寄ってきた。
現金な奴である。
それから俺たちは休憩をするのに適した場所を見付けて昼食にする。
「ほら、お前の分だ」
「きゃん!」
ブルータスの前に置いてやると、勢いよく噛り付いている。
いつも思うが、本当にこの小さな体のどこに入っていくんだと思う食べっぷりだ。
俺もそんなブルータスを横目で見ながら焼いた肉を挟んだパンに噛り付く。
これまで色々な屋台で料理を買ってきたけど、屋台の料理はどこも同じような味だな。不味くはないけど、美味くもない味。
まあ、冷めているし、調味料が塩しかないから仕方ないけどさ。
「はあー、テリヤキバーガー食べたい」
こう毎日毎日塩味の固い肉が挟まった固いパンを食べていると、大好きだったあの味が無性に恋しくなる。
甘辛い照り焼きのハンバーグにマヨネーズの酸味とコクが合わさったあの味が。
「きゃん?」
俺がテリヤキバーガーを懐かしんでいると、ブルータスが食べるのを止めて見上げてくる。
「ん?なんだ?テリヤキバーガーに興味があるのか?」
「きゃん!」
どうやらブルータスはテリヤキバーガーに興味があるらしい。
こいつはかなり食い意地が張っているから気になるんだろう。
俺は食事を続けながらテリヤキバーガーのことを説明してやった。
「・・・まあ、この街じゃ調味料が無いから食べられないけどな」
「くーん」
残念そうにするブルータス。
だけど、お前以上に俺の方が残念に思っているよ。俺はあの味を知っているのだから。
でも、本当に調味料、醤油が無いからどうにもならないんだよな。
この世界に醤油があるかどうかも分からないし。
マヨネーズの方は作れそうだけど。
生活に余裕が出来たら作ってみようかな。
「さて、昼飯も食べたし、しばらく休憩したら狩りを再開するからな」
「きゃん」
そうして食休みを取った後、俺たちは狩りを再開した。
昼からの狩りではゴブリンを更に二体討伐し、兎を三羽仕留めることが出来た。
それらを見付けたのはブルータスだけど。
純粋に俺の成果と言えるのは薬草類を幾つかだけだよ。
「よう、遅かったじゃねえか」
「早くこっち来い。腸詰だぞ」
「ほら、これも食え」
「きゃん!」
冒険者ギルドに入るなり、アルド、ザウバ、ゲランの三人組に出迎えられた。
俺じゃなく、ブルータスが。
ブルータスは三人から餌を貰ってご機嫌なのか、尻尾を振りながら餌を貪りだした。
「これも飲んで」
「きゃん!」
ウエイトレスのお姉さんがミルクを入れた平皿をブルータスの目の前に置く。
すると、ブルータスはすぐに首を突っ込んでそれを舐めだす。
ウエイトレスのお姉さんはそんなブルータスを愛おしそうに撫でていた。
俺はそんな様子を見ながら今日の成果を換金する。
今日の成果はゴブリン十体討伐と魔石十個、鉄製の槍の穂先一本、兎三羽、ルトの実十個、薬草類が少々、合計で銀貨四枚と銅貨四枚と四分銅貨三枚だった。
これまでよりも大幅に上がった金額。この点についてはブルータスを飼うことにした利点だろう。
それにしても、ルトの実って高級品なんだな。一個銅貨一枚で買い取ってくれたよ。
「ブルータス、帰るぞ」
「え、もう帰るんですか?」
お金も貰ったし、他に用事も無いので帰ろうとしたところ、受け付けのお姉さんに呼び止められた。
何か俺に用でもあるのだろうかと思ったけど、その視線はちらちらとブルータスの方を見ていた。
如何やら、引き留めたいのは俺じゃなくブルータスの方らしい。
「おいおい、まだ帰るには早いだろ」
「そうだぞ。ゆっくりしていけ」
「一杯飲んでいけばいい。奢ってやるからよ」
酒飲み三人組もブルータスに構いたいらしい。
俺の肩に腕を回して絡んできた。
酒臭い、いかついおっさんたちにまとわりつかれるのは罰ゲームでしかない。
俺はすぐに帰りたくなった。
「すみませんが、この後用事があるので」
俺はこの罰ゲームみたいな状況から逃れようと、おっさんたちを振り払って帰ろうとした。
用があるのは嘘じゃないし。
「そんなに慌てなくてもいいじゃない。もっとゆっくりしていきましょ。せっかく先輩たちが奢ってくれるって言ってるんだし。ね」
「そうだよ。ゆっくりしていこ」
三人の酒臭いおっさんから逃れた俺に、ウエイトレスのお姉さんたちが両サイドから囁いてくる。
俺の腕をその胸の谷間に埋めながら。
ふおおおお、腕が天国にいる!!!
服越しでも分かる柔らかな感触。こんなことをされたら答えなど一つだけだ。
「はい!ゆっくりしていきます!」
「はーい、一名様ご案内」
「座って座って」
俺はウエイトレスのお姉さんたちに案内されるままに席に着くと、三人組と一緒に軽めに食事をした。
ウエイトレスのお姉さんたちに滅茶苦茶サービスされながら。
一部から怨嗟の混じった声が聞こえた気がするけど、気にしてはいけないのだよ。
それにしても、ブルータスは人気者だ。
ウエイトレスのお姉さんたちをはじめとした女性陣からは勿論、三人組をはじめとしたおっさん冒険者たちからもちやほやされている。
昨日の今日なのに凄い人気だ。
これはどう考えても表立って敵対するのはよろしくない。
ブルータスの一番厄介な能力は、この人を魅了する姿なのかもな。
「それじゃあ、そろそろ失礼します」
「あ、もう帰るのかよ」
「もっとゆっくりしていけ」
「すみません。本当に用事があるので」
俺はこの後、ブルータスを飼うのに必要な物を買いに行く。
だから、あまり長居して店が閉まってしまうと困るだ。
「チッ、しゃあねえな」
「明日は朝から顔を出せよ」
「冒険者なら依頼書のチェックはしないとな」
「はい。分かりました」
朝から顔を出せね。
そこまでブルータスに構いたいのか。
まあ、朝に冒険者ギルドに寄るくらい大した手間でもないので構わないけど。
ギルドランクが昇格したら依頼書のチェックをしに来ないといけないのは確かだし。
「行くぞ、ブルータス」
「きゃん!」
「ご馳走様でした」
「きゃん!」
俺たちは大勢の人に見送られながら冒険者ギルドを後にする。
そして、雑貨屋でブルータスの寝床を作るのに必要な物を買い揃え、風呂屋に寄って宿に戻った。
宿に戻ってきた俺たちは、宿でも食事を取る。
やっぱり、食事は白百合亭が一番美味しい。
それにしても、ブルータスの胃袋はどうなっているのだろう?奴はギルドでも大量に飲み食いしていたというのに、宿でも俺以上に食べるのだ。
どう考えても体の大きさとつり合わない。
魔物の生態は謎ばかりだ。
食事を終えた俺はブルータスの寝床を作る作業に掛かった。
まあ、買ってきた浅目の木箱に布を敷き詰めるだけだけど。
「よし、出来た。今日からこれがお前の寝床な」
「よかったね。ブルータス」
「きゃん」
作業時間数分。浅目の木箱に布を敷き詰めたブルータスの寝床が出来上がった。
設置場所は食堂の入り口付近。
ここならサーシャちゃんやイリーナさんもブルータスのことを構い易い。
まあ、それ以上に、俺の寝首を掻こうとする奴なので、俺の部屋以外にいさせようという思いからこの場所にしたのだけど。
「じゃあ、お休み」
「おやすみ、ブルータス」
「・・・きゃん!」
俺とサーシャちゃんはブルータスを食堂に残してそれぞれの部屋で就寝した。
朝起きるとなぜかブルータスがベッドに乗っていて、俺の顔を覗き込んでいた。
「・・・。何でお前がここにいる?」
「・・・?」
ブルータスは俺の問いに、『そんなことも分からないの』とでも言いたげに首を傾げやがった。
ああ、お前がここにいる理由は分かるさ。どうせ俺の首を噛み千切ろうとしていたのだろう。
首を触ってみれば涎が付いていたので間違いない。
俺が知りたいのはそんなことじゃなかった。
「扉は閉まっていたはずだぞ。どうやって入った?」
「・・・」
ブルータスが扉を振り向くのを見てそちらを向くと、家具のバリケードの向こうに穴の開いた扉が見えた。
「・・・」
「・・・」
マジか。こいつ扉壊して入ってきたのかよ。全然気付かなかった。
寝ていたとはいえ、気付かれずに扉に穴を開けたことには驚かされる。
「どうやって穴を開けたんだ?」
「きゃん!」
俺の質問に、ブルータスはどや顔で前足の爪を見せてくる。
「そうか。爪で開けたのか。だけど、それは誇らしいことじゃないぞ。宿の扉を壊したんだからな。リリーに謝らないといけない」
「・・・」
俺が告げた内容に、どや顔だったブルータスが一気に青ざめる。
「ほら、行くぞ」
「・・・」
俺は家具のバリケードを片付けると、ブルータスを抱えてリリーの所に向かった。
ブルータスが扉に穴を開けた証拠はそのままに。
俺たちは食堂に着くと、事情を説明してリリーに謝った。
「そう。ちょっと確認させてもらうわね」
俺たちはリリーとサーシャちゃんを連れて俺の部屋へと戻って現場を確認した。
「・・・。その子が扉に穴を開けたのは間違いなさそうね」
リリーが現場検証を終えてそう告げる。
「すみません」
「くーん」
俺とブルータスがリリーに再度謝る。
「如何やらその子は魔物のようね。それもかなり高位の」
「こいつがどんな魔物なのか分かりますか?」
リリーは元三等級の冒険者だ。
ブルータスの正体について何か心当たりがないか聞いてみた。
「今のところ特定することは出来ないわ。情報が足りないもの」
「そうですか」
リリーにも分からないか。
確かに、今の段階で得られた情報は強い犬って感じでしかないものな。
「ブルータスまものなの?」
「ええ。魔物よ」
「じゃあ、たおさなきゃいけないの?いっしょにいちゃダメなの?」
「くーん・・・」
そうだよな。
ブルータスが魔物だって判明したら一緒にはいられないか。
「そんなことないわよ。人と意思の疎通が出来る高位の魔物なら共存も可能だもの。人に危害を加えなければ問題無いわ」
「じゃあ、このままここにいていいんだね?」
「ええ。構わないわ」
人間と魔物の共存か。いいね。そういうの。
「人に危害を加えた時は毛皮にするだけだもの。多分、その子もいい値が付くわ」
「・・・」
「・・・」
「・・・くーん」
薄らと笑みを浮かべてそう告げるリリーに、俺とサーシャちゃんは黙り込み、ブルータスは俺の後ろに隠れた。
怖いから!あんたの笑顔は怖いから!!!
魔物を値踏みする辺り、リリーはやはり元冒険者だよ。
「でも、よかったね、ぶるーたす!いっしょにいてもいいんだって!」
「きゃん!」
サーシャちゃんはしゃがみ込んで俺の後ろに隠れたブルータスを抱き上げる。
そして、優しくなでながら別れずに済むことを喜んでいた。
「それはそうと、修繕費は出してもらうわよ」
「はい」
「くーん」
リリーが告げたことに頷く俺とブルータス。
ブルータスがやったことなので扉の修繕費を出さないといけないのは仕方がない。
かなりいい材料を使っているらしいので金額が気になるけど。
それはともかく、また扉を壊されてもいけないし、ブルータスの寝床は俺の部屋に置くしかないな。
俺の寝首を掻こうとしている奴と同部屋ってのはいい気分じゃないけど。
「きゃん!」
俺の問い掛けに、ブルータスは元気に返事をした。
どうやら俺が狩りに行くのに同行するらしい。
「そっか。じゃあ、お前の昼食も買って行かないとな」
「きゃん!」
「ミルクでいいか?」
「・・・」
俺の問いにブルータスは首を横に振る。
やはり人間が話す内容をはっきりと理解しているようだ。
「じゃあ、生肉?」
「・・・」
「干し肉?」
「・・・」
ブルータスは首を横に振るばかり。
こうなってくると何を与えればいいのか分からない。
「なら、俺と同じものを屋台で買うのでいいか?」
「きゃん!」
俺と同じものでいいかと提案してみれば、ブルータスは元気よく一鳴きしてくる。
昨日も腸詰など人間が食べるものをガンガン食べてたし、もう食事は俺と同じものでいいだろう。
体調が悪くなったとしても自業自得だ。
俺たちは昼食を屋台で買うと、森へと向かった。
森へと入った俺たちは探索しつつ奥へと進む。
いつものように、狩りや採集で稼ぐことが目的だが、今日はそれ以外に別の目的がある。
それは、ブルータスの能力を可能な限り確認することだ。
その為、周囲の探索だけでなく、ブルータスの様子にも注意を払っていた。
移動能力についてはかなり高い。街からここまで遅れることなくついて来ているのだから。
それどころか、俺の前を走って急かすこともあるくらいだ。
生後間もない姿にしか見えないというのに。
この分では昨日のよちよち歩きは擬態だったんだろうな。完全に騙されたよ。
移動能力以外に確認出来たものは嗅覚だ。
子犬のような外見から嗅覚も鋭いと思っていたけど、やはりその能力は高い。
先日食べたルトの実。あれの生る木を匂いで遠方から発見出来るのだから。
いきなり走り出したから何かと思ったけどさ。
そして、今は俺に実を採れと催促してきている訳だ。
「これでいいか?」
「・・・」
「違うのか。あ、こっちの実か?」
「きゃん!」
匂いで熟れ具合を判断しているのか、採る実の指定までしてくる。
顎で使われているような状態に若干イラッとすることはあるけど、この実を見付けてくれた功労者にはサービスしないとな。
「ほら。これでいいだろ」
「きゃん!」
俺が採って地面に置いたルトの実にかぶりつくブルータス。
俺もそれを見ながら採ったルトの実を口にする。
「うん。やっぱり美味いな。いくつかサーシャちゃんたちへのお土産に持って帰ろう」
俺はルトの実を採って、サーシャちゃんたちへのお土産用と、ギルドで売却する用に分けた。
数はそれぞれ十個ずつだ。
「じゃあ、行くか」
「きゃん!」
ルトの実を得るのに役に立ったブルータスの嗅覚。
その能力は索敵面でも力を発揮した。
「きゃん。ううううう」
ブルータスが小さく鳴く。何かを警戒しているみたいだ。
しばらくすると、ゴブリンの集団が近付いてくるのが見えた。その数八体。
まだ、こちらに気付いてはいない。
「待ち伏せするか」
「きゃん」
幸いにも俺たちのいる場所は風下だ。臭いでゴブリンに気付かれることはない。
俺とブルータスは息を潜めてゴブリンの集団が近付くのを待ち構えた。
・・・・・・今だ!
目と鼻の先にまで近付いたゴブリンの集団。
俺は立ち上がり一気に間合いを詰めると手にしたメイスを振りかぶる。
完全な奇襲。一体のゴブリンは何も反応出来ずに頭を爆ぜた。
「きゃん!」
俺に続くように、ブルータスが一鳴きしてゴブリンに向かって駆け出す。
そして、素早く懐に飛び込むと、ゴブリンの攻撃を躱して、その喉を噛み千切る。
首から血を噴き出しながら倒れていくゴブリン。
ブルータスは返り血を浴びることなく地面に降り立った。
プッ。
噛み千切ったゴブリンの肉片を吐き出すブルータス。倒したゴブリンを見下すその眼差しは、『ふん。雑魚が』とでも言っているかのようだ。
うわー、瞬殺かよ。想像以上に戦闘能力高かった。あれだと、普通の人間は首を噛まれたら終わりだな。
ブルータスはそんなことを考えている俺の顔と、自分が倒したゴブリンの死体を見比べては首を捻っていた。
きっと、俺の首を噛み千切れなかったことが不思議なのだろう。
まあ、そう思うのも無理はない。俺の体の質感は他の人間と変わらないのに、その強靭さは桁違いに高いからな。
「ぼさっとしてると危ないぞ」
「きゃん!」
俺が二体目のゴブリンを倒し、三体目を相手にしながらブルータスにそう声を掛ける。
ブルータスは分かっているとでも言いたげに一鳴きして新たな標的に向かっていった。
この後も終始俺たちがゴブリンたちを圧倒し続ける。
俺が四体を、ブルータスが三体を仕留めたところで一体のゴブリンが逃げ出していた。
「きゃん!」
ブルータスが逃げたゴブリンを懸命に追い掛ける。
だが、その牙がゴブリンを仕留めることは叶わなかった。
なぜなら、その牙が届くより先に俺の投げたメイスがゴブリンを仕留めたのだから。
「これで五対三だな」
「・・・」
そう呟く俺を不満気に振り返るブルータス。獲物を横取りされたと思っているのだろう。
「早い者勝ちだ」
「・・・」
俺としても倒したゴブリンの数で並ばれる訳にはいかなかったからな。
ゴブリンの集団を見付けたのはブルータスだし、その上、倒した数まで並ばれてはブルータスの貢献度の方が確実に高くなってしまうから。
見た目子犬に負ける訳にはいかないのですよ。
「さて、鼻と魔石を回収するか」
倒したゴブリンをお金に換えるのに必要な作業。臭くて気持ち悪いからといってやらない訳にはいかない。
そうして、俺がゴブリンの鼻と魔石を回収する間、ブルータスは風上にいて近付いてはこなかった。
きっと、ゴブリンの臭いが嫌いなのだろう。臭いから。
嗅覚が鋭いと不快感も増しそうだし。
「・・・よし、終わった!そろそろ昼だし、休憩出来そうな所で昼食にしようか」
「きゃん!」
俺はゴブリン八体分の鼻と魔石、それと、鉄製の槍の穂先を回収し終えたところでそう告げる。
ブルータスは昼食と聞くと尻尾を振りながら駆け寄ってきた。
現金な奴である。
それから俺たちは休憩をするのに適した場所を見付けて昼食にする。
「ほら、お前の分だ」
「きゃん!」
ブルータスの前に置いてやると、勢いよく噛り付いている。
いつも思うが、本当にこの小さな体のどこに入っていくんだと思う食べっぷりだ。
俺もそんなブルータスを横目で見ながら焼いた肉を挟んだパンに噛り付く。
これまで色々な屋台で料理を買ってきたけど、屋台の料理はどこも同じような味だな。不味くはないけど、美味くもない味。
まあ、冷めているし、調味料が塩しかないから仕方ないけどさ。
「はあー、テリヤキバーガー食べたい」
こう毎日毎日塩味の固い肉が挟まった固いパンを食べていると、大好きだったあの味が無性に恋しくなる。
甘辛い照り焼きのハンバーグにマヨネーズの酸味とコクが合わさったあの味が。
「きゃん?」
俺がテリヤキバーガーを懐かしんでいると、ブルータスが食べるのを止めて見上げてくる。
「ん?なんだ?テリヤキバーガーに興味があるのか?」
「きゃん!」
どうやらブルータスはテリヤキバーガーに興味があるらしい。
こいつはかなり食い意地が張っているから気になるんだろう。
俺は食事を続けながらテリヤキバーガーのことを説明してやった。
「・・・まあ、この街じゃ調味料が無いから食べられないけどな」
「くーん」
残念そうにするブルータス。
だけど、お前以上に俺の方が残念に思っているよ。俺はあの味を知っているのだから。
でも、本当に調味料、醤油が無いからどうにもならないんだよな。
この世界に醤油があるかどうかも分からないし。
マヨネーズの方は作れそうだけど。
生活に余裕が出来たら作ってみようかな。
「さて、昼飯も食べたし、しばらく休憩したら狩りを再開するからな」
「きゃん」
そうして食休みを取った後、俺たちは狩りを再開した。
昼からの狩りではゴブリンを更に二体討伐し、兎を三羽仕留めることが出来た。
それらを見付けたのはブルータスだけど。
純粋に俺の成果と言えるのは薬草類を幾つかだけだよ。
「よう、遅かったじゃねえか」
「早くこっち来い。腸詰だぞ」
「ほら、これも食え」
「きゃん!」
冒険者ギルドに入るなり、アルド、ザウバ、ゲランの三人組に出迎えられた。
俺じゃなく、ブルータスが。
ブルータスは三人から餌を貰ってご機嫌なのか、尻尾を振りながら餌を貪りだした。
「これも飲んで」
「きゃん!」
ウエイトレスのお姉さんがミルクを入れた平皿をブルータスの目の前に置く。
すると、ブルータスはすぐに首を突っ込んでそれを舐めだす。
ウエイトレスのお姉さんはそんなブルータスを愛おしそうに撫でていた。
俺はそんな様子を見ながら今日の成果を換金する。
今日の成果はゴブリン十体討伐と魔石十個、鉄製の槍の穂先一本、兎三羽、ルトの実十個、薬草類が少々、合計で銀貨四枚と銅貨四枚と四分銅貨三枚だった。
これまでよりも大幅に上がった金額。この点についてはブルータスを飼うことにした利点だろう。
それにしても、ルトの実って高級品なんだな。一個銅貨一枚で買い取ってくれたよ。
「ブルータス、帰るぞ」
「え、もう帰るんですか?」
お金も貰ったし、他に用事も無いので帰ろうとしたところ、受け付けのお姉さんに呼び止められた。
何か俺に用でもあるのだろうかと思ったけど、その視線はちらちらとブルータスの方を見ていた。
如何やら、引き留めたいのは俺じゃなくブルータスの方らしい。
「おいおい、まだ帰るには早いだろ」
「そうだぞ。ゆっくりしていけ」
「一杯飲んでいけばいい。奢ってやるからよ」
酒飲み三人組もブルータスに構いたいらしい。
俺の肩に腕を回して絡んできた。
酒臭い、いかついおっさんたちにまとわりつかれるのは罰ゲームでしかない。
俺はすぐに帰りたくなった。
「すみませんが、この後用事があるので」
俺はこの罰ゲームみたいな状況から逃れようと、おっさんたちを振り払って帰ろうとした。
用があるのは嘘じゃないし。
「そんなに慌てなくてもいいじゃない。もっとゆっくりしていきましょ。せっかく先輩たちが奢ってくれるって言ってるんだし。ね」
「そうだよ。ゆっくりしていこ」
三人の酒臭いおっさんから逃れた俺に、ウエイトレスのお姉さんたちが両サイドから囁いてくる。
俺の腕をその胸の谷間に埋めながら。
ふおおおお、腕が天国にいる!!!
服越しでも分かる柔らかな感触。こんなことをされたら答えなど一つだけだ。
「はい!ゆっくりしていきます!」
「はーい、一名様ご案内」
「座って座って」
俺はウエイトレスのお姉さんたちに案内されるままに席に着くと、三人組と一緒に軽めに食事をした。
ウエイトレスのお姉さんたちに滅茶苦茶サービスされながら。
一部から怨嗟の混じった声が聞こえた気がするけど、気にしてはいけないのだよ。
それにしても、ブルータスは人気者だ。
ウエイトレスのお姉さんたちをはじめとした女性陣からは勿論、三人組をはじめとしたおっさん冒険者たちからもちやほやされている。
昨日の今日なのに凄い人気だ。
これはどう考えても表立って敵対するのはよろしくない。
ブルータスの一番厄介な能力は、この人を魅了する姿なのかもな。
「それじゃあ、そろそろ失礼します」
「あ、もう帰るのかよ」
「もっとゆっくりしていけ」
「すみません。本当に用事があるので」
俺はこの後、ブルータスを飼うのに必要な物を買いに行く。
だから、あまり長居して店が閉まってしまうと困るだ。
「チッ、しゃあねえな」
「明日は朝から顔を出せよ」
「冒険者なら依頼書のチェックはしないとな」
「はい。分かりました」
朝から顔を出せね。
そこまでブルータスに構いたいのか。
まあ、朝に冒険者ギルドに寄るくらい大した手間でもないので構わないけど。
ギルドランクが昇格したら依頼書のチェックをしに来ないといけないのは確かだし。
「行くぞ、ブルータス」
「きゃん!」
「ご馳走様でした」
「きゃん!」
俺たちは大勢の人に見送られながら冒険者ギルドを後にする。
そして、雑貨屋でブルータスの寝床を作るのに必要な物を買い揃え、風呂屋に寄って宿に戻った。
宿に戻ってきた俺たちは、宿でも食事を取る。
やっぱり、食事は白百合亭が一番美味しい。
それにしても、ブルータスの胃袋はどうなっているのだろう?奴はギルドでも大量に飲み食いしていたというのに、宿でも俺以上に食べるのだ。
どう考えても体の大きさとつり合わない。
魔物の生態は謎ばかりだ。
食事を終えた俺はブルータスの寝床を作る作業に掛かった。
まあ、買ってきた浅目の木箱に布を敷き詰めるだけだけど。
「よし、出来た。今日からこれがお前の寝床な」
「よかったね。ブルータス」
「きゃん」
作業時間数分。浅目の木箱に布を敷き詰めたブルータスの寝床が出来上がった。
設置場所は食堂の入り口付近。
ここならサーシャちゃんやイリーナさんもブルータスのことを構い易い。
まあ、それ以上に、俺の寝首を掻こうとする奴なので、俺の部屋以外にいさせようという思いからこの場所にしたのだけど。
「じゃあ、お休み」
「おやすみ、ブルータス」
「・・・きゃん!」
俺とサーシャちゃんはブルータスを食堂に残してそれぞれの部屋で就寝した。
朝起きるとなぜかブルータスがベッドに乗っていて、俺の顔を覗き込んでいた。
「・・・。何でお前がここにいる?」
「・・・?」
ブルータスは俺の問いに、『そんなことも分からないの』とでも言いたげに首を傾げやがった。
ああ、お前がここにいる理由は分かるさ。どうせ俺の首を噛み千切ろうとしていたのだろう。
首を触ってみれば涎が付いていたので間違いない。
俺が知りたいのはそんなことじゃなかった。
「扉は閉まっていたはずだぞ。どうやって入った?」
「・・・」
ブルータスが扉を振り向くのを見てそちらを向くと、家具のバリケードの向こうに穴の開いた扉が見えた。
「・・・」
「・・・」
マジか。こいつ扉壊して入ってきたのかよ。全然気付かなかった。
寝ていたとはいえ、気付かれずに扉に穴を開けたことには驚かされる。
「どうやって穴を開けたんだ?」
「きゃん!」
俺の質問に、ブルータスはどや顔で前足の爪を見せてくる。
「そうか。爪で開けたのか。だけど、それは誇らしいことじゃないぞ。宿の扉を壊したんだからな。リリーに謝らないといけない」
「・・・」
俺が告げた内容に、どや顔だったブルータスが一気に青ざめる。
「ほら、行くぞ」
「・・・」
俺は家具のバリケードを片付けると、ブルータスを抱えてリリーの所に向かった。
ブルータスが扉に穴を開けた証拠はそのままに。
俺たちは食堂に着くと、事情を説明してリリーに謝った。
「そう。ちょっと確認させてもらうわね」
俺たちはリリーとサーシャちゃんを連れて俺の部屋へと戻って現場を確認した。
「・・・。その子が扉に穴を開けたのは間違いなさそうね」
リリーが現場検証を終えてそう告げる。
「すみません」
「くーん」
俺とブルータスがリリーに再度謝る。
「如何やらその子は魔物のようね。それもかなり高位の」
「こいつがどんな魔物なのか分かりますか?」
リリーは元三等級の冒険者だ。
ブルータスの正体について何か心当たりがないか聞いてみた。
「今のところ特定することは出来ないわ。情報が足りないもの」
「そうですか」
リリーにも分からないか。
確かに、今の段階で得られた情報は強い犬って感じでしかないものな。
「ブルータスまものなの?」
「ええ。魔物よ」
「じゃあ、たおさなきゃいけないの?いっしょにいちゃダメなの?」
「くーん・・・」
そうだよな。
ブルータスが魔物だって判明したら一緒にはいられないか。
「そんなことないわよ。人と意思の疎通が出来る高位の魔物なら共存も可能だもの。人に危害を加えなければ問題無いわ」
「じゃあ、このままここにいていいんだね?」
「ええ。構わないわ」
人間と魔物の共存か。いいね。そういうの。
「人に危害を加えた時は毛皮にするだけだもの。多分、その子もいい値が付くわ」
「・・・」
「・・・」
「・・・くーん」
薄らと笑みを浮かべてそう告げるリリーに、俺とサーシャちゃんは黙り込み、ブルータスは俺の後ろに隠れた。
怖いから!あんたの笑顔は怖いから!!!
魔物を値踏みする辺り、リリーはやはり元冒険者だよ。
「でも、よかったね、ぶるーたす!いっしょにいてもいいんだって!」
「きゃん!」
サーシャちゃんはしゃがみ込んで俺の後ろに隠れたブルータスを抱き上げる。
そして、優しくなでながら別れずに済むことを喜んでいた。
「それはそうと、修繕費は出してもらうわよ」
「はい」
「くーん」
リリーが告げたことに頷く俺とブルータス。
ブルータスがやったことなので扉の修繕費を出さないといけないのは仕方がない。
かなりいい材料を使っているらしいので金額が気になるけど。
それはともかく、また扉を壊されてもいけないし、ブルータスの寝床は俺の部屋に置くしかないな。
俺の寝首を掻こうとしている奴と同部屋ってのはいい気分じゃないけど。
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