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月時雨【12月長編】
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熱々の雑炊を平らげ、少しお腹を休めるために休憩して。このままだと昼寝をしてしまいそうになったところで、体に鞭打ってなんとか起き上がることに成功した。
どんなに雪の散らつく真冬空とはいえ、日差しの中にいるとポカポカする。自然の暖かさというのは、どうしてこうも瞼を重たくしていくんだろう。
「おみ、そろそろ動くぞ」
「ぷみゅ……」
「おみー?」
「うみゃ……んむゅ……」
「なんだその声」
日向の中をコロコロしつつ、少しでも暖かいところを求めて転がっていく。器用だな。でもそのままだと縁側から落ちないか?
しょうがない。おみが起きるのを待っていると日が暮れてしまう。俺一人でも出来ることを先にしておこう。と、その前に。
「一人じゃ寒いだろうな」
いつもなら大の字で寝るはずのおみが、今は両足を縮こまらせていた。肌寒いせいだろう。毛布をかけると本格的に寝落ちてしまうから止めておくが、何も無いのはちょっとな。
奥の階段を登りおみの私室に向かう。布団の上にちょこんと大人しく座っているであろう、おみの相棒を迎えに行くために。
「出番だぞ、しらたき」
ふわふわの頭を撫でながらそう言うと、どこからか「おまかせください!」という声が聞こえた気がした。周りには当然ながら誰もいない。
うーん、空耳か?
「午後からの大掃除はおみの背中にいていいからな。多分、埃まみれにはならないだろうから」
しらたきを抱き上げておみの所へと向かう。腕の中にいるしらたきが、ちょっとだけ浮いたような気がしたけれど。
まあ、気のせいか。
どんなに雪の散らつく真冬空とはいえ、日差しの中にいるとポカポカする。自然の暖かさというのは、どうしてこうも瞼を重たくしていくんだろう。
「おみ、そろそろ動くぞ」
「ぷみゅ……」
「おみー?」
「うみゃ……んむゅ……」
「なんだその声」
日向の中をコロコロしつつ、少しでも暖かいところを求めて転がっていく。器用だな。でもそのままだと縁側から落ちないか?
しょうがない。おみが起きるのを待っていると日が暮れてしまう。俺一人でも出来ることを先にしておこう。と、その前に。
「一人じゃ寒いだろうな」
いつもなら大の字で寝るはずのおみが、今は両足を縮こまらせていた。肌寒いせいだろう。毛布をかけると本格的に寝落ちてしまうから止めておくが、何も無いのはちょっとな。
奥の階段を登りおみの私室に向かう。布団の上にちょこんと大人しく座っているであろう、おみの相棒を迎えに行くために。
「出番だぞ、しらたき」
ふわふわの頭を撫でながらそう言うと、どこからか「おまかせください!」という声が聞こえた気がした。周りには当然ながら誰もいない。
うーん、空耳か?
「午後からの大掃除はおみの背中にいていいからな。多分、埃まみれにはならないだろうから」
しらたきを抱き上げておみの所へと向かう。腕の中にいるしらたきが、ちょっとだけ浮いたような気がしたけれど。
まあ、気のせいか。
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